TikTok運用代行の比較|広告代理店との違いと音源・出演者の制約を解説

企業のアカウントでTikTokに動画を上げようとして、流行している曲が選択肢に出てこないことに気づいた担当者の方は少なくありません。ビジネスアカウントで選べる音源は、TikTokが商用利用の許可をまとめた専用のライブラリに限られています。個人アカウントで見えていた音源の一覧が、そのまま使えるわけではないのです。

目次

この一点だけでも、TikTokのアカウント運用を外に出すときの条件は他のSNSと変わってきます。誰が画面に映るのか、その動画を他の媒体にも回せるのか、作った動画の権利が後から失われることはないのか。投稿の本数を決める前に、確かめておかないと後戻りする論点がいくつも残っています。

比較しようとしたときに最初に困るのは、料金が横に並ばないことです。2026年8月14日時点で6社の公式サービスページを確認しましたが、月額の金額を掲示していたのは1社だけでした。相場として流通している金額も、調査手法と母数が示された一次情報は見つかりません。金額を起点に選ぼうとすると、そこで手が止まります。

音源、出演者、開示の設定、TikTok Shopの4つを順に見ていきます。稟議に載せる資料を作る立場から見ると、委託の範囲はこの4点を決めた時点でおおむね確定します。

何を外に出し、何を社内に残すのかという線引きで迷っているなら、その整理からmalnaがご一緒します

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TikTok運用代行が引き受ける仕事と、広告代理店との境目

TikTok運用代行とは、企業のTikTokアカウントを回すために必要な動画の企画、撮影、編集、投稿、コメント対応、数値の確認を、外部の事業者に委託する契約です。広告費を投じて配信面を買う仕事ではなく、アカウントから出す動画そのものを積み上げていく仕事です。この違いを最初に押さえておかないと、提案を受け取ったときに何を比べているのかがぼやけます。

広告代理店との違いは、動かすお金に媒体費が含まれるかどうかです

広告代理店とアカウント運用代行の境目は、契約のなかで媒体費が動くかどうかにあります。広告の運用を任せる場合、費用は広告費と運用手数料の組み合わせになり、金額を上げれば当日から配信量が変わります。アカウント運用を任せる場合、支払うのは制作と運用にかかる人の時間の対価だけです。

お金の性質が違えば、成果の出方も変わってきます。広告は予算を投じた分だけ露出が買えますが、アカウント運用は投稿を重ねて反応を集めるまで動きが読めません。TikTokを伸ばしたいという同じ依頼でも、引き受ける側の仕事の中身は別物です。

比べる点 アカウント運用代行 広告代理店
動くお金 制作費と運用費のみ 広告費+運用手数料
成果が動くまで 投稿を重ねる期間が必要 予算を投じた当日から
主な成果物 投稿された動画とアカウントの状態 配信実績とレポート
音源の制約 ビジネスアカウントの制約を受ける 広告用の制約を受ける
出演者 継続して確保する必要がある 単発の撮影でも成立する

広告側の代理店選びは、審査や配信メニューの取り扱いという別の論点になります。

関連記事:【最新版】TikTok広告代理店おすすめ比較

引き受けてもらえる作業と、社内から出せない材料

運用代行が引き受ける作業は、企画から数値の確認まで一続きに見えて、実際には社内の材料が必要な工程が混ざっています。企画と編集と投稿は外に出しやすい一方、撮影の被写体と回答の基準は社内にしかありません。

具体的には、商品や店舗や社員という被写体へのアクセス、価格や在庫のように自社しか答えられない質問への対応方針、そして投稿してよい内容の判断です。この3つが決まっていないまま発注すると、企画の打ち合わせが毎回そこで止まります。逆に社内で先に固めておけば、企画から編集までを任せる形が現実的な選択肢になります。

アカウントの初期設定については、切り替えの手順そのものは難しくありません。運用を任せる前に自社で済ませておくと、権限の所在が曖昧になりません。

関連記事:【ビジネス向け】TikTokアカウント作成方法解説

SNS運用代行の一括受託にTikTokを混ぜるときの確認点

複数のSNSをまとめた契約にTikTokを入れる場合、先に確かめたいのは金額ではなく制作の体制です。テキストや静止画で成立する媒体は編集の人員で回りますが、TikTokは撮影に人が出ていく必要があり、撮影を担うチームを社内に持っているかどうかで引き受けられる範囲が変わります。

一括で受ける会社がTikTokの部分だけ外部の制作会社に流している場合もあります。それ自体が問題なのではなく、撮影の日程調整が二段構えになり、修正の伝達にも時間がかかることが問題です。提案を受けたら、TikTokの動画を実際に撮るのは誰なのかを社名まで確認してください

もう一つは、まとめた月額のなかでTikTokに割かれる稼働が動きやすいという性質です。他の媒体が忙しい月にTikTokの本数が落ちても、総額が変わらなければ発注側の目には触れません。媒体別の数量を契約書の別表に書き残しておくと、この揺れに気づけます。

SNS運用代行という括りでの業務範囲や、受託している会社の名前は別の記事に載せています。

関連記事:【最新】SNS運用代行会社17選!メリットや比較ポイントもご紹介

費用の組み立てが他のSNS運用代行と違う理由

TikTok運用代行の費用は、そのほとんどが動画を作る人の時間で決まります。オーガニックのアカウント運用に媒体費は発生しないため、月額の中身は企画、撮影、編集、投稿、確認という工程の稼働がそのまま積み上がった数字になります。金額の高低を見る前に、どの工程がいくつ含まれているのかを見る必要があります。

費用のほぼ全部が制作にかかる人の時間です

月額の内訳を分解すると、TikTokのアカウント運用では制作の稼働が大きな比率を占めます。撮影に人が動く、編集に時間がかかる、確認のやり直しが発生する。この3つが積み上がった結果が請求額になります。

工程ごとの金額を公開している例として、株式会社コムニコはSNS運用代行の料金例をサービスページに掲示しています。戦略策定・プランニングが500,000円からで1回あたり、投稿コンテンツの企画が100,000円から、アカウント運用代行が500,000円から、月次レポート及び定例会が200,000円から、コメント監視が80,000円からで、いずれも月あたりの金額です。同ページには「上記のサービス価格は一例です」と注記があり、TikTok専用のプランとして示された金額ではありません。

それでも、この内訳は費用の構造を理解する材料になります。月額の総額は、どの工程を何個含めたかの足し算になっているということです。同じ50万円でも、企画とレポートだけの組み合わせと、運用代行を含む組み合わせでは中身が入れ替わります。

なお同ページには、運用代行は原則として6か月からの契約になるという記載もあります。契約期間の目安が公開されている例は多くないため、社内で稟議の期間を決めるときの参考になります。

参考:株式会社コムニコ|SNS運用代行・コンサルティング

同じ月8本を作る3つの道筋と、原価が動く場所

同じ投稿本数でも、動画をどう作るかで原価の置きどころが変わります。撮影をまとめて1日で終わらせるのか、企画ごとに都度撮るのか、素材を社内から支給して編集だけ任せるのか。この3つは月8本という同じ数量に対して、必要な人と時間がまったく違います。

まとめ撮りは、1日の撮影で複数本の素材を確保する進め方です。出演者の拘束が1日で済み、機材や場所の手配も1回にまとまります。都度撮影は企画の自由度が上がる代わりに、撮影日の数だけ調整と移動が発生します。素材支給型は代行費を抑えられますが、撮る手間が社内に残ります。

作り方 撮影日数の目安 出演者の拘束 社内に残る作業 向いている場面
まとめ撮り 月1日 1日にまとまる 撮影日の同席と承認 型が決まっていて量を出したい
都度撮影 企画ごとに複数日 撮影日ごとに発生 日程調整と立ち会い 時事性のある企画を混ぜたい
素材支給+編集 社内で随時 社内の担当者 撮影そのもの 現場の素材が日常的に出る

見積を受け取ったら、月何本という数量の後ろにある撮影日数を確認してください。同じ本数でも撮影日数が4倍なら、原価も現場の負担も4倍に近づきます。金額の差が作業量の差なのか、含まれる工程の差なのかは、ここを聞かないと切り分けられません。

相場として出回っている金額に出どころが見つかりません

TikTok運用代行の相場として紹介されている金額は、どの調査に基づくものかをたどれませんでした。月額10万円から100万円という幅がよく示されるものの、集計した社数や調査の時期を明記した資料は見当たらず、多くは代行会社や比較サイトが自社の経験から書いた記述です。

数字が間違っていると言いたいのではありません。困るのは、この幅を交渉の入口に置いたときです。相手は自分たちの得意な作り方を前提に金額を組み、発注側は別の作り方を思い描いたまま話が進みます。決める順番は、本数と撮影の方法が先で、金額はその条件に対する各社の回答として受け取るほうが差額の意味が読めます。

公式サイトで月額を公開している会社を6社分確認しました

料金が横に並ばない理由を確かめるため、TikTokのアカウント運用を扱う6社の公式サービスページを実際に確認しました。2026年8月14日時点の結果は、金額の掲示があったのが1社、残る5社は問い合わせや資料請求への案内のみでした。

金額を掲示していないことは、その会社の姿勢の良し悪しを表すものではありません。撮影の有無や本数で原価が動く業態では、個別見積が前提になるほうが自然です。ここで確認したいのは、公開情報だけで料金表を横に並べる比較は成立しないという点です。

会社 確認したページ 月額の金額掲示
株式会社コムニコ SNS運用代行・コンサルティング 工程ごとの下限金額あり
studio15株式会社 TikTokアカウント運用代行 掲示なし
株式会社Lumii TikTokアカウント運用代行 掲示なし
株式会社ホットリンク ショート動画マーケティング支援 掲示なし
テテマーチ株式会社 サービス一覧 掲示なし
株式会社BitStar BitStar Studio 掲示なし

比較の作業は、料金表を集めることではなく、自社の条件を書いた1枚を用意して各社に同じものを渡すことから始まります。同じ紙を渡していない相手から返ってきた金額は、それぞれ別の作り方を前提にした数字です。

参考:studio15株式会社|TikTokアカウント運用代行

参考:株式会社Lumii|TikTokアカウント運用代行

参考:株式会社ホットリンク|ショート動画マーケティング支援

参考:テテマーチ株式会社|サービス

参考:株式会社BitStar|BitStar Studio

運用代行と広告代理店の違い

商用音楽ライブラリの制約が、動画の使い道を決めます

TikTokのビジネスアカウントで使える音源は、商用音楽ライブラリに収録された楽曲に限られます。TikTokの公式ヘルプでは、商用音楽ライブラリを「商用利用が許可されている100万もの楽曲を集めたグローバルなミュージックライブラリ」と説明しています。この制約は代行会社の力量とは無関係に効いてくるため、発注の条件として先に押さえておく必要があります。

ビジネスアカウントで表示される音源は商業利用可能な楽曲だけです

ビジネスアカウントに切り替えると、動画に付けられる音源の一覧そのものが変わります。TikTokの公式ヘルプには、ビジネスアカウントを使用している場合、新しい動画を開始して「サウンドの追加」をクリックすると、商用音楽ライブラリのサウンドのみが表示されると書かれています。

個人アカウントでは全てのサウンドが表示され、商用ライブラリから選ぶ場合は「サウンド」ボタンから「商業利用可能な音楽」を選ぶ流れになります。つまり、個人アカウントで流行している曲を見て企画を立てても、企業アカウントではその曲が選択肢に出てこないことがあります

企画の段階で音源の候補を決めてしまうと、この時点で手戻りが起きます。代行会社に企画を任せる場合は、音源をどのライブラリから選ぶ前提で組んでいるかを提案の段階で確認してください。

TikTok以外の媒体への転用は許諾の対象外です

商用音楽ライブラリの楽曲を使った動画は、TikTokの外で商用利用することが認められていません。TikTokが公開している商用音楽ライブラリの利用規約には、商用音楽ライブラリの音源を含む動画の投稿や共有はTikTok内に限られ、TikTok外での商用利用は許可されておらず、その用途についてTikTokは権利を付与しないと書かれています。

TikTok外で使いたい場合は、権利者から個別に許諾を得てライセンスを取得する責任が利用者側にあるとも記載されています。第三者のデジタルプラットフォームへの投稿も、この対象に含まれると明示されています。動画1本をTikTokとInstagramのリールとYouTubeのショート動画に横展開する前提で見積を取ると、音源の扱いでつまずくことになります。

代行会社に発注する時点で、動画を他媒体にも使うのかどうかを伝えてください。他媒体でも使うなら、音源は自社でライセンスを持つ楽曲か、TikTok外でも使える条件の音源を選ぶ設計が必要になります。同じ規約には、TikTok Creative Centerから音源を選ぶ場合は使用可能なプレースメントの指定に従う必要があるとも書かれています。

楽曲の権利が失われた場合、公開済みの動画が影響を受けます

商用音楽ライブラリの楽曲は、TikTokが権利を失った時点で扱いが変わる可能性があります。同じ利用規約には、TikTokが何らかの理由で音源を提供する権利を失った場合、TikTokの判断でその音源を含む動画を削除するか、音声をミュートして音源が聞こえない状態にすることがあると書かれています。あわせて、権利の喪失についてTikTokは利用者や第三者に対して責任を負わないとも記載されています。

過去に積み上げた動画が資産として残り続ける前提で運用設計をしていると、この条項は見落としやすい部分です。長く見られ続けることを狙った動画については、音源への依存を減らす作り方も選択肢に入ります

また、プレミアムとして指定された楽曲には追加費用が発生する場合があるとも書かれています。見積に音源の費用が含まれているのか、発生した場合に誰が負担するのかは、契約の前に決めておく項目です。

一般ライブラリの音源を使われたときに責任を負うのは発注企業です

商用ではない一般の音楽ライブラリの音源を許諾なく使った場合、その責任はビジネス利用者が負うと規約に明記されています。同じ利用規約には、ビジネス利用者を含む利用者が、個人利用者向けに提供されている非商用の一般音楽ライブラリの音源を許諾なく使用したことから生じる請求や紛争について責任を負い、TikTokおよびその関連会社を補償し免責すると書かれています。

代行会社が音源を選び違えた場合でも、規約の上で名前が出るのはアカウントを持つ自社です。誰が音源を選ぶのか、選んだ根拠をどう記録に残すのかを、運用の手順として決めておく必要があります。

具体的には、音源の選定を代行会社に任せるとしても、使用した楽曲名と選んだライブラリを月次の報告に含めてもらう形が現実的です。後から確認できる記録がなければ、問題が起きたときに経緯を追えません。

参考:商用音楽ライブラリについて

参考:商用音楽ライブラリの使用方法

参考:Commercial Music Library – User Terms

商用音楽ライブラリの4つの制約

出演者の手配には、代行に渡しきれない部分が残ります

TikTokのアカウント運用では、画面に映る人を誰にするかが運用の継続性を左右します。動画が主体の媒体である以上、静止画だけで毎月の投稿を組み立てることは難しく、出演者の確保が止まると投稿も止まります。ここは代行会社の稼働では埋められない領域です。

誰が画面に映るかで契約の形が変わります

出演者の選び方には、社員が出る形、外部のタレントや俳優に依頼する形、TikTokのクリエイターに依頼する形があり、それぞれ必要な契約が違います。社員が出る場合は社内の合意と肖像の利用範囲の取り決めが要り、外部に依頼する場合は出演契約と報酬の設計が発生します。

社員が出る形は費用を抑えやすい反面、担当者の異動や退職で運用が止まるという弱点があります。外部に依頼する形は継続性を金銭で確保できますが、月々の費用が上がります。クリエイターに依頼する形は、その人の視聴者に届くという利点がある一方、自社アカウントの作風がその人に依存します。

どの形を選ぶかは、代行会社が決められる範囲を超えています。提案を受け取る前に、社内で出せる人がいるのかを確認しておいてください。出演者の確保を代行会社の裁量に任せると、初月に企画だけが残る状態になりがちです

出演契約が切れた動画をどう扱うか決めておきます

外部の出演者を起用する場合、契約の期間が終わったあとに過去の動画をどうするかを先に決めておく必要があります。肖像の利用期間を1年と定めた契約で、2年前の動画がアカウントに残り続けていれば、その状態が契約の範囲内かどうかは確認しなければわかりません。

TikTokのアカウントは、過去の投稿が積み上がることで作風が伝わる仕組みになっています。だからこそ、期間の切れた動画を下げる判断は投稿の資産を削る判断でもあります。出演契約を結ぶ段階で、利用期間、期間後の扱い、延長する場合の条件までを書面にしておくと、後から交渉する事態を避けられます。

代行会社が出演者の手配まで請け負う場合は、契約の当事者が誰になるのかも確認してください。代行会社と出演者の間の契約であれば、代行契約が終わった時点で過去の動画の扱いが不明になります。契約の関係図を一度紙に書いてみると、抜けている線が見つかります。

個人に直接発注する場合は取引条件の明示が義務になります

出演者や編集者を個人に直接発注する場合、フリーランス・事業者間取引適正化等法の対象になる可能性があります。公正取引委員会の案内では、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律が令和6年11月1日に施行され、発注する事業者に一定の義務を課す法律であると説明されています。

同委員会のページでは、取引条件の明示義務と期日における報酬支払義務が主な内容として示され、給付の内容、報酬の額、支払期日、給付や役務提供の日といった項目の明示が求められることが解説されています。TikTokの運用は、出演、撮影、編集、音源の手配といった作業を個人に切り出しやすいため、この法律に触れる場面が他媒体より多くなります。

適用の判断は取引の形態によって変わるため、実際の契約書は社内の法務や弁護士に確認してください。代行会社を経由する場合は、代行会社が個人への発注者になります。その場合でも、下請の体制がどうなっているかを提案の段階で聞いておくと、進行の詰まりを予測できます。

参考:フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組

クリエイターを探す公式の場と、任せる範囲

TikTokは、ブランドがクリエイターの情報にアクセスできる公式の仕組みを用意しています。TikTok Oneのクリエイターマーケットプレイスでは、クリエイターの情報が地域ごとに分かれており、登録した地域のクリエイターを閲覧しつつ、他の地域の情報にもアクセスできると公式ヘルプに書かれています。

代行会社にクリエイターの起用を任せる場合、公式の仕組みを使うのか、自社で抱えているネットワークから選ぶのかで進め方が変わります。どちらが優れているという話ではありませんが、選定の理由を説明してもらえるかどうかは判断材料になります。

クリエイターを起用した施策そのものの設計は、アカウント運用とは別の論点として整理しています。

参考:TikTok One Creator Marketplaceでクリエイター情報にアクセスする方法

関連記事:【最新版】 TikTokのインフルエンサーマーケティングを解説!

商業コンテンツの開示を、投稿の手順に組み込みます

TikTokのコミュニティガイドラインは、商業的なコンテンツを投稿する場合にコンテンツ開示設定を使うことを求めています。企業アカウントの投稿は自社の製品やサービスの宣伝に当たることが多いため、この設定は例外的な手続きではなく毎回の作業になります。代行会社の投稿手順に組み込まれているかどうかを確かめる必要があります。

自社の製品やサービスを宣伝する投稿にも開示が必要です

コンテンツ開示設定が必要になる場面は、他社のPR案件だけではありません。TikTokのコミュニティガイドラインには、開示が必要になる場合として、自社のビジネス、製品、またはサービスを宣伝する場合と、ブランドコンテンツを投稿して見返りに何らかのインセンティブを受ける場合の2つが挙げられています。

自社の商品を紹介する動画は、前者に当たります。企業アカウントの投稿の多くがこの範囲に入ると考えられるため、開示を例外扱いにしていると運用の途中で手順を変えることになります。ガイドラインには、すべてのブランドコンテンツはブランドコンテンツポリシー、広告クリエイティブポリシー、業界参入ポリシーにも準拠する必要があるとも書かれています。

開示のない商業コンテンツは「おすすめ」フィードの対象外になります

開示の設定を使っていない商業コンテンツは、TikTokの「おすすめ」フィードに表示されなくなります。同じガイドラインには、商業コンテンツがコンテンツ開示設定を使用して開示されていない場合は「おすすめ」フィードの対象外となり、適切に開示されていない場合はTikTokが開示設定を適用するか、当該コンテンツを「おすすめ」フィードから削除する場合があると書かれています。

繰り返し開示が行われない場合の措置についても記載があります。アカウントが一時的にコンテンツの投稿を制限されるか、アカウントの永久停止につながる可能性があるとされています。開示の手順が抜けた運用は、動画の質とは無関係に露出が出ない状態を招きます

再生数が伸びない原因を企画や編集に求めて改善を繰り返しても、原因が設定側にあれば数字は動きません。代行会社を替える判断をする前に、投稿の設定を確認する工程を挟んでください。

参考:コミュニティガイドライン|規制対象の商品、サービス、および商業活動

代行会社の投稿手順に開示の工程が入っているかを確かめます

開示の設定は投稿のたびに発生する作業のため、手順書に入っているかどうかで運用の安定度が変わります。誰が設定し、誰が確認するのかを決めていない運用は、担当者が変わった時点で抜けが出ます。

確認したいのは、投稿の手順書に開示の工程が記載されているか、投稿後に設定を確認する担当がいるか、開示が漏れた場合に誰がどう対応するかの3点です。提案書には書かれていないことが多いため、口頭で聞いて返答の具体性を見てください。手順の形で答えが返ってくる会社は、複数のアカウントで同じやり方を回しています

アカウントの権限をどう渡すかも、この工程と関わります。TikTokのビジネスセンターでは、管理者がTikTokアカウントへのアクセス権限を申請でき、ロールは基本権限と高度な権限に分かれると公式ヘルプに書かれています。ログイン情報そのものを渡す運用にするのか、権限を付与する運用にするのかを契約前に決めておきましょう。

参考:ビジネスセンターのロールと権限

商業コンテンツの開示を手順に組み込む

発注条件の言語化から、社内に数値を残す仕組みづくりまでが支援の範囲です。開示の手順や権限の渡し方を要件へ落とし込む作業も、malnaでお引き受けできます

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TikTok ShopとLIVEを委託の範囲に入れるかどうか

TikTok Shopとライブ配信を運用代行の範囲に含めるかどうかは、体制の話として先に決める判断です。商品を売る機能が絡むと、動画の制作に加えて在庫、価格、配送、アフィリエイトの設計が関わってきます。動画の運用だけを想定した契約に後から足すと、責任の線が引けなくなります。

日本での提供開始から半年間の実績が公表されています

TikTok Shopは2025年6月30日に日本での提供が始まりました。TikTokのニュースルームでは、2025年6月30日から2025年12月末の期間において、TikTok Shopでの全体流通総額の約70パーセントがコンテンツを起点とした購入によるものだったと公表されています。

同じ発表では、登録セラー企業数が提供開始当初と比較して約3倍となる5万店に成長し、TikTok Shopクリエイターも約20万人へと拡大したとされています。半年間でTikTok Shopで商品を購入した利用者数は20倍以上に増加したとも書かれています。

利用者の年代についても記載があります。18歳から34歳のユーザーと35歳以上のユーザーが、それぞれ全体の約半数を占めているとされています。若年層だけの媒体という前提で商材を絞っていた場合、この数字は見立てを変える材料になります

項目 公表されている内容
日本での提供開始 2025年6月30日
コンテンツ起点の流通総額比率 全体の約70パーセント(2025年6月30日から12月末)
登録セラー企業数 提供開始当初の約3倍となる5万店
TikTok Shopクリエイター 約20万人
購入した利用者数 半年間で20倍以上に増加
年代構成 18歳から34歳と35歳以上がそれぞれ約半数

参考:TikTok Shop、日本での提供開始から半年が経過

アフィリエイト手数料の設定は運用の判断になります

TikTok Shopを使う場合、クリエイターに支払う手数料の設定が運用の判断項目に入ります。TikTokの公式ヘルプでは、初めて基準を設定する際は手数料を10パーセントに設定し、TikTok Shopの流通総額の伸びに合わせて5パーセントや1パーセントへと段階的に下げていくことを推奨すると書かれています。

同じページには、できるだけ多くの商品をアップロードし、ベストセラー商品だけをアップロードしないことという推奨や、できるだけ多くのショッパブル動画を投稿し、関連する動画に商品リンクを追加することという推奨も記載されています。動画の本数と商品の数が連動する設計になっているため、運用の稼働量も動画だけの運用とは変わってきます。

この手数料の設定は、事業側の利益率に直接効きます。代行会社に判断を任せる範囲なのか、自社で決めて指示する範囲なのかを、契約の前に切り分けておいてください。

LIVE配信は配信の時間そのものが工数になります

ライブ配信を委託の範囲に含める場合、配信している時間そのものが人の拘束時間になります。編集で圧縮できる動画の制作とは違い、1時間の配信には1時間の稼働が発生し、出演者と進行役の両方が必要です。

TikTokの公式ヘルプには、LIVEショッピングのイベントを実施する際にLIVEショッピング広告の配信と総利益への最適化を行い、数百米ドルの予算から始めることを強く推奨するという記述があります。あわせて、LIVEショッピングのイベントやLIVEショッピング広告がビジネスにとって有効にはならない可能性もあるとも書かれています。公式が効果の限界に触れている点は、社内で期待値を調整する材料になります。

配信の頻度と長さを決めずに契約すると、月額に含まれる配信時間が曖昧なまま進みます。1回あたりの配信時間、月の回数、誰が出演するのかを数量で決めてから見積を取ってください

参考:TikTok Shopの利用を開始する上での注意点

広告と在庫が絡むと窓口が分かれます

TikTok Shopを本格的に動かすと、アカウント運用、広告配信、在庫と物流という3つの領域が同時に走ります。この3つを1社にまとめられるかどうかは会社によって違い、まとめられない場合は窓口が複数になります。

窓口が複数になること自体は、それだけなら差し支えありません。困るのは、成果が動かなかったときに原因の切り分けができない状態です。動画の反応が弱いのか、広告の設計に問題があるのか、在庫が切れていたのかを判断するには、3つの領域の数字を突き合わせる担当が社内に必要になります。この役割を誰が持つのかを決めてから、委託の範囲を決めてください。

実行の記録と、成果をうたう提案の見分け方

TikTokのアカウント運用は、実行した内容の記録が社内に残るかどうかで次の判断の質が変わります。TikTokのアナリティクスで遡れる期間には上限があり、記録を残していなければ過去の推移そのものが手元から消えます。あわせて、成果を保証すると説明する提案の扱いも、契約の前に方針を決めておく項目です。

アナリティクスで遡れるのは60日間です

TikTokのビジネスアカウントで確認できる分析の期間には上限があります。TikTokのウェブビジネススイートの公式ヘルプでは、アナリティクスの概要、オーディエンス、動画の各画面について、過去7日間、過去28日間、過去60日間または任意の集計期間と記載されています。ホーム画面については過去7日間、過去30日間、過去90日間の集計期間が示されています。

60日より前の数値を後から取りに行けないという前提が、記録の残し方を決めます。報告書を受け取るだけで終わらせず、その報告のもとになった数値を表の形でも渡してもらう取り決めを契約に入れてください。生の数値を受け取っていないと、代行会社を替えた瞬間に社内の記録が報告書だけになります

同じページには、投稿のスケジュール機能やデータのダウンロード機能についての記載もあります。どの画面から何を書き出せるのかを一度確認しておくと、報告の要求内容を具体的に伝えられます。

参考:ウェブビジネススイートについて

動画1本ごとに何を変えたかを残します

記録として価値が出るのは、投稿した本数ではなく、その本で何を変えたのかという情報です。冒頭の見せ方を変えたのか、出演者を変えたのか、尺を短くしたのかが残っていなければ、伸びた理由も伸びなかった理由も後から検証できません。

代行会社に求めたいのは、動画ごとの意図と結果を対応させた記録です。今月出した動画のうち、どれが何を試した本だったのかが1行で書かれていれば、次の月に何を続けて何をやめるかの判断ができます。この記録がない報告は、実施したことの証明にはなっても改善の材料にはなりません

数値の見方そのものについては、指標の種類と確認の手順を別の記事にまとめています。

関連記事:TikTokの分析方法は?おすすめの分析ツールも紹介!

人為的にエンゲージメントを増やすサービスは規約で禁じられています

TikTokのコミュニティガイドラインは、エンゲージメントを人為的に高めるサービスの取引を禁じています。ガイドラインには、人為的にエンゲージメントを増やしたり、おすすめシステムを欺いたりするサービスの取引は許容されないと書かれています。

同じ項目には、自動化ツール、スクリプト、またはTikTokのシステムを回避するよう設計されたその他の手法は固く禁じられており、コンテンツの削除、アカウントの永久停止、その他の措置につながる可能性があるという記述もあります。不正な指標のあるアカウントやコンテンツを検出した場合、偽のいいね、フォロワー、その他の水増しされたシグナルは削除するとも明記されています。

達成の手段を書かずにフォロワー数だけを条件に置いた契約では、何が行われているのかを発注側が追えません。手段を明かさない提案を受けたときは、何をどう実行するのかを説明させてください。措置を受けたときに事情の説明を求められるのは、アカウントの名義人です。

参考:コミュニティガイドライン|誠実性と信頼性

約束の対象を、成果から実行内容へ置き換えます

成果を保証するという提案は、契約として検証できる形に置き換えてから受け取ってください。バズらせます、フォロワー数を保証します、必ず伸びますといった説明は、達成できなかったときに何が起きるのかが定まっていません。

置き換える先は、毎月の実行量と実行内容です。撮影を何日行い、動画を何本納品し、何を試して、どの数値で判断するのか。この4つを契約書に書けば、達成できたかどうかを双方で確認できます。表現の話ではなく、検証できる約束に変える作業です。

自社の投稿を伸ばした実績を持つ会社の提案は、それ自体が判断材料になります。ただし、その会社が自社アカウントで作れた作風が、自社の商材で成立するとは限りません。実績の話を聞くときは、どの商材で、どの体制で、どのくらいの期間をかけたのかまで確認してください。

オーガニックのアカウント運用で成果が出た企業の進め方は、事例として別の記事に整理しています。

関連記事:【2025年最新版】成功事例10選付き!ビジネスTikTokアカウント運用マニュアルと実践ノウハウ

よくある質問

TikTok運用代行の発注前に社内で聞かれやすい質問を5つ置いておきます。広告代理店との違い、費用相場、音源の制約、開示の設定、成果の約束という順です。回答の根拠は、TikTokが公開している資料と公的機関の案内に限りました。

TikTok運用代行と広告代理店は何が違いますか

契約のなかで媒体費が動くかどうかが違います。アカウント運用代行は制作と運用にかかる人の時間の対価だけを支払う契約で、投稿を重ねて反応を集めるまで成果が読めません。広告代理店は広告費と運用手数料の組み合わせになり、予算を投じた当日から配信量が変わります。同じ依頼の言葉でも、引き受ける仕事の中身が別です。

TikTok運用代行の費用相場はいくらですか

相場として紹介されている金額の出どころをたどれませんでした。2026年8月14日時点で6社の公式サービスページを確認したところ、月額の金額を掲示していたのは1社だけです。投稿本数と撮影の方法を先に固め、その条件に対する回答として各社の金額を受け取るほうが、差額の意味が読めます。

企業アカウントで流行している曲は使えますか

ビジネスアカウントで表示されるのは商用音楽ライブラリのサウンドのみです。TikTokの公式ヘルプには、ビジネスアカウントで「サウンドの追加」をクリックすると商用音楽ライブラリのサウンドのみが表示されると書かれています。個人アカウントでは全てのサウンドが表示されるため、企画の段階で音源の前提をそろえておく必要があります。

作った動画をInstagramやYouTubeにも使えますか

商用音楽ライブラリの音源を使った場合、TikTok外での商用利用は許可されていません。利用規約には、投稿や共有はTikTok内に限られ、TikTok外の用途についてTikTokは権利を付与しないと書かれています。他媒体でも使うのであれば、自社でライセンスを持つ楽曲か、他媒体でも使える条件の音源を選ぶ設計が必要です。

企業の投稿にもPRの開示は必要ですか

自社のビジネス、製品、またはサービスを宣伝する場合はコンテンツ開示設定を使う必要があります。TikTokのコミュニティガイドラインには、開示されていない商業コンテンツは「おすすめ」フィードの対象外となり、繰り返し開示が行われない場合はアカウントの投稿制限や永久停止につながる可能性があると書かれています。

まとめ

TikTok運用代行の比較は、料金表を集める作業では前に進みません。公開情報で月額を掲示している会社が限られ、相場として流通している金額にも一次情報が見つからないためです。先に決めるのは、投稿本数、撮影の方法、出演者を誰にするかという自社側の条件です。

TikTokに固有の制約は3つあります。ビジネスアカウントで使える音源は商用音楽ライブラリに限られ、その音源を使った動画はTikTok外で商用利用できません。自社の製品やサービスを宣伝する投稿にはコンテンツ開示設定が必要で、開示のない商業コンテンツは「おすすめ」フィードの対象外になります。そして分析で遡れるのは60日間です。

出演者の手配は代行に渡しきれない部分が残ります。契約の期間が切れた動画をどうするか、個人に直接発注する場合の取引条件の明示をどう扱うかは、動画を作り始める前に決めておく項目です。成果の保証ではなく、撮影日数と本数と検証内容という実行量を契約に書くほうが、続けるか止めるかの判断ができます。

手を動かす一歩目として、これまでに投稿した動画を10本並べ、出演した人、使った音源、撮影した日を書き添えてみてください。埋まらなかった列が、社内に足りていない材料を指しています。その紙を発注の条件書に仕上げる段階から手を借りたい場合は、malnaに問い合わせるところから動かせます。

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malnaブログ編集部

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