2026.10.05
SEOを自社で行うには?必要な体制と外注する業務の決め方
SEOを自社で進めると決めたあと、多くの担当者がつまずくのは、どこまでを社内で担い、どこから外に任せるかの線引きです。全部を抱えれば手が回らず、全部を預ければ、何が行われているのか社内の誰も説明できなくなります。

目次
SEOの仕事は性質の違ういくつかの層に分かれていて、社内に向く層と外部に向く層がはっきりしています。ここでは仕事を5つの層に分け、社内に残す仕事と外に出せる仕事の線引き、体制の組み方、外に頼むときに手放してはいけない権限までを整理します。
始め方の手順より、始めたあとに誰が何を担うかを決めたいマーケティング担当者や経営者の方に向けた内容です。
社内に残す仕事を自社の状況に当てはめて決めたいときは、malnaのSEO施策支援が相談先になります。
SEOを自社で行うとは、判断と事業の知識を社内に持つことです
SEOを自社で行うとは、検索からの集客について方針を決めて成果を判断する役割を社内に置き、必要な作業を社内と外部で分担して回すことです。社員だけですべての作業をこなす状態を指すわけではありません。
Google検索セントラルは、SEO業者の利用を検討する人に向けたページで、小規模なローカルビジネスの経営者なら作業の多くを自分で行えると説明し、まずSEOスターターガイドから始めるよう勧めています。同じページには、SEO業者が提供するサービスとして、サイトの構成の見直し、技術的なアドバイス、キーワード調査、SEOのトレーニングなども並んでいます。
自社でできる範囲は広く、専門の知識や作業量が要る部分には外部を頼る道もある。自社SEOの体制づくりは、この2つの境目をどこに引くかを決める作業です。
SEOの仕事は5つの層に分けて考えます
SEOの仕事は、方針、計測、技術、コンテンツ、検証の5つの層に分けると、社内と外部の分担を決めやすくなります。層によって、求められる知識も作業量も違うからです。
| 層 | 主な仕事 | 必要なもの |
|---|---|---|
| 方針 | 目的の決定、狙うテーマと優先順位の決定 | 事業の目標と顧客の理解 |
| 計測 | Search ConsoleとGA4の設定、指標の定義 | ツールの知識と管理権限 |
| 技術 | サイト構成、表示速度、インデックスの問題への対応 | サイトの開発に関する知識 |
| コンテンツ | テーマの企画、執筆、編集、事実確認 | 事業の知識と制作の手数 |
| 検証 | 結果の読み取り、次の打ち手の判断 | データと事業の両方の理解 |
方針と検証は、事業の判断そのものに結びつく層です。技術とコンテンツは作業量が多く、専門の知識も求められます。計測は作業こそ外に任せられるものの、データとアカウントの持ち主は社内でなければなりません。

方針の層は事業の判断と切り離せません
方針の層では、SEOで何を達成したいのか、どのテーマから手を付けるのかを決めます。問い合わせを増やしたいのか、採用につなげたいのか、既存顧客の疑問に答えたいのかによって、狙う検索語句はまるで変わります。
決めるには、売上の構成や営業の状況、顧客がどこでつまずいているかといった社内の情報が要ります。外部の担当者は案を出せても、決めるのは社内です。
計測の層は作業を任せても持ち主は社内です
計測の層では、Search ConsoleとGA4を設定し、何を成果として数えるかを定義します。設定作業は外に出せますが、アカウントの所有者や管理者の権限は社内の担当者が持ちます。
外部だけが権限を持っていると、依頼先を変えたときにデータを引き継げなくなるおそれがあります。権限の扱いは後半の見出しで詳しく取り上げます。
技術の層は専門知識が必要になりやすい層です
技術の層で扱うのは、サイトの構成やリダイレクト、エラーページ、JavaScriptの扱い、表示速度といった問題です。Google検索セントラルがSEO業者のサービスとして、ホスティングやリダイレクト、エラーページ、JavaScriptの使用などに関する技術的なアドバイスを挙げている領域にあたります。
サイトの開発部署や制作会社との調整も伴うため、社内にエンジニアがいない会社ほど外部に頼る比重が大きくなります。
コンテンツの層は知識と手数の両方が要ります
コンテンツの層では、テーマの企画、執筆、編集、事実確認を行います。読者の役に立つ記事には事業や顧客の知識が欠かせず、本数を出し続けるには制作の手数も要ります。
知識は社内にあり、手数は外から補いやすい。この性質があるので、コンテンツの層は社内と外部で分け持つ形になりがちです。
検証の層は次の投資を決める層です
検証の層では、検索での表示回数やクリック数、サイト上の成果を読み取り、次の一手を決めます。集計は外に任せられても、どのテーマに追加で投資し、どの取り組みをやめるかは事業の判断です。
最終的な判断を社内に置いておけば、取り組みが事業の目標から少しずつ離れていくのを防げます。
社内に残す仕事は4つあります
社内に残す仕事は、目的と優先順位の決定、事業と顧客の一次情報の提供、事実確認と公開の承認、計測データとアカウントの管理の4つです。どれも外に任せると、事業とのずれ、情報の取り違え、引き継ぎの断絶が起きやすくなります。
目的と優先順位を決める
SEOで何を達成するのか、どのテーマから取り組むのかは社内で決めます。外部の担当者は検索の需要や競合の状況を示せますが、自社の売上にどのテーマが効くかは社内のほうが見極めやすいからです。
優先順位は、事業の重点が変われば変わります。見直しの判断も社内の仕事です。
事業と顧客の一次情報を出す
製品やサービスの仕様、顧客から繰り返し受ける質問、導入までの流れといった一次情報を記事の材料として出せるのは、社内だけです。Google検索セントラルは、有用で信頼性の高いコンテンツの作り方を説明するページで、独自の情報や経験に基づく情報を含んでいるかを自己評価の観点に挙げています。
文章に長けた外部の制作者でも、顧客と接している社内の担当者の情報がなければ、他社と似た記事に落ち着いてしまいます。
事実確認と公開を承認する
製品の仕様や価格、法令や制度についての記述が正しいかを確かめ、公開を承認する仕事は社内に残します。誤った情報を公開すれば、責任を負うのは自社です。
制作を外に頼む場合も、公開前に社内の誰が何を見るかを決めておきましょう。確認する人と観点が固定されていれば、本数が増えても品質を保てます。
計測データとアカウントを管理する
Search ConsoleとGA4のアカウントと、そこにたまったデータは自社の資産です。外部の担当者に作業用の権限を渡すことはあっても、所有者や管理者の権限は社内に置きます。
手間のかかる仕事ではありませんが、後回しにすると取り返しがつきません。依頼先を変える、担当者が異動するといった場面でデータを失わずに済むかは、ここで決まります。

外に出しやすい仕事は4つあります
外に出しやすいのは、技術的な調査と改修の助言、キーワードの調査、記事やページの制作、社内向けのトレーニングの4つです。どれもGoogle検索セントラルがSEO業者の一般的なサービスとして挙げる仕事と重なり、専門の知識か作業量のどちらかを必要とします。
技術的な調査と改修の助言
インデックスされないページの原因を探る、リダイレクトの設定を見直す、表示速度の問題を特定するといった仕事は、外部の専門家に任せやすい仕事です。調べた結果から、何をどの順で直すかの案を出してもらいます。
実際にサイトを改修するのは社内の開発担当者や制作会社であることが多いので、改修の優先順位は社内で決めます。
キーワードの調査
狙う検索語句の候補を洗い出し、検索の需要や上位ページの傾向を調べる仕事も外に出しやすい仕事です。ツールの扱いに慣れた担当者なら、短い時間で精度の高い調査ができます。
調査の結果からどの語句を優先するかは、社内で決めます。調査と決定を分けておくと、外部の担当者が替わっても方針がぶれません。
記事やページの制作
記事の執筆や編集、構成案の作成は、本数が要る段階で外に出しやすい仕事です。社内の担当者は材料の提供と事実確認に集中し、文章を整える作業を外に任せれば、少ない人数でも制作の量を確保できます。
任せる前に、社内から出す情報と、外部が調べて書く情報の範囲を決めておきましょう。範囲があいまいなままだと、事業の知識が入っていない記事ばかりが増えていきます。
社内向けのトレーニング
社内の担当者がSEOの基本を身につけるためのトレーニングも、外に頼める仕事です。Google検索セントラルも、SEO業者のサービスの一つにSEOのトレーニングを挙げています。
いずれ社内で担う範囲を広げたいなら、作業を任せるだけでなく、判断の根拠を社内に説明してもらう形にしておくと、知識が社内に残ります。
自社SEOの体制は役割から組み立てます
自社SEOの体制は、人数からではなく、責任者、編集、技術の窓口という3つの役割から組み立てます。1人が複数の役割を兼ねてかまいませんが、誰がどの役割を担っているかははっきりさせておきます。
| 役割 | 担う仕事 | 外部との関係 |
|---|---|---|
| 責任者 | 目的と優先順位の決定、成果の判断 | 外部からの提案を受けて決める |
| 編集 | 企画、材料の取りまとめ、事実確認、公開の承認 | 外部の制作者に依頼し、仕上がりを確かめる |
| 技術の窓口 | 改修の依頼と進行、計測の管理 | 外部の助言を開発担当や制作会社につなぐ |
責任者は事業の判断ができる人に置きます
責任者は、SEOの目的と優先順位を決め、成果を判断する役割です。マーケティングの責任者や、事業の数字を見ている人が担うと無理がありません。
責任者が決めるべきことを外部の担当者に預けてしまうと、検索の数字は伸びているのに事業の成果につながらない、という取り組みが続きかねません。
編集は社内と外部の橋渡しをします
編集は、記事の企画を立て、社内から材料を集め、外部の制作者に依頼し、事実確認と公開の承認までを受け持つ役割です。社内の各部署から情報を引き出す力が問われます。
専任を置けない会社でも、この役割だけは担当者を決めておきましょう。編集が空席だと材料が集まらず、制作はそこで止まります。
技術の窓口は改修と計測をつなぎます
技術の窓口は、外部からの技術的な助言を受け、サイトの開発担当者や制作会社に改修を頼み、進行を管理する役割です。Search ConsoleとGA4の管理もこの役割に寄せると、流れがひとつにまとまります。
エンジニアでなくてもかまいません。ただ、改修の依頼内容を正しく伝えられる程度の知識は要ります。
担当者が1人の場合の分け方
担当者が1人なら、責任者と編集を同じ人が兼ね、技術の調査と記事の制作を外に出す形が組みやすい分け方です。社内に残す仕事を判断と確認に絞れば、1人でも回る量に収まります。
その場合でも、Search ConsoleとGA4の権限は本人に加えて上長など社内のもう1人に持たせておくと、異動や退職のときに慌てずに済みます。
外部に依頼するときに社内で持っておくもの
外部に作業を頼むときに社内で持っておくのは、計測ツールの所有者権限、判断の記録、依頼先を見極める基準の3つです。これらを外に預けたままだと、依頼先を変えたときに取り組みを続けにくくなります。
Search Consoleの所有者権限
Search Consoleには、所有者、フルユーザー、制限付きユーザーなどの権限があります。所有者はユーザーの追加や削除を含めてプロパティを完全に管理でき、フルユーザーはすべてのデータを閲覧して一部の操作を行えます。
外部の担当者には作業に必要な範囲でフルユーザーなどの権限を渡し、所有者は社内に置きましょう。外部の担当者を所有者にしていた場合、契約の終わりにはユーザーの削除に加えて、所有権の確認に使ったトークンも削除します。Search Consoleのヘルプによると、確認済み所有者を削除しても確認トークンは取り消されず、トークンが残っていればアクセスを回復できる可能性があります。
参考:Search Console のユーザー、所有者、権限の管理
GA4の管理者権限
GA4には、管理者、編集者、マーケティング担当者、アナリスト、閲覧者といった役割があります。管理者はユーザーの追加と削除、役割の割り当てを含めてすべてを管理でき、編集者はユーザーの管理こそできないものの、プロパティ単位の設定をすべて管理できます。
外部の担当者には作業に合わせて編集者や閲覧者などの役割を渡し、管理者の役割は社内の担当者が持ちます。
判断の記録
どのテーマを優先したか、どの改修をなぜ見送ったか。こうした判断の記録は社内に残します。外部のレポートにしか記録がないと、依頼先を変えたときに過去の判断の理由がたどれなくなります。
凝った形式は要りません。日付、決めたこと、理由を1行ずつ書き残すだけでも、振り返りの材料になります。
依頼先を見極める基準
依頼先を選ぶときは、Google検索セントラルが注意を促している提案を避けます。同ページは、Googleで1位に掲載されることは誰にも保証できないとしたうえで、検索結果の最初のページへの表示を保証する業者や、Googleとの特別な関係をうたう業者に気を付けるよう呼びかけています。
依頼前に確かめる事項としては、過去の作業の例、Google検索の基本事項に沿っているか、期待される結果と時期、成果の測り方などが挙げられています。社内に残す仕事が決まっていれば、こうした質問への答えが自社の体制に合うかどうかも判断しやすくなります。

社内と外部の線引きを見直すタイミング
社内と外部の線引きは、サイトの再構築や新規開設、担当者の交代、社内の知識の蓄積といった節目ごとに見直します。体制が変われば、社内に残せる仕事の範囲も変わるからです。
サイトの再構築や新規開設の前
Google検索セントラルは、サイトの再構築を検討しているときや新しいサイトの開設を計画しているときを、SEO業者の利用を始めるのに適したタイミングとしています。再構築の早い段階で技術の層に外部の知見を入れておけば、公開後の手直しが減ります。
再構築が終わって通常の運用に戻ったら、技術の層で外部に頼る比重を下げることも考えます。
担当者が交代するとき
異動や退職で担当者が交代するときは、社内に残していた仕事がきちんと引き継がれるかを点検する機会です。新しい担当者の経験次第では、しばらく外に任せる範囲を広げるのも一つの手です。
権限の付け替えと判断の記録の引き継ぎは、交代の前に済ませておきましょう。
社内に知識がたまってきたとき
トレーニングや日々の運用で社内の担当者の知識が増えてきたら、外に出していた仕事の一部を社内に戻すことを検討します。キーワード調査や簡単な改修の判断は、戻しやすい仕事です。
逆に、制作の本数を増やしたい時期には、制作の層で外部に頼る比重を上げることもあります。線引きは事業の段階に合わせて動かすものです。

自社で回すときの月ごとの進め方
自社でSEOを回すときは、月に1回、決まった数字を見て次の打ち手を決める場を持つと、作業が判断につながります。見る数字と、その場で決めることを先に固定しておくのがこつです。
見る数字はSearch Consoleの2つのレポートから始める
月ごとに見る数字は、Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートと、ページのインデックス登録のレポートから始めると無理がありません。検索パフォーマンスのレポートでは、クリック数、表示回数、クリック率、平均掲載順位を、クエリやページ、デバイスなどの切り口で確かめられます。
ページのインデックス登録のレポートでは、Googleが検出してインデックスに登録できるページと、登録の際に起きた問題を確かめられます。ヘルプは、重複しているURLや意味のある情報を含まないURLなど、サイトのすべてのURLがインデックスに登録されるわけではないとしています。登録されていないページがあっても、意図したものかどうかを見分けることが先です。
参考:検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定
判断の場で決めることを3つに絞る
月ごとの場で決めるのは、次の月に新しく作るもの、直すもの、やめるものの3つに絞ります。数字の報告だけで終わる会議にしないためです。
責任者、編集、技術の窓口の3つの役割の担当者がそろえば、決めたことをその場で振り分けられます。決めた内容は、前の見出しで触れた判断の記録にそのまま書き足します。
外部の担当者をどこまで同席させるか
外部に作業を頼んでいる場合は、数字の読み取りと提案の部分だけ同席してもらい、何をやるかの決定は社内で行う形が線引きとして分かりやすくなります。外部の担当者が出した提案と、社内が採った判断を分けて残しておけば、依頼先を変えても経緯をたどれます。
1年たったら仕組みそのものを見直す
月ごとの判断の場とは別に、1年に1回は体制そのものを見直します。役割の担当者は今も同じでよいか、外に出している仕事の費用に見合う成果が出ているか、社内に戻せる仕事が増えていないかを確かめます。月ごとの記録がたまっていれば、この見直しは記録を読み返すところから始められます。
外部に依頼するときに契約で決めておくこと
SEOの作業を外部に頼むときは、作業の範囲と成果物、契約の性質、データや制作物の扱い、報告の頻度と中身、終わるときの引き継ぎの5つを契約の前に決めておきます。社内に残す仕事を守るための決めごとです。
作業の範囲と成果物
何を頼み、何が納品されるのかを具体的に書き出します。技術の調査なら調査の結果と改修の提案、キーワードの調査なら候補の一覧と優先度の根拠、記事の制作なら原稿と使った出典、といった形です。範囲が言葉になっていないと、追加の作業のたびに費用と期間の話し合いが必要になります。
契約の性質
民法は、仕事の完成を約束する請負と、事務の委託である準委任を分けて定めています。第632条は請負を、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約する契約としています。
SEOの支援が、記事やページといった成果物の完成を約束するものなのか、調査や助言といった業務の遂行を約束するものなのかで、成果が出なかったときの扱いが変わりえます。契約書で確かめ、判断に迷うときは弁護士などの専門家に相談しましょう。
データや制作物の扱い
作った記事や画像、調査の結果、外部の担当者が作った計測の設定などを、契約の後にどちらが使えるのかを決めておきます。Search ConsoleとGA4の所有者や管理者の権限を社内に置くことと合わせて、取り組みの成果を社内に残すための決めごとです。記事の原稿や画像を自社のサイトで使い続ける場合は、外部の担当者が作ったものの権利がどちらにあるのか、写真や図版に外部の素材を使っているかも確かめておきます。契約を終えた後に差し替えが必要になると、記事の更新が止まってしまうからです。
報告の頻度と中身
報告の頻度と中身も契約の前に決めます。月に1回なのか、施策ごとなのか。報告に、行った作業、その理由、数字の変化、次の提案が入っているか。とくに理由が書かれていない報告が続くと、社内に判断の材料が残りません。報告の雛形を最初に合意しておくと、依頼先が変わっても同じ形で記録を積み上げられます。
終わるときの引き継ぎ
契約を終えるときに、何を受け取るかも先に決めておきます。作業の一覧、判断の経緯、進めている途中の施策、外部の担当者に渡していた権限の一覧があれば、次の依頼先や社内の担当者が続きから始められます。
社内の担当者を育てる進め方
社内に残す仕事を担える人を育てるには、公式の資料で基本をそろえ、外部の判断の理由を学び、小さな改善を社内で回す、という順に経験を積みます。
Google検索セントラルの資料で基本をそろえる
最初の教材には、Google検索セントラルのSEOスターターガイドが向いています。検索の仕組みやサイトの整え方の基本が公式の言葉でまとまっているため、外部の担当者と話すときの共通の土台になります。
外部の判断の理由を学ぶ
外部に頼んでいる仕事は、結果だけでなく、なぜその判断をしたのかを説明してもらい、記録に残します。理由が分かれば、同じ種類の判断を次は社内でできるようになります。
小さな改善を社内で回す
タイトルの書き直しや、古くなった記事の情報の更新のように、影響の範囲が小さい改善から社内で手を動かします。直す前と後の数字を検索パフォーマンスのレポートで見比べる経験を重ねると、外部に出していた仕事を社内に戻す判断がしやすくなります。
社内で担う範囲を1つずつ広げる
社内に戻す仕事は、一度に増やさず1つずつ広げます。たとえば、まずキーワードの調査の結果を社内で読んで優先度を決め、それに慣れたら調査そのものを社内で行う、といった順番です。戻した仕事は、外部の担当者に1、2か月ほど結果を見てもらうと、抜けや思い込みに早く気づけます。
自社SEOでつまずきやすい場面と立て直し方
自社でSEOを回していると、記事は増えているのに問い合わせが増えない、改修が後回しになる、担当者に仕事が集まる、といった場面に行き当たります。どれも、社内に残す仕事と外に出す仕事の線引きを見直すきっかけになります。
記事は増えたのに問い合わせが増えない
制作の手数を外部で補って記事を増やしても、問い合わせにつながらないことがあります。方針の層で決めた狙いのテーマと、実際に作っている記事がずれていないかを確かめます。検索パフォーマンスのレポートで、表示回数は伸びているのにクリックが少ない記事、クリックはあるのに問い合わせのページへ進まない記事を分けて見ると、直す場所が絞れます。
改修が後回しになる
技術の調査で直すべき点が見つかっても、サイトの改修を担う部署や制作会社の予定に入らず、放置されることがあります。技術の窓口の役割の担当者が、改修の依頼を出して進み具合を追う流れが決まっていないと起きやすい問題です。月ごとの判断の場で、改修の進み具合を毎回確かめる項目に入れておくと、後回しが続くのを防げます。
担当者に仕事が集まる
担当者が1人で責任者と編集を兼ねていると、材料集めや事実確認の仕事が積み上がり、ほかの業務を圧迫します。社内の各部署から材料を出してもらう窓口の人を決める、事実確認の観点を書き出して分担する、といった形で、編集の仕事の一部を社内のほかの人に分けます。それでも回らないときは、外に出す仕事の範囲を広げる時期です。
外部の提案をそのまま採り続ける
外部の担当者の提案が続けて採られていると、いつのまにか方針の層まで外部に預けた状態になります。提案を採るときは、事業の目標とどうつながるのかを社内の言葉で1行書き添えるようにすると、判断が社内に残ります。
体制を決める前に確かめる5つの問い
自社SEOの体制を決める前に、次の5つの問いに社内で答えておくと、社内に残す仕事と外に出す仕事の線引きがぶれにくくなります。
| 問い | 答えが決まると分かること |
|---|---|
| SEOで増やしたいのは何か | 方針の層の判断を誰が持つか |
| 記事の材料を出せる部署はどこか | 編集の役割が誰とやり取りするか |
| サイトの改修を頼める先はどこか | 技術の窓口がどこにつなぐか |
| 月に何時間を社内で使えるか | どこまでを外に出す必要があるか |
| Search ConsoleとGA4の権限を誰が持っているか | 計測の層の持ち主が社内にいるか |
5つ目の問いに答えられない会社は少なくありません。過去に制作会社や前任者が設定したまま、権限の持ち主が分からなくなっていることがあるためです。体制を決める前に、まず権限の一覧を確かめるところから始めると、後の作業が滞りません。
答えが出なかった問いは、そのまま外部と相談するときの論点になります。社内で答えを持ち寄るだけでも、関係する部署の認識のずれが見えてきます。どこで答えに詰まったかを書き残しておきましょう。
よくある質問
SEOを自社で進める際によく挙がる疑問をまとめます。
SEOは自社だけで進められますか
進められる範囲は広いです。Google検索セントラルは、小規模なローカルビジネスの経営者なら作業の多くを自分で行えると説明しています。技術的な問題への対応や制作の量が必要になった段階で、その部分だけ外部を頼る形が現実的です。
自社SEOの担当者は何人必要ですか
決まった人数はありません。先に決めるのは、責任者、編集、技術の窓口という役割を誰が担うかです。1人が責任者と編集を兼ね、技術の調査と記事の制作を外に出す形でも体制は組めます。
外部から順位の保証を提案されたらどうすればよいですか
慎重に判断してください。Google検索セントラルは、Googleで1位に掲載されることは誰にも保証できないとし、検索結果の最初のページへの表示を保証する業者に気を付けるよう呼びかけています。
外部への依頼をやめるときに必要なことは何ですか
Search ConsoleやGA4から外部の担当者の権限を外し、判断の記録を社内に引き取ります。外部の担当者がSearch Consoleの所有者だった場合は、ユーザーの削除に加えて、所有権の確認に使ったトークンも削除します。
まとめ
SEOを自社で進めるうえで要になるのは、すべての作業を社内で抱えることではありません。方針と検証の判断、事業の一次情報、事実確認、計測データの管理を社内に残すことです。技術的な調査や記事の制作、トレーニングは、必要な時期に必要な分だけ外に出せます。
体制は、責任者、編集、技術の窓口の3つの役割から組み立てます。外部に頼む場合も、Search Consoleの所有者権限とGA4の管理者権限は社内に置き、判断の記録を手元に残しておきましょう。
手始めに、自社のSEOの仕事を5つの層に書き出し、それぞれを今だれが担っているかを書き添えてみてください。空いている層と、外に出せる層が見えてきます。
線引きが決まり、外に出す仕事を実際に動かす段階に入ったら、お問い合わせから進め方の相談ができます。
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