「少数精鋭」を掲げる経営者が見た、AI活用の分岐点
はじめに、貴社の事業内容について教えてください。
土井さん:
弊社は、朝起きてから夜寝るまでの人々の生活を豊かにしたい、という思いから「Morning to Night」を縮めて「Morght」と名付けた会社です。「あなたがあなたらしく生きるための、最高の準備を届けつづける。」をミッションに掲げ、休養を最大化するライフスタイルブランドを企画・製造販売しています。主力は、寝返りのしやすさに着目した睡眠ブランド「NELL」で、マットレスは累計22万台以上を販売しています(2025年12月時点)。2025年12月には、クッションソファなどを展開する休息ブランド「YURUMARU」を立ち上げました。今後も、睡眠の質を高める製品やリカバリーを最大化する新商品など、周辺商材をさらに広げていきます。
貴社がAIエージェント活用に至った背景を教えてください。
土井さん:
弊社の従業員は、ChatGPTやGeminiのようなチャット型のAIはもともと全員が使っていました。ただ、Claude CodeのようなAIエージェントについては、会社として契約していませんでした。私たちは「少数精鋭な組織」を作っていくことをモットーに掲げていて、チャット型のAIではなくAIエージェントを全員が使いこなすことで、個々人の生産性を最大化していきたいと考え、malnaのAI研修を導入することにしました。
個人の熱量が、全社への号令に変わるまで
AI活用に取り組み始めたきっかけを教えてください。
大倉さん:
個人的にClaude Codeを触っていたことが一つのきっかけです。それに加えて、社長の土井がClaude Codeを使い始めてすっかりハマり、これを全社に広めたいと言っていたことも大きかったです。競合や市場環境を考えたときに、全員が使えるようにならないと、そもそも生き残れないという危機感もありました。
導入前、社内でどんな課題を感じていましたか。
大倉さん:
ChatGPTやGeminiの活用に対しては前向きで、活用率自体はもともと高い状態でした。ただ、活用度や習熟度は個人に依存していて、多くの場合は壁打ち相手として使う程度にとどまっていました。なかでも、AI活用が苦手な社員へのフォローアップができていなかったのが課題でした。実際に自分が担当になってみると、社内にAIを浸透させるにはどうすればいいのか、その知見自体がなかったんです。
「Morght AI Championship」始動
「Morght AI Championship」という企画の狙いを教えてください。
大倉さん:
先ほどの課題を解決するパートナーが欲しかったところに、もともと社長の土井にClaude Codeの使い方を教えてくれていた、malna代表の高橋さんが支援をしてくれる、という話からこのプロジェクトは始まりました。掲げた目標は、全員が一定水準で使えるようになることでした。得意な人の活用水準をさらに引き上げるより、底上げを優先したんです。特定の期間で社内のレベルをそこまで持っていきたかったので、当初は3ヶ月間の活用推進プログラムを組み、その中でAI活用が一番進んだ部署・チームを表彰する企画にしました。チーム内でのフォローや、チーム同士の競争が生まれることを想定していたんです。
競争から共有へ——走りながらの方向転換
当初の企画と、実際の運用の違いを教えてください。
大倉さん:
やってみて分かったのは、AI活用においては競争環境よりも、共有環境を作る方が重要だったということです。Morghtのバリューや文化を考えても、社員同士で競争するより、助け合い高め合う環境を作る方が合っていました。
そもそも、業務課題が近しいチームであっても、個人ごとのAI活用における課題はバラバラでした。そのため、チーム単位で取り組む意味合いがあまりなかったんです。そこで、個人別・課題別のフォローに切り替えました。テーマ別の勉強会を開催して、malnaのチームと私とで講師を担当し、加えて希望制で1on1のフォローを実施する形に変えたんです。
表彰という形もやめて、普通の事例共有会に変えました。結果的に、活用が進んでいる社員が快く共有役を引き受けてくれて、聞いている社員もプレッシャーを感じることなく学びになったようです。方向転換は、うまくいったと感じています。
支援内容
対象:Morght全社員 約25名(経営陣を含む全職種)
期間:2026年5月中旬〜8月上旬(12週間の集中プログラム)
ゴール:全員がClaude Codeを自分の担当業務で使える水準にする
・全社キックオフ・導入セッション:初回は全員参加の2時間セッション。環境構築から始め、その場で全員が自分のPCでClaude Codeを動かせる状態にしました。つまずいたら「エラー内容をClaudeに相談して自力で解決する」を全員の共通ルールにしました(機密情報は入力しない前提)。
・全社アンケートによる現状診断と研修設計:Claude Codeの活用レベル・つまずき・知りたいことを全員に回答してもらい、高度活用・基本利用・未利用の3層に分けて研修内容を設計しました。
・週次のテーマ別勉強会:毎週1回、プロンプト設計、業務の自動化、職種別ワークショップなどのテーマで実施。malnaチームと大倉さんが講師を分担しました。
・事例共有会:当初の表彰制から転換し、活用が進んでいる社員の知見を、社内に共有する場にしました。
・希望制の個別1on1フォロー:個人ごとに異なる課題には、malnaチームが個別に対応。
・週1〜2回の伴走ミーティング:高橋と大倉さんで進め方を随時見直し、その週の課題に合わせてプログラムを組み替えていきました。
・支援チーム:現役でマーケティング実務にAIを活用しているメンバーが中心。理論だけでなく、日々の業務で使っている実践知を持ち込みました。
全社に広がったAI活用——見えてきた成果
実際に業務が変わったと感じる具体的なエピソードを教えてください。
大倉さん:
3ヶ月に1回、全社で集まるキックオフミーティングを実施しているのですが、その資料を経営陣も含めた各担当者が持ち寄り、スライドをほぼ100%AIで作り切りました。100ページを超えるボリュームの資料を、これまでと比べて圧倒的に短い時間で作り切れたのは、AI活用が進んだことが目に見える形で表れた成果でした。
もう一つは、マーケティングでABテストをする際のプロセスです。これまでは、マーケティング担当が構想し、デザイナーがデザインし、エンジニアが作成して、ようやくテストページが出来上がる。一つのページを作るだけでそれなりの時間がかかり、その上で有効かどうかの検証が必要でした。それが、最初のマーケティング担当のところで仮のテストページまで作れるようになり、企画のスピードが圧倒的に改善しました。
経営の視点では、どんな変化を実感していますか。
土井さん:
情報収集にかかる時間が大きく変わりました。これまで1週間、2週間かかっていたものが、早ければ即日、遅くとも数日以内に集められるようになっています。しかも、自分のPCやSlack、Driveなど、普段使っているツールの中の情報を横断して網羅的に集められる。精度高く、早く、より多くの情報を集められるようになったことで、それをもとにした意思決定自体の精度も上がったと実感しています。
「一緒に作っていった」という伴走——malnaへの評価
malnaの支援スタイルについて、率直な評価を伺えますか。
大倉さん:
正直、一緒に作っていったという感覚が強いです。AIの全社浸透について調べたり話を聞いたりしていると、他社の事例ではトップ層や興味のある人を中心に浸透させているケースが多いと感じていました。Morghtでは、全員が使えるようにするというミッションを初期から掲げていたので、やり方も柔軟に変えていく必要がありました。
その中で、高橋さんと週1〜2回、短い時間でも頻度高くコミュニケーションを取り、その場その場で起きている課題に柔軟かつスピーディーに対応できたことが、正解のないテーマに取り組む上でよかった点です。
また、malnaさんのチームの方々が、弊社と近い職種の業務をされている方だったのも良かったです。理論だけでなく、実践面でも参考になる部分がありました。
malnaをどんな企業におすすめしたいですか
大倉さん:
パッケージが決まった集合研修を大人数で受ける形よりも、個別の課題や固有の組織文化があって、他社の導入事例がなかなか参考にならない。そういう会社に向いていると思います。とくに、その状況でどう進めればいいか悩んでいるAI推進の担当者がいる会社には、おすすめしたいです。目的達成や課題解決に向けて、本当に柔軟に、スピーディーに伴走してくれました。マーケティングにさらに強みを持ちたい企業にも合うと思います。
正解のない挑戦に、最後まで柔軟に向き合ってくれる会社だと思うので、これから検討される企業にはおすすめしたいですね。
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土井さん、大倉さん、貴重なお話をありがとうございました!
あなたの事業も、次のフェーズへ。malnaは、マーケティング支援とAI導入支援を両輪にした伴走支援で、事業成長とAI活用の両立を後押しします。まずはお気軽にご相談ください。