2026.10.05
SNS自社運用の始め方|少人数で回す役割分担と5つの運用ルール
SNSを外注せず自社で運用しようと決めたものの、誰が何をどこまで担当するのかが決まらないまま、投稿だけが始まってしまうことがあります。担当者が1人で企画から返信までを抱えれば、数か月後に更新が止まっても不思議ではありません。

目次
自社運用が続くかどうかを分けるのは、担当者の熱意ではなく、役割の分け方と運用ルールです。この2つを最初に決めておけば、担当者が替わっても運用は止まりません。
この記事では、SNSを自社で運用するときの役割分担、工数の見積もり方、最初に決めておく5つの運用ルール、続けるための振り返りの仕組みを順に解説します。これからSNSの自社運用を始める担当者の方、外注から切り替えようとしている方に向けた内容です。
自社運用に切り替える前の段取りで手が止まっているなら、malnaのマーケティング支援が相談先になります。
SNSの自社運用とは、企画から振り返りまでを社内の人員で回すことです
SNSの自社運用とは、投稿の企画、制作、投稿、コメントへの対応、数値の振り返りまでを、社内の人員で担う運用の形です。外部に委託する運用代行の反対にあたり、インハウス運用や内製化と呼ばれることもあります。
自社運用と運用代行に優劣はなく、社内に何を残したいかで選び方が変わります。違いを整理すると次のとおりです。
| 観点 | 自社運用 | 運用代行 |
|---|---|---|
| 投稿のスピード | 社内で判断でき、話題に合わせやすい | 依頼と確認の往復が入る |
| 社内の知見 | 投稿の反応や顧客の声が社内に蓄積する | 蓄積は委託先に残りやすい |
| 費用の内訳 | 主に担当者の人件費と制作の手間 | 委託費が中心 |
| 品質の安定 | 担当者の経験に左右される | 委託先の体制に左右される |
| 続けやすさ | 兼任だと繁忙期に止まりやすい | 契約期間中は継続しやすい |
表のとおり、自社運用は社内に知見が残る一方で、担当者の状況に左右されやすい形です。この弱点を役割分担とルールで補うのが、この記事の主題になります。
関連記事:SNS運用代行とは?仕事内容とメリット、おすすめ代行会社を紹介
自社運用で発生する仕事は6つに分けられます
SNSの自社運用で発生する仕事は、方針づくり、企画、制作、投稿、コミュニケーション、振り返りの6つです。少人数で回すには、まずこの6つを書き出し、誰が持つかを決めるところから始めます。
それぞれの仕事の内容と、担当の目安を次の表にまとめました。
| 仕事 | 内容 | 担当の目安 |
|---|---|---|
| 方針づくり | 目的、ターゲット、媒体、指標を決める | 責任者と担当者 |
| 企画 | 投稿テーマと月ごとの予定を決める | 担当者 |
| 制作 | 文章、画像、動画をつくる | 担当者、必要に応じて社内の協力者 |
| 投稿 | 予約投稿と公開、公開後の誤りの修正 | 担当者 |
| コミュニケーション | コメントやメッセージへの返信 | 担当者と代わりの担当者 |
| 振り返り | 数値をまとめ、次の企画に反映する | 担当者と責任者 |
6つを1人で持つことはできますが、方針づくりと振り返りには責任者を入れておきます。担当者だけで方針を決めると、社内で成果を説明するときに「誰が決めた目標なのか」が曖昧になるためです。

少人数で回す役割分担は3つの型から選びます
少人数でSNSを自社運用するときの役割分担は、担当者1人型、担当者と協力者型、複数部署の持ち回り型の3つが基本です。社内の人数と、発信の題材がどこにあるかで型を選びます。
担当者1人型は、判断を速くしたい会社に向いています
担当者1人型は、6つの仕事のうち方針づくりと振り返り以外を1人の担当者が持つ形です。判断が速く、投稿の雰囲気がぶれにくい点が利点です。
弱点は、担当者が休んだときや繁忙期に運用が止まることです。この型を選ぶなら、コメント返信だけは代わりの担当者を決めておき、投稿は予約機能で1〜2週間分を先に用意しておくと止まりにくくなります。
担当者と協力者型は、題材が現場にある会社に向いています
担当者と協力者型は、担当者が企画と投稿を持ち、現場の社員が写真や話題を提供する形です。商品の使い方や作業の様子、イベントの準備など、発信の題材が現場にある会社に合います。
協力者に頼むことは、素材の提供までに絞ります。投稿文まで書いてもらおうとすると協力者の負担が増え、頼みにくくなるためです。社内チャットに素材を投げ込む場所をつくっておくと、頼む手間が減ります。
複数部署の持ち回り型は、発信の幅を広げたい会社に向いています
複数部署の持ち回り型は、営業、採用、商品企画など複数の部署が順番に投稿を担当する形です。1つの部署では出せない幅の話題を発信でき、社内の協力も得やすくなります。
ただし、部署ごとに書き方がばらつきやすくなります。持ち回りにする場合は、次に説明する運用ルールのうち、トーンと表現のルールを先に整えておく必要があります。最終の確認者を1人に固定すると、ばらつきを抑えられます。
自社運用の担当者に求められる5つの力
SNSの自社運用の担当者に求められるのは、企画する力、文章を書く力、写真や動画をつくる力、数字を読む力、リスクを見分ける力の5つです。最初からすべてがそろっている人は少ないため、足りない力を役割分担や運用の型で補う前提で考えます。
企画する力
企画する力は、自社の商品や会社の情報の中から、フォロワーが見たいと思う題材を見つけ、投稿の形にする力です。商品の紹介だけを続けると、フォロワーにとっての価値が薄れます。使い方、つくり手の話、よくある質問への答えなど、切り口を広げる力が求められます。
企画の材料は、営業や店舗、カスタマーサポートなど、顧客に近い部署に集まっています。社内の声を集める窓口を担当者が持っておくと、題材に困りにくくなります。
文章を書く力
文章を書く力は、短い文で要点を伝え、読み手の行動につなげる力です。SNSの投稿は流し読みされることが多いため、最初の1行で何の話かが伝わる書き方が求められます。
トーンと表現のルールを決めておけば、担当者が替わっても文章の印象がそろいます。
写真や動画をつくる力
写真や動画をつくる力は、スマートフォンで撮影し、明るさや構図を整え、短い動画に編集する力です。InstagramやTikTokのように画像や動画が中心の媒体では、この力が投稿の質を大きく左右します。
撮影の場所、構図、使う小道具を型として決めておくと、毎回の手間を減らしながら、アカウント全体の雰囲気をそろえられます。
数字を読む力
数字を読む力は、各媒体の分析機能で投稿ごとの反応を確かめ、次の企画に生かす力です。表示回数、保存やシェアの数、プロフィールへのアクセスなど、どの数字が目的に関わるかを見分ける必要があります。
数字を集めるだけで終わらせず、反応の違いが何から生まれたのかを考える習慣が、運用の改善につながります。最初は、目的に関わる数字を2つか3つに絞って毎週見るところから始めると、数字に慣れていない担当者でも続けられます。
リスクを見分ける力
リスクを見分ける力は、投稿の前に、誤解を招く表現や、他者の権利を侵す素材、時事の話題への不用意な言及に気づく力です。担当者1人の感覚に頼らず、確認の手順とチェックの項目を文書にしておくことで、この力を補えます。投稿するか迷った例とその判断を記録し、月1回の振り返りで共有しておくと、担当者ごとの判断のばらつきも小さくなります。
担当者を育てるための進め方
自社運用の担当者は、最初から完成された人材を探すより、運用しながら育てるほうが現実的です。育てる進め方は、型をまねる段階、型を選ぶ段階、型をつくる段階の3つに分けると、段階ごとに任せる範囲を決めやすくなります。
型をまねる段階
最初の段階では、あらかじめ決めた投稿の型と文章の例に沿って投稿をつくります。企画や判断の負担を減らし、投稿を続けることに集中できるようにします。
この段階では、投稿前の確認を責任者が行い、気づいた点をその場で伝えます。指摘の内容を記録しておくと、次の担当者を育てるときの教材にもなります。
型を選ぶ段階
投稿に慣れてきたら、複数の型の中から、題材に合う型を担当者が選ぶ段階に進みます。月1回の振り返りで、どの型の反応がよかったかを担当者自身に説明してもらうと、数字を読む力も育ちます。
型をつくる段階
運用が安定してきたら、担当者が新しい型を試し、反応がよければ型の一覧に加える段階に進みます。この段階まで来れば、担当者が替わるときに引き継ぐ側になれます。
外部の研修や講座を使う場合も、学んだことを自社の型に落とし込むところまでを、担当者の役割として決めておくと、学びが運用に残ります。
自社運用の最初の1年は、3つの時期に分けて進めます
SNSの自社運用は、最初の1年を、立ち上げの時期、定着の時期、見直しの時期の3つに分けて進めると、時期ごとに何に集中すべきかがはっきりします。最初から成果を求めすぎず、時期に合った目標を置くことが、運用を続けるための前提です。
立ち上げの時期は、続けることを目標にする
始めてから最初の数か月は、決めた頻度で投稿を続けることと、運用ルールが実際に回るかを確かめることを目標にします。フォロワー数や送客の数は、この時期の評価の中心にしません。
定着の時期は、型を増やして反応の違いを学ぶ
運用が回り始めたら、投稿の型を増やし、どの型の反応がよいかを月ごとの振り返りで確かめます。反応のよい型に寄せていくことで、同じ工数でも成果が出やすい運用に近づきます。
見直しの時期は、目的と体制を点検する
1年が近づいたら、目的に対する数字がどう変わったか、体制に無理がないかを点検します。目的に近い数字が伸びていれば体制や媒体を広げ、伸びていなければ目的や媒体、投稿の型を見直します。見直しの結果は、次の1年の運用ルールに反映します。
自社運用の工数は「投稿1本あたり」で見積もります
SNSの自社運用に必要な工数は、投稿1本あたりの作業時間に投稿本数を掛け、返信と振り返りの時間を足して見積もります。工数を先に出しておくと、兼任の担当者に無理な本数を課すことを防げます。
見積もりの手順は次のとおりです。
- 試しに3〜5本を実際につくり、企画から投稿までにかかった時間を記録する
- 1本あたりの平均時間に、予定している週あたりの投稿本数を掛ける
- コメント返信の時間を1日あたりで見積もり、週の時間に直して足す
- 月1回の振り返りにかかる時間を足す
この合計が担当者の確保できる時間を超える場合は、投稿本数を減らすか、投稿の型を決めて制作の手間を減らします。本数を据え置いたまま頑張りで埋めようとすると、数か月後に更新が止まります。
外部の代行から自社運用に切り替える手順
外部の運用代行から自社運用に切り替えるときは、アカウントの権限の引き取り、これまでの運用の記録の受け取り、並行して運用する期間の設定、切り替え後の体制の確定、の4つの手順で進めます。いきなり契約を終えると、ログインできない、投稿の型がわからない、といった問題が起きます。
アカウントの権限を引き取る
最初に、各媒体のアカウントの所有者と管理者が誰になっているかを確かめ、自社の社員が管理者になっている状態にします。委託先の担当者の個人アカウントやメールアドレスに紐づいている場合は、契約が終わる前に付け替えておく必要があります。
これまでの運用の記録を受け取る
次に、委託先が使っていた投稿の型、文章のルール、投稿の予定表、月ごとの振り返りの資料を受け取ります。どの投稿の反応がよかったかの記録は、自社運用を始めたあとの企画の出発点になります。
並行して運用する期間を設ける
切り替えの前に、委託先と自社の担当者が並行して運用する期間を設けると、担当者が実際の作業を見ながら引き継げます。期間中は、投稿の一部を自社の担当者がつくり、委託先に確認してもらう形にすると、切り替え後の品質の落ち込みを抑えられます。
切り替え後の体制を確定する
並行期間のうちに、この記事で紹介した役割分担の型と運用ルールを社内で確定し、責任者と代わりの担当者を決めます。切り替えの日を決めたら、フォロワーに向けて運用体制が変わることを伝える必要はありませんが、投稿の頻度とトーンが急に変わらないよう注意します。

最初に決めておく5つの運用ルール
自社運用を始める前に決めておくルールは、目的と指標、トーンと表現、投稿前の確認、コメントへの対応、問題が起きたときの対応の5つです。長い文書にする必要はなく、1つにつき数行あれば足ります。
目的と見る指標を決める
目的と見る指標を決めるルールは、SNSで何を達成したいかと、それを何の数字で確かめるかを書いたものです。認知を広げたいのか、自社サイトに送客したいのか、採用の応募を増やしたいのかで、見る数字が変わります。
ここを決めずに始めると、フォロワー数だけが評価の基準になりがちです。目的と指標は責任者と担当者で合意し、振り返りのたびに立ち返る基準にします。
関連記事:SNSマーケティングとは?手法5つと媒体の選び分け方を最新データで解説
トーンと表現をそろえる
トーンと表現のルールは、アカウントの話し方と、使わない表現をまとめたものです。敬語の度合い、絵文字やハッシュタグの使い方、社名や商品名の表記をそろえておくと、担当者が替わっても印象がぶれません。
使わない表現も書いておきます。たとえば、根拠のない「業界初」のような言い回し、競合を下げる比較、効果を断定する書き方です。こうした表現は景品表示法などの規制に触れるおそれがあるため、迷ったときに相談する先も一緒に決めておきます。
投稿前の確認手順を決める
投稿前の確認のルールは、誰が何を確認してから投稿するかの手順です。誤字、事実や数字の誤り、写真に写り込んではいけないもの、他者の著作物の扱いなどを確認項目にします。
確認者が多いほど安全に見えますが、承認に時間がかかると投稿の鮮度が落ちます。定型の投稿は担当者の確認だけで出し、キャンペーンや新しい表現を使う投稿だけ責任者が確認するように、投稿の種類で手順を分けると回しやすくなります。
コメントとメッセージの返し方を決める
コメントとメッセージへの対応のルールは、どの問い合わせに、誰が、いつまでに返すかを決めたものです。商品の質問、苦情、採用の問い合わせなど、内容によって返す担当を分けます。
SNSで受けた問い合わせのうち、個人情報のやり取りが必要なものは、SNS上で完結させず問い合わせ窓口に案内するようにしておきます。返信の文例をいくつか用意しておくと、担当者が替わっても対応がそろいます。
問題が起きたときの連絡経路を決める
問題が起きたときの対応のルールは、投稿への批判が広がったときや、誤った情報を出してしまったときの連絡経路と判断の手順です。担当者が1人で抱え込まず、誰に報告し、誰が対応を決めるかを書いておきます。
あわせて、企業が関与した投稿で広告であることを隠すと景品表示法の違反になる点も、ルールに含めておきます。消費者庁は令和5年10月1日から、いわゆるステルスマーケティングを規制の対象にしています。インフルエンサーや社員に投稿を依頼する場合の表示の仕方を決めておくと、意図しない違反を防げます。
参考:消費者庁|令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。

アカウントの管理は個人に紐づけないようにします
SNSのアカウントは、特定の社員の個人アカウントや個人のメールアドレスに紐づけず、会社が管理できる状態にしておきます。担当者の異動や退職のたびにログインできなくなる事態を防ぐためです。
具体的には、次の点を整えておきます。
- ログインに使うメールアドレスを、個人ではなく部署やチームの共有アドレスにする
- 各媒体のビジネス向けの管理機能を使い、複数の社員に権限を付与する
- 二段階認証の連絡先を、担当者個人のスマートフォンだけにしない
- 管理者と権限の一覧を、担当者以外も見られる場所に残す
アカウントの管理を整えておくことは、乗っ取りや誤操作への備えにもなります。権限は必要な人に必要な範囲だけ渡し、異動や退職のときに見直す流れを決めておきます。
自社運用でつまずきやすい4つの場面と対処
SNSの自社運用でつまずきやすいのは、更新が止まる場面、承認が滞る場面、批判的なコメントが付いた場面、担当者が替わる場面の4つです。どれも事前に対処を決めておけば、運用を止めずに乗り切れます。
繁忙期に更新が止まる
担当者が他の業務と兼任していると、繁忙期に投稿が途切れがちです。繁忙期が予想できる場合は、前の月のうちに投稿を予約しておくか、その期間だけ投稿の頻度を下げることをあらかじめ決めておきます。
更新が止まったあとに再開するのは、続けるより負担が大きくなります。頻度を下げてでも、更新を止めないことを優先します。
投稿の承認が滞る
確認者が忙しく、承認待ちの投稿がたまると、投稿の時期を逃します。承認の期限を決め、期限までに返事がなければ担当者の判断で投稿してよい種類の投稿をあらかじめ決めておくと、滞りを防げます。
批判的なコメントが付く
批判的なコメントが付いたときは、すぐに削除したり、感情的に反論したりせず、決めておいた連絡経路で責任者に報告します。事実の誤りがあれば訂正し、意見であれば受け止める、という対応の方針を事前に決めておくと、担当者が1人で抱え込まずに済みます。
担当者が替わる
担当者の異動や退職で運用が止まるのを防ぐには、運用ルール、アカウントの管理一覧、振り返りの記録を、日ごろから引き継ぎの資料として更新しておきます。後任の担当者には、型をまねる段階から始めてもらうと、品質を保ちながら引き継げます。
自社運用を支える管理機能を使い分ける
自社運用では、媒体が用意している管理機能を使うと、予約投稿、メッセージの返信、反応の確認を少ない手間で回せます。担当者の工数を減らす手段として、使える機能を最初に把握しておきます。
FacebookとInstagramは、Meta Business Suiteでまとめて管理できる
Meta for Businessの案内では、Meta Business Suiteについて、Facebook、Messenger、Instagramのビジネスアクティビティをまとめて管理でき、投稿、ストーリーズ、広告の作成と日時の指定、お知らせの確認やメッセージへの返信、インサイトの確認ができると説明されています。
投稿の予約とメッセージの対応を1つの画面で行えるため、FacebookとInstagramの両方を運用する場合は、媒体ごとにアプリを行き来する手間を減らせます。
参考:Meta for Business|Meta Business Suite
予約投稿で、繁忙期の更新を確保する
各媒体の予約投稿の機能を使えば、担当者が手を離せない時期の投稿を、前もって用意しておけます。月の初めにその月の投稿をまとめてつくり、予約しておく運用にすると、日々の作業は返信と振り返りに絞れます。
分析機能の数字を、振り返りの資料に転記する
各媒体の分析機能で見られる数字は、媒体ごとに定義や表示の期間が異なります。月1回の振り返りでは、目的に関わる数字だけを決まった表に転記して、月ごとの推移を見られるようにしておきます。
自社運用の成果を社内に報告する
SNSの自社運用を続けるには、成果を定期的に社内に報告し、運用の価値を理解してもらうことが欠かせません。報告では、目的に対する数字の推移、反応のよかった投稿、得られた顧客の声、次の月に試すこと、かかった工数の5つを、毎回同じ形式で示します。
数字は目的に関わるものだけに絞る
報告に載せる数字は、目的に関わるものだけに絞ります。フォロワー数や表示回数を並べるだけでは、運用が事業にどう役立っているかが伝わりません。自社サイトへの送客や問い合わせ、採用の応募など、目的に近い数字を中心に示します。
顧客の声を添える
コメントやメッセージで届いた顧客の声は、数字では伝わらない運用の価値を示す材料になります。商品への感想、改善の要望、よく届く質問などをまとめて報告すると、商品やサービスの担当部署にとっても役立つ情報になります。
工数をあわせて示す
報告には、その月に運用にかかった時間もあわせて示します。成果と工数を並べることで、体制を増やすべきか、投稿の型を見直して手間を減らすべきかを、社内で判断できるようになります。
次の月に試すことを1つ書いて締める
報告の最後には、振り返りから導いた、次の月に試すことを1つだけ書きます。試すことを毎月1つずつ積み重ねると、報告が実績の羅列で終わらず、運用が改善の流れの中にあることが伝わります。翌月の報告では、その結果から書き始めます。
一部の作業だけを外部に頼む形もあります
自社運用か運用代行かの二択ではなく、運用の大部分は社内で行い、一部の作業だけを外部に頼む形もあります。社内に足りない力を外部で補えば、自社運用のメリットを保ったまま、品質の底上げができます。
たとえば、方針づくりと月1回の振り返りだけを外部の専門家に相談する、撮影や動画の編集だけを外部に頼む、立ち上げの3か月だけ伴走してもらい型づくりを一緒に行う、といった分け方です。
一部を外部に頼む場合も、アカウントの管理権限と運用ルール、振り返りの記録は自社で持ち続けます。頼む作業の範囲と期間を決めておけば、外部の力を借りながら、社内に知見を残せます。
運用を続けるための振り返りの仕組み
SNSの自社運用を続けるには、月に1回の振り返りで、数値と次の企画を結びつける仕組みが必要です。振り返りが投稿の反省会で終わると、担当者の負担が増えるだけで運用は改善しません。
月1回の振り返りで見る3つのこと
月1回の振り返りでは、目的に対する数字の推移、反応がよかった投稿と悪かった投稿の違い、来月に試すことの3つを確認します。見る項目を絞っておくと、30分程度の打ち合わせでも結論を出せます。
反応の違いを見るときは、投稿のテーマ、形式、時間帯など、違いを生んだ要素を1つずつ切り分けて考えます。来月に試すことは1つか2つに絞り、翌月の振り返りでその結果を確かめます。
引き継ぎの資料を運用しながら残す
担当者が替わっても運用が止まらないよう、引き継ぎの資料は運用しながら更新していきます。5つの運用ルール、アカウントの管理一覧、月ごとの振り返りの記録をひとまとめにしておけば、それがそのまま引き継ぎの資料になります。
属人化は、担当者が優秀なほど進みます。周りが任せきりになるからです。担当者が頭の中で判断していることを、振り返りのたびに少しずつ文書に移していくことが、自社運用を長く続けるための備えです。

よくある質問
SNSの自社運用は何人で始められますか
担当者1人でも始められます。ただし、方針づくりと振り返りには責任者を入れ、コメント返信には代わりの担当者を決めておきます。担当者が休んだときに運用が止まらない状態をつくることが、少人数で始めるときの前提です。
運用代行から自社運用に切り替えるときに気をつけることは何ですか
アカウントの管理権限と、これまでの投稿の振り返りの記録を引き取ることです。権限が委託先の個人に紐づいていると切り替えができません。あわせて、委託先が使っていた投稿の型やルールを文書で受け取っておくと、切り替え直後の品質の落ち込みを抑えられます。
投稿の頻度はどのくらいにすればよいですか
続けられる頻度から決めます。試しに数本をつくって1本あたりの作業時間を測り、担当者が確保できる時間に収まる本数を選びます。最初から高い頻度を目標にすると、数か月後に更新が止まる原因になります。
自社運用で成果が出ないときはどうすればよいですか
目的と見る指標が決まっているかを最初に見直します。指標が決まっていれば、月1回の振り返りで反応の違いを要素ごとに切り分け、翌月に試すことを1つか2つに絞って検証します。それでも方針が定まらない場合は、外部に方針づくりだけを相談する方法もあります。
まとめ
SNSの自社運用は、6つの仕事を書き出して担当を決め、工数を投稿1本あたりで見積もり、5つの運用ルールを決めてから始めると続けやすくなります。アカウントを会社の管理下に置き、月1回の振り返りで数値と企画を結びつけておけば、担当者が替わっても運用は止まりません。
最初の一歩は、試しに3〜5本の投稿をつくって作業時間を測り、3つの型から自社に合う役割分担を選ぶことです。
ルールが固まり、SNSから問い合わせまでの流れを社内で回せる形に整えたい段階では、malnaの新規リード獲得戦略にある内製化支援を利用できます。

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