2026.09.28
人材紹介会社のAI活用方法!求人票や面談メモの作成を効率化
人材紹介会社のキャリアアドバイザーは、求職者との面談、企業への提案、求人票の作成、スカウト文面の準備まで幅広い業務を抱えています。対応できる求職者と求人の件数が、そのまま売上に直結する仕事です。

目次
生成AIの活用というと、マッチングの精度そのものを引き上げる技術を思い浮かべる方も多いかもしれません。本記事で扱うのはマッチングの最終判断ではなく、求人票・面談メモ・企業向け提案書・社内資料といった「文章の下書きと整理」の領域です。誰を推薦し、企業にどう提案するかの判断はキャリアアドバイザーが担ったまま、その手前の作業をAIに任せれば、対応できる件数を増やせます。
本記事では、人材紹介会社がAIに任せられる4つの領域と、キャリアアドバイザーが必ず確認すべき一線、導入を進める4つの手順まで解説します。人材紹介会社の経営者、キャリアアドバイザー、営業担当の方に向けた内容です。
求人票とスカウト文面のどちらから手を付けるかは、案件の構成しだいで変わります。malnaへの問い合わせで、その見極めから話を始められます。
人材紹介会社でAI活用が求められる理由
人材紹介会社でAI活用が求められる背景には、事業所の数が多く競争が激しいことと、求人票やスカウト文面の作成に時間がかかることの2つの事情があります。
事業所の数が多く、競争が激しい
厚生労働省の職業紹介事業報告の集計結果によると、令和6年度に就職実績のあった有料職業紹介事業所は13,946事業所にのぼります。事業所がひしめく市場では、1人のキャリアアドバイザーが担当できる件数をどこまで増やせるかが、事業所ごとの成長スピードを左右します。
参考:職業紹介事業の事業報告の集計結果について(厚生労働省)
求人票やスカウト文面の作成に時間がかかる構造
求人票は企業ごと、ポジションごとに内容が異なり、スカウト文面も求職者の経歴に合わせて書き分ける必要があります。1件ごとに書き分ける性質があるため定型化しにくく、経験のあるキャリアアドバイザーの手作業に頼りがちです。
書類作成に時間を取られるほど、求職者との面談や企業との折衝といった本来価値を生む仕事の時間が削られます。AI活用でまず時間を作れるのは、この部分です。
人材紹介会社がAIに任せられる4つの領域
AIに任せられる業務は、誰を推薦するかという判断そのものではなく、その手前にある文章の下書きや整理の作業です。ここでは4つの領域に分けて紹介します。

求人票・スカウト文面のドラフト作成
企業からヒアリングした募集要件をもとに、求人票の初稿を作成する作業はAIに任せやすい領域です。過去に作成した類似ポジションの求人票を参考にしながら、項目立てや文章表現の下書きを素早く用意できます。
スカウト文面についても、求職者の経歴や志向に応じて訴求ポイントを変えた下書きを複数案出させることができます。どの求職者にどの文面を送るかはキャリアアドバイザーが決めますが、白紙から書き起こす手間が消えるだけで、1日に対応できる求職者の数は増やせます。
面談メモ・推薦コメントの整理
求職者との面談で聞き取った内容を、企業への推薦時に使う整理済みのメモに変換する作業もAIに任せやすい業務です。面談中に取ったメモや録音の文字起こしをもとに、経歴・強み・希望条件を整理した文章にまとめる使い方ができます。
推薦コメントの下書きも同じ要領で作れます。ただし、求職者の人柄や面談で受けた印象など、キャリアアドバイザー自身の評価に関わる部分は、AIの下書きに頼らず本人の言葉で仕上げてください。
企業向け提案書・レポート作成
企業に対して、紹介候補者の状況や採用市場の動向を伝える提案書やレポートの下書きにもAIを活用できます。過去に作成した資料の構成を参考にしながら、最新の状況に合わせた文章を素早く用意できます。
定例の報告資料なら、毎回の構成をAIに覚えさせておけば、数値と最新のトピックを差し替えるだけで済む状態に近づけられます。
社内マニュアル・研修資料の作成
新しく入ったキャリアアドバイザーへの研修資料や、面談の進め方をまとめた社内マニュアルの整備にもAIを活用できます。ベテランの担当者が培ってきた面談の進め方や質問の型を、対話しながら言語化して文章に落とし込む使い方は、属人化していたノウハウを組織の資産に変える一歩になります。
関連記事:人材紹介会社の集客方法8選!求職者と取引先企業を増やすコツ
人材紹介会社でAI活用が進みにくい2つの壁
AIに任せられる領域が明確でも、実際に導入しようとすると立ちはだかりやすい壁が2つあります。
求職者の個人情報を扱う業務であること
人材紹介会社が扱う情報には、求職者の経歴、年収、希望条件といった機微な個人情報が多く含まれます。AIツールに入力してよい情報の範囲を事前に定めておかなければ、安心して活用を広げられません。
氏名や企業名を仮の記号に置き換えてから下書きを作らせる、外部に送信しない環境で使うツールを選ぶなど、情報の扱い方を先に決めておくことが導入の前提になります。
キャリアアドバイザーごとに仕事の進め方が異なる
面談の進め方や求人票の書き方は、キャリアアドバイザー個人の経験に基づいて確立されていることが多く、AIに参照させる基準がそろっていない場合があります。
まずは成果の出ている担当者の求人票やスカウト文面を数件選び、参照の基準にしてください。それだけでこの壁はかなり低くなります。
キャリアアドバイザーが必ず確認すべき一線
AIに任せられる領域が広がっても、誰を推薦するか、企業にどう提案するかという最終判断は、必ずキャリアアドバイザーが担う必要があります。

| 項目 | AIに任せてよい範囲 | キャリアアドバイザーが必ず担う範囲 |
|---|---|---|
| 求人票・スカウト文面 | 項目立て・文章表現の下書き | 送付先の選定・内容の最終確認 |
| 面談メモ・推薦コメント | 記録の整理・文章化 | 人柄の評価・推薦の最終判断 |
| 企業向け提案書 | 構成案・文章表現の下書き | 提案内容・数値の最終確認 |
| マッチング | 任せない | 誰を推薦するかの最終判断 |
AIは書類作成と情報整理にかかる時間を短縮する道具であり、求職者と企業の双方に関わる最終判断は、引き続きキャリアアドバイザーが担うという役割分担を明確にしておくことが欠かせません。

AI導入を進める4つの手順
AI活用を組織の仕組みとして定着させるには、段階を踏んで進めることが有効です。
| 手順 | 内容 | この段階で決めること |
|---|---|---|
| 1. 棚卸し | どの業務にどれだけ時間がかかっているかを可視化する | 着手する業務の優先順位 |
| 2. 設計 | 参照資料の整理と、入力してよい情報の線引きを決める | AIに参照させてよい情報の範囲 |
| 3. 構築 | 生成AIの活用フローを組み、特定の担当者から試す | 試験導入する担当者・案件の範囲 |
| 4. 運用定着 | 使い方をチームで共有し、マニュアル化する | 誰が何をどこまで任せるかのルール |
最初の段階では、求人票作成、面談メモ整理、企業向け提案書のうち、どこに時間がかかっているかを可視化します。次に、AIに参照させてよい情報の範囲を決めたうえで、特定のキャリアアドバイザーや案件から試験的に使ってみます。効果が確認できたら、使い方をチーム全体で共有し、特定の1人だけに使い方が偏らない状態を作ることが定着の分かれ目になります。
求人票や面談メモの作成に使う仕組みを外注したい場合は、生成AI導入支援会社ごとに対応業務を確認しましょう。
AI活用の効果をどう確かめるか
AIを導入したあとは、感覚ではなく時間の記録で効果を確かめておくと、次に着手する業務の判断材料になります。
求人票やスカウト文面の作成であれば、1件あたりの作成時間がAI導入の前後でどれだけ変わったかを記録します。面談メモの整理であれば、面談後にメモを仕上げるまでの時間を目安にすると比較しやすくなります。
すべての業務を一度に数値化しようとすると続きません。最初の1業務だけで構わないので、効果が確認できたものから順に広げていくと、チーム全体の理解も得やすくなります。浮いた時間を求職者との面談件数に回せているかも、あわせて確認しておきたい指標です。
導入時の注意点
AI活用を進める際には、人材紹介会社ならではの注意点もあります。
求職者情報の取り扱い
求職者の経歴や連絡先といった個人情報をAIツールに入力する際は、事前に定めた範囲を超えないようにする運用ルールが欠かせません。個人情報の取り扱いに関する社内方針は、労務や個人情報保護の専門家に確認しながら整備することをおすすめします。
表現に関する配慮
求人票やスカウト文面をAIで作成する場合は、年齢や性別で応募できる人を限る表現が入っていないかを、公開・送付前に必ず確認してください。募集・採用で年齢や性別によって応募できる人を限ることは、労働施策総合推進法と男女雇用機会均等法で原則として禁止されています。根拠のない「必ず採用」「好条件確約」といった表現も避ける必要があります。
公開前の確認担当者を決めておき、AIが作成した下書きをそのまま送付しないルールを徹底しておくと、こうした表現の混入を防ぎやすくなります。
よくある質問
人材紹介会社でAI活用を始めるとき、最初に着手すべき業務は何ですか?
求人票やスカウト文面の作成など、繰り返し発生していて時間がかかっている業務から着手するのが有効です。まずどこに時間がかかっているかを可視化することから始めます。
マッチングの判断もAIに任せてよいのですか?
誰を推薦するか、企業にどう提案するかという最終判断は、必ずキャリアアドバイザーが担う必要があります。AIに任せるのは求人票や面談メモの下書きといった文章領域にとどめます。
求職者の個人情報をAIに入力しても問題ありませんか?
事前に入力してよい情報の範囲を定めておく必要があります。氏名や企業名を仮の記号に置き換えるなど、情報の扱い方を先に決めておくことが導入の前提になります。
キャリアアドバイザーによって仕事の進め方が違う場合、AI活用は進められますか?
進められます。まずは成果につながっている担当者の求人票やスカウト文面を参照の基準にすることで、担当者ごとのばらつきを乗り越えやすくなります。
AI活用の効果はどうやって確認すればよいですか?
求人票の作成時間や面談メモを仕上げるまでの時間など、最初に着手した1つの業務について、導入前後の時間を記録して比較するのが有効です。
まとめ
人材紹介会社のAI活用は、マッチングの最終判断そのものではなく、求人票・面談メモ・企業向け提案書・社内資料といった文章の下書きと整理の領域から着手するのが現実的です。誰を推薦するかという最終判断はキャリアアドバイザーが担うという線引きを保ちながら、業務の棚卸しから運用定着までの4手順で進めましょう。
アドバイザーごとにばらついた書き方をどこまでそろえるかは、チームの規模で答えが変わります。決めきれない部分はmalnaへの問い合わせで具体的な体制を伝えていただければ、そこから一緒に詰められます。
AIを使える人材が社内にいない場合
求人票と面談メモの任せ方はわかった。でも、アドバイザー全員の使い方をそろえる役を担える人がいない。
担当件数を追いながら社内の標準を整えるのは、キャリアアドバイザー自身には手が回りにくい仕事です。malnaでは、AI活用の実務経験を持つ人材をご紹介するAIタレント名鑑を運営しています。採用ではなく業務委託として、週1日から相談いただけます。

- AIエージェント導入支援について
-
自社で50以上のAIエージェントを動かすmalnaが、貴社の業務に合わせてAIエージェントを導入します。
業務の棚卸し・診断は無料です。 - AIエージェント導入を相談する 詳しく見る
