2025.05.27

ChatGPTのプロジェクト機能とは?malnaが徹底解説します!

ChatGPTを使う場面が増えるほど、「あのやり取りはどのチャットだったか思い出せない」「参照させたい資料が毎回どこかへ行ってしまう」という状態になりがちです。使う頻度が上がるほど、探す時間のほうが増えていくという逆転が起きます。

この散らばりを1か所に集めるための機能が「プロジェクト」です。提供元の公式ドキュメントでは、関連するチャット・ファイル・指示・情報源をまとめて保持しておく仕組みとして説明されています。案件やテーマごとに入れ物を作り、その中で会話を積み上げていく使い方になります。

一方で、ChatGPTの画面まわりは更新が速く、2025年に書かれた解説の画面名や制限がそのまま残っているとは限りません。公式ドキュメントで確認できた仕様と、確認できないため設定画面で確かめるべき項目を分けて整理していきます。

プロジェクトの作り方、業務での使いどころ、GPTsとの使い分け、そして社内で運用するときに先に決めておくことまで、順に見ていきましょう。

目次

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ChatGPTプロジェクト機能とは?

ChatGPTのプロジェクト機能とは、関連するチャット・ファイル・指示・情報源をひとつの単位にまとめて保持しておく機能です。提供元の公式ドキュメントでは、仕事が時間をかけて続く場合や、同じファイルに依存する場合にプロジェクトを作るという基準で説明されています。まずは構造と、単発のチャットとの線引きから確認しましょう。

プロジェクト機能の概要と特徴

プロジェクトは、チャットの置き場所、資料の置き場所、そして共通の指示を1セットで抱える入れ物です。この3つがそろっている点が、単に会話が保存されているだけの状態との違いになります。

公式ドキュメントによると、各プロジェクトにはプロジェクト内のチャットが並ぶ「Chats」のセクションと、アップロードしたファイルや接続した情報源を置く「Sources」のセクションがあります。プロジェクトに設定した指示は、そのプロジェクト配下のチャット全体に適用されます。プロジェクトから新しいチャットを始めれば、共有しているファイルと指示が効いた状態で会話が始まる形です。

構成要素 置く場所 決めておくこと
チャット Chats のセクション 成果物ごとに分けるか、まとめるか
資料・情報源 Sources のセクション 参照させてよい資料の範囲
指示 プロジェクトの指示 役割、前提、望ましい出力の形

注意しておきたいのが、参照させる資料の渡し方です。公式ドキュメントには、ChatGPTのプロジェクトは手元のパソコンのフォルダへ直接アクセスする仕組みではなく、参照させたい資料はアップロードするか接続する必要があると明記されています。共有フォルダに置いてあるから読めるはず、という前提では動きません。

ただし、フォルダにつなぐ入れ物がまったく無いわけではありません。同じ公式ドキュメントには、デスクトップアプリの「Projects」のビューには、ここまで説明してきたChatGPTのプロジェクトと、パソコンのフォルダに接続する「ローカルプロジェクト」の両方が並ぶと記載されています。ローカルプロジェクトは、ChatGPTがパソコン上のファイルを読んだり変更したりする必要があるときに追加するもので、複数のフォルダを紐づけた場合は紐づけたすべてのフォルダのファイルを読み書きできるとされています。既定の作業場所にするフォルダを指定できることと、リモートのプロジェクトが対応するフォルダは現時点で1つであることも記載があります。

同じ一覧に並んでいても、両者は別種の入れ物です。手元のファイルをそのまま触らせたいのか、アップロードした資料を参照させたいのかで、どちらを作るかが変わります。この記事でプロジェクト機能として扱うのは、前者ではなくChatGPTのプロジェクトのほうです。

従来のチャット機能との違い

単発のチャットとプロジェクトの違いは、文脈を1回で使い切るか、次のチャットへ引き継ぐかにあります。従来のようにチャット履歴が縦に並ぶだけの状態では、過去のやり取りを探すこと自体が作業になっていました。

公式ドキュメントは、プロジェクトを作る場面を3つの条件で示しています。仕事が時間をかけて続く場合、成果物が複数になる場合、同じファイルや情報源に依存する場合です。逆に、作業が自己完結していて共有の文脈を必要としない場合は、プロジェクトを作らずにチャットを始めればよいとされています。

判断の材料 単発のチャット プロジェクト
作業の期間 その場で終わる 時間をかけて続く
成果物の数 1つ 複数になる
参照する資料 その都度添付する 同じ資料に何度も依存する
前提の説明 毎回入力する 指示として一度書けば効く

もう一点、公式ドキュメントで勧められているのが、1つの成果物ごとにチャットを分けるという運用です。チャットの中身がその成果物に集中し、プロジェクト側が関連する作業全体をまとめる役割を担う形になります。会話を用途別に分けて始めたチャットも、同じプロジェクトの中に並べて管理できます。

利用できるプランの確認のしかた

プロジェクト機能が使えるプランは、提供元の公式ヘルプとご自身の設定画面で確認するのが確実です。公式のプラン一覧には区分と金額が載っていますが、プロジェクト機能がどの区分から使えるかは書かれていないため、この記事では対応プランを断定していません。

2026年8月時点で公式ドキュメントのプラン一覧に記載されている区分と金額は、次のとおりです。

プラン 記載されている金額 位置づけ
Free 0ドル/月 無料の区分
Go 8ドル/月 軽い用途向けの区分
Plus 20ドル/月 個人の標準的な区分
Pro 100ドル/月から 上限を引き上げる区分(200ドル/月の上位区分あり)
Business 1ユーザーあたり20ドル/月 法人向け(2ユーザー以上・年払い。月払いは25ドル)
Enterprise & Edu 問い合わせ 組織全体で使う区分

ここで気をつけたいのが、法人向けプランの呼び方です。現行の公式プラン一覧に「Team」という区分の記載はなく、法人向けはBusinessとEnterprise & Eduの2区分になっています。過去の解説記事に出てくる名称との対応は、提供元の公式ヘルプと管理画面で確認してください。

また、公式ドキュメントには、法人のワークスペースでは管理者が機能への権限を制御できると記載されています。使えるはずの機能が画面に出てこない場合は、プランを疑う前に管理者設定を確かめたほうが早く解決します。

参考:Pricing(ChatGPT公式ドキュメント)

参考:Use ChatGPT(ChatGPT公式ドキュメント)

プロジェクト機能とAssistants APIは別の仕組みです

画面上のプロジェクト機能と、開発者向けのAPIは別の仕組みです。混同が起きやすいのは、APIの世界にも「プロジェクト」という語があり、さらに会話の状態を保持する仕組みとしてAssistants APIが長く提供されてきたためです。

提供元の廃止一覧には、Assistants APIを2026年8月26日に停止し、Responses APIとConversations APIへ移行する旨が記載されています。画面上のプロジェクト機能はこの停止の影響を受ける対象ではありませんが、APIで案件単位の文脈保持を実装している場合は移行の対象になります。

大規模な自動化や自社システムへの組み込みを検討している場合、判断の対象は画面上のプロジェクト機能ではなくAPI側です。ここを分けて考えないと、「プロジェクト機能で自動化できるはず」という前提のまま要件が膨らんでしまいます。

参考:Deprecations(OpenAI公式ドキュメント)

「どのチャットに何を書いたか分からない」という状態は、使う人が増えるほど深くなります。malnaも、累計40社以上のAI導入・コンサルティングおよびIT・DXの支援現場で、この散らばりから相談を受けることが多くあります。整理の入口で迷っている段階でも、malnaへのご相談を承っています。

プロジェクト機能の基本的な使い方

プロジェクト機能は、作成、資料の追加、指示の設定、チャットの整理という4つの操作で運用します。ただ作るだけでは効果が出ず、何を置いて何を置かないかを決めたところから業務効率化に効いてきます。作成から各要素の扱いまで、順に確認していきましょう。

プロジェクトの作成

プロジェクトの作成は、一覧から新しいプロジェクトを作り、名前を付けるところから始まります。公式ドキュメントでは、プロジェクトの一覧を「Projects」のビューと呼び、ここから検索やピン留めを行うと説明されています。

  1. プロジェクトの一覧を開く
  2. 新しいプロジェクトを作り、名前を付ける
  3. 参照させたい資料をSourcesに追加する
  4. プロジェクトの指示を書く
  5. そのプロジェクトからチャットを始める

名前の付け方は、後から見返すときの効率に直結します。「◯◯案件」「△△業務メモ」のように目的が明確に伝わる名前にしておくと、数が増えたときに迷いません。ボタンの位置や名称は画面の更新で変わるため、手順は「どこを押すか」ではなく「何を決めるか」で覚えておくと振り回されにくくなります。

ChatGPTプロジェクトの作成

チャット・ファイル・カスタム指示の追加方法

プロジェクトを機能させるには、チャット、資料、指示の3つをそれぞれ適切に使い分けることが必要です。どれか1つに寄せてしまうと、たとえば指示だけが分厚くなって資料が入っていない、という偏りが起きます。それぞれの扱い方と、決めておくべきことを順に整理します。

チャット

プロジェクト内には、複数のチャットを並べて作成できます。公式ドキュメントは、1つの成果物ごとにチャットを分けることを勧めています。

たとえばプロジェクト「Web制作A」の中に、「デザイン案検討」「コーディング仕様確認」「SEO施策提案」といったチャットを分けて置けば、同じ案件でも論点ごとに履歴を追えます。1つのチャットに全部を詰め込むと、後から特定のやり取りを探すのが難しくなるため、分ける手間のほうが安く済みます。

ChatGPTプロジェクト名入力

ファイル(Sources)

資料は、PDF、CSV、Wordなどをアップロードしてプロジェクト内に置けます。公式ドキュメントには、プロジェクト配下の全チャットで使いたいものはSourcesに置き、そのチャットだけで使うものはチャットに直接添付する、という置き分けが示されています。

置き場所の違いは、保持期間にも関わります。法人向けの公式説明では、プロジェクトのファイルはプロジェクトが削除されるまでプロジェクトに残るとされています。加えて、Libraryに保存したファイルは会話を削除しても残り、Enterpriseの場合はLibrary外の一時的なアップロードが48時間で失効することがあると記載されています。「どこに置いたか」で消える条件が変わるという点は、社内で扱う前に押さえておきたい部分です。

ChatGPTプロジェクトのチャット

参考:ChatGPT Work Overview(ChatGPT公式ドキュメント)

カスタム指示(プロジェクトの指示)

プロジェクトに設定した指示は、そのプロジェクト配下のチャット全体に適用されます。役割、前提、望ましい回答の形を書いておけば、毎回同じ前置きを入力する必要がなくなります。

たとえばWeb制作のプロジェクトであれば、次のような内容を書いておく形です。

  • ターゲットと目的(20〜30代女性向けの観光地紹介サイト、地域の魅力を伝える)
  • 自分の立場と担当範囲(ディレクター、ワイヤーフレーム設計、UI/UX監修、SEO、ライティング指示)
  • 望ましい回答の形(見出しと箇条書きで整理、専門用語は補足付き、改善点は明示)
  • 出力形式の希望(必要に応じてMarkdown形式)

ここで整理しておきたいのが、指示のレイヤーです。アカウント全体に効くカスタム指示は設定画面のパーソナライズ側にあり、プロジェクトの指示とは別の層になります。全社共通の決めごとはアカウント側、案件固有の前提はプロジェクト側に置くと、書き分けが破綻しません。

なお、公式ドキュメントには、過去の作業から文脈を持ち越すメモリという仕組みについて、必ず適用したいルールはメモリに頼らず指示として書いておくべきという趣旨の記載があります。メモリは補助であり、守らせたい決めごとの置き場所ではないという線引きです。

ChatGPTプロジェクトのファイル

参考:Personalize ChatGPT(ChatGPT公式ドキュメント)

参考:Memories(ChatGPT公式ドキュメント)

プロジェクト内のチャットを整理する

チャットが増えたあとの整理も、機能として用意されています。公式ドキュメントには、プロジェクトのピン留め、チャットのピン留め、チャットの改名、プロジェクトの検索、チャットのアーカイブが整理の手段として挙げられています。

改名は、成果物が分かる短い名前にするのが基本です。終わった作業はアーカイブして視界から外し、アーカイブしたチャットは設定のデータ管理から戻せると記載されています。ここで誤解しやすいのが、ピン留めの役割です。ピン留めは文脈を追加したり参照できる範囲を変えるものではなく、サイドバーでの表示位置だけを変えると明記されています。

参考:Projects and chats(ChatGPT公式ドキュメント)

生成したファイルや外部ツールをプロジェクトに合わせる

プロジェクトの中でできることは、会話の整理だけではありません。成果物としてファイルを作る、外部のサービスにつなぐ、決まった時刻に実行する、といった機能を組み合わせられます。

公式ドキュメントによると、ドキュメント、プレゼンテーション、スプレッドシート、PDFを作り、チャット内で確認して修正指示を出し、ダウンロードできるとされています。修正を依頼するときは、直すページやシートを名指しし、変えない部分を伝える形が勧められています。

外部ツールとのつなぎ込みを担うのがプラグインです。プラグインは、作業の手順と補助資料をまとめた「スキル」と、MCPサーバーに支えられたコネクタを束ねたものとして説明されています。スキルは、ChatGPT側では@から始まるメンションで明示的に選べます。

繰り返す作業には、定期実行タスクを組み合わせられます。設定した作業を背景で走らせ、実行状況を一覧で確認できる仕組みです。Web版のタスクはアップロードした情報や接続したツールを使える一方、パソコンのフォルダの中で直接作業することはできないと記載されています。デスクトップアプリの場合は、定期実行タスクをローカルプロジェクトと組み合わせてプロジェクトのディレクトリで動かせるとされており、その際はパソコンを起動したままアプリを立ち上げておく必要があると案内されています。

参考:Work with files(ChatGPT公式ドキュメント)

参考:Skills & Plugins(ChatGPT公式ドキュメント)

参考:Scheduled tasks(ChatGPT公式ドキュメント)

関連記事:ChatGPT Code Interpreterとは?使い方や活用事例・注意点まで徹底解説

プロジェクト進行で活躍!プロジェクト機能の活用事例3選

プロジェクト機能が効くのは、同じ相手や同じ案件と長く付き合う業務です。1回で終わる調べ物では入れ物を作る手間が上回りますが、続く仕事では前提説明の削減が積み上がります。業務の型が近い3つの場面で、導入前と導入後の変化を見ていきましょう。

事例①:Web制作プロジェクトの進行管理

Web制作の案件では、要件定義からワイヤーフレーム作成、デザイン確認、SEO施策、納品まで工程が長く続きます。従来はメール、チャット、ドキュメントが別々の場所に散らばり、履歴の確認や修正対応のたびに探す時間が発生していました。

プロジェクト単位で集約すると、各工程のやり取り、添付資料、指示内容が1か所に並びます。前の工程で何を決めたかを遡れるため、引き継ぎのときに口頭で補う量が減ります。工程ごとにチャットを分けておけば、デザインの議論とSEOの議論が混ざらず、後から特定の判断の経緯だけを追えます。

変わるのは作業の速さより、確認のコストです。「前回どう決めましたか」というやり取りが減ると、担当者間の往復そのものが少なくなります。

事例②:営業活動の記録

営業では、顧客ごとにプロジェクトを立て、その中に「初回ヒアリング」「提案書作成」「見積交渉」といったフェーズごとのチャットを置く形が組みやすいです。導入前は担当者の手元のメモとメール履歴に情報が分かれ、引き継ぎのたびに再構成が必要でした。

過去の提案書やメール文面をSourcesに置いておけば、内容の要約や再利用の検討を依頼できます。商談後のログをチャットに残しておけば、次回の面談前に最新の状況を要約させるだけで準備が進みます。

注意しておきたいのは、置いてよい情報の範囲です。顧客名や契約条件をそのまま置くかどうかは、社内のルールを先に決めておく必要があります。ここを決めずに始めると、便利さと引き換えに情報の扱いが緩くなります。

事例③:定例会議の議事録作成・整理

定例会議は、プロジェクト機能の使いどころがはっきり出る業務です。「週次営業会議」のようにプロジェクトを立て、週ごとの議事録をチャットとして積んでいけば、時系列の整理が自動的に成立します。

音声を文字起こししたテキストを貼り付けて要点をまとめさせたり、決定事項、ToDo、懸念点といった区分でリスト化させたりできます。プロジェクトの指示に「論理的かつ簡潔にまとめる」「決定事項とToDoを分けて書く」と書いておけば、毎回の出力の形がそろい、他部署への共有もそのまま通せます。

導入前は担当者ごとに議事録の粒度が違い、読み手が毎回書式に慣れ直す必要がありました。指示を入れ物側に置くことで、書式の統一が個人の努力ではなく仕組みの側に移ります。

AIを「ツール」から「成果を出す武器」へ。

プロジェクト機能で情報の置き場所が決まると、次に決めるのは、その形を誰が作り、誰が保つかです。入れ物と指示は作った時点では機能しますが、案件が増え、担当が変わるたびに手を入れる人がいなければ形骸化します。

malnaは、AI導入・コンサルティングおよびIT・DX分野で累計40社以上の導入支援に携わってきました。プロンプトの設計から業務プロセスへの組み込み、社内で運用を回す体制づくりまで、伴走型で支援しています。

「AIを業務に取り入れたいが、成果への繋げ方が分からない」「プロジェクト機能を使ってマーケティングのPDCAを高速化したい」といった課題に対しては、貴社の事業に合わせた活用の設計からご提案します。詳しい支援内容はmalnaのAI導入支援についてのご相談から確認いただけます。

GPTsとの違いと使い分け

プロジェクト機能とGPTsの違いは、固定する対象が案件の背景か作業の型かという点にあります。プロジェクト機能は特定の案件に紐づく資料とやり取りを抱え込み、GPTsは業務の進め方そのものを部品として切り出します。どちらも「ChatGPTを自社に寄せる」手段のため混ざりやすく、固定したい対象から選ぶと迷いません。

比較の軸 プロジェクト機能 GPTs
まとめる対象 案件の文脈と資料 作業の手順と参照資料
主に使う人 その案件の担当者 同じ作業をする複数の人
増やし方 案件ごとに入れ物を作る 業務の型ごとに作って配る
変えるときの影響 その案件の中だけ 使っている人すべて
向く業務 続いていく案件、資料が積み上がる仕事 定型の文書作成、品質をそろえたい作業

プロジェクトは文脈、GPTsは手順

判断の順番を決めておくと、選択で止まらなくなります。同じ資料を何度も参照しながら仕事が続くならプロジェクト機能、同じ指示を人を変えて再現したいならGPTsです。

継続する案件では、前提説明の手間が減ることが最大の効果になります。一方、複数の人が同じ手順を踏む必要がある業務では、指示そのものを固定して配れるGPTsのほうが向きます。片方に寄せる必要はなく、判断の対象が案件なのか作業なのかで切り分けるのが実務的です。

併用するときの組み立て方

両方を使うなら、案件の入れ物と作業の部品という役割で層を分けます。プロジェクト側に案件の前提と資料を置き、GPTs側に作業の型を置いておけば、案件が増えたときに型のほうを作り直す必要がなくなります。

法人で使う場合は、GPTs側の共有と権限も設計に含めます。公式ドキュメントには、誰がGPTを作れるか、特定の人、グループ、ワークスペース全体のどこまで共有できるかを管理者が制御できると記載されています。加えて、GPTの作成者は接続アプリかカスタムアクションのどちらかを使えるものの、同じGPTの中で両方は使えないという制約も示されています。

参考:GPTs and Sharing(ChatGPT公式ドキュメント)

自社サイトに置きたい場合はどちらでもありません

社外向けの窓口を作りたい場合、選択肢はこの2つの外にあります。プロジェクト機能もGPTsも、自社サイトの来訪者に応答させるために設計された仕組みではないためです。サイト上で動く問い合わせ窓口が要件に入ってきた時点で、検討の対象は開発を伴う実装へ移ります。

社内の担当者に使わせるだけであれば、ここまでの2つで足りる場面が大半です。設置場所が社内か社外かで、検討する対象が機能から開発に切り替わるという点を押さえておくと、要件の膨らみを防げます。

関連記事:カスタムGPT(GPTs)とは?活用事例・設定方法を解説!

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ChatGPTプロジェクト機能のメリットと注意点

プロジェクト機能のメリットは情報の集約と出力の安定にあり、注意点は資料の扱いと共有範囲に集まります。効果が見えやすい機能であるほど、決めごとが後回しになったまま利用が広がってしまいます。実務で効く点と、先に確かめておく点を分けて整理します。

プロジェクト機能の主なメリット

メリットは、情報の一元管理、作業の効率化、業務への応用のしやすさの3点に整理できます。いずれも「毎回やり直していたこと」が減る方向の効果です。

情報の一元管理

これまで別々の場所にあったチャット、資料、指示を、1つのプロジェクトにまとめられます。1つの案件に関する会話の履歴、参考資料、過去の出力が同じ場所に並ぶため、探す時間そのものが減ります。

業務が可視化される副作用も見逃せません。どの案件にどれだけのやり取りが積まれているかが一覧で見えるようになると、手が止まっている案件に気づきやすくなります。

作業の効率化

案件ごとにチャットを分けたまま、会話の文脈を保った状態で作業を進められます。プロジェクトの指示を設定しておけば、毎回同じ前提を書き直す必要がなくなり、トーンや出力形式も固定できます。

効いてくるのは、成果物の粒がそろうことです。担当者が変わっても出力の形が変わらない状態は、レビューの手間を直接下げます。

業務への応用がしやすい

マーケティング、営業、制作、教育、開発と、業務の種類を問わず同じ形が使えます。顧客ごとの商談管理、案件ごとのライティング履歴、講座ごとの指導記録など、目的に応じて入れ物の切り方を変えるだけです。

応用のしやすさは、組織的な取り組みへ進む足場にもなります。令和8年版 情報通信白書(総務省)には、生成AI活用による業務変革等に組織的に取り組んでいると答えた日本企業の割合が65.6%、「組織的な取組はない」と答えた割合が27.0%と約3割に上り、米国・ドイツ・中国と比べて顕著に高かったという2025年度企業向け調査の結果が載っています。個人の工夫で終わらせない形をどう作るかが、まだ大きな論点として残っている状況です。

参考:令和8年版 情報通信白書 第Ⅰ部第2章第1節(総務省)

プロジェクト機能の注意点

注意点は、資料の更新のしかた、共有できる範囲、画面の変わりやすさの3点です。どれも仕様そのものより、社内の運用ルールで吸収する部分になります。

資料の更新は手元で直して置き換える前提で運用する

公式ドキュメントには、プロジェクトのファイルがプロジェクトの削除まで残るという記載はある一方、アップロードした資料をその場で書き換える手順は見当たりません。更新は手元のファイルを直してから置き換える前提で運用したほうが安全です。

バージョン管理が必要な資料では、置き換えの担当者と、置き換えたら古い版を残さないという決めごとを先に作っておく必要があります。なお、ChatGPT側で作った成果物のほうは、チャット内で修正を依頼して作り直せます。編集できる対象と作り直せる対象は別だと考えると混乱しません。

共有できる範囲はプランと管理者設定で決まる

プロジェクトを誰と共有できるかは、プランとワークスペースの設定によって変わります。公式ドキュメントには、法人のワークスペースで管理者が機能への権限を制御できることが記載されているため、共有の可否は提供元の公式ヘルプとご自身の設定画面で確認してください。

運用として安全なのは、資料をSourcesに置く前に共有範囲を確かめる順番です。先に置いてから共有設定を確認する順番にすると、確認する前に見えてしまう時間が生まれます。

画面の名称と提供範囲は変わっていく

公式ドキュメントには、使える機能がプラン、プラットフォーム、地域、提供状況、ワークスペース設定によって変わると明記されています。解説記事に載っている画面名やボタンの位置が、いま自分の画面と一致しているとは限りません。

社内向けの手順書を作るときは、画面の名前だけで書かず、何を決めるための操作なのかを併記しておくと更新に耐えます。半年ごとに見直す時期を決めておく運用も有効です。

プロジェクトでAI活用を最大化させる3つのコツ

プロジェクト機能の効果を引き出す鍵は、AIと人の役割分担、情報管理のルール、指示の精度の3点です。機能を入れただけでは成果につながらず、この3つを決めたところから運用の質が変わります。実務で押さえておきたい順に見ていきます。

AIによる出力と人間の目による監視の線引きをしよう

ChatGPTは大量の情報を要約・整理・生成できますが、出力が常に正確であるとは限りません。議事録、顧客対応文書、提案資料のように外部に影響するドキュメントでは、人によるファクトチェックと調整が前提になります。

決めておきたいのは、どこまでをAIに任せ、どこから人が判断するかという境界です。プロジェクトごとに「下書きまではAI、事実確認と最終判断は担当者」といった線を引いておけば、誤りが外に出るリスクを事前に下げられます。malnaでは、こうしたAIを使う前提での業務設計から支援に入り、貴社の業務に合わせた分担をご提案しています。

セキュリティと情報管理には気をつけよう

生成AIを業務で使う際は、機密情報の扱いをルール化しておく必要があります。プロジェクト機能では資料をアップロードして分析させられるため、どの範囲の情報を入力してよいかを決めないまま広がると、後から線を引き直すのが難しくなります。

保持の条件を押さえておくことも実務的です。公式ドキュメントでは、チャットを削除すると表示から消え、30日以内の恒久削除が予定されるとされています。プロジェクトのファイルはプロジェクトの削除まで残るため、消したつもりの資料が別の場所に残る形になり得ます。

malnaが支援に入る場合は、最初に「プロジェクトに置いてよい資料」と「置かない資料」の2つのリストを作る進め方を採っています。情報管理ポリシーの策定や、社員向けガイドラインの整備までを含めて対応しています。

カスタム指示を使いこなし、出力を最大化させよう

プロジェクト機能で最も実務に効くのが、指示の設計です。役割、制約、手順、出力形式のどれを書き込むかで、返ってくる内容の精度が大きく変わります。

書き方の勘所は、望ましい形を具体的に示すことにあります。「簡潔に」ではなく「1項目3行以内、結論を先頭に」と書く、「専門用語を避ける」ではなく「初出の専門用語には1文の補足を付ける」と書く、といった具体化です。指示は一度書いて終わりにせず、出力を見て直し続ける対象として扱ってください。

malnaでは、プロジェクト単位の指示のテンプレート作成やプロンプトの開発支援も行っています。思った回答が得られないという段階で止まっている場合は、指示の書き方から見直すと改善の余地が見つかります。

関連記事:ChatGPTのモデル別の違いは?無料版から有料版まで利用シーン別に徹底解説

よくある質問

プロジェクト機能について、検討段階でよく挙がる質問をまとめました。仕様に関わる部分は、公式ドキュメントで確認できた範囲と、設定画面で確かめる必要がある範囲を分けて回答しています。

ChatGPTのプロジェクト機能とは何ですか

関連するチャット、ファイル、指示、情報源をひとつの単位にまとめて保持する機能です。各プロジェクトにはチャットが並ぶセクションと資料を置くセクションがあり、プロジェクトに設定した指示は配下のチャット全体に適用されます。案件やテーマごとに入れ物を作って使います。

プロジェクト機能はどのプランで使えますか

使えるプランは提供元の更新で変わる部分のため、断定を避けています。公式のプラン一覧にはFree、Go、Plus、Pro、Business、Enterprise & Eduの区分が載っていますが、どの区分から使えるかの記載はありません。設定画面にプロジェクトの一覧が出るかを確認してください。

プロジェクト機能とGPTsはどう使い分けますか

固定する対象が違います。プロジェクト機能は案件の背景と資料を抱え、GPTsは作業の型を部品として切り出します。同じ資料に何度も戻る仕事はプロジェクト機能、同じ手順を人を変えて回す仕事はGPTsが向きます。案件の入れ物と作業の部品として層を分け、両方を併せて使うこともできます。

プロジェクトに置いたファイルはいつまで残りますか

法人向けの公式説明では、プロジェクトのファイルはプロジェクトが削除されるまでプロジェクトに残るとされています。チャットを削除すると表示から消え、30日以内の恒久削除が予定されます。Enterpriseの場合、Library外の一時的なアップロードは48時間で失効することがあると記載されています。

プロジェクト機能はAssistants APIの停止で使えなくなりますか

画面上のプロジェクト機能とAssistants APIは別の仕組みのため、停止の直接の影響は受けません。提供元の廃止一覧では停止日が2026年8月26日とされ、移行先はResponses APIとConversations APIです。APIで文脈保持を実装している場合のみ移行の対象になります。

まとめ

ChatGPTのプロジェクト機能は、案件ごとに散らばっていたチャットと資料と指示を1か所に集め、前提説明の手間を減らすための機能です。効果が出るのは、続いていく仕事と、同じ資料に何度も戻る仕事です。

判断の材料を振り返ると、押さえるべき点は次の4つに整理できます。

  • 仕事が続くか、成果物が複数になるか、同じ資料に依存するかでプロジェクトを作るかを決める
  • 対応プランと共有範囲は変わるため、公式ヘルプと設定画面で確認する
  • 固定したいのが案件の背景か作業の型かで、プロジェクト機能とGPTsを切り分ける
  • 置いてよい資料の範囲と、出力の最終確認者を先に決める

プロジェクト機能は、情報の置き場所を決めるところまでを担う道具です。そこから成果につなげるには、指示の設計と運用体制の設計が続きます。どの案件から入れ物を作り始めるかで迷っている段階でしたら、malnaへの無料相談で優先順位から一緒に整理させてください。

AIを使える人材が社内にいない場合

散らばった情報をまとめる形はわかった。でも、案件ごとにこの形を作って保つ人が社内にいない。

プロジェクトは作った時点では機能しますが、案件が増えるたびに入れ物と指示を整える人がいるかどうかで効果が変わってしまうのではないでしょうか。malnaでは、AI活用の実務経験を持つ人材をご紹介するAIタレント名鑑を運営しています。採用ではなく業務委託として、週1日から相談いただけます。

参考:AI副業のマーケティングメディア|ハッピーステート株式会社

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執筆者情報

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