2022.08.01

Facebook

Facebook広告(Meta広告)における人材業界の成功事例と6つのポイント

終身雇用の考え方が崩れ転職やキャリアチェンジが当たり前になりつつある昨今、人材紹介や人材派遣といった人材業界のサービスの需要も同様に高まっています。

Facebook広告(Meta広告)は同業界でよく用いられる広告手法の一つですが、競合他社より良い成果を出すためにはどのような点に気を付ければ良いのでしょうか?

成功事例とともに、クリエイティブ編と運用編に分けて計6つのポイントをご紹介します。

Facebook広告の仕組みに関しては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください

Facebook広告の仕組みは?運用に必要な知識を徹底解説!

人材業界のFacebook広告(Meta広告)成功事例と3つのポイント【クリエイティブ編】

広告のクリエイティブは、施策の成果を左右する最も重要な要素です。今回は特に多くのターゲットボリュームを持つ求職者向けの広告のクリエイティブについて、成功事例と共に3つのポイントをご紹介します。

静止画と動画を組み合わせる

まず最初におすすめしたいのは、「静止画と動画を組み合わせて配信する」ということです。

過去のCPI(インプレッション単価)やCPC(クリック単価)の実績から、コスト効率の良かったどちらか一方のみで配信しているということはないでしょうか?

FacebookやInstagramを運営するMeta社の公式ブログによると、「人材業界の広告では、静止画のみ、動画のみのキャンペーンよりも、静止画と動画を組み合わせたキャンペーンのほうがコンバージョンにつながる傾向がある」と言います。

一概にどちらの方が良いと決めてしまうのではなく、どちらも併用することで異なるターゲットの関心を引くことが出来るという考え方です。

「動画は制作費がかかるから簡単に作れない…」とお悩みの方もいるかもしれませんが、静止画をアニメーション形式にしたものであれば、さほど予算をかけずに作ることができますので、是非活用してみてはいかがでしょうか?

仕事の条件を具体的に記載する

二つ目のポイントは、「仕事の条件を広告内に具体的に記載する」ということです。

求職者が職場を選ぶ決め手はどのような点にあるのでしょうか。働く環境や価値観は少しずつ変化していますが、「仕事内容」「収入」「勤務時間・休日」「勤務地」といった仕事の条件面は不動の上位になっています。

(出典:転職先の決め手ランキングと入社後に後悔しない転職先の選び方|経験者500人アンケート調査

人材紹介業や人材派遣業は多種多様な仕事を求職者へ斡旋する立場ですので、当然その中には高報酬・好待遇な求人も混ざっているでしょう。そういった求人を広告に活用しない手はありません。「高報酬の仕事」「働きやすい職場」といった漠然とした訴求ではなく、具体的な報酬額や、残業ゼロといった訴求をした方が求職者の目を引きます。

(出典:Facebook広告ライブラリ

ディップ株式会社が運営する求人サイト「バイトル」の例では、報酬はいくらかという具体的な金額を記載したクリエイティブの方がアプリインストール数が多かったという例も報告されています。(出典:Instagramで効くクリエイティブとは – 人材業界での仮説検証

また、2020年に起きた新型コロナウイルスの流行により、多くの人の働き方・働く環境が一変しました。柔軟な働き方が出来ることを職場探しの重要な条件にしている求職者も増えています。そういった面では、「テレワーク主体」「フレックス勤務」といった訴求も以前より効果的になっていると言えるでしょう。

重要なメッセージを画像内にテキストで記載する

三つ目のポイントは、「訴求したい内容の肝となるメッセージや情報は、画像内にもテキストで入れこむ」ということです。

Facebook広告(Meta広告)には、2020年秋頃まで「広告画像内に入るテキストの量が画像の20%を超えてはいけない」という決まり(20%ルール)がありました。しかし現在このルールは撤廃され、テキスト量の制限が無くなっています。前述の通り、人材紹介や派遣の広告では仕事に関する具体的な情報を伝えていく必要があります。画像上でもターゲットである求職者に伝えられる情報が多くなったのは、この業界にとっては好都合だと言えるのではないでしょうか。

これはInstagram広告の事例ですが、株式会社リクルートジョブズ「タウンワーク」の広告において、テキストコピーを含む画像と全くテキストを含まない画像(ベースとなる写真は同じもの)でA/Bテストをしたところ、テキストを含む画像の方がコンバージョン率が60%以上改善したそうです。(出典:Instagramで効くクリエイティブとは – 人材業界での仮説検証

Facebook広告(Meta広告)のフォーマットは「テキストの文章+画像または動画」の組み合わせとなっていますが、ユーザーの立場からするとやはり冒頭の文章よりもその下にくる画像の方に先に目がいくものです。写真やイラストをそのまま出すのではなく、画像上でもうまくテキストを活用できるように工夫してみましょう。

(出典:Facebook広告ライブラリ

人材業界のFacebook広告(Meta広告)成功事例と3つのポイント【運用編】

広告クリエイティブと同様に、運用面を工夫することでパフォーマンスが2倍も3倍も向上することがあります。ここでは基礎的な運用からワンステップ上の成果を目指すための3つのポイントをお伝えしますので、是非参考にしてみてください。

「類似オーディエンス」を活用する

人材業界のFacebook広告(Meta広告)であれば、「地域」「年齢」「興味・関心」あたりのターゲティングを活用している方は多いでしょう。例えば興味・関心の「求人」や「就職・転職」といったオーディエンスは母数も多いので、地域や年齢との掛け合わせでも扱いやすいです。

ただ、これらの基本的なターゲティングだけでは何となく手詰まり感が出てきた、競合と差別化したい、といった場合に是非活用していただきたいのが「類似オーディエンス」です。

類似オーディエンスとはその名の通り、自社と何らかの接点がある顧客(または潜在顧客)に類似するユーザーに配信ができるターゲティング手法です。類似オーディエンスを利用するには、まず「カスタムオーディエンス」=類似拡張の元となるリストの作成が必要になります。

  • カスタムオーディエンス:自社と何らかの接点があるユーザーに配信する手法
  • 類似オーディエンス:選択したカスタムオーディエンスに類似するユーザーに配信する手法

カスタムオーディエンスには主に、実際の顧客(例えば自社サービスの会員登録者)の個人情報リストをインポートして作成するタイプと、Facebookピクセルというタグ計測によって作成するタイプの2種類があります。前者は会社によってはコンプライアンス面での許可が降りにくいところがあるかもしれませんが、まずは一般的なタグ計測で実現できる後者でも、十分に効果は見込めます。「自社のWebサイトに訪れたユーザー」「自社のアプリをインストールしたユーザー」などをカスタムオーディエンスとして作成し、類似オーディエンスで、それに類似するユーザーに拡張配信ができます。

Facebookは実名登録型のサービスであることからデータの精度が高く、Facebook広告(Meta広告)の類似オーディエンスは成功事例をつくりやすいとして多くのマーケターから評価を受けています。

注意点として、カスタムオーディエンスのサイズがある程度確保できていないと、類似オーディエンスの効果は見込めません。Facebook公式は少なくとも数百人規模にすることを推奨しています。しかし、人材紹介や人材派遣は何十万人、多くて何百万人という会員を抱える業態のため、オーディエンスデータを貯めること自体はそこまで難しくはないはずです。早いうちから計測タグの設置など準備をしておくと良いでしょう。

Instagram広告と一緒に運用する

2点目に挙げたいポイントは、「Instagramにも同時に広告を出稿し、運用する」ことです。

ご存知の通り、FacebookとInstagramは同じ「Facebook広告マネージャ(Meta広告マネージャ)」から一元管理ができます。「InstagramじゃなくてFacebook広告の改善がしたいんだけど…」と思われている方もいるかもしれませんが、両者を同時に運用することで結果的にFacebook広告の改善にも寄与することが多いのです。

具体的には以下のようなメリットが受けられます。

<メリット1:リーチするターゲットの補完>

FacebookとInstagramは、ユーザー属性の傾向が少し異なります。以下の表でも分かる通り、Facebookは30〜40代がボリュームゾーンですが、Instagramは10〜20代のより若い層が多く利用しています。

(出典:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要>

人材業界のサービスは20代〜幅広い年齢層が利用しますので、FacebookとInstagramのどちらにも出稿しておくことでリーチするターゲット層を補完し合うことができます。また1日の中で両方のアプリを閲覧するユーザーも一定数いますから、媒体をまたいでも同じ広告を表示させる(フリークエンシーを高める)ことでコンバージョン率向上にも寄与するでしょう。

<メリット2:配信の最適化>

FacebookとInstagramでは画像サイズなど入稿の規定が異なりますので、広告セットを分けなければいけない=配信が最適化されづらくなるのでは?とお考えの方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。「アセットカスタマイズ」と言って、同じ広告セットの中で広告配置ごとにクリエイティブやURLを変えることができます。

リーチが広がるだけではなく、FacebookとInstagramを横断してよりパフォーマンスを上げている配置に配信を寄せるということができますので、手間を惜しんで設定する価値はありますよ。

ちなみに、Instagramの特徴的な広告配置として「ストーリーズ」がありますが、人材業界ではこのアセットカスタマイズを活用してFacebook広告と同じ内容のクリエイティブをストーリーズのフォーマットでも入稿している企業が多くなっています。こうしたひと工夫で差が出てきますので、是非実践してみてはいかがでしょうか?

(出典:Facebook広告ライブラリ

コンバージョンAPIを導入する

最後に、「コンバージョンAPIの導入」をまだしていない方は、今後対応が必須になってきますので、早めに導入を検討することをおすすめします。

コンバージョンAPIとは、新たなコンバージョン計測の仕組みとしてMeta社が開発したものです。なぜ対応が急務かというと、従来の計測技術では取得できるデータが少なくなり、ターゲティング精度の悪化に繋がるためです。

Facebookに限らずWeb広告では、ユーザーのWeb上の行動履歴を取得し、機械学習によって精度の高いターゲティング配信ができる仕組みになっています。そして長年Web上の行動履歴の取得方法としては、Webブラウザに保存されるCookieが利用されてきました。

しかし世界的に個人情報保護の意識が高まっていることから、Cookie規制の動きが加速しています。例えばAppleのiOS14.5以降は、アプリを利用する際にユーザーからCookie利用の同意取得が必要になりました。同意率は2021年8月時点で47%と言われており、逆に言えば約半分のユーザーの情報が欠損してしまっている=ターゲティングの精度が落ちる、ということなのです。

コンバージョンAPIは、Webブラウザを介することなくFacebookのサーバーに直接データが送信されるため、Cookieで取得できない情報を補うことができます。また広告主側で保持しているデータ(会員情報など)との紐づけも可能なので、従来以上にターゲティング精度の向上に繋がることも期待できます。

実際の成功事例として、エン・ジャパン株式会社が運営する派遣の求人サイト「エン派遣」では、このコンバージョンAPIを導入して会員登録件数(コンバージョン件数)が12%上昇、会員登録単価(コンバージョン単価)が11%減少したという成果を報告しています。(出典:エン・ジャパン株式会社: Facebook ads case study

まとめ:クリエイティブ・運用の双方を工夫して成果をあげよう

人材業界の企業がFacebook広告(Meta広告)を成功させるためのポイントを、事例と共にご紹介しました。ひとつひとつは地道な改善活動ですが、積み重ねることで成果は大きく変わってきます。「まだ自社で実践していなかった!」というものがあれば、是非取り入れてみてくださいね。

malna株式会社のFacebook広告運用代行

malna株式会社では、総合的なwebマーケティング支援を行っています。20代の若手社員を中心に世の中のトレンドをいち早く掴み、過去の多様な業種へのコンサルティング支援の経験を活かした幅広いサービスを展開しています。スピーディかつ本質的な成果にコミットし、貴社の利益に貢献いたします。

担当者との定期的なミーティングの設置や、日々の円滑なミュニケーションなどサポート体制が非常に充実している点が特徴です。

✔ Facebook広告を始めたいが、やり方が分からない
✔ 自社コンテンツの発信をしたいが、自分たちでできるか不安だ
✔ Facebook広告で、幅広いターゲットにアプローチしたい

こんなお悩みを持つ方は、是非一度話だけでも聞いてみませんか?

無料相談はこちら

著者情報

writermalnaブログ編集部webマーケター / データアナリスト
Facebook・InstagramをはじめとするSNS広告からSEO対策など、マーケティングに関する様々な情報を発信しています。

関連記事タグをクリックでカテゴリページを開きます

malnaのマーケティングについて

弊社ではメディアやSNSなど総合的な支援が可能です。
媒体ごとに違うパートナーが入ることもなくスピーディな意思決定が可能です。
ご不明点や不安な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

サービス資料はこちら 詳しく見る