Instagram運用代行とは?比較の5軸と権限の渡し方、見積の読み方を解説

同じ条件を伝えたつもりの3社から見積が返ってきて、月額に数倍の開きがついている。安いほうを選んでよいのか、高いほうに理由があるのか、そこで判断が止まる。Instagramのアカウント運用を初めて外に出すとき、最初につまずくのはこの場面です。

目次

差がつく原因のひとつは、単位の定義です。1投稿という同じ言葉が、静止画1枚を指す会社と、撮影から編集まで含んだ動画1本を指す会社では、まったく違う作業量を意味します。単位がそろっていない見積を金額の順に並べても、選ぶ根拠にはなりません。

本記事では、Instagram運用代行に渡せる業務の範囲、見積の単位をそろえる手順、Meta公式の仕組みに沿った権限の渡し方、UGCやアンバサダー施策を含めるときの法令上の線引き、そして比較表に置く5つの軸を整理します。

Instagramのアカウント運用を外に出すかどうかを、今期のうちに判断しなければならない担当者の方に向けた内容です。

単位のそろえ方から決めていきたい段階でしたら、条件の整理からご相談いただけます

Instagram運用代行の定義と、他のSNSと違う点

Instagram運用代行とは、企業のInstagramアカウントを動かす仕事のうち、投稿の企画、画像や動画の制作、投稿の実施、コメントやDMへの対応、数値の分析を外部の事業者に任せる契約の総称です。どこまで任せるかは契約ごとに決まり、制作だけを切り出す形も、戦略設計から分析まで通して預ける形もあります。

Instagramは日本国内で規模の大きな媒体です。Metaは2019年6月7日の発表で、Instagramの国内月間アクティブアカウント数が2019年3月時点で3,300万を突破したと公表しました。あわせて、国内のデイリーアクティブアカウントの70パーセントがストーリーズを利用していること(2018年10月時点)も示されています。なお2026年8月時点で、これより新しい国内アカウント数のMeta公式発表は確認できませんでした。

代行を検討する動機は、投稿が続かないという事実から始まることが多くあります。ただし続かない理由が制作の手が足りないことにあるのか、何を出すか決められないことにあるのかで、外に出すべき作業は変わってきます。

参考:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破

4つの投稿面と、作業量の差

Instagram運用の作業量は、どの投稿面を使うかで決まります。フィード、リール、ストーリーズ、ライブの4つでは制作の手間がまったく違い、同じ本数でも必要な時間に数倍の開きが出ます。

Instagram公式のリール紹介ページでは、複数のクリップをつないで3分までの動画を作成できるとされ、撮影時の合計は20分までと説明されています。あわせて、3分を超えるリール動画は新しいオーディエンスにおすすめされないという注記もあります。ストーリーズは24時間後に自動的に削除され、残したい場合はハイライトとしてプロフィールに追加する仕組みです。

この違いが費用に直結します。静止画1枚のフィード投稿と、撮影から編集まで含む3分のリールを、同じ1投稿として数えている見積は比較の対象になりません。ストーリーズも同様で、24時間で消える前提の投稿を毎日出す運用と、週に2回出す運用では月あたりの手数が大きく変わります。

参考:Instagramリール: 短尺動画の作成とシェア

参考:Instagramストーリーズ: 瞬間を切り取り、シェアし、発見する

アカウント運用と広告配信の切り分け

Instagram運用代行の見積で最初に分けるべきなのは、アカウント運用と広告配信です。この2つは使うツールも成果の測り方も違い、同じ月額に混ぜると何にいくら払っているのかが見えなくなります。

アカウント運用は投稿を積み上げてフォロワーとの接点をつくる作業で、成果が表れるまでに時間がかかります。広告配信は予算を投じて配信面を買う作業で、金額を動かせば当日から結果が変わります。見積を受け取ったら、広告費そのもの、広告の運用手数料、アカウント運用の代行費が別の行になっているかを確かめましょう。

広告の配信面や形式の選び方は、それ自体が別の判断になります。

関連記事:【2025年最新版】Instagram広告の種類と選び方|目的別に配信面・形式を選ぶコツ

SNS運用代行という括りとの関係

Instagram運用代行は、SNS運用代行の一部として扱われることがあります。複数媒体をまとめて受託する会社が多く、提案書もSNS全般の枠組みで書かれてきます。

ただしInstagramに絞ると、制作物が画像と動画に寄り、ハッシュタグや発見タブからの流入設計が加わり、24時間で消えるストーリーズの日々の運用が発生します。テキスト中心の媒体と同じ工数の見立てでは足りません。媒体をまたいで委託する場合も、Instagramの部分だけは投稿面ごとに数量を切り出して確認してください

複数媒体をまとめた提案で起きやすいのは、月額の総額だけが示され、媒体ごとの内訳が出てこない状態です。この形で契約すると、Instagramの投稿本数を増やしたいという相談に対して、他媒体の本数を減らす調整が入っているのかどうかが読み取れません。媒体別に金額と数量を分けた見積を求めましょう。

SNS全般の業務内容や代行会社の一覧は、すでに別の記事で整理しています。

関連記事:SNS運用代行とは?仕事内容とメリット、おすすめ代行会社を紹介

代行に渡せる業務と、社内に残る業務

Instagram運用代行に渡せる業務は、戦略設計、制作、投稿実施、コミュニケーション対応、分析の5工程に分かれます。一方で、被写体へのアクセスや回答の基準のように社内にしか用意できない要素もあり、そこまで渡そうとすると契約が空回りします。工程ごとに、外に出せる部分と社内で持つ部分を先に分けておきましょう。

工程 主な作業 発生頻度 社内側で必要になるもの
戦略設計 ターゲット定義、投稿方針、指標の設計、競合の把握 立ち上げ時と見直し時 事業側の目的と優先順位
制作 撮影、画像の編集、動画の編集、キャプションの執筆 毎月 商品や現場へのアクセス、素材の提供
投稿実施 投稿予約、ハッシュタグの設定、ストーリーズの日々の運用 毎月から毎日 投稿内容の承認
コミュニケーション対応 コメントの返信、DMの一次対応、保存やシェアの促し 随時 回答の基準とエスカレーション先
分析 インサイトの確認、月次の報告、次月の提案 毎月 事業側の数字との突き合わせ

表の右端の列が、社内に残る作業です。ここを空欄のまま契約すると、代行会社は素材も判断基準もない状態で毎月の投稿を求められることになります。

制作の分かれ目は素材の所在

制作を渡せるかどうかは、素材の所在で決まります。商品や店舗や社員という被写体は社内にあり、そこへのアクセスがなければ撮影は成立しません。素材を誰が用意するのかで、同じ制作という項目の中身が入れ替わります。

素材支給型の契約では、社内で撮った写真や既存の商品画像を渡し、代行会社が編集とキャプション作成を担います。撮影込みの契約では、カメラマンやディレクターが現地に入り、日程調整と立ち会いが必要になります。制作という同じ言葉でも、社内の負担はまったく違います。見積を読むときは、撮影が含まれるのか、含まれる場合の回数と拘束時間はどれくらいかを最初に確認しましょう。

コメントとDMの一次対応に必要な回答基準

コメントとDMの対応を渡す場合、先に必要なのは人手ではなく回答の基準です。基準がないまま外部に任せると、答えられない問い合わせが溜まるか、社内の見解と違う回答が出ていくかのどちらかになります。

用意しておくのは、そのまま返してよい質問と回答の対応表、価格や在庫のように自社しか答えられない質問の振り先、クレームや炎上の兆しを検知したときの連絡経路です。DMは公開されないため、外部に任せると社内から内容が見えなくなります。月次で問い合わせの傾向を共有してもらう取り決めを入れておくと、その中身が商品改善の材料として社内に残ります。

ライブ配信と社員出演が外に出せない理由

ライブ配信は、代行に出しても社内の人が画面に映る必要が残ります。企画進行や告知、配信中のコメント拾いは委託できるものの、話す人そのものは代替できません。ここを見落とすと、配信の日程だけが決まって当日に人が立たない状態になります。

社員が登場する投稿も同じ構造です。誰が出るのか、撮影にどれだけ時間を使うのか、肖像の利用範囲をどう社内で合意するのかは、代行会社が決められる範囲を超えています。ライブや社員出演を運用方針に入れるなら、出演者の確保と社内調整を誰が担うのかを契約前に決めてください。ここが空白のまま始まった運用は、初月で企画だけが残ります。

初期設定を自社で終わらせておく理由

アカウントの初期設定は、代行に渡す前に自社で終わらせておくのが安全です。プロフィールの整備やカテゴリの設定は難易度が高くない一方、アカウントの持ち主が誰かという問題に直結します。

Instagram for Businessの案内では、プロフィールの設定画面からプロアカウントに切り替え、カテゴリを選んでビジネスを選択する流れが示されています。切り替えるとプロフェッショナルダッシュボードやインサイトが使えるようになります。この作業を代行会社に任せる合理的な理由は、ほとんどありません。

参考:Instagramをビジネスに活用する

関連記事:Instagram企業アカウントの作り方とポイントを解説!

月次報告に載せてもらう項目

分析を渡す場合は、報告書の項目を発注側から指定します。指定しないと、フォロワー数の増減とインプレッションの推移だけが並んだ資料が毎月届き、次に何をするかの判断材料になりません。

指定しておきたい項目は次のとおりです。

  • 投稿面ごとの本数と、投稿1本あたりの保存数とプロフィールへの遷移数
  • フォロワーの増減の内訳と、その月に実施した施策との対応
  • 伸びた投稿と伸びなかった投稿を各3本挙げ、その差がどこから来たかの見立て
  • 次月に変える点と、変えた結果を何で判断するか

この4項目があると、報告が実施記録から改善提案に変わります。あわせて、報告書のもとになった数値を表形式で受け取る取り決めも入れておきましょう。加工後の資料しか手元に残らない運用は、代行会社を変えた時点で過去の推移が追えなくなります。社内で数値を蓄積しておけば、次の会社に渡す引き継ぎ資料がそのまま揃います。

見積の金額が比べられなくなる理由

Instagram運用代行の見積が比較できなくなる原因は、金額の高低ではなく単位の定義にあります。1投稿という表記が何を指すのかが会社ごとに違うため、同じ数字が違う作業量を意味してしまいます。ここを放置したまま金額を並べると、作業量の少ない見積が安く見えるだけの比較になります。

公開情報で確認できなかった費用相場

Instagram運用代行の費用相場について、調査手法と母数が示された一次情報は確認できませんでした。検索して出てくる金額は、代行会社や比較サイトが自社の経験をもとに書いた記述であり、業界統計ではありません。

金額そのものが誤りだという話ではありません。ただし出所が示されない数字を根拠に交渉すると、相手が置いた前提と自社の前提がずれたまま話が進みます。相場から入るのではなく、自社が必要とする投稿面と本数と制作方法を先に決め、その条件で各社に金額を出させるほうが判断材料になります。

見積の1行が指す単位の確認

見積の各行は、単位の解釈が複数あり得ます。同じ文言でも指している作業が違うため、数量の後ろにある定義を聞き出す必要があります。よく使われる5つの表記について、確認しておきたい質問を整理しました。

見積の表記 起こりうる解釈の違い 確認する質問
フィード投稿 月8本 1枚もの8本か、複数枚のカルーセル8本か 1本あたりの画像枚数の上限はいくつですか
リール 月4本 支給素材の編集4本か、撮影込み4本か 撮影は含まれますか。1本の尺の上限は何秒ですか
ストーリーズ 運用込み 週数回の投稿か、毎日の投稿か 月間の投稿本数と、既存投稿の再利用の可否を教えてください
コメント対応 返信のみか、通報対応や非表示設定も含むか 対応時間帯と、1日あたりの想定件数はどれくらいですか
月次レポート 数値の一覧か、次月の提案を含むか 提出物の項目と、打ち合わせの回数を教えてください

この5行を埋めてから金額を並べると、差額の正体が手数の多さなのか、含まれる工程の広さなのかが切り分けられます。安い見積が実は編集のみで、撮影と分析を含んでいなかったという結末は、単位を定義しない発注でほぼ確実に起きます

リールと静止画の単価差

リールと静止画の単価を同じ枠で扱うと、費用の見立てが崩れます。動画は企画、撮影、カット編集、テロップ、音源の選定という工程が積み上がり、静止画とは作業の性質が違います。

先に触れたとおり、リールは3分まで作成でき、撮影段階では合計20分の素材を扱えます。素材が長くなるほど編集の時間は増えます。一方で公式には、3分を超えるリールは新しいオーディエンスにおすすめされないとも書かれており、長さを追う設計には注意が必要です。見積の段階で1本あたりの想定尺、素材の撮影主体、修正回数の上限を確認しておくと、追加費用の話が後から出にくくなります。

修正回数はとくに見落とされます。動画は差し戻しの1回が静止画の数倍の作業になるため、修正の回数と差し戻しの締切を契約に書いておくと現場の摩擦が減ります。社内の確認者が複数いる場合は、誰が最終の可否を出すのかも同時に決めましょう。

契約期間と、判断に必要な期間

契約期間の長さと、成果を判断できるまでの期間は別の問題です。ここを混ぜると、まだ判断できない段階で解約の話をするか、判断材料がないまま継続するかのどちらかになります。

アカウント運用は、投稿を数本出した時点では傾向が読めません。投稿面の構成を変えたり、扱うテーマを入れ替えたりした結果が数字に表れるまでには、複数回の試行が必要です。一方で最低契約期間が長い契約は、途中で方向が違うと分かっても身動きが取りにくくなります。

現実的な進め方は、契約期間の中に見直しの時点を先に置いておくことです。何か月目に何を見て、どういう数字だったら続けるのか、その基準を発注の段階で文書にしておきます。基準がないまま期間が過ぎると、継続の判断が担当者の印象で決まります。判断の時点と基準を先に決めておくことは、代行会社にとっても改善の的が定まる材料になります

権限の渡し方と、契約が終わったあとに残るもの

Instagram運用代行で最も後戻りしにくいのは、アカウントの権限の渡し方です。ログイン情報を共有する方法ではなく、Metaが用意している権限付与の仕組みを使うと、契約終了後に自社の資産が残る形になります。

ログイン情報の共有と権限付与の違い

代行会社に渡すべきものは、パスワードではなくアクセス権です。Metaのビジネスヘルプセンターには「ビジネスポートフォリオでパートナーにビジネスアセットへのアクセス許可を付与する」という項目が用意されており、パートナーに対して個別のアセット単位でアクセスを許可する仕組みがあることが確認できます。

ログイン情報を渡す運用には、退職や担当交代のたびにパスワードを変える手間が残り、誰がいつ操作したのかを切り分けられないという問題もついてきます。権限の付与であれば、契約終了時に権限を外すだけで済みます。手順の詳細はMetaのヘルプセンターに掲載されていますが、閲覧にログインが必要な部分もあり、具体的な画面遷移までは確認できていません。実際に設定する際は公式ヘルプを参照してください。

発注時に確認しておきたいのは、代行会社がこの方法に対応できるかどうかです。ログイン情報の共有を前提にした運用しかしていない会社は、複数の顧客のアカウントを同じ手順で扱っている可能性があります。自社の情報管理の規程に照らして問題がないかを、契約前に社内の情報セキュリティ担当と確認しましょう。

参考:ビジネスポートフォリオでパートナーにビジネスアセットへのアクセス許可を付与する

アカウントを置くビジネスポートフォリオの選択

権限を渡す前提として、自社アカウントは自社のビジネスポートフォリオに置いておく必要があります。ここが代行会社側のポートフォリオになっていると、契約終了時の移管が交渉事になります。

Metaのビジネスヘルプセンターには「ビジネスポートフォリオにInstagramアカウントを追加する」という項目があり、ビジネスポートフォリオ側にアカウントを紐づける仕組みが公式に用意されています。あわせて「ビジネスポートフォリオにユーザーを追加してビジネスアセットを割り当てる」「ビジネスポートフォリオまたはビジネスアセットに対するメンバーのアクセス許可を変更する」という項目もあり、メンバー単位で権限を割り当てたり変更したりできることも確認できます。

契約前に決めておくのは、どちらのビジネスポートフォリオにアカウントを置くか、代行会社の担当者に与える権限の範囲、そして担当交代時に権限を更新する責任の所在です。すでに代行会社側のポートフォリオに入っている場合は、更新のタイミングで移す相談を切り出してください。時間が経つほど紐づく資産が増え、移管の作業量が膨らみます。

Meta側の資産は、Instagramアカウント単体では終わりません。Facebookページ、広告アカウント、カタログ、ピクセルといった資産が同じポートフォリオに紐づいていくため、どこに何が置かれているかを一度棚卸ししておくと、あとの判断が早くなります。ビジネスマネージャの構造そのものは、別の記事で扱っています。

参考:ビジネスポートフォリオにInstagramアカウントを追加する

参考:ビジネスポートフォリオにユーザーを追加してビジネスアセットを割り当てる

参考:ビジネスポートフォリオまたはビジネスアセットに対するメンバーのアクセス許可を変更する

関連記事:Facebook(Meta) ビジネスマネージャ(現:ビジネスポートフォリオ)とは?作成方法とメリットを徹底解説

制作データと数値の記録の返却条項

契約終了時に自社に残るかどうかが曖昧になりやすいのは、制作データと数値の記録です。投稿された画像は残っても、編集元のデータや撮影した未使用の素材は代行会社の手元にあります。

契約書に入れておくのは、撮影した素材の原本、デザインの編集元データ、動画のプロジェクトファイル、そして月次で報告された数値の記録です。あわせて素材の利用範囲も確認しておきましょう。Instagram以外の媒体や紙の販促物にも使いたい場合、その利用が契約に含まれているかで話が変わります。

インサイトの数値をどこまで遡って取得できるかは、公式情報からは期間の条件を確認できませんでした。そのため、月次レポートを自社側にも蓄積しておく運用が現実的です。数値の推移が社内に残っていれば、次の代行会社に切り替えるときの引き継ぎ資料になります。

関連記事:【完全無料】InstagramのインサイトをPCから見る方法

権限の設計や引き継ぎの条件を発注要件に落とし込む段階でしたら、malnaへのお問い合わせから具体的な相談ができます。

UGCとアンバサダー施策を代行に含めるときの線引き

Instagram運用代行にUGCの活用やアンバサダー施策を含める場合、表示のルールと権利の許諾という2つの論点が発生します。どちらも守れなかったときの責任が自社に残るため、代行会社に任せきりにはできません。

タイアップ投稿ラベルによる開示

クリエイターとの間で価値の受け渡しがあった投稿は、ブランドコンテンツとして開示する必要があります。Instagram for Businessの案内では、ビジネスパートナーを紹介したオーガニックコンテンツや、ビジネスパートナーとの間で価値交換があり影響を受けているコンテンツについて、タイアップ投稿ラベルを表示してブランドコンテンツとして開示する必要があると説明されています。

広告として配信する場合の扱いも同じページにあり、広告キャンペーンでクリエイターとブランドの間に価値交換があった場合はパートナーシップ広告として掲載する必要があるとされます。あわせて、提携時には契約を作成し、決済規約、利用権、地域、開示、独占的権利、非競争条項などの法的拘束事項を満たすことが重要だとも書かれています。代行会社にキャスティングを任せる場合も、この契約の中身は自社で確認してください

参考:Instagramでクリエイターとコラボレーションする

参考:タイアップ投稿ラベルについて

ステルスマーケティング規制で責任を負う主体

ステルスマーケティング規制で責任を負うのは、商品やサービスを供給する事業者です。消費者庁は、令和5年10月1日から、広告であるにもかかわらず広告であることを隠す表示が景品表示法違反になると案内しています。

同庁の説明では、規制の対象となるのは商品やサービスを供給する事業者であり、企業から広告や宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはならないとされています。代行会社やインフルエンサーに任せた投稿で表示が不十分だった場合も、問われるのは依頼した自社です

さらにQ&Aでは、事業者が第三者に対して表示の内容を明示的に依頼や指示をしていなくても、第三者との関係性を踏まえ、表示内容の決定に関与していると判断される場合があると示されています。アンバサダー制度のように継続的な関係がある相手の投稿は、指示を出していないという説明だけでは対象外になりません。

参考:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。

広告であることの示し方

広告であることの明示には、認められにくい書き方があります。消費者庁のQ&Aでは、広告、宣伝、プロモーション、PRといった用語を記載する方法や、A社から商品の提供を受けて投稿しているといった文章で記載する方法が適切だとされています。

一方で、投稿の本文ではなくツリーやリプライに広告などの記載がされている場合は、通常、一般消費者が当該記載に気付かないおそれがあるとされます。動画についても、冒頭に広告と表示していても表示内容全体から明瞭となっていないと判断される場合があると書かれています。リールやストーリーズを使う施策では、この点が実務上の分かれ目になります。代行会社に投稿文の作成を任せるなら、明示の位置と表記を運用ルールとして先に文書化してください。

参考:ステルスマーケティングに関するQ&A

一般の利用者の投稿を使うときの許諾

一般の利用者が投稿した写真や動画を自社アカウントで使う場合、投稿者本人の許諾が必要になります。ハッシュタグを付けて投稿してくれた写真をそのまま転載する運用は、権利の面で足元が危うい進め方です。

許諾を取るときに確認しておくのは、使う投稿の特定、使う場所の範囲、使う期間、加工の可否、そしてクレジットの表記方法です。DMでのやり取りだけで済ませると、後から範囲の解釈が食い違います。代行会社にUGCの収集を任せる場合は、許諾のテンプレートと取得の記録の残し方まで業務範囲に入れてください。第三者の投稿を扱う施策では、代行会社が善意で進めた結果として権利の問題が起きることがあり、進め方の合意が先に必要です。

インフルエンサー施策そのものの設計は、別の記事で扱っています。

関連記事:Instagramインフルエンサーマーケティング徹底解説

Instagram運用代行を比較する5つの軸

Instagram運用代行の比較は、会社の知名度や月額の安さではなく、5つの軸で並べると判断できます。対応する投稿面、制作の起点、権限の受け取り方、数値の扱い、法令と規約への構えの5つで、自社の条件に対する各社の回答を横に並べる形です。

見るところ 判断が分かれる点
対応する投稿面 フィード、リール、ストーリーズ、ライブのどこまでを含むか 動画の制作体制を社内に持っているか、外注しているか
制作の起点 素材支給か、撮影から担うか 撮影の回数、拘束時間、遠方への対応
権限の受け取り方 ログイン情報を求めるか、権限の付与で足りるか 自社ポートフォリオでの運用に応じるか
数値の扱い 何を報告し、どこまで社内に残るか 生データを渡すか、加工後の資料のみか
法令と規約への構え 表示のルールと許諾の運用が業務範囲に入っているか 判断を自社に丸投げしていないか

この5軸のうち、権限の受け取り方と数値の扱いは、契約が終わったあとの自社の状態を決めます。月額が安くても、権限と数値が相手側に残る契約は、乗り換えのたびに一からやり直しになります

同じ条件で見積を取るために渡す4項目

見積を比べるには、各社に同じ条件を渡す必要があります。条件を口頭で伝えると解釈が分かれるため、書面にして同時に渡してください。発注側が条件を出さないかぎり、各社は自社の得意な形に合わせた見積を作ります

渡す項目は次の4つです。

  • 投稿面ごとの月間本数と、1本あたりの画像枚数や動画の尺の上限
  • 撮影の有無、実施する場所、月あたりの回数
  • コメントとDMの対応範囲、対応する時間帯、想定件数
  • 報告の形式、提出物の項目、打ち合わせの回数

この4項目を渡すと、返ってくる金額の差が作業量の差として読めます。条件を渡さないまま集めた見積は、各社が想像した別々の前提で作られており、比べる意味がありません。

提案書で確かめる3つの質問

提案書は、書かれていることよりも答えられなかったことに情報があります。実績や受賞歴は資料に載る一方、運用の中身は聞かなければ出てきません。次の3つを聞いて、返答の具体性で判断してください。

1つ目は、権限の受け取り方についての質問です。ログイン情報の共有を求めてくるか、ビジネスポートフォリオからの権限付与で進められるかを聞きます。後者に即答できる会社は、複数のクライアントで正規の手順を運用している可能性が高くなります。

2つ目は、成果指標の設計です。フォロワー数以外に何を見るのか、その数字が事業側の成果とどうつながるのかを説明できるかを聞きます。保存数やプロフィールへの遷移率を挙げる会社は、投稿の役割を分けて考えています。

3つ目は、うまくいかなかった場合の進め方です。3か月で数字が動かなかったときに何を変えるのか、その判断を誰がするのかを聞きます。ここに答えられる会社は、運用の型を持っています。

指標の設計そのものについては、アルゴリズムの理解が前提になります。

関連記事:【2025年最新版】Instagramアルゴリズム完全解説|フィード・リール・発見タブ別の攻略法

会社名の一覧から探す場合の注意

会社名の一覧から候補を探す進め方も成立しますが、順番が逆になりがちです。一覧を先に見ると、自社の条件が決まる前に候補が絞られ、選定の理由が掲載順や紹介文の印象に引っ張られます。

先に決めるのは、投稿面の構成、撮影の有無、社内に残す作業の3点です。この3点が決まっていれば、一覧の中から条件に合う会社だけを抜き出せます。SNS運用代行会社の一覧は、すでに別の記事に整理しています。

関連記事:【最新】SNS運用代行会社17選!メリットや比較ポイントもご紹介

内製に戻す前提での契約設計

代行の契約は、いつか内製に戻す前提で組んでおくと選び方が変わります。外に出し続ける想定で契約すると、社内に何も残らない形でも困らないため、引き継ぎの条件が交渉から抜け落ちます。

戻す前提で入れておく条項は3つあります。投稿の企画書や撮影の指示書といった中間成果物を毎月受け取ること、撮影素材と編集元データを納品物に含めること、そして運用のルールをまとめた資料を契約期間中に一度作ってもらうことです。3つ目は追加の作業になるため、発注時に費用を含めて相談してください。

中間成果物が残る契約は、代行を続ける場合にも役に立ちます。担当者が交代したときの引き継ぎが早く、社内で内容を検証できるようになるためです。逆に完成した投稿だけが納品される契約は、月々の成果物は増えても社内の判断力は増えません。どちらを選ぶかは予算の問題ではなく、Instagramを自社の資産として持ち続けるかどうかの方針の問題です。

依頼のしかたで規約違反になる場面

Instagram運用代行の依頼内容が、Instagramのコミュニティガイドラインに触れる場合があります。フォロワーを短期間で増やすことだけを条件にした発注は、その典型です。達成手段を自社が把握できない契約は、アカウントに措置が取られたときに説明ができません。

フォロワーやいいねの人為的な獲得

フォロワーやいいねを人為的に集める行為は、Instagramのコミュニティガイドラインで禁じられています。公式のガイドラインには、有意義で誠実なやり取りを大切にするという項目の中で「『いいね!』、フォロー、シェアを人為的に集めたり、同じコメントやコンテンツを繰り返し投稿したり」しないよう記載されています。

同じ項目には、利用者の同意を得ない商業的な連絡や、偽のレビューや評価の提供や勧誘や取引に関する記述もあります。フォロワー数を成果条件にした契約では、達成手段として何が使われるかを自社が把握できません。フォロワーの購入や相互フォローの仲介を業務に含める提案を受けた場合は、その手段が規約上どう扱われるかを提案側に説明させてください。

参考:コミュニティガイドライン

見返りを条件にしたキャンペーンの設計

見返りを条件にしたキャンペーンは、設計次第で規約に触れます。コミュニティガイドラインには、いいねやフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、金銭や金券などのプレゼントを申し出たりしないという記述があります。

プレゼントキャンペーン全体が禁じられているという読み方は正確ではありません。ただし何を条件にして何を渡すのかによって、抵触するかどうかが変わります。代行会社にキャンペーンの企画を任せるなら、条件と景品の組み合わせについて公式の記述をその場で確認し、判断の根拠を残してください。景品類の提供には景品表示法の景品規制も関わってきます。企画のどの時点で法務の確認を挟むかを、運用の手順書に書き込んでおきましょう。

自動化ツールと成果保証をうたう提案

自動化ツールによる一括操作や、成果を保証するという提案には慎重な確認が必要です。コミュニティガイドラインが人為的な収集を禁じている以上、自動でフォローやいいねを繰り返す仕組みは、運用のしかたによって規約上の問題になり得ます。

フォロワー数の保証をうたう提案についても、達成手段の説明を求めてください。手段を明かさない提案を受け入れると、アカウントに何が起きているかを自社が説明できない状態になります。措置が取られたときに困るのは、運用を委託した側です。成果の約束ではなく、毎月何をどれだけ実行するかを約束させるほうが、契約として検証できます

なお、自動化ツールの利用が具体的にどの規約条項に該当するかについては、公式の日本語ドキュメントで該当箇所を特定できませんでした。個別のツールの可否は、提案を受けた時点で公式の記述にあたって判断してください。規約の解釈を代行会社の説明だけで済ませないことが、アカウントを守る最後の線になります

よくある質問

Instagram運用代行の検討で多い質問は、定義、見積の差、費用相場、権限の渡し方、表示の責任の5つに集まります。どれも発注の可否を社内で説明するときに必ず聞かれるため、根拠つきで答えられる状態にしておくと話が前に進みます。以下の回答は、公式に確認できた記述の範囲で書いています。

Instagram運用代行とは何ですか

企業のInstagramアカウントを動かす仕事のうち、投稿の企画、画像や動画の制作、投稿の実施、コメントやDMへの対応、数値の分析を外部の事業者に任せる契約の総称です。どこまで任せるかは契約ごとに決まり、制作だけを切り出す形も、戦略設計から分析まで通して預ける形もあります。広告配信は別の作業として見積を分けて確認してください。

見積の金額が会社によって大きく違うのはなぜですか

1投稿という単位の定義が会社ごとに違うためです。静止画1枚の投稿と、撮影から編集までを含むリール1本を同じ1本として数えている見積は、比較の対象になりません。投稿面ごとの本数、撮影の有無、動画の尺の上限、修正回数の上限を書面で渡し、同じ条件で金額を出させてください。

Instagram運用代行の費用相場はいくらですか

調査手法と母数が示された業界横断の一次情報は確認できませんでした。検索して出てくる金額は、代行会社や比較サイトが自社の経験をもとに書いた記述であり、業界統計ではありません。相場から入るのではなく、必要な投稿面と本数と制作方法を先に決め、その条件で各社に金額を出させるほうが判断材料になります。

代行会社にログイン情報を渡す必要がありますか

Metaはパートナーにアセット単位でアクセスを許可する仕組みを公式に用意しており、ログイン情報の共有以外の方法があります。自社のビジネスポートフォリオにInstagramアカウントを置き、代行会社には必要な範囲の権限を付与する形にしてください。契約終了時は権限を外すだけで済み、移管の交渉が発生しません。

UGCやインフルエンサーの投稿を代行に任せた場合、表示の責任は誰が負いますか

消費者庁の説明では、ステルスマーケティング規制の対象は商品やサービスを供給する事業者であり、依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は対象になりません。代行会社にキャスティングを任せた場合も、表示が不十分だったときに問われるのは依頼した自社です。明示の位置と表記を運用ルールとして文書化してください。

まとめ

Instagram運用代行は、投稿の企画、制作、投稿の実施、コメントやDMへの対応、分析を外部に任せる契約の総称です。フィード、リール、ストーリーズ、ライブという4つの投稿面で作業量が大きく違うため、同じ本数でも必要な工数は一致しません。

見積が比較できなくなる原因は、金額の高低ではなく単位の定義にあります。業界横断の費用相場は公開情報からは確認できませんでした。投稿面ごとの本数、撮影の有無、動画の尺、修正回数の上限を書面で渡し、同じ条件で金額を出させてください。

権限の渡し方は、契約が終わったあとの自社の状態を決めます。Metaはパートナーにアセット単位でアクセスを許可する仕組みを用意しており、ログイン情報を共有せずに運用できます。UGCやアンバサダー施策を含める場合は、タイアップ投稿ラベルによる開示と、ステルスマーケティング規制の責任が自社に残ることを前提に、明示のルールを先に決めてください。

次の一手として、直近3か月の投稿を投稿面ごとに数え、1本あたりにかかった時間を書き出してください。その数字が、外に出す範囲と社内に残す範囲を決める最初の材料になります。書き出した数字をもとに発注の条件書をまとめるところから動きたい場合は、malnaに相談を送ってください

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malnaブログ編集部

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