2026.08.19

SEO

LLMO診断のやり方|AI検索の引用状況を自社で確認する4手順と読み方

AI検索への対応が必要だという話は社内でも通るようになったのに、では今の自社はどういう状態なのかと聞かれた瞬間に答えが止まってしまうことがあります。対策の進め方を解説した記事をいくら読んでも、自社の現在値が分からないままでは、予算の規模も着手の順番も決められません。本記事では、無料で使える公式ツールだけで自社サイトの引用状況を確認する手順、出てきた数字の読み方、外部の診断サービスに依頼する場合の確認点を整理します。AI検索での見え方を社内に説明する必要が出てきたWeb担当者、マーケティング責任者の方に向けた内容です。何をどう測ればよいか決めきれない段階からでも相談できますので、必要に応じてお問い合わせから現状をお聞かせください。

目次

自社の引用状況を最初に把握できれば、そのあとの打ち手も具体的に検討しやすくなります。現状の整理に迷う場合は、そこから話を聞いてもらうこともできます。

LLMO診断とは、AI検索での自社の引用状況を項目ごとに確認する作業です

LLMO診断とは、ChatGPTやGoogleのAIモードといった生成AIの回答に自社の情報が引用・言及されているかを、決まった項目に沿って確認する作業です。施策を打つ前に現状の数値を取っておく工程だと考えると、位置づけがはっきりします。

前提となるLLMOは、生成AIの回答に自社が選ばれる状態を目指す取り組みを指します。

総務省の令和8年版情報通信白書では、2025年度企業向け調査において自社の何らかの業務で生成AIを利用していると回答した割合が、日本で86.4%に達したと報告されています。2024年度調査から大幅に上昇した数字です。社内の業務で生成AIが当たり前に使われる状況になれば、社外の人が自社を調べる入口にも同じ道具が使われます。だからこそ、AIが自社をどう扱っているかを一度測る価値が出てきました。

診断の目的は、思い込みを排除することにあります。たぶん対応できているという感覚ではなく、項目ごとに事実を確認して数字に落とすところまでがLLMO診断です

参考:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第2章第1節 企業におけるAI利用の現状(総務省)

生成AI時代の検索最適化を全体としてどう組み立てるかは、次の記事で整理しています。

関連記事:AIOとは?生成AI時代のSEO最適化戦略と実践ステップを解説

LLMO対策との違いは測るか直すか

LLMO診断とLLMO対策は、目的がはっきり分かれています。診断は現状を測って課題の所在を特定する工程、対策は特定された課題を直す工程です。診断だけを先に済ませておく判断も成り立ちます。

この順番を飛ばすと、効果が出たかどうかを後から判定できません。構造化データを整えても内部リンクを増やしても、比較対象となる着手前の数値がなければ、良くなった気がするで終わってしまいます。診断は改善そのものの作業というより、改善を評価できる状態をつくる作業です。

結果はそのまま優先順位の材料になります。AIクローラーが一度も来ていないサイトと、毎日来ているのに引用されないサイトでは、打つべき手がまるで違うからです。

SEO診断では見えない範囲がある

従来のSEO診断とLLMO診断では、見ている出力先が違います。SEO診断は検索結果の順位という一本の指標に向かって内部要因を点検しますが、LLMO診断は複数の生成AIサービスにまたがる引用状況を扱います。

技術的な点検項目には重なる部分が少なくありません。インデックス状況、表示速度、見出し構造、内部リンクといった要素は両方で確認します。一方でAI固有の項目は、従来のSEO診断の枠組みには含まれていません

観点 SEO診断 LLMO診断
主な出力先 Google・Yahoo!の検索結果 生成AIの回答(複数サービス)
中心指標 順位・表示回数・クリック数 引用や言及の有無、AI機能での表示回数
クローラーの扱い Googlebot等の検索クローラー 学習用・検索用・ユーザー起点の各AIクローラーを区別
記述内容の正確さ 直接の評価対象にしにくい AIが自社をどう説明しているかを確認対象にする
結果の安定性 順位は比較的追跡しやすい 同じ質問でも回答が変わるため複数回の記録が必要

LLMO診断で見る4つの領域

LLMO診断で確認する内容は、引用の実績、AI経由の流入、クロールと表示の可否、記述内容の正確さという4つの領域に整理できます。市販のチェックリストは項目数を競う傾向がありますが、どの項目もこの4領域のいずれかに収まります。領域から先に押さえておけば、項目が増えても迷いません

領域ごとに確認手段と実施頻度が変わります。全体像を先に見ておきましょう。

領域 確認する内容 主な手段 無料でできるか 推奨頻度
引用・言及の実績 AIの回答に自社が出るか 生成AIへの直接質問、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート できる 月1回
AI経由の流入 引用の結果として人が来ているか GA4のAIアシスタントチャネル できる 月1回
クロールと表示の可否 AIが読める状態か サーバーログ、robots.txt、Search Consoleの設定 できる 四半期に1回
記述内容の正確さ AIが自社をどう説明しているか 生成AIへの直接質問と回答内容の記録 できる 月1回

領域1 引用・言及の実績

引用・言及の実績は、LLMO診断の中心に置く領域です。自社サイトのURLがAIの回答で出典として提示されているか、社名やサービス名が回答本文で触れられているかを確認します。

URLの提示と本文での言及は、分けて記録します。出典リンクに並んでいても本文の説明には使われていないケース、社名だけが挙がってリンクは他社のまとめ記事というケースの両方が起こるためです。前者は露出はあるが訴求が弱い状態、後者は自社の一次情報が届いていない状態で、打つ手が変わります。

領域2 AI経由の流入

AI経由の流入は、引用が実際の訪問につながっているかを測る領域です。引用されても回答内で用が済んでしまえばクリックは発生しないため、引用の実績とは別に追う必要があります。

流入の絶対数は、まだ小さい水準にとどまるサイトが多いはずです。数が少ないうちは月次の増減率よりも、どのページに着地しているかを見るほうが手がかりになります。着地ページの傾向は、AIがどの情報を自社の代表として扱っているかの裏返しでもあります。

領域3 クロールと表示の可否

クロールと表示の可否は、他の3領域の前提になる領域です。AIがページを取得できず、検索インデックスにも入っていなければ、そもそも引用の候補に入りません。

ここは診断項目のなかで唯一、答えが白黒で出る領域です。robots.txtの記述、インデックス状況、スニペット制御のタグは、すべて確認できる事実として存在します。引用状況が振るわない場合、まずこの領域から潰していくのが手戻りの少ない順番になります。

領域4 記述内容の正確さ

記述内容の正確さは、引用の有無より優先度が高くなる場合がある領域です。AIが自社を紹介してくれていても、事業内容や提供範囲の説明が事実と違っていれば、露出が増えるほど誤解も広がります

古い社名やサービス名、すでに終了した提供内容、他社と混同された説明が典型的な誤りです。回答を記録するときは、正しいかどうかの判定と、どの情報源を根拠にしているように見えるかを併せてメモしておくと、後の修正が進めやすくなります。

AI検索での引用状況を自社で実測する4つの手順

AI検索での引用状況は、無料の公式ツールと手作業の組み合わせで測れます。有料の可視化ツールを契約しなくても、ここで挙げる4つの手順を回せば、社内の意思決定に使える水準の一次データが揃います。所要時間は初回で半日程度、2回目以降は1〜2時間が目安です。

手順は上から順に実施してください。引用の実績を先に見てから技術面に降りると、点検すべき箇所が絞られます。

手順1 生成AIに質問して回答と出典を記録する

最初にやるのは、想定顧客が使いそうな質問を生成AIに投げて、回答と出典を記録することです。自動化されたツールを使う前にこの手作業を一度通しておくと、後で見る数字の意味が分かります。

質問は思いつきで並べず、3つの層に分けて用意します。指名検索にあたる社名やサービス名で聞く質問、比較検討にあたるおすすめや選び方を聞く質問、課題認識にあたる方法や解決策を聞く質問の3層です。各層5〜10問、合計15〜30問あれば傾向は見えてきます。記録は表形式で残しましょう。

記録項目 記録の内容
質問文 実際に入力した文言をそのまま
サービス名 ChatGPT、Gemini、Perplexityなど
実施日 回答が変わるため日付は必須
自社の言及 本文に出たか、出た場合は該当箇所
自社URLの提示 出典リンクに出たか、出た場合は該当URL
競合の言及 出た企業名をすべて
説明の正確さ 誤りがあればその内容

同じ質問を最低3回、できれば日を変えて実施します。生成AIは同じ質問でも回答が変わるため、1問1回では判断材料になりません。3回のうち1回だけ出る状態と、3回すべて出る状態は別物として扱ってください。ログイン状態や過去のやり取りが結果に影響するため、可能な範囲で履歴を持たない状態で試すと素の状態に近づきます。

手順2 Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートを見る

2つ目は、Google Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートを開き、AI機能での表示回数を確認する手順です。Googleは2026年6月にこのレポートを発表し、AIによる概要とAIモードでの露出を専用の画面で確認できるようにしました。

見られる指標は絞られています。Search Consoleのヘルプでは、このレポートの指標は表示回数、つまり検索の生成AI機能でユーザーにサイトへのリンクが表示された回数だと説明されています。同じ検索結果に同一サイトのリンクが複数並んだ場合の扱いは、まとめて1回です。

クリック数やクリック率、AI機能を発動させたクエリはこのレポートに含まれていません。このレポートで分かるのはGoogleの生成AI機能に自社が何回出たかまでで、そこから先の反応は別の手段で追います。線引きを理解しないまま画面を眺めると、期待した情報が見つからず混乱します。

レポートは段階的な提供のため、自社のプロパティにまだ表示されない場合もあります。表示されていない期間は手順1と手順3で代替し、表示されるようになった時点から時系列の記録を始めれば間に合います。

手順3 GA4のAIアシスタントチャネルで流入を見る

3つ目は、GA4のレポートでAIアシスタントチャネルを確認し、生成AI経由の流入を把握する手順です。以前は参照元を正規表現で自分で束ねる必要がありましたが、現在はデフォルトチャネルグループにAIアシスタントというチャネルが用意されています。

GA4のヘルプでは、参照URLがAIアシスタントのリストと一致した場合にメディアがai-assistantに設定され、このチャネルに分類されると説明されています。ChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grokなどが対象で、GoogleのAIによる概要とAIモードはこのチャネルには含まれません。

対象範囲の理解が読み方の前提になります。GoogleのAI機能での露出はSearch Console、それ以外の生成AIサービスからの流入はGA4という分担で見るのが、現状の整理です。

数字が小さくても、着地ページとその後の行動は必ず確認してください。セッション数だけを見てまだ無視できると判断すると、問い合わせに近い層が来ている場合を見落とします。流入元のサービスごとに着地ページが違う傾向が出ることもあり、その差はコンテンツの評価軸を考える材料になります。

参考:Introducing Search Generative AI performance reports in Search Console

参考:生成AIパフォーマンスレポート(検索)- Search Console ヘルプ

参考:[GA4]デフォルトチャネルグループ – アナリティクス ヘルプ

手順4 サーバーログでAIクローラーの訪問を確認する

4つ目は、サーバーログやCDNのアクセスログでAIクローラーの訪問を確認する手順です。引用の前段にあるクロールが起きているかどうかは、この方法でしか正確に分かりません。

確認するのはユーザーエージェント文字列です。提供元ごとに複数のクローラーが用途を分けて動いており、どれが来ているかで状況の解釈が変わります。学習用のクローラーだけが来ていて検索用のクローラーが来ていない場合、検索経由の引用は期待しづらい状態だと読めます。

ログを見る環境がない場合は、サーバー管理者やインフラの担当部署に依頼すれば足ります。直近1か月分のアクセスログから、指定したユーザーエージェントの訪問回数とアクセス先URLを抽出してほしいと伝えるだけです。細かい分析は不要で、来ているかどうかと、どのページに来ているかの2点が分かれば診断としては成立します。

AIが読める状態かを点検する技術チェック項目

技術チェックの目的は、AIがページを取得して回答に使える状態かどうかを確認することです。ここで引っかかっていると、コンテンツをどれだけ増やしても引用の候補に入りません。項目数は多くありませんが、確認漏れが起きやすい箇所が含まれます。

点検は上流から下流へ進めます。クロールの許可、インデックス、スニペットの可否、本文が読める形式かという流れです。

インデックスとスニペット表示の可否を確認する

インデックスとスニペット表示の可否は、GoogleのAI機能に出るための前提条件です。Google公式のドキュメントでは、AIによる概要とAIモードに表示されるにはページがインデックスされ、スニペット表示の対象である必要があり、それ以上の技術要件はないと説明されています。

確認は2段階で進みます。Search ConsoleのURL検査で主要ページがインデックスされているかを見て、次にHTMLのメタタグとサーバーの応答ヘッダーにスニペットを制限する指定が入っていないかを調べます。

確認対象 見るもの 引っかかった場合の影響
インデックス Search ConsoleのURL検査結果 未登録ならAI機能の表示対象外
nosnippet metaタグ、X-Robots-Tag スニペットが出ずAI機能での表示に影響
max-snippet metaタグ、X-Robots-Tag 文字数の上限で引用できる範囲が制限される
data-nosnippet HTML要素の属性 指定した箇所が引用対象から外れる
noindex metaタグ、X-Robots-Tag インデックス自体が行われない

過去にスニペット表示を抑える設定を入れたまま忘れているケースは実際に起こります。会員向けページやキャンペーンページで一時的に入れた指定が、全体テンプレートに残っているパターンです。

robots.txtでAIクローラーごとの扱いを確認する

robots.txtの点検では、AIクローラーを一律で扱っていないかを確認します。提供元は用途ごとにユーザーエージェントを分けているため、まとめてブロックすると学習だけでなく検索経由の引用まで止まります。主要な提供元が公式ドキュメントで公開しているクローラーを整理しました。

提供元 ユーザーエージェント 役割
OpenAI OAI-SearchBot ChatGPTの検索結果に出すためのインデックス
OpenAI GPTBot 生成AIモデルの学習用のデータ収集
OpenAI ChatGPT-User ユーザーの操作を起点としたページ取得
OpenAI OAI-AdsBot 広告として申請されたページの検証
Anthropic Claude-SearchBot 検索結果の品質向上のためのインデックス
Anthropic ClaudeBot モデルの学習用のデータ収集
Anthropic Claude-User ユーザーの質問に応じたページ取得
Perplexity PerplexityBot 検索インデックスのためのクロール
Perplexity Perplexity-User ユーザーの操作を起点としたページ取得

OpenAIは、サイトがOAI-SearchBotをブロックするとChatGPTの検索結果に表示されないと明示しています。学習への利用を避けたい意図でクローラーをまとめて拒否していた場合、引用の経路まで意図せず閉じている可能性があります。学習用と検索用を分けて扱う書き方は、次のような形になります。

User-agent: GPTBot
Disallow: /

User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /

User-agent: Claude-SearchBot
Allow: /

方針の決定はコンテンツ戦略の判断であり、正解が1つに決まるものではありません。ただし現状がどうなっているかは事実として確認できます。診断では、意図した状態と一致しているかまでを見ておきましょう。

Search Consoleの生成AI関連の設定を確認する

Search Consoleには、検索の生成AI機能への表示に関する設定が用意されています。過去に管理者が変更していないか、診断の一環として確認しておく価値があります。

設定は運用の途中で誰かが触っている場合があり、担当者の引き継ぎ時に見落とされやすい箇所です。表示されない原因を探してコンテンツを作り直す前に、設定側を確認するほうが早く答えが出ます。

本文がテキストとして読める状態か確認する

最後の点検項目は、本文がテキストとして取得できる状態かどうかです。Googleの公式ドキュメントでは、重要なコンテンツをテキストで提供すること、robots.txtでクロールを許可すること、内部リンクで発見しやすくすることが基本的な実践として挙げられています。

確認方法は単純です。ブラウザでJavaScriptを無効にしてページを開くか、ソースを表示して本文が含まれているかを見ます。本文がスクリプトの実行後にしか現れない構成の場合、取得の確実性は下がります。

画像内の文字だけで説明している箇所も同じ扱いになります。図解は理解を助けますが、図のなかにしか情報がない状態は避け、本文でも同じ内容を文章として書いておくのが安全です。

参考:Overview of OpenAI Crawlers

参考:Does Anthropic crawl data from the web, and how can site owners block the crawler?

参考:Perplexity Crawlers

参考:検索生成AIコントロール – Search Console ヘルプ

点検で見つかった課題をどう直すかは、サイトの構成によって進め方が変わります。技術的な手当てを含めて、実行の設計を相談先として使うこともできます。

診断結果の読み方とパターン別の次の一手

診断結果は、クロールの有無、引用の有無、流入の有無を組み合わせた4つのパターンに分類できます。数字を並べただけでは動けないため、自社がどのパターンに当てはまるかを判定してから施策を選びましょう。

判定の順序はシンプルです。ログにAIクローラーが来ているか、回答に出るか、流入があるか、説明が正しいかを順に見ていきます。

パターン 状態 最初に着手すること
1 クロールされていない robots.txt、インデックス、設定の点検
2 クロールはあるが引用されない 情報の粒度と一次情報の不足を埋める
3 引用はあるが流入がない 引用されている文脈と着地ページの見直し
4 引用されるが説明が誤っている 公式情報の整備と表記の統一

パターン1 クロールもされていない

クロールされていない状態は、コンテンツではなく設定に原因がある可能性が高いパターンです。ログに主要なAIクローラーの記録が見つからない場合、まず技術チェックの項目に戻ります。

robots.txtでの一律ブロック、WAFやCDNのボット対策による遮断、インデックス未登録が典型的な原因です。特にWAFの設定は、セキュリティの観点で導入されたものがAIクローラーまで弾いているケースがあり、Web担当者だけでは気づきにくい箇所になります。

この状態でコンテンツを増やす投資は効きません。設定を直してクローラーが来る状態をつくってから、記事の話に進むのが正しい順番です。

パターン2 クロールはされているが引用されない

クロールはあるが引用されないパターンは、内容の性質が原因になっている可能性が高い状態です。取得はされているのに回答に採用されないのは、他の情報源で代替できる内容だと判断されていると読めます。

Googleが公開している生成AI機能向けの最適化ガイドでは、一般的な知識をまとめただけの内容ではなく、自身の経験に基づく独自の視点を持つ内容が求められると説明されています。同ガイドは、実体験に基づくレビューを独自の視点を提供する例として挙げています。

打ち手は、自社が持っていて他社が持っていない情報を探すところから始まります。支援実績から見えた傾向、自社で取った調査データ、現場で実際に受けた質問といった素材が該当します。どれも社内には存在していて、記事の形になっていないだけという場合が少なくありません。

パターン3 引用はされているが流入につながらない

引用はあるが流入がないパターンでは、引用されている文脈を確認します。回答内で用が済んでいるのか、それとも自社にとって望ましくない文脈で挙がっているのかで対応が分かれるためです。

手順1で記録した回答を読み返し、どの質問で引用されているかを見てください。定義や用語の説明で引用されている場合、読者は答えを得た時点で離脱するため、流入は伸びにくくなります。比較検討や選び方の質問で引用されているなら、着地ページの内容と問い合わせまでの導線に改善余地があります。

この段階では、引用される質問の層を意図的に動かす発想が必要です。用語解説での露出は維持しながら、比較検討層の質問に答えるコンテンツを増やしていく形になります。

パターン4 引用されているが説明が事実と違う

説明が事実と違うパターンは、露出が増えるほど損失が拡大する状態です。優先度は他のパターンより高く設定してください

原因は、自社の公式情報が不足しているか、古い情報が外部サイトに残っていることにあります。会社概要やサービスページに現在の事実が明記されていなければ、AIは第三者の記述や過去の情報に頼らざるを得ません。

対処は、公式サイト側で事実を明確に書くところから始めます。提供範囲、対応領域、料金の考え方、社名やサービス名の正式表記といった基本情報を、曖昧さのない文章で置いておきましょう。誤りの元になっている外部の記述が特定できる場合は、その運営者への修正依頼も検討します。

一度で終わらせず月次で見る指標を決める

LLMO診断は、一度実施して終わる作業ではありません。生成AIのモデルや回答の傾向は更新されるため、継続して同じ物差しで測る仕組みのほうが価値を持ちます。とはいえ、毎月すべての項目を見直す必要はありません。月次で追う指標を絞れば、技術面の点検は四半期に1回でも間に合います。

頻度 見る指標
月次 指定した質問セットでの言及率、AI機能での表示回数、AIアシスタント経由のセッション数と着地ページ
四半期 robots.txtとインデックスの点検、説明内容の正確さ、質問セット自体の見直し

質問セットは固定して使い続けることが前提です。質問を変えると前月との比較ができなくなるため、追加はしても削除や書き換えは慎重に扱ってください。

現状の測定から月次で回せる運用の設計まで、社内リソースだけで組み立てるのが難しい場合もあります。malnaは、AI導入・コンサルティングおよびIT・DX分野で累計40社以上の導入事例をもとに、測定設計から改善の実行、社内での内製化までを伴走して支援しています。指標の設計段階から相談したい場合は、お問い合わせをご利用ください。

診断項目として鵜呑みにしない方がよい3つの論点

診断項目のなかには、公式の見解と一般的な説明が食い違っているものがあります。チェックリストに並んでいるからといって、すべてが必須要件とは限りません。判断を誤ると、効果の薄い作業に工数を割くことになります。

以下の3点は、Googleが自社の生成AI機能について公式に説明している内容に基づく整理です。ChatGPTなど他社サービスの挙動について同じことが言えるわけではないため、その区別を保ったまま読み進めてください。

llms.txtの設置は必須項目ではありません

llms.txtの設置は、Google検索の生成AI機能に出るための要件ではありません。Google公式の最適化ガイドには、Google検索に表示されるために新しい機械可読ファイルやAI向けのテキストファイル、マークアップ、Markdownを作る必要はないと明記されています。

にもかかわらず、診断項目にllms.txtの有無を入れているチェックリストは複数見つかります。設置そのものが害になるわけではありませんが、優先度の高い項目として扱う根拠は、少なくともGoogleの公式説明のなかにはありません。

他社のAIサービスが将来的に参照する可能性は残ります。工数が軽いなら試してもよい程度に位置づけ、これを整えたからAI検索対応が完了したとは考えないのが妥当な線でしょう。

構造化データは生成AI検索の必須要件ではありません

構造化データも、生成AI検索の必須要件ではないとGoogleは説明しています。同じ最適化ガイドには、生成AI検索に構造化データは求められておらず、追加すべき特別なschema.orgのマークアップも存在しないと書かれています。

一方で同ガイドは、SEO戦略の一部として構造化データを使い続けることは良い考えだとも述べています。リッチリザルトの対象になる資格を得るために役立つという文脈です。必須ではないが有用という位置づけで理解しておくと、社内の優先順位づけがしやすくなります。

診断レポートで構造化データの実装率の低さだけを根拠に大きな改修を提案された場合は、その改修が何を目的にしているのかを確認してください。リッチリザルト獲得のためなのか、AI検索での引用のためなのかで、期待できる成果が変わります。

100点満点のスコアは相対評価であって成果ではありません

無料の診断ツールが出す点数は、ツールが定義した基準に対する適合度であり、AI検索での成果を表す数値ではありません。80点だから引用される、40点だから引用されないという対応関係は成立しません。

ツールが見ているのは、HTMLの構造や技術要素が中心です。実際に引用されているかどうかは測っていないため、スコアの改善と引用の増加は別の話になります。点数を追う運用に入ると、測りやすい項目だけが改善され、肝心の引用状況は変わらないという結果になりがちです。

スコアの使いどころは、技術面の抜け漏れを機械的に洗い出す用途に限るのが現実的です。判断の軸は、手順1から手順4で取った実測値に置いてください

参考:Google’s Guide to Optimizing for Generative AI Features on Google Search

参考:AI Features and Your Website – Google Search Central

外部のLLMO診断サービスに依頼するときの確認点

外部のLLMO診断サービスを検討する場合は、測定方法と成果物の範囲を発注前に確認します。診断は成果物が形として見えにくいため、期待していた内容と納品物がずれる事故が起きやすい領域です。金額の比較よりも、何が含まれるかの確認を先に行ってください。

次の4点は、提案を受けた段階で質問できる内容です。答えられない項目がある場合、その部分の再現性や責任範囲が曖昧だと考えられます。

何を測ったのかを再現できる形で出してもらう

測定方法の開示は、外部診断を評価する最初の確認点です。どの生成AIサービスで、どのような質問文を使い、いつ何回測ったのかが分からなければ、レポートの数字を自社で追試できません。

確認したい内容は具体的です。使用した質問文の一覧、対象サービス、実施日と実施回数、判定の基準の4点を納品物に含めてもらえるかを聞きます。判定の基準では、本文での言及と出典リンクを区別しているかを押さえておきましょう。

質問文が開示されない場合、次回の測定で条件が変わっていても気づけません。診断を継続的に使う前提であれば、質問セットを自社の資産として受け取れるかどうかが重要な分岐点になります。

診断のみか、改修の実装まで含むのかを切り分ける

診断と改修の切り分けは、見積もりを読むときの中心的な論点です。同じ金額でも、レポートの納品までなのか、指摘された箇所の改修まで含むのかで、実質的な価値は大きく変わります。

契約前に確認したいのは、レポートの納品形式、改修の対象範囲、改修を行う主体、そして自社で対応する場合の作業量の見積もりです。診断のみの契約で改修が自社対応になる場合、社内の工数を確保できるかを先に確かめておく必要があります。

再測定の頻度と、変化を判定する基準を決めておく

再測定の設計は、診断を単発で終わらせないための確認点です。初回の診断で現状値を取っても、比較対象がなければ改善の判定ができません。

決めておきたいのは、再測定の実施時期、初回と同じ条件で測る取り決め、そして何をもって改善と判定するかの基準です。生成AIの回答は同じ質問でも揺れるため、1回の測定結果で良し悪しを判定しない前提を発注側と受注側で共有しておくと、後の議論が噛み合います。

AIに必ず引用されるという説明の扱い

引用を確約する説明には慎重に接してください。生成AIの回答内容は提供元のモデルとアルゴリズムに依存しており、外部の事業者が結果を保証できる構造にはなっていません。

判断材料として有効なのは、支援の過程を示せるかどうかです。どのような手順で診断し、どの指標を追い、どこまでが管理可能でどこからが管理外なのかを説明できる相手であれば、期待値のすり合わせがしやすくなります。逆に成果の断定が先に来る提案は、測定方法の説明が薄い傾向にあります。

依頼先の会社選定そのものについては、支援内容の違いや料金体系を並べて比較する必要があります。診断だけを切り出して発注するのか、対策の実行まで含めて依頼するのかによって、候補となる会社の種類も変わってきます。

よくある質問

LLMO診断で迷いやすいのは、費用の要否、実施の頻度、指標の読み方、クローラーの扱いの4点です。実務の現場で受けやすい質問と、あわせて確認しておきたい観点をまとめました。自社の状況に近い項目から順に確認してください。

LLMO診断は無料でできますか

無料でできます。Google Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート、GA4のAIアシスタントチャネル、サーバーログの確認、生成AIへの直接質問の4つを組み合わせれば、有料ツールを契約せずに引用状況とクロール状況を把握できます。

LLMO診断はどのくらいの頻度で行えばよいですか

引用状況と流入は月1回、技術面の点検は四半期に1回が目安です。生成AIの回答は日によって変わるため、月次の測定では同じ質問セットを使い、条件をそろえて比較できる形にしておくことが重要になります。

Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートでクリック数は分かりますか

Search Consoleのヘルプで説明されている指標は表示回数です。生成AI機能でサイトへのリンクが表示された回数を確認できますが、クリック数やクリック率、AI機能を発動させたクエリは含まれていません。

AIクローラーをブロックすると引用されなくなりますか

検索用のクローラーをブロックすると引用の経路が閉じます。OpenAIは、OAI-SearchBotをブロックするとChatGPTの検索結果に表示されないと説明しています。学習用と検索用でユーザーエージェントが分かれているため、用途ごとに扱いを決めてください。

診断のスコアが低いとAI検索に出ないのですか

診断ツールのスコアは、そのツールが定義した基準への適合度を示す数値です。実際の引用状況を測ったものではないため、点数の高低とAI検索での露出は直結しません。判断は実測値で行ってください。

まとめ

LLMO診断は、AI検索での自社の現在値を項目ごとに確認する作業です。引用の実績、AI経由の流入、クロールと表示の可否、記述内容の正確さという4領域を押さえれば、無料の公式ツールと手作業だけでも意思決定に使えるデータが揃います。

出てきた結果は、クロールの有無と引用の有無で4つのパターンに分けて読みます。設定の問題なのか、内容の問題なのか、導線の問題なのかを切り分けてから施策を選べば、効果の薄い作業に工数を割く事態を避けられます。llms.txtや構造化データ、スコアの点数といった項目は、公式の見解と照らし合わせて優先度を判断しましょう。

最初の一歩は、質問セットを15問ほど作ってSearch ConsoleとGA4を開くことです。測定設計から改善の実行、社内での内製化まで一緒に進めたい場合は、お問い合わせから現状の課題をお聞かせください。指標の設計段階からご相談いただけます。

AIを使える人材が社内にいない場合

測り方はわかった。でも、毎月これを回して結果を読む人が社内にいない。

診断そのものは手順を決めてしまえば続けられる作業ですが、最初に質問セットを組み立て、月次の運用として社内に定着させる役回りは、やはり誰かが担う必要があるのではないでしょうか。malnaでは、AI活用の実務経験を持つ人材をご紹介するAIタレント名鑑を運営しています。採用ではなく業務委託として、週1日から相談いただけます。

質問セットを組み立て、月次の振り返りを外部に預けることで、社内は結果を活かす判断に集中できるようになります。運用を定着させる段階から、伴走を頼ることもできます。

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執筆者情報

malnaブログ編集部

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