2026.10.05
X企業アカウントのメリット5つとデメリット|向く会社と始める前の備え
X(旧Twitter)で企業アカウントを始めるか迷うとき、拡散力があるという話と、炎上が怖いという話の両方を耳にします。どちらも間違いではないものの、それだけでは自社が始めるべきかを決められません。

目次
Xの企業アカウントの損得を分けるのは、拡散の力そのものより、返信と即時の対応に人を割けるかどうかです。リアルタイムの会話が中心の媒体だからこそ、メリットとデメリットの両方が、運用の体制から生まれます。
この記事では、Xの企業アカウントのメリット5つとデメリット5つを、総務省の最新の利用率とあわせて整理し、向いている会社の目安と、始める前に備えておくことを解説します。
Xを自社の集客のどこに置くか、他の媒体と比べながら考える段階でも、malnaのマーケティング支援をご利用いただけます。
Xの企業アカウントとは、企業が公式として運用するXのアカウントです
Xの企業アカウントとは、企業や店舗、自治体などが公式の情報発信のために運用するXのアカウントのことです。アカウントの仕組みは個人と同じで、違いは発信の目的と運用の方針にあります。
Xは、短い文章のポストを中心に、リポストや引用、返信によって会話が広がるSNSです。新商品の告知やキャンペーン、イベントの実況、問い合わせへの対応など、時間に沿った情報の発信に向いています。
総務省情報通信政策研究所の「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2026年6月26日公表、13〜79歳の1,800人が対象)によると、Xの利用率は全年代で44.7%でした。年代別の利用率は次のとおりです。
| 年代 | Xの利用率 |
|---|---|
| 10代 | 56.4% |
| 20代 | 73.4% |
| 30代 | 67.7% |
| 40代 | 57.0% |
| 50代 | 40.2% |
| 60代 | 24.8% |
| 70代 | 10.8% |
20代から40代では半数を超える人が利用しており、男女の利用率はいずれも44.7%で差がありませんでした。性別を問わず、働く世代に届く媒体であることがわかります。
参考:総務省|令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)
運用のコツは次の記事で解説しているので、ここでは始めるかどうかの判断に絞ります。
関連記事:【2025年最新版】企業がX(旧Twitter)運用を成功させるコツ|X Premium対応版
Xは、ほかのSNSと比べて「今」の情報が流れる媒体です
Xの特徴は、ほかの主なSNSと比べて、短い文章のポストが時間の流れに沿って広がり、今起きていることについての会話が中心になる点にあります。企業アカウントのメリットとデメリットも、この特徴から生まれます。
総務省情報通信政策研究所の令和7年度の調査から、主なSNSの全年代の利用率を並べると次のとおりです。
| 媒体 | 全年代の利用率 | 主に見られている形式 |
|---|---|---|
| LINE | 92.9% | 友だち登録した相手とのメッセージ |
| 54.8% | 写真と動画 | |
| X(旧Twitter) | 44.7% | 短い文章のポスト |
| TikTok | 36.7% | 縦型の短い動画 |
| 27.0% | 文章と写真の投稿 |
Instagramとの違いは、文章で伝えられること
Instagramは写真や動画が中心のため、見た目で伝わる商材と相性がよい媒体です。Xは文章だけでも投稿でき、お知らせや考え方、商品の背景など、言葉で伝える情報に向いています。撮影の機会が少ない商材でも始めやすい点が、Instagramとの違いです。
LINEとの違いは、まだつながっていない人に届くこと
LINE公式アカウントは、友だち登録をした人にメッセージを届ける仕組みのため、すでに接点のある顧客との関係づくりに向いています。Xはリポストや引用によって、まだフォローしていない人にもポストが届くため、新しい接点づくりに使えます。
媒体は、目的で使い分ける
認知や話題づくりにはX、見た目で伝える商材にはInstagram、既存の顧客との関係にはLINE、というように、目的に合わせて媒体を使い分けると、それぞれのメリットを生かせます。すべての媒体を同時に始める必要はなく、目的に合う媒体から1つずつ始めます。
Xの企業アカウントの5つのメリット
Xの企業アカウントのメリットは、拡散で届く範囲が広がること、情報を即時に届けられること、利用者と会話できること、利用者の声を集められること、文章だけで始められることの5つです。いずれも、リアルタイムの会話が中心というXの特徴から生まれています。
リポストと引用で、フォロワー以外にも届く
Xのポストは、フォロワーがリポストしたり引用したりすることで、そのフォロワーのつながりにも表示されます。広告費をかけずに、自社のフォロワー以外にまで情報が届く可能性がある点がメリットです。
ただし、拡散は狙って起こせるものではありません。拡散を前提にせず、平常時はフォロワーへの到達を基準に計画を立てておくと、評価がぶれません。
新しい情報を即時に届けられる
Xは、投稿した情報がすぐにタイムラインに流れる媒体です。新商品の発売、営業時間の変更、イベントの開始、品切れの案内など、その日のうちに伝えたい情報を届ける手段に向いています。
自社サイトのお知らせを更新するより手軽なので、店舗や施設を持つ会社なら、日々の案内の窓口として使えます。
利用者と会話して、親しみを持ってもらえる
Xでは、返信や引用を通じて、利用者と企業が直接やりとりできます。商品への感想に返信したり、質問に答えたりする積み重ねが、企業への親しみにつながります。
会話を通じて形づくられる印象は、広告では伝えにくいものです。担当者の人柄が伝わる運用ができるのは、Xの持ち味です。
利用者の声を集めて、商品やサービスに生かせる
Xには、商品の使い方や不満、期待が率直に書かれたポストが多く流れています。自社の商品名やサービス名で検索すれば、利用者の声を把握する手がかりになります。
集めた声を商品ページの説明やよくある質問、商品開発に生かせれば、Xは発信の場であると同時に、市場の声を聞く場にもなります。
関連記事:X企業アカウントの運用事例20選|担当者の声から学ぶ体制と投稿のコツ
文章だけで始められる
Xは文章だけでも投稿できるため、写真や動画が中心の媒体と比べて、1本あたりの制作の手間が小さくて済みます。撮影の機会が少ない商材や、BtoBの会社でも始めやすい媒体です。
画像や動画を添えれば目に留まりやすくなりますが、毎回用意する必要はありません。続けやすさを優先して、文章中心の型から始められます。

Xの企業アカウントの5つのデメリット
Xの企業アカウントのデメリットは、炎上のリスクが高いこと、返信の体制が必要になること、ポストが流れて残りにくいこと、成果を測りにくいこと、仕様の変更に左右されることの5つです。どれも、メリットを裏返すと現れる性質です。
拡散しやすい分、炎上のリスクも高い
拡散しやすいというメリットは、不適切な表現や誤った情報も同じ速さで広がるということです。広がったポストは、削除しても画面の保存や引用によって残り続けます。
時事の話題や社会的な出来事に触れるポスト、他社や他者に言及するポストは、特に慎重な確認が必要です。投稿前の確認手順と、問題が起きたときの連絡経路を決めておきます。
返信と対応の体制が必要になる
会話できることはメリットですが、利用者から返信や問い合わせが届けば、対応が求められます。返信が遅れたり、一部の人にだけ返したりすると、かえって不信感を持たれることがあります。
どの問い合わせに、誰が、いつまでに返すかを決めておかないと、担当者が1人で抱え込み、運用が続かなくなります。
ポストが流れて、情報が残りにくい
Xのタイムラインは時間順に流れていくため、ポストが多くの人の目に触れるのは投稿してから短い時間に限られます。じっくり読んでほしい情報や、長く参照してほしい情報には向きません。
長く読まれたい情報は自社サイトにまとめ、Xではその入り口として案内する、という役割分担にすると、流れやすさを補えます。
成果を測りにくい
Xのポストへの反応は数字で見られますが、その反応が問い合わせや購入にどれだけつながったかは、Xの数字だけでは判断できません。リポストが多くても、売上に結びついていないこともあります。
自社サイトへのリンクに計測用のパラメータを付け、Xから来た人の行動を追えるようにしておくと、成果との関係を確かめやすくなります。
仕様や規約の変更に左右される
Xの機能や表示の仕組み、利用条件は、運営会社の判断で変わります。それまで反応が取れていた投稿の形式が、変更を境に届きにくくなることもあります。
Xだけに集客を頼らず、自社サイトやメールマガジンなど、媒体の変化に左右されない接点を持っておくと、影響を小さくできます。
X企業アカウントでよく使われる5つの投稿の型
X企業アカウントの投稿は、お知らせ、役立つ情報、舞台裏、実況、利用者との対話の5つの型に分けると、企画を考えやすくなります。型を決めて組み合わせることで、毎日の投稿の題材に困りにくくなります。1週間のうちどの曜日にどの型を出すかを決めておくと、企画の手間がさらに減り、フォロワーにとっても届く内容の見通しが立ちます。
お知らせの型
新商品の発売、営業時間の変更、キャンペーンの開始など、事実を伝える投稿です。Xの即時性を生かせる型ですが、お知らせばかりが続くと、フォロワーにとって宣伝の多いアカウントに見えてしまいます。
役立つ情報の型
商品の使い方、業界の基礎知識、よく受ける質問への答えなど、読んだ人の役に立つ情報を伝える投稿です。保存や共有をされやすく、フォローする理由になります。BtoBの企業でも取り入れやすい型です。
舞台裏の型
商品がつくられる過程、社員の仕事の様子、新商品の開発の経緯など、普段は見えない部分を伝える投稿です。企業や商品への親しみを持ってもらうことにつながります。登場する社員の了承は事前に得ておきます。
実況の型
イベントや展示会、新店舗のオープンの様子を、その場で伝える投稿です。時間の流れに沿って情報が広がるXの特徴を生かせます。実況の最中は確認の時間が取りにくいため、投稿してよい範囲を事前に決めておきます。写真に写り込む来場者への配慮や、会場で撮影してよい範囲も、イベントの主催者のルールとあわせて確かめておきます。
利用者との対話の型
アンケートの機能を使った問いかけや、利用者の投稿への返信、感想の紹介など、利用者との会話を生む投稿です。会話が生まれると、企業アカウントへの親しみが増します。返信の方針に沿って対応します。
BtoBとBtoCで、X企業アカウントの使い方は変わります
Xの企業アカウントの使い方は、BtoCとBtoBで変わります。BtoCでは商品の話題づくりや顧客との会話、BtoBでは業界の情報発信や採用広報、イベントの告知が中心になります。
BtoCは、話題づくりと顧客対応に使う
BtoCの企業では、新商品の話題づくり、キャンペーンの告知、利用者の感想への返信など、商品を中心にした使い方が多くなります。商品名で検索されたときに、公式の情報が見つかることも、BtoCの企業アカウントの役割です。
利用者からの質問や不満がXに投稿されることもあるため、問い合わせ窓口への案内の仕方を決めておくと、顧客対応の一部としても機能します。
BtoBは、専門性の発信と採用広報に使う
BtoBの企業では、業界の動向や専門的な知識の発信、セミナーや展示会の告知、採用広報が中心になります。Xを見てすぐに問い合わせにつながることは多くありませんが、継続して発信することで、名前を覚えてもらい、専門性を知ってもらうきっかけになります。
発信の題材は、営業の現場で顧客からよく受ける質問や、業界の制度の変更、自社のセミナーで話した内容などから選ぶと、専門性が伝わりやすくなります。営業部門と月に1回題材を出し合う場を設けると、題材が途切れにくくなります。
BtoBでは、会社の公式アカウントに加えて、社員が個人として業界の情報を発信しているケースもあります。社員の個人アカウントでの発信を会社として推奨する場合は、会社の情報を扱うときのルールを別に決めておきます。
炎上を防ぐために、投稿前に確かめる6つの項目
X企業アカウントの炎上を防ぐには、投稿の前に、事実、表現、時事、他者、権利、予約投稿の6つの項目を確かめます。確認の手順を決めるだけでなく、何を確かめるかを項目として文書にしておくと、担当者が替わっても確認の質がそろいます。
事実と数字が正しいか
商品の仕様、価格、日付、数字に誤りがないかを確かめます。誤った情報が広がると、訂正しても最初の投稿ほどは広がりません。
誤解を招く表現になっていないか
短い文章は、書き手の意図と違う意味で受け取られることがあります。皮肉や冗談として書いた表現が、文脈を知らない人には別の意味に見えないかを、書き手以外の人が読んで確かめます。
時事の話題や社会の出来事に触れていないか
事件、災害、政治、社会的な議論に触れる投稿は、企業の立場を問われることがあります。触れる必要がある場合は、責任者の確認を経てから投稿します。
他社や他者に触れていないか
競合他社への言及や、特定の個人を想起させる表現は、意図せず相手を傷つけたり、比較広告の問題になったりすることがあります。他者に触れる投稿は、慎重に確認します。
画像や引用の権利に問題がないか
投稿に使う画像、動画、音楽、他の人の投稿の画面などが、使ってよいものかを確かめます。他の人の投稿を引用する場合も、引用の機能を使い、画面の画像を無断で使わないようにします。
災害や大きな出来事のときに、予約投稿を止められるか
大きな災害や事件が起きたときに、予約してあった宣伝の投稿がそのまま流れると、配慮に欠けると受け取られることがあります。こうしたときに予約投稿を止める担当者と手順を、あらかじめ決めておきます。

Xのメリットが出ているかを確かめる方法
Xの企業アカウントのメリットが出ているかは、ポストへの反応の数字に加えて、自社サイトへの送客、商品名や社名での検索、問い合わせのきっかけの3つの方向から確かめます。Xの中の数字だけでは、事業への貢献が見えにくいためです。
自社サイトへの送客を計測する
ポストに載せる自社サイトのリンクに計測用のパラメータを付けておくと、Xから来た人がサイトで何をしたかを、アクセス解析のツールで確かめられます。どのポストからの訪問が問い合わせや購入につながったかを、月ごとに振り返ります。
商品名や社名での検索の変化を見る
Xで話題になると、その場ではクリックされなくても、後から商品名や社名で検索する人が増えることがあります。検索の分析ツールで、商品名や社名での検索の表示回数の推移を見ておくと、Xの発信が認知に役立っているかの手がかりになります。
問い合わせのきっかけを聞く
問い合わせのフォームに「何で知りましたか」という項目を設けたり、商談の場で聞いたりして、Xがきっかけになった問い合わせを数えます。数字では追えない貢献を把握する方法として、BtoBの企業でも使えます。
プロフィールで伝えておくこと
X企業アカウントのプロフィールは、ポストを見て興味を持った人が、どんなアカウントかを確かめる場所です。公式のアカウントであること、発信する内容、問い合わせの窓口と返信の方針、対応する時間帯を伝えておくと、フォローの判断と、問い合わせの行き違いを防げます。
公式のアカウントであること
会社名や商品名をアカウント名に入れ、自社サイトのリンクを載せて、公式のアカウントであることがわかるようにします。自社サイトの側からもXのアカウントへのリンクを張っておくと、なりすましのアカウントと区別しやすくなります。名前の似たアカウントを見つけたときの対応の窓口も、社内で決めておきます。
発信する内容
新商品の情報、業界の知識、イベントの告知など、どんな内容を発信するアカウントかを短く書きます。フォローするとどんなポストが届くのかが伝われば、フォローする理由になります。
問い合わせの窓口と返信の方針
商品やサービスへの問い合わせを受け付ける窓口へのリンクと、Xでの返信の方針を示しておきます。個別の返信をしない場合は、その旨と問い合わせの窓口を書いておくと、返信がないことへの不満を防げます。
対応する時間帯
担当者が平日の日中だけ運用している場合は、対応する曜日と時間帯をプロフィールに書いておきます。夜間や休日に届いたメッセージへの返信が翌営業日になることを伝えておけば、返信を待つ人の不安を減らせます。
X広告と組み合わせると、届く範囲を広げられます
X企業アカウントの運用とX広告は、組み合わせて使うことで、それぞれの弱点を補えます。運用はフォロワーとの関係を積み上げる手段、広告は費用をかけてフォロワー以外に短期間で届ける手段です。
開設直後は、広告でアカウントを知ってもらう
開設したばかりのアカウントはフォロワーが少なく、運用だけでは届く人が限られます。開設直後の一定の期間だけ広告を使い、アカウントや主なポストを知ってもらうと、運用の立ち上がりを早められます。
反応のよかったポストに広告費をかける
運用で反応のよかったポストは、受け入れられやすい切り口だと考えられます。そのポストを広告として配信すれば、手応えのある内容に広告費をかけられるため、広告の外れを減らせます。
広告の反応を、運用の企画に戻す
反対に、広告で反応がよかった訴求は、通常のポストの企画にも生かせます。運用と広告のあいだで反応の情報を行き来させると、どちらの成果も上げやすくなります。X広告の特徴は、次の記事で解説しています。
関連記事:Twitter広告の特徴や制作ポイント、分析の仕方まで一挙解説!
開設から最初の3か月の進め方
X企業アカウントの最初の3か月は、準備の月、続ける月、見直す月に分けて進めると、無理なく運用を軌道に乗せられます。最初から成果を求めず、運用の型と体制を固めることを目標にします。
1か月目は、準備と最初の投稿
アカウントのプロフィールを整え、運用の目的と見る指標、投稿の型、確認の手順、返信の方針を決めます。そのうえで、型に沿った投稿を始め、1本あたりの作業時間と、確認にかかる時間を記録します。
2か月目は、決めた頻度で続ける
決めた頻度で投稿を続けることを最優先にします。投稿の型ごとに反応を記録し、どの型が目的に近い数字につながっているかを見ます。返信や問い合わせへの対応が、決めた方針どおりに回っているかも確かめます。
3か月目は、型と体制を見直す
2か月分の記録をもとに、反応のよい型を増やし、反応の薄い型は見直します。担当者の負担が大きすぎる場合は、投稿の頻度を下げるか、型を絞って制作の手間を減らします。見直した内容は、運用のルールに反映し、4か月目以降の基準にします。
3つの方向の数字を、月ごとに同じ形式で残す
送客、検索、問い合わせのきっかけの3つの数字は、月ごとに同じ表に残しておきます。1か月だけでは偶然の影響が大きいため、数か月分を並べて傾向を見ます。ポストの反応の数字とあわせて見ることで、どの型のポストが事業の成果に近い動きにつながっているかが判断しやすくなります。
Xの企業アカウントが向いている会社と、慎重に考えたい会社
Xの企業アカウントが向いているのは、即時に伝えたい情報が日常的にあり、返信と確認に人を割ける会社です。反対に、発信の頻度が低い会社や、投稿ごとの承認に時間がかかる会社は、始め方を工夫する必要があります。
判断の目安を次の表にまとめました。
| 観点 | 向いている状態 | 慎重に考えたい状態 |
|---|---|---|
| 発信の材料 | 新商品、イベント、営業の案内など日々の話題がある | 発信できる情報が月に数回しかない |
| 顧客の層 | 20代から40代の働く世代が中心 | 60代以上が中心 |
| 返信の体制 | 返信と問い合わせ対応に担当を割ける | 担当者が兼任で、返信が数日空く |
| 承認の速さ | 定型の投稿は担当者の判断で出せる | 投稿ごとに複数部署の承認が必要 |
| 目的 | 認知や話題づくり、顧客との関係づくり | 短期での問い合わせや売上の増加 |
慎重に考えたい状態に当てはまる場合でも、目的を情報の案内に絞り、返信をしない方針を明示して運用する方法があります。その場合は、プロフィールに問い合わせ窓口を示し、Xでは個別の対応をしないことを伝えておきます。

始める前に備えておく4つのこと
Xの企業アカウントを始める前に備えておくことは、運用の目的と指標、投稿前の確認手順、返信の方針、問題が起きたときの対応の4つです。どれも、デメリットを小さくするための備えです。
運用の目的と見る指標
Xで何を達成したいかを、認知、話題づくり、自社サイトへの送客、顧客対応のどれを主に狙うかで決めます。目的が決まれば、見る指標も決まります。
認知が目的ならポストの表示回数、送客が目的ならリンクのクリック数とサイトでの行動、顧客対応が目的なら返信までの時間を見る、というように、目的と指標を対にしておきます。
投稿前の確認手順
誰が何を確認してから投稿するかを決めます。誤字や事実の誤りに加えて、時事の話題に触れていないか、他者を傷つける表現になっていないかを確認項目に入れます。
定型の投稿は担当者の確認だけで出し、キャンペーンや時事に触れる投稿だけ責任者が確認する、というように投稿の種類で手順を分けると、スピードと安全を両立しやすくなります。
返信の方針
すべての返信に応えるのか、質問にだけ答えるのか、返信はしないのかを決めておきます。方針が決まっていれば、担当者が替わっても対応がそろいます。
個人情報のやりとりが必要な問い合わせは、Xの上で完結させず、問い合わせ窓口に案内するようにしておきます。
問題が起きたときの対応と、広告の表示
ポストへの批判が広がったときや、誤った情報を出してしまったときの連絡経路と判断の手順を、文書にしておきます。担当者が1人で判断しなくてよい状態にしておくことが、投稿の萎縮を防ぐことにもつながります。
あわせて、インフルエンサーに投稿を依頼するなど、企業が関与したポストで広告であることを隠すと、景品表示法の違反になります。消費者庁は令和5年10月1日から、いわゆるステルスマーケティングを規制の対象にしています。
参考:消費者庁|令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。

よくある質問
Xの企業アカウントと個人アカウントに違いはありますか
アカウントの仕組みは同じです。違いは、企業の公式として発信する目的と、それに合わせた運用の方針にあります。企業アカウントでは、投稿前の確認や返信の方針など、個人の判断に頼らない決めごとを持っておく必要があります。
Xの企業アカウントは炎上が怖くて始められません
炎上のリスクは、投稿前の確認手順と、問題が起きたときの連絡経路を決めておくことで小さくできます。時事の話題や他者に触れるポストを慎重に扱い、担当者が1人で判断しなくてよい体制にしておくと、萎縮せずに運用できます。
BtoB企業にXの企業アカウントは向いていますか
文章だけで投稿できるため、撮影の機会が少ないBtoB企業でも始めやすい媒体です。業界の情報やセミナーの告知、採用広報などで接点をつくれます。ただし、問い合わせの増加を短期で求めるより、認知や関係づくりの手段として位置づけるのが現実的です。
返信はすべてのユーザーにしたほうがよいですか
すべてに返す必要はありません。大事なのは、方針を決めて一貫させることです。質問にだけ答える、返信はせず窓口に案内するなど、方針をプロフィールなどで示しておくと、一部の人にだけ返す不公平感を避けられます。
まとめ
Xの企業アカウントには、拡散で届く範囲が広がる、即時に届けられる、利用者と会話できる、利用者の声を集められる、文章だけで始められるという5つのメリットがあります。一方で、炎上のリスク、返信の体制、情報の残りにくさ、成果の測りにくさ、仕様の変更という5つのデメリットもあり、どれも、メリットを裏返すと現れる性質です。
始めるかどうかは、日々の発信材料、顧客の層、返信の体制、承認の速さで判断します。最初に決めるのは返信の方針です。ここが決まれば、必要な人数と運用の形が見えてきます。
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