2026.10.16
SNS広告の費用の内訳|広告費以外にかかる4つの費用と予算の試算手順
SNS広告の費用を社内で見積もるとき、媒体に払う広告費だけで予算を組むと、あとから素材の制作費や運用の手間が見えてきて、計画が崩れます。広告費の相場を調べても、業種や目的によって大きく違い、自社の予算の根拠にはなりにくいのが実情です。

目次
SNS広告の予算を正しく組むには、広告費と、それ以外にかかる費用を分けて洗い出し、目標とする成果の数から逆に試算することが近道です。費用の内訳がわかれば、どこを社内で担い、どこを外部に頼むと費用を抑えられるかも判断できます。
ここでは、SNS広告の費用を、媒体に払う広告費と、それ以外の4つ(素材の制作、運用、計測とツール、社内の人の時間)に分けて整理し、予算の試算の手順、費用を抑える工夫、費用対効果の見方までを解説します。課金形式や入札の仕組みは、別の記事で詳しく扱っています。
SNS広告にどこまで予算をかけるか、集客全体の配分から考える段階で、malnaのマーケティング支援にご相談いただけます。
SNS広告の費用は、広告費とそれ以外の4つに分けて考えます
SNS広告の費用は、媒体に払う広告費と、素材の制作費、運用の費用、計測とツールの費用、社内の人の時間の5つの要素で成り立ちます。見出しでいう「4つの費用」は、5つの要素から広告費を除いた4つを指し、4つを見落とすと、実際にかかる費用が予算を上回ります。
5つの要素を整理すると、次のとおりです。
| 要素 | 内容 | 発生のしかた |
|---|---|---|
| 広告費 | 媒体に払う配信の費用 | 配信の量と課金形式で決まる |
| 素材の制作費 | 画像や動画、広告文をつくる費用 | 素材の本数と差し替えの頻度で決まる |
| 運用の費用 | 配信の設定、入札、配信対象の調整、数字の確認 | 外部に頼む場合は手数料、社内なら人の時間 |
| 計測とツールの費用 | 計測の設定、分析や管理のツール | 初期の設定と、ツールの月額 |
| 社内の人の時間 | 社内での確認、承認、受け皿のページの準備 | 社内の担当者の工数 |
広告費は配信を止めればかからなくなりますが、素材の制作や計測の設定は、配信を始める前に費用が発生します。予算を組むときは、配信を始める前にかかる費用と、配信している間にかかり続ける費用を分けて見ます。

SNS広告の課金形式、入札の仕組み、各媒体の最低金額は、次の記事で解説しています。ここでは、それ以外の費用と予算の組み方に絞ります。
関連記事:SNS広告とは?課金形式と媒体の選び分けを公式情報で解説【2026年版】
広告費は、目的と配信の量で決まります
SNS広告の広告費は、自社で予算を設定し、その範囲で配信される運用型の広告が中心です。広告費の総額は、どの目的で、どれだけの量を配信するかで決まります。
予算の上限を自社で決める
多くのSNS広告では、1日の予算や期間全体の予算を自社で設定します。設定した予算の範囲で配信されるため、想定を超えて広告費がかかる心配は抑えられます。
媒体ごとの最低予算を確かめる
媒体によっては、配信を安定させるための最低予算の基準が示されています。たとえばTikTokのビジネス向けのヘルプ(2026年7月更新)では、日予算の場合、キャンペーンで50米ドル以上、広告セットで20米ドル以上が必要とされています。媒体ごとの基準を確かめ、試したい広告セットの数に応じた予算を見込みます。
検証の期間の広告費も見込む
配信を始めた直後は、結果が安定するまでに時間がかかります。成果が出始めるまでの検証の期間にも広告費がかかることを、最初の予算に含めておきます。
SNS広告の媒体ごとの最低出稿額と課金方式
SNS広告の広告費は、媒体ごとに、最低出稿額の決まりと、何に対して費用が発生するかの課金方式が違います。
| 媒体 | 最低出稿額・最低予算 | 課金方式 |
|---|---|---|
| Meta広告(Facebook・Instagram) | 決まった金額の記載はなく、国や目的、通貨などから最小予算が決まる | 作成時に指定がなければ、通常は表示回数(インプレッション)に応じて課金 |
| X広告 | 最小金額の設定はない | 目的ごとの請求可能なアクションが起きたときだけ課金(例: ウェブサイト訪問数ならリンクのクリック) |
| LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)(旧 Yahoo!広告 ディスプレイ広告/LINE広告) | 決まった料金や初期費用はなく、予算は自由に設定 | クリック課金、ビューアブルインプレッション課金、動画再生課金、友だち追加課金の4つ |
| TikTok広告 | 日予算の場合、キャンペーンで50米ドル以上、広告セットで20米ドル以上 | CPMとoCPMは表示、CPCはクリック、CPVは6秒以上の視聴などで課金 |
表の内容は、2026年10月12日に各媒体の公式ヘルプと料金ガイドで確かめたものです。
Meta広告は、最小予算を満たしていない場合に広告マネージャに警告が出ると説明しています。
結果の単価目標の入札戦略を使う場合、Meta広告は1日の予算を単価目標の5倍以上にするよう呼びかけています。
X(旧Twitter)のX広告は、請求可能なアクションの価格は固定ではなく、オークションで決まると説明しています。
LINEヤフー広告 ディスプレイ広告は、2026年4月1日にLINE広告などを統合して始まった広告で、表に旧称を併記しています。
LINEヤフーは、LINE広告の広告配信を2026年10月下旬頃に停止する予定と公表しています。
LINEヤフー広告 ディスプレイ広告の料金ガイド(2026年7月時点の情報)は、広告予算の目安の計算例を示しています。
1件の獲得に1,000円を使って100件の販売を目指す場合、料金ガイドの計算では広告予算の目安は10万円です。
同じ広告費でも、課金方式によって得られる表示やクリックの数が変わるため、広告の目的に合う課金方式を決めてから予算を見積もります。
参考:Metaビジネスヘルプセンター|最小予算のベストプラクティス(2026年10月12日取得)
参考:Metaビジネスヘルプセンター|Metaの広告料金の請求のしくみ(2026年10月12日取得)
参考:X ヘルプセンター|X広告の料金(2026年10月12日取得)
参考:LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)料金ガイド(2026年10月12日取得)
参考:LINEヤフー for Business|「LINEヤフー広告」プラットフォーム統合リリースについて(2026年10月12日取得)
参考:TikTok ビジネスヘルプセンター|入札方法(2025年8月更新)(2026年10月12日取得)
素材の制作費は、本数と差し替えの頻度で決まります
SNS広告の素材の制作費は、つくる素材の本数と、差し替えの頻度で決まります。SNS広告は同じ素材を出し続けると反応が落ちていくため、配信を続けるかぎり、新しい素材をつくり続ける費用がかかります。
最初に複数の型の素材を用意する
配信の最初には、訴求の違う複数の型の素材を用意し、どれに反応が集まるかを比べます。たとえば、使う場面を見せる素材、悩みから入る素材、価格や特典を示す素材のように、切り口を変えて用意します。1本の素材だけで始めると、反応が悪かったときに理由を判断できません。
差し替えの頻度を見込む
反応が落ちてきた素材を新しいものに差し替える頻度を、あらかじめ見込みます。差し替えの頻度が高い媒体や、動画の素材が中心の媒体ほど、制作費の比重が大きくなります。
社内でつくるか、外部に頼むかで費用が変わる
画像や短い動画を社内でつくれる場合は、制作費は主に社内の人の時間になります。撮影や編集を外部に頼む場合は、1本あたりの費用と、修正の回数の扱いを確かめます。1回の撮影で複数の長さや形式の素材をつくってもらえるかも、費用を抑えるうえで確かめておきたい点です。
運用の費用は、社内で回すか外部に頼むかで形が変わります
SNS広告の運用の費用は、配信の設定、入札や配信対象の調整、数字の確認と改善にかかる費用です。社内で運用すれば人の時間として、外部に頼めば手数料や月額の費用としてかかります。
社内で運用する場合は、人の時間がかかる
社内で運用する場合は、媒体の管理画面の操作、数字の確認、素材の差し替えの判断にかかる時間が、運用の費用になります。慣れるまでは操作に時間がかかるため、最初の数か月は多めに見込みます。週に何時間を運用に使えるかを見積もり、その時間を人件費として考えておきます。
外部に頼む場合は、費用の計算の仕方を確かめる
外部に運用を頼む場合は、費用がどう計算されるかを確かめます。広告費に対する割合で決まるのか、月額の固定なのか、成果に応じて決まるのかによって、広告費を増やしたときの費用の増え方が変わります。素材の制作や報告が費用に含まれるかも、あわせて確かめます。
広告費をどちらの名義で払うかを決める
広告費を自社の広告アカウントから直接払うのか、外部の会社を通して払うのかを決めます。自社の広告アカウントで直接払う形にしておくと、契約を変えても広告の履歴が手元に残ります。
SNS広告を外注するときの手数料の形態
外部に運用を頼むときの手数料の形には、広告費に対する割合、月額の固定、成果に応じた報酬、初期費用があります。
| 形態 | 費用の決まり方 | 広告費を増やしたときの変化 |
|---|---|---|
| 広告費に対する割合 | 媒体に払う広告費に、契約で決めた割合を掛ける | 広告費に比例して手数料も増える |
| 月額の固定 | 作業の範囲に応じて、毎月決まった金額を払う | 作業の範囲が同じなら手数料は変わらない |
| 成果に応じた報酬 | 問い合わせや購入など、成果1件ごとに決めた金額を払う | 成果の数に応じて手数料が増える |
| 初期費用 | アカウントの開設や計測の設定など、配信の前の作業に払う | 最初の月だけかかり、毎月の費用には含まれない |
どの形態でも、手数料に素材の制作や報告が含まれるかで総額が変わるため、見積もりで作業の範囲と計算式を書面で確かめます。
計測とツールの費用は、配信の前にかかります
SNS広告の成果を確かめるための計測の設定と、分析や管理のツールの費用は、配信を始める前に発生することが多い費用です。計測ができていないと、広告費をかけても成果を判断できません。
計測の設定
広告から自社サイトに来た人が、問い合わせや購入をしたかを計測できるように設定します。媒体ごとに計測の設定が必要なことが多く、社内でできない場合は、設定を外部に頼む費用がかかります。
アクセス解析のツール
広告から来た人のサイトでの行動は、アクセス解析のツールで確かめます。Googleアナリティクスのように無料で使えるツールもあるため、まずは無料のツールで計測の土台を整えます。
管理や分析のツール
複数の媒体に広告を出す場合や、配信の結果をまとめて報告したい場合は、管理や分析のツールを使うこともあります。1つの媒体だけで始める段階では、媒体の管理画面とアクセス解析のツールで足りることが多くあります。ツールの月額と、そのツールで減らせる手作業の時間を比べて、導入するかを判断します。
社内の人の時間も、費用として見積もります
SNS広告の費用として見落とされやすいのが、社内の人の時間です。素材の確認と承認、受け皿となるページの準備、問い合わせへの対応など、外部に頼んでも社内に残る仕事があります。
素材の確認と承認
素材や広告文が、表示のルールに沿っているか、会社として出してよい内容かを確認し、承認する時間です。効果を断定する表現や根拠のない最上級の表現は、景品表示法の優良誤認表示に当たるおそれがあるため、確認の手順を決めておきます。
受け皿のページの準備
広告をクリックした人が訪れるページを、広告の内容に合わせて用意する時間です。広告の切り口ごとにページの見出しや内容をそろえると成果が出やすくなりますが、その分の準備の時間がかかります。
問い合わせへの対応
広告から問い合わせが増えれば、その対応の時間も増えます。問い合わせから商談までを担う営業の時間も、広告の成果を受け止める費用の一部です。問い合わせへの対応の体制が足りないと、広告費をかけて集めた見込み客を取りこぼすことになります。
SNS広告の予算の試算の手順
SNS広告の予算は、目標とする成果の数から逆に試算します。広告費だけでなく、素材、運用、計測、社内の時間の費用を足して、総額で判断します。

手順1|目標とする成果と、1件に使える費用の上限を決める
最初に、問い合わせや購入、資料請求など、広告で得たい成果を決め、1か月にどれだけ必要かを決めます。あわせて、1件の成果に使える費用の上限を、1件から見込める売上や利益をもとに決めます。
手順2|広告費の目安を出す
1か月に必要な成果の数に、1件に使える費用の上限を掛けると、1か月の広告費の目安が出ます。たとえば、1か月に20件の成果が必要で、1件に使える上限が1万円なら、広告費の目安は20万円です。この数字は計算の例で、実際の上限は自社の売上や利益から決めます。最初は成果の単価が上限を上回ることも多いため、検証の期間の分を上乗せして考えます。
手順3|広告費以外の費用を足す
素材の制作費、運用の費用、計測とツールの費用、社内の人の時間を見積もり、広告費に足します。配信の前にかかる費用と、毎月かかる費用を分けて書き出すと、最初の月と2か月目以降の予算の違いがわかります。
手順4|検証の期間と判断の基準を決める
試算した予算で、どの期間、何を試すのかを決めます。期間の終わりに、成果の単価が上限に収まっているか、成果の数が目標に近づいているかで、続けるか、配分を変えるか、止めるかを判断します。判断の結果は、次の予算の根拠として記録しておきます。
| 費用の要素 | 配信の前にかかる費用の例 | 毎月かかる費用の例 |
|---|---|---|
| 広告費 | なし | 1か月の配信の予算 |
| 素材の制作費 | 最初の複数の型の素材 | 差し替えの素材 |
| 運用の費用 | 初期の設定 | 配信の調整と数字の確認 |
| 計測とツール | 計測の設定 | ツールの月額 |
| 社内の人の時間 | 受け皿のページの準備 | 確認と承認、問い合わせへの対応 |
媒体と素材の形式で、費用の内訳の比重は変わります
SNS広告の費用の内訳は、どの媒体に、どの形式の素材で出すかによって比重が変わります。広告費が同じでも、動画が中心の媒体では素材の制作費の比重が大きくなり、画像が中心の媒体では差し替えの頻度が費用を左右します。
縦型の動画が中心の媒体は、制作費の比重が大きい
TikTokやInstagramのリールのように、縦型の動画が中心の配信面では、素材の制作に撮影と編集の手間がかかります。同じ素材を出し続けると反応が落ちていくため、定期的に新しい動画をつくる費用を、広告費とあわせて見込みます。
画像が中心の配信面は、差し替えの本数で決まる
画像の素材が中心の配信面では、1本あたりの制作の手間は動画より小さくなる一方、訴求を変えた複数の画像を用意し、反応を見ながら差し替える本数で費用が決まります。
媒体の料金の仕組みは、媒体ごとに確かめる
課金の対象や最低の予算の扱いは、媒体ごとに違います。Facebook広告(Meta広告)の料金の仕組みと支払い方法、TikTok広告の費用と種類は、次の記事でも解説しています。
関連記事:Facebook広告(Meta広告)の料金の仕組みは?課金方法や支払い方法を解説
関連記事:【2024年最新】TikTok広告の費用と種類を解説
BtoBとBtoCで、予算の組み方は変わります
SNS広告の予算の組み方は、BtoBとBtoCで変わります。BtoCは購入までの距離が短く、1件あたりの成果の単価で判断しやすい一方、BtoBは成果が商談や受注として表れるまでに時間がかかり、途中の段階の数字で判断する期間が長くなります。
BtoCは、購入1件あたりの費用で判断する
BtoCの商材は、広告を見てから購入までの距離が短いものが多くあります。購入1件あたりの費用を、総額で計算して上限と比べれば、続けるかどうかを判断しやすくなります。再購入まで含めた売上を見込める場合は、上限を少し高めに置けることもあります。
BtoBは、資料請求や問い合わせの先まで追う
BtoBの商材は、広告から資料請求やセミナーの申し込みを得ても、商談や受注になるまでに時間がかかります。広告の予算を判断するときは、資料請求1件あたりの費用だけでなく、その後どれだけが商談につながったかまで追い、商談1件あたりの費用で見ます。
判断までの期間を、商材に合わせて決める
BtoCなら数週間の配信で判断できることもありますが、BtoBは数か月の検証が必要になることがあります。判断までの期間の広告費と、その間の素材や運用の費用を、最初の予算に含めておきます。

SNS広告の費用を抑える5つの工夫
SNS広告の費用は、検証の範囲を絞る、素材を使い回す、運用と制作の分担を見直す、受け皿を整えてから配信する、成果の出ない配信を早めに止める、の5つの工夫で抑えられます。
検証の範囲を絞る
最初から多くの媒体や広告セットに予算を分けると、どれも判断に足る結果が出ないまま広告費が消えていきます。媒体を1つ、配信対象を1つか2つに絞って始め、結果を見て広げます。
素材を使い回す
アカウントの運用で反応のよかった投稿を、広告の素材として使い回すと、制作費を抑えながら、手応えのある内容に広告費をかけられます。1つの撮影から、複数の長さや形式の素材をつくる方法もあります。
運用と制作の分担を見直す
外部に頼んでいる作業のうち、社内でできるものを社内に移すと、外部の費用を抑えられます。反対に、社内で時間がかかりすぎている作業は、外部に頼んだほうが総額では安くなることもあります。
受け皿を整えてから配信する
広告をクリックした人が訪れるページが整っていないと、広告費をかけても成果につながりません。配信を始める前に、受け皿のページと計測の設定を整えておくことが、広告費の無駄を減らす工夫になります。
成果の出ない配信を早めに止める
決めた期間が終わっても成果の単価が上限に収まらない配信は、続けるほど費用がかさみます。判断の基準を先に決めておき、基準に達しない配信は止めて、成果の出ている配信に予算を寄せます。
外部に頼むときに、見積もりで確かめる5つの項目
SNS広告の運用や制作を外部に頼む場合は、見積もりで、作業の範囲、素材の本数と修正の回数、報告の内容と頻度、契約の期間、広告費の扱いの5つを確かめます。見積もりの総額だけで比べると、含まれている作業の違いを見落とします。
作業の範囲
配信の設定、入札や配信対象の調整、数字の確認と改善の提案など、どこまでの作業が含まれるかを確かめます。計測の設定や受け皿のページの改善が含まれるかも見ておきます。
素材の本数と修正の回数
月に何本の素材をつくってもらえるのか、修正は何回まで含まれるのかを確かめます。差し替えの頻度が高い媒体では、素材の本数が成果を左右します。
報告の内容と頻度
どの数字を、どの頻度で報告してもらえるのかを確かめます。数字の推移だけでなく、何を変えた結果なのか、次に何を試すのかまで報告に含まれるかも見ます。
契約の期間
最低の契約期間と、途中で見直しや解約ができるかを確かめます。SNS広告は検証の期間が必要なため、短すぎる期間では判断できない一方、長すぎる契約は見直しの機会を減らします。
広告費の扱い
広告費を自社の広告アカウントから直接払うのか、外部の会社を通して払うのかを確かめます。外部の会社を通して払う場合は、広告費と手数料が見積もりの中でどう分かれているかも確かめます。
予算を社内で説明するときの書き方
SNS広告の予算を社内で通すときは、目標とする成果、1件に使える費用の上限、費用の内訳、検証の期間と判断の基準の4つを、1枚にまとめて示します。広告費の金額だけを示すと、何のための費用なのか、いつどう判断するのかが伝わりません。
目標と上限から、金額の根拠を示す
予算の金額は、目標とする成果の数と、1件に使える費用の上限から計算した根拠とともに示します。根拠があれば、金額の大きさではなく、計算の前提について社内で議論できます。
内訳を、配信の前と毎月に分けて示す
費用の内訳は、配信の前にかかる費用と、毎月かかる費用に分けて示します。最初の月だけ費用が大きくなる理由が伝わり、2か月目以降の費用の見通しも共有できます。
判断の時期と基準を、先に合意しておく
検証の期間が終わったときに、どの数字がどの水準なら続けるのかを、予算と一緒に合意しておきます。先に基準を決めておけば、結果が出たときの判断で揉めずに済みます。
予算を見直すタイミング
SNS広告の予算は、検証の期間が終わったとき、成果の単価が上限を超え続けたとき、素材の反応が落ちてきたときの3つのタイミングで見直します。
検証の期間が終わったとき
決めた期間が終わったら、成果の数と単価を、目標と上限に照らして判断します。成果の出ている配信に予算を寄せ、成果の出ていない配信は止めるか、設定を変えて試し直します。
成果の単価が上限を超え続けたとき
成果1件あたりの費用が上限を超え続ける場合は、配信対象、素材、受け皿のページのどこに原因があるかを切り分けます。原因が見つからないまま予算を増やすと、費用だけが増えていきます。
素材の反応が落ちてきたとき
同じ素材を出し続けて反応が落ちてきたら、広告費を増やす前に、新しい素材をつくる費用を優先します。反応の落ち方は媒体や素材によって違うため、素材ごとの反応の推移を記録しておきます。素材を差し替えるだけで、成果の単価が戻ることもあります。
最初の3か月の予算の配分の考え方
SNS広告を始めた最初の3か月は、予算を、検証のための配分と、成果の出た配信を伸ばすための配分に分けて考えます。最初から成果を求めて予算を一点に集めると、何が効くのかがわからないまま費用が減ります。
1か月目は、検証に予算の多くを使う
最初の月は、訴求の違う複数の素材や、配信対象の違いを比べることに予算を使います。この時期の目的は、成果を増やすことより、自社に合う素材と配信対象を見つけることです。素材の制作費と計測の設定の費用も、この月に集中します。
2か月目は、反応のよい配信に寄せる
1か月目の結果をもとに、反応のよかった素材と配信対象に予算を寄せます。同時に、新しい素材を少しずつ追加し、次の検証も続けます。
3か月目は、成果の単価を見て予算を判断する
成果の単価が上限に収まり、成果の数も目標に近づいていれば、予算を増やすことを検討します。収まっていなければ、素材や受け皿のページ、配信対象を見直してから、次の予算を決めます。
予算が限られる会社の始め方
SNS広告に使える予算が限られる会社は、媒体を1つに絞る、素材は社内で用意する、計測は無料のツールで整える、の3つで、広告費以外の費用を抑えながら始めます。
媒体を1つに絞る
複数の媒体に予算を分けると、どの媒体でも判断に足る結果が集まりません。顧客の年代や商材の伝わり方から、合いそうな媒体を1つ選び、そこで検証を重ねます。選んだ理由を書き残しておくと、別の媒体に広げるときの判断材料になります。
素材は社内で用意する
スマートフォンで撮った写真や短い動画でも、商品の使い方や雰囲気が伝われば素材になります。社内で用意できる素材から始め、反応のよかった型が見つかってから、外部の制作に費用をかけるかを判断します。
計測は無料のツールで整える
アクセス解析は、無料で使えるツールで土台を整えます。広告のリンクに計測用のパラメータを付けておけば、広告から来た人の行動を追えます。
費用の記録を残す方法
SNS広告の費用は、配信ごとの広告費だけでなく、素材の制作、運用、計測、社内の時間まで含めて、月ごとに記録します。記録があれば、成果1件あたりの費用を総額で計算でき、次の予算を組むときの根拠になります。
月ごとに、5つの要素で記録する
広告費、素材の制作費、運用の費用、計測とツールの費用、社内の人の時間を、月ごとに同じ表に記録します。社内の人の時間は、おおよその時間でも記録しておくと、外部に頼む場合との比較に使えます。誰がどの作業に何時間使ったかまでわかると、分担を見直すときの手がかりになります。
成果の数と並べて記録する
同じ表に、その月の成果の数と、成果1件あたりの費用を並べます。数か月分がたまると、どの月に何を変えたことで費用対効果が変わったのかを振り返れます。
費用の見積もりでよくある3つの抜け
SNS広告の費用の見積もりで抜けやすいのは、検証の期間の費用、素材の差し替えの費用、問い合わせが増えたあとの対応の費用の3つです。どれも配信を始めてから気づくことが多く、予算の不足の原因になります。

検証の期間の費用
配信を始めてから成果が安定するまでの期間にも、広告費と運用の費用がかかります。この期間を見込まずに、最初から目標の単価で予算を組むと、検証の途中で予算が尽きます。
素材の差し替えの費用
最初の素材の制作費だけを見積もり、差し替えの費用を見込まないと、反応が落ちてきたときに新しい素材をつくる予算がありません。差し替えの頻度と本数を、最初の見積もりに含めておきます。
問い合わせが増えたあとの対応の費用
広告がうまくいくほど、問い合わせへの対応や商談の時間が増えます。対応の体制が足りないと、せっかく集めた見込み客を取りこぼします。広告の予算を増やす前に、受け止める側の体制も見直します。
費用対効果は、段階ごとの数字で見ます
SNS広告の費用対効果は、問い合わせや購入1件あたりの費用だけでなく、認知や検討の段階の数字もあわせて見ます。SNS広告は、まだ探していない人に届く広告のため、すぐに成果にならない役割も担っているからです。
1件あたりの費用は、総額で計算する
成果1件あたりの費用は、広告費だけで計算すると低く見えます。社内で上限と比べるときも、総額で計算した単価を使います。素材の制作費や運用の費用も含めた総額で計算すると、SNS広告に実際にかかっている費用がわかります。
後からの検索や再訪も見る
SNS広告を見た人が、その場ではクリックせず、後から商品名や社名で検索して訪れることがあります。広告を出した期間と出していない期間で、商品名や社名での検索の数や、自社サイトへの直接の訪問がどう変わったかも見ておきます。
SNS広告のメリットと、検索広告との役割の違いは、次の記事で解説しています。
関連記事:SNS広告のメリットとは?検索広告と比べた強みと向かない場面
よくある質問
SNS広告の費用は、広告費のほかに何がかかりますか
素材の制作費、運用の費用、計測とツールの費用、社内の人の時間がかかります。広告費は配信を止めればかかりませんが、素材の制作や計測の設定は配信の前に発生します。予算を組むときは、配信の前の費用と毎月の費用を分けて見積もります。
SNS広告の予算は、どう決めればよいですか
目標とする成果の数と、1件に使える費用の上限を決め、掛け合わせて広告費の目安を出します。そこに素材、運用、計測、社内の時間の費用を足して総額を出します。最初は検証の期間の分を上乗せし、期間の終わりに続けるかを判断します。
SNS広告を外部に頼むと、費用はどう変わりますか
運用の費用が、社内の人の時間から、外部への手数料や月額の費用に変わります。費用が広告費に対する割合なのか、月額の固定なのかで、広告費を増やしたときの費用の増え方が変わるため、契約の前に計算の仕方を確かめます。
少ない予算でもSNS広告は始められますか
始められます。ただし、媒体によっては最低予算の基準があり、予算が少ないと判断に足る結果が出るまで時間がかかります。媒体と配信対象を絞り、素材を使い回して制作費を抑えながら、期間を区切って試します。
まとめ
SNS広告の費用は、媒体に払う広告費と、素材の制作費、運用の費用、計測とツールの費用、社内の人の時間の5つの要素で成り立ちます。広告費だけで予算を組むと、配信の前にかかる費用や、毎月かかる制作と運用の費用が抜け落ちます。
予算は、目標とする成果の数と1件に使える費用の上限から広告費の目安を出し、広告費以外の費用を足して総額で試算します。次にやることは、配信の前にかかる費用と毎月かかる費用を、5つの要素ごとに書き出すことです。
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