2026.09.21
X運用代行の比較は稼働時間から|X公式の規約で確かめた依頼の線引き
平日にインターネットを使っている人の割合がもっとも高い時間帯は、21時台の40.1パーセントです。総務省情報通信政策研究所が2026年6月26日に公表した調査の数字で、9時台から11時台はいずれも20パーセント台前半にとどまります。企業のXアカウントに反応が集まるのは、多くの代行会社が席を立ったあとということになります。
目次
X運用代行の比較記事を何本読んでも、この話はまず出てきません。並んでいるのは会社名と強みと月額の3列で、その会社が何時から何時まで動いているのかは書かれていないためです。投稿は予約できますが、返信と、投稿を止める判断は予約できません。
そこで、比較表のいちばん左に稼働時間を置く前提で、X運用代行の選び方を組み立て直しました。あわせて、Xが公式ドキュメントで禁じている自動化の範囲と、代行会社に確認しておく項目を、原文の記述にあたって整理しました。
想定しているのは、Xのアカウント運用を初めて外に出す方と、すでに委託していて契約の中身を書き直したい方です。
何を任せて何を残すかの線引きで手が止まっているようでしたら、いまの状況をmalnaにお聞かせください。この線引きが決まらないまま見積の枚数だけが増えていく、というご相談がよく届きます。
X運用代行の比較が、月額と業務範囲の一覧では決まらない理由
X運用代行とは、Xのアカウントで発生する仕事のうち、投稿の制作、投稿後の返信対応、数値の確認を外部の事業者が受け持つ取り決めを指します。この言葉は、性質の違う3つの仕事をひとまとめにして呼んでいます。必要な人数も、拘束される時間帯も、3つで違います。月額と業務範囲の一覧を横に並べただけでは、どの仕事にいくら払っているのかが分かれません。
制作と、投稿後の対応と、観測は別の仕事です
投稿を作る仕事は、量で見積もれます。文章を書き、画像や動画を用意し、内容を確認して並べていく。ここは事前に段取りが組める作業で、他のSNSの運用代行と大きくは変わりません。
投稿したあとに人と向き合う仕事は、量で見積もれません。返信が来るかどうかも、引用でどう扱われるかも、こちらでは決められないためです。作業量が読めないものを月額固定で請け負う以上、代行会社はどこかで線を引いています。その線がどこにあるかが、契約の実質になります。
数字を見て次を決める仕事は、量よりも頻度の問題です。週に1回まとめて見るのか、その日のうちに見るのか。Xは投稿が流れる速さが他の媒体と違うため、頻度を落とすと打てる手が減っていきます。
丸ごと預ける形と、工程を切り出す形があります
委託の形は大きく2つに分かれます。企画から投稿、返信対応、レポートまでを通して預ける形と、制作だけ、あるいは返信対応だけを切り出して頼む形です。同じ「X運用代行」という名前で提案されるため、見積を並べる前にどちらの話をしているのかを揃える必要があります。
通して預ける形は、社内の手が空きます。そのかわり、アカウントで進んでいることを自社の言葉で語りにくくなります。投稿の意図を聞かれたときに、代行会社へ確認しないと答えられない状態は、社内の合意形成の場面で足かせになります。
工程を切り出す形は、社内に人と時間が必要です。制作だけを外に出して返信は自社で持つ、という組み方であれば、反応の温度が社内に残ります。どちらが優れているという話ではなく、社内に置ける人の数から先に決めるほうが、見積の読み方が定まります。
投稿の本数を決めても、作業量は確定しません
見積を取るとき、まず決めるのは月あたりの投稿本数です。ところがXの場合、本数を決めても作業量が確定しません。反応が付いた投稿には対応が発生し、付かなかった投稿には発生しないためです。
同じ月20本でも、1本が広く拡散した月と、どれも静かに流れた月では、代行会社側の稼働が何倍も変わります。この差の扱いを契約に書いていないと、拡散した月に対応が薄くなるか、追加請求が来るかのどちらかに落ち着きます。
本数を決めたあとに、反応が想定を超えたときの扱いを1行足しておいてください。上限を超えた分は翌月に繰り越すのか、都度見積にするのか、対応の範囲外とするのか。どれを選んでも構いませんが、決まっていない状態がいちばん困ります。
一覧記事の3列に、足りない列があります
X運用代行を紹介する記事を読むと、比較表の列は会社名、強み、料金の3つに寄ります。2026年8月14日時点で検索上位に出ていた記事を確認したところ、15社を掲載した記事の比較表も、18社を掲載した記事の一覧も、この3列でした。強みの欄に入るのは「アカウント設計から対応」「大手の実績が豊富」といった記述です。
3列では足りない項目が3つあります。いつ動いているのか、何を自分で決めてよいことになっているのか、どの道具で反応を見ているのか。この3つは各社の公式サイトにもほとんど書かれていないため、問い合わせて埋めるしかありません。
一覧記事は候補を集めるところまでは役に立ちます。集めたあとに列を足す作業は自社でやる、という前提で使ってください。
関連記事:SNS運用代行とは?仕事内容とメリット、おすすめ代行会社を紹介
関連記事:【最新】SNS運用代行会社17選!メリットや比較ポイントもご紹介
Xでは、投稿を出したあとに仕事の大半が発生します
Xの運用で時間を取られるのは、投稿を作る工程ではなく、投稿したあとの数時間です。返信への対応、引用ポストの確認、続きを出すかどうかの判断が、この時間に集中します。委託の範囲を決めるときは、この3つをそれぞれ誰が持つのかを分けて考えてください。
返信への対応は、終わりの時刻が読めない作業です
返信は、来る本数も内容も投稿する前には分かりません。質問が来ることもあれば、指摘が来ることもあり、まったく来ない日もあります。対応の要否を判断するには、その都度、内容を読む人が必要になります。
代行会社に返信対応を含めてもらうなら、確認したいのは対応する時間の幅です。何時までに届いた返信をその日のうちに扱い、何時以降は翌営業日に回すのか。ここを決めずに「返信対応込み」とだけ書かれた見積は、実質的に何も約束していません。
回答してよい範囲も、先に渡しておく必要があります。社外の担当者が独断で答えられない話題は、代行会社の側でも判断できないためです。次の項目は、答えないものとしてリストに入れておくと運びやすくなります。
- 価格や割引の可否に関する個別の回答
- 在庫、納期、配送状況といった変動する情報
- 不具合や事故の原因、対応方針、補償の有無
- 採用、人事、取引先に関する話題
- 他社の製品やサービスとの優劣の比較
答えない項目を先に決めておくと、返信の一次対応をかなりの部分まで任せられます。逆に、答えてよい範囲だけを列挙する方式は、想定外の質問が来たときに止まります。
引用ポストは、通知に出ないまま増えていきます
引用ポストは、自社が把握していないところで話題が広がる経路です。自社のポストに何も反応が付いていないのに、引用の側で議論になっている、という状況が起こります。
引用を追うには、自社アカウントの通知を見るだけでは足りません。自社名やサービス名を含むポストを検索して確認する作業が別に必要になります。この作業を代行会社に任せる場合、どの言葉を、どのくらいの頻度で見ているのかを聞いておいてください。
見る頻度が日次なのか、1日に数回なのかで、気づくまでの時間が変わります。反応が広がり始めてから半日後に気づくのと、1時間後に気づくのとでは、打てる手がまったく違ってきます。
続きを出すかどうかは、その日のうちに決まります
反応が付いた投稿に続きを出すかどうかは、翌週の定例まで持ち越せません。Xでは話題の入れ替わりが速く、数日置いてから続きを出しても、最初の投稿を見た人の多くには届かないためです。
この判断を代行会社に持たせるのか、自社に残すのかで、体制の形が変わります。代行会社に持たせるなら、出してよい範囲をあらかじめ文書にしておくのが前提です。自社に残すなら、その日のうちに連絡が取れる人を決めておくことになります。
どちらも用意できないのであれば、反応を見て動く運用そのものを外し、あらかじめ決めた内容を予定どおり出す運用へ切り替えるほうが無理がありません。反応を見ない設計を選ぶこと自体は失敗ではなく、見ない前提で投稿の時刻を決めるほうが筋が通ります。
関連記事:【2025年最新版】企業がX(旧Twitter)運用を成功させるコツ|X Premium対応版

反応が集まる時間帯と、代行会社が動く時間帯はずれています
インターネットの利用がもっとも多い時間帯は、平日も休日も21時台です。総務省情報通信政策研究所の「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、平日のインターネット利用の時間帯別行為者率は21時台が40.1パーセントで最高でした。一般的な代行会社の稼働時間からは外れています。
平日の日中と夜で、行為者率が2倍近く違います
同じ調査から、平日のインターネット利用の時間帯別行為者率を抜き出すと次のようになります。行為者率は、その時間帯にその行動をした人の割合を指します。
| 時間帯 | 平日のインターネット利用の行為者率 |
|---|---|
| 9時台 | 22.5% |
| 10時台 | 22.0% |
| 11時台 | 20.2% |
| 12時台 | 34.2% |
| 13時台 | 22.4% |
| 15時台 | 22.3% |
| 17時台 | 24.9% |
| 19時台 | 28.2% |
| 20時台 | 35.6% |
| 21時台 | 40.1% |
| 22時台 | 38.1% |
| 23時台 | 26.2% |
平日9時から18時のあいだで30パーセントを超えるのは12時台だけで、あとは20パーセント台前半に並びます。20時台から22時台は35パーセント以上で推移しており、日中との差は2倍近くつきます。休日も傾向は同じで、21時台の39.7パーセントが最高でした。
この調査は13歳から79歳の男女1,800人を対象に、令和7年12月1日から7日までの1週間を日記式で記録したものです。あわせて、平日にソーシャルメディアを見る・書くという行動をした人の割合は全年代で42.0パーセント、行為者の平均時間は86.1分と示されています。なお、Xに限った時間帯別の数値はこの調査では公表されていないため、ここで使えるのはインターネット利用全体の数字です。
参考:令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
参考:「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表
投稿を出す時刻を決めるのは、代行会社ではなく自社です
投稿の時刻は、予約投稿でいくらでも動かせます。20時に出すことも、21時半に出すことも、仕組みの上では難しくありません。動かせないのは、そのあとに来る返信への対応と、投稿を取り下げる判断です。
21時に出した投稿へ21時20分から返信が付き始めたとき、対応できる人がいなければ、その状態が翌朝まで続きます。多くの場合は問題になりませんが、内容の誤りを指摘された場合や、意図しない読まれ方をした場合には、その数時間が結果を変えます。
夜の時間帯に投稿を出す設計にするなら、その時間帯に反応を見る人をどこかへ置く必要があります。置けないのであれば、日中に投稿を寄せるほうが整合します。反応が多い時間に出しておいて、反応を見ないという組み合わせだけは避けてください。時刻の決定は代行会社に委ねず、体制とセットで自社が決める項目です。
稼働時間の聞き方を、3つに分けます
代行会社に稼働時間を聞くとき、「何時から何時までですか」の一問では実態がつかめません。次の3つに分けて聞くと、答えの精度が上がります。
- 投稿を出せる時間の幅(予約投稿の設定を含めて、何時台の投稿まで扱えるか)
- 返信を確認する時間の幅と頻度(最終確認は何時か、休日は確認するか)
- 緊急時に連絡が付く時間と経路(誰に、どの手段で、何分以内に届くか)
3つに分けると、「24時間対応」と書かれた提案の中身も見えてきます。24時間投稿を出せることと、24時間人が反応を見ていることは別の話です。前者は仕組みで実現できますが、後者は人の配置の問題であり、当然ながら金額に反映されます。
代行会社の担当者を、社内の誰と接続するかを決めます
稼働時間の話は、代行会社の側だけでは完結しません。夜間に代行会社が反応に気づいたとして、その連絡を受け取る人が社内にいなければ、気づいた意味が薄れるためです。
決めておくのは3点です。一次の連絡先を誰にするか、その人が不在のときの二次の連絡先を誰にするか、連絡手段は何を使うか。メールだけを経路にしていると、夜間は届いていないのと変わりません。チャットや電話を含めた経路を、平日日中と時間外で分けて決めておいてください。
そのうえで、連絡を受けた社内の人が何を決めてよいのかも書いておきます。投稿を止めてよいのか、返信を控えるよう指示してよいのか、翌朝まで待つのか。判断の範囲が決まっていれば、連絡から対応までが短く済みます。
「即時対応」と書かれた提案は、時刻に置き換えて確認します
提案書によく出てくる「即時対応」「迅速に対応」といった記述は、そのままでは検証できません。何分以内なのか、何時から何時までの話なのか、誰が対応するのかが決まっていないためです。
置き換えの手順は単純です。金曜の22時に指摘の返信が付いた場合、誰が、いつ気づき、いつ社内に連絡が入り、いつ最初の対応が入るのか。この4つの時刻を書いてもらってください。書けない場合、その提案の「即時」は平日日中を指しています。
平日日中を指していること自体は、まったく問題ありません。多くの企業のアカウントは、それで十分に回ります。困るのは、書面上は即時対応と読めるのに実際は違う、という食い違いのほうです。
Xの運用体制をどう組むかは、社内に残せる人の数と、投稿を出す時間帯の設計で決まります。稼働時間の前提を含めた運用設計の整理を、malnaで承っています。
返信を伏せる操作と、取り消せない操作の持ち主を決めます
Xには、自分のポストに付いた返信を非表示にする機能があります。X APIの公式ドキュメントには、非表示にした返信について「Hidden replies are still accessible but require an extra click to view」と記載されています。伏せても消えるわけではなく、ひと手間かければ読める状態が続くということです。
非表示は、削除とは別の操作です
返信を非表示にする操作は、対象の返信を自分のポストのスレッドから見えにくくするものです。公式ドキュメントの記述のとおり、閲覧そのものが遮断されるわけではありません。この違いを共有しておかないと、代行会社の「対応済み」という報告と、外から見える状態がずれます。
非表示は、あとから解除できます。この点で、削除やブロックとは性質が異なります。判断に迷ったときは、取り消せる操作から先に使うほうが安全です。
代行会社に非表示の操作を任せるなら、どういう返信を対象にするかの基準を渡してください。基準がないまま任せると、担当者ごとに線が動きます。線が動いたこと自体が、あとから指摘の材料になる場面もあります。
自動で伏せる仕組みには、取り消せる導線が必要です
返信の内容を機械的に判定して非表示にする仕組みは、X APIの公式ドキュメントでも紹介されています。同じドキュメントには設計上の注意として、利用者が何を非表示にしたかを理解でき変更できるようにすべきであること、機械判定を使う場合は確信度のしきい値を非常に高く設定すべきであること、言い回しの違いによる誤判定を避ける設計にすべきであることが挙げられています。
代行会社がツールで返信を仕分けているなら、この3点をどう扱っているかを聞いてください。とくに伏せた返信の一覧をあとから確認できるかどうかは、社内で説明できるかどうかに直結します。
機械判定は、返信の量が多いアカウントでは有効です。量がそれほど多くないうちは、人が読んで判断するほうが基準のぶれが少なく済みます。
参考:Manage replies by topic|X API v2
取り消せない操作は、押す人を先に決めます
ポストの削除は取り消せません。削除した時点で、指摘の元になった投稿が消え、経緯を確認できなくなります。画面の記録が外に残っている状態で元の投稿だけが消えると、かえって説明しにくくなる場面もあります。
削除、ブロック、アカウントの非公開化の3つは、押す人を社内に固定しておくことをおすすめします。代行会社に渡すのは、非表示にする操作と、返信を控えるという判断まで。取り消せる操作は外に出し、取り消せない操作は社内に残すという線を先に引いておくと、緊急時のやり取りが短く済みます。
判断が割れたときにどちらへ倒すかも、あらかじめ決めておいてください。止める側に倒すのか、続ける側に倒すのかが決まっていないと、その場で決められる人を探す時間が発生します。

X公式が禁じている自動化と、代行会社が使う道具の出どころ
Xの開発者向けガイドラインには、禁止される行為と、条件付きで認められる行為が具体的に書かれています。代行会社が使うツールがこの線を越えていた場合、影響を受けるのは委託した側のアカウントです。提案を受け取った段階で、道具の出どころを確認しておいてください。
公式API以外の自動化は、永久停止の対象と書かれています
Xの開発者向けガイドラインでは、スクレイピングやブラウザ自動化といった非API経由の自動化について、永久停止につながると明記されています。文書には「Non-API automation (scraping, browser automation) results in permanent suspension.」とあり、公式のX APIを使うよう案内されています。
代行会社が使う分析ツールや予約投稿ツールが、どの経路でXのデータを取得しているかは、外からは見えません。ツール名を聞いたうえで、そのツールがX APIを使っているかどうかを確認してください。安価なツールの中には、この経路が公式でないものが混ざります。
自社のアカウントにログインして操作するタイプのツールも同じです。人がやっている操作を機械が代わりに行っている場合、それが公式API経由でないなら、記述の対象に入る可能性があります。確認の仕方は難しくありません。「このツールはX APIを利用していますか」「利用しているのはどのエンドポイントですか」の2問で、答えられるかどうかがおおよそ分かります。
エンゲージメントを売る行為は、ガイドラインで名指しされています
いいね、フォロー、リポストを販売するサービスは、Xの開発者向けガイドラインで明確に禁止されています。文書内の表では「Service selling likes/follows/retweets」に対して「Strictly prohibited」と記載され、別の箇所でも「Selling engagement is prohibited」とされています。
提案書にフォロワー数の保証が書かれていた場合は、その数字へどう到達するのかを書面で出してもらってください。手段が伏せられたまま契約に進むと、アカウントで何が行われたかを社内で聞かれたときに、答えられるのが代行会社だけという状態になります。
自動でいいねを付ける機能についても、ガイドラインは「Likes must be directly initiated by the authenticated user.」として、キーワードやハッシュタグ、スケジュールに基づく自動のいいねを禁じています。一括でのフォローも操作にあたるとして認められていません。
主な行為の可否を、一覧で確認します
Xの開発者向けガイドラインに記載された自動化の可否のうち、運用代行の場面で関係する項目を抜き出すと次のようになります。
| 行為 | ガイドライン上の扱い |
|---|---|
| 予約した内容を自動で投稿する | 認められる(複数アカウントへの同一投稿や無関係なメンションは不可) |
| 相手から接触があった場合に自動で返信する | 条件付き(1回のやり取りにつき返信は1回まで) |
| 相手からDMが来る前に自動でDMを送る | 認められない |
| 新しいフォロワーへ自動でウェルカムDMを送る | 認められない |
| キーワードやスケジュールで自動的にいいねを付ける | 認められない |
| 一括でフォローやフォロー解除を行う | 認められない |
| いいね・フォロー・リポストを販売する | 禁止 |
| 公式API以外の方法で自動化する | 永久停止の対象 |
新規フォロワーへの自動あいさつDMは、送る側に悪意がなくても認められていません。ガイドラインでは代わりの手段として、固定したポストで新しいフォロワーを迎える形や、プロフィールに案内を置く形が挙げられています。
AIが生成する返信は、事前の承認が必要とされています
AIが生成したコンテンツや返信を運用へ組み込む場合、Xの開発者向けガイドラインでは展開前にXの承認を得ることが求められています。文書には「Requires prior approval from X before deployment」と記載され、承認を得た場合でも人間になりすますことはできないと続きます。承認なしでAI生成の返信を運用することは、内容が有益であっても違反にあたるとされています。
生成AIで返信の下書きを作る運用が広がっているため、ここは確認しておく価値があります。人が内容を読んで手を入れてから投稿するのか、生成された内容がそのまま投稿されるのかで、位置づけが変わるためです。
代行会社に聞くのは、返信を出すまでの工程に人が入るかどうかの1点です。入らない設計になっているなら、承認の有無を確認してもらってください。
応募条件にフォローとリポストを求めるキャンペーンの扱い
フォローやリポストを応募条件にするキャンペーンについて、ガイドラインは注意を促す扱いにしています。エンゲージメントの操作と見なされうること、Xのコンテストに関する規定に従う必要があること、複数アカウントで拡散させないこと、賞品を実際に用意して引き渡すことが挙げられています。
代替として示されているのは、決められた語句を返信してもらう形式など、エンゲージメントの操作にあたらない応募方法です。フォローとリポストを条件にする形式が広く使われているだけに、設計の段階で一度立ち止まる価値があります。
キャンペーンの企画を代行会社に任せる場合、応募条件を誰が決めるのかも決めておいてください。決めないまま進むと、慣例に沿った条件がそのまま採用されます。
参考:Developer Guidelines & Policies|X Developer Platform
エゴサーチで遡れる期間と、データが消えるタイミング
X APIで過去のポストを検索できる範囲は、契約している内容によって変わります。公式ドキュメントでは、直近7日間を対象とするRecent Searchはすべての開発者が利用でき、2006年3月まで遡るFull-Archive Searchは従量課金またはEnterpriseの利用者向けと案内されています。エゴサーチや競合の調査をどこまで遡れるかは、この違いで決まります。
直近7日と全期間で、必要な契約が変わります
自社名を含むポストを月次でまとめて確認したい場合、直近7日間の検索だけでは月の前半が抜け落ちます。毎週取得して積み上げるか、全期間の検索が使える契約にするかの、どちらかが必要になります。
代行会社に調査を任せるなら、この点は月次レポートの中身へ直接効いてきます。「先月の言及数」として出てきた数字が、どの範囲を集計したものかを聞いてください。7日ごとに取得した結果を足したものと、月をまとめて取得したものでは、取りこぼしの有無が変わります。
代行会社が独自のツールを使っている場合も同じです。そのツールがどの範囲を取得できる契約なのかは、レポートの信頼性に直結します。
関連記事:【2025年最新版】X API(旧Twitter API)とは?料金プランとフォロワー数管理の方法を解説
データの削除には期限が定められています
Xの開発者向けガイドラインには、取得したデータの削除について期限が定められています。Xから削除の求めがあった場合、利用者から削除の求めがあった場合、対象のコンテンツがX上で削除または停止された場合は、いずれも24時間以内。API利用が終了した場合は、10営業日以内にすべてのXのデータを削除するとされています。
この条項は、代行会社が集めた分析データが契約終了後にそのまま残るとは限らないことを意味します。委託先を切り替えるとき、過去の数字を引き継げると思っていたら手元に何もなかった、という状況が起こりえます。
必要な数字は、月次で自社側にも保存しておく形にしてください。レポートのファイルを受け取って自社のストレージに置いておくだけでも、切り替え時の判断材料は残ります。
解約の申し出から終了までの期間を確認します
契約を切り替える判断は、切り替えたいと思った時点では実行できません。多くの運用代行の契約には、解約の申し出から実際の終了までの期間が定められているためです。この期間の長さを、契約書を交わす前に確認しておいてください。
確認するのは、申し出の期限と、その期間中に代行会社が何をするかの2点です。終了までの期間に投稿を続けるのか、引き継ぎの作業に切り替えるのかで、その期間の使い方がまったく違ってきます。
あわせて、終了までに受け取るものを一覧にしておくと、当日の慌ただしさが減ります。投稿の原稿、画像や動画の元データ、月次レポートのファイル、外部ツールで管理していた語句のリスト。どれも、終わってから頼むと集めにくくなります。
手元に残す形を、契約の前に決めます
契約が終わったあとに何が残るかは、契約書の書き方で決まる部分と、Xの規定で決まる部分に分かれます。分けて考えると、交渉すべき範囲がはっきりします。
交渉できるのは、制作した画像や動画の元データ、投稿の原稿、月次レポートの受け渡しです。交渉できないのは、X APIを通じて取得したデータの保持期間のように、Xの規定で定まっている部分です。
前者については、返却の方法と形式を契約書へ書いてください。後者については、必要な数字を自社側で控えておく運用にしてください。この2つを分けておくと、引き継ぎの話が短く済みます。

金額は、稼働の量に置き換えてから並べます
X運用代行の月額は、数万円から50万円以上まで幅があります。この幅を作っているのは会社ごとの価格差ではなく、含まれている稼働の量の差です。月額をそのまま横に並べても、何を比べているのかが定まりません。
月額を、時間と人の数に割り戻します
見積を受け取ったら、月額を稼働の量に置き換えてみてください。投稿の制作に何時間、返信の確認に何時間、レポートの作成に何時間か。この3つへ割り振ってもらうと、金額の差の出どころが見えてきます。
割り振りを出してもらえない場合でも、確認できることはあります。担当が何人つくのか、そのうち専任は何人か、返信を確認する時間帯は何時から何時までか。人と時間の情報だけでも、月額の意味はかなり具体的になります。
なお、業界全体の平均額を調査手法とともに示した公的な資料は、今回の調査では見つかりませんでした。見かける金額の多くは、書き手が自社で扱った案件をもとにした記述で、母数も集計の方法も示されていません。金額の基準は、外の相場ではなく自社が必要とする稼働の量から作ってください。
広告の運用費は、別の見積として扱います
Xで広告を配信する場合、その費用と運用の手数料は、アカウント運用代行とは別の契約になります。1つの見積にまとまっていると、広告費が増えたときにアカウント運用側の稼働も増えたように見えてしまいます。
分けて見積を取れば、それぞれの増減が独立して読めます。広告を止めた月にアカウント運用の費用がどうなるのかも、分けておけば迷いません。
代行会社が両方を引き受ける場合も、請求の内訳は分けてもらってください。窓口が同じであることと、費用が同じ枠にあることは別の話です。
関連記事:SNS広告の運用代行に強い代理店15選!メリットや比較ポイントもご紹介
フォロワー数の達成を約束する提案の読み方
フォロワー数やエンゲージメント数の達成を約束する提案は、Xではとくに慎重に見てください。拡散を動かすのは引用やリポストを行う個々の利用者であり、代行会社が直接動かせる範囲の外にあるためです。
提案書の書き方を、見積の段階で直してもらうのが早道です。月に何本投稿するか、何時から何時まで返信を確認するか、どの語句を何回検索するか。この形で書かれていれば、約束が守られたかどうかを月末の請求書と突き合わせられます。
数字の目標を持つこと自体は問題ありません。目標として社内で持つのと、代行会社に保証させるのとを分けて考える、という話です。保証の形にすると、達成手段の選び方に無理が生じます。
よくある質問
X運用代行の検討中に出てくる質問を5つ置きます。月額の決まり方、夜間と休日の対応、成果の約束、自動化ツールの可否、記録の遡り方の順です。
X運用代行の月額はどのように決まりますか
含まれている稼働の量で決まります。投稿の制作にかかる時間、返信を確認する時間帯の幅、レポート作成の頻度の3つが主な要素です。業界全体の平均額を調査手法とともに示した公的資料は確認できなかったため、相場から入るのではなく、必要な稼働を先に決めて各社に金額を出させる形をおすすめします。
夜間や休日にX上で反応が広がった場合、代行会社は対応してくれますか
契約の内容によります。多くの提案書にある「即時対応」は平日日中を指している場合があるため、金曜22時に指摘の返信が付いた想定で、誰がいつ気づき、いつ最初の対応が入るのかを書面で確認してください。総務省の調査では平日のインターネット利用は21時台が最多で、日中より高い水準です。
フォロワー数の保証をうたう会社に依頼しても問題ありませんか
達成の手段を確認してください。Xの開発者向けガイドラインでは、いいね・フォロー・リポストを販売するサービスを禁止と明記しており、一括フォローや自動のいいねも認められていません。保証の形ではなく、投稿本数や返信を確認する時間帯といった実行の量を約束してもらうほうが、月末に検証できます。
代行会社が自動返信ツールを使うことに問題はありませんか
内容によります。Xの開発者向けガイドラインでは、相手から接触があった場合の自動返信は1回のやり取りにつき1回まで、新しいフォロワーへの自動DMは認められないとされています。AIが生成する返信は展開前にXの承認が必要とされているため、返信を出すまでの工程に人が入るかどうかを確認してください。
代行会社は自社への言及をどこまで遡って調べられますか
契約している内容で変わります。X APIの公式ドキュメントでは、直近7日間を対象とするRecent Searchはすべての開発者が利用でき、2006年3月まで遡るFull-Archive Searchは従量課金またはEnterpriseの利用者向けとされています。月次レポートの言及数がどの範囲を集計したものかを聞いておいてください。
まとめ
X運用代行を横に並べるとき、最初に埋める列は月額ではなく稼働時間です。Xでは投稿を出したあとの数時間に仕事が集中し、返信への対応も、投稿を止める判断も、予約では動かせないためです。
総務省の調査では、平日のインターネット利用の時間帯別行為者率は21時台の40.1パーセントが最高で、平日9時から18時の時間帯は12時台を除いて20パーセント台前半にとどまりました。反応が集まる時間に人を置くのか、日中に投稿を寄せるのか。どちらを選ぶかで、必要な体制と金額が変わってきます。
自動化の範囲は、Xの開発者向けガイドラインが具体的に書いています。公式API以外の自動化は永久停止の対象とされ、いいねやフォローの販売は禁止、AIが生成する返信は事前の承認が必要とされています。代行会社が使う道具の出どころは、契約の前に確認しておく項目です。契約書に書く数字を、投稿の本数から、誰が何時から何時まで反応を見るかへ移してください。
手を動かす一歩目として、直近1か月の自社のポストを時刻順に並べ、返信が最初に付いた時刻を書き添えてみてください。その分布が、必要な稼働時間の答えになります。並べた表から発注の条件を組み立てる段になれば、malnaが一緒に整理します。
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