2026.09.09

人材紹介の集客とは?求職者と企業を同時に増やす8つの実践的手法

人材紹介事業を運営していると、求職者からの新規登録数が伸び悩んだり、依頼をもらえる取引先企業が思うように増えなかったりする場面に直面することは少なくありません。特定のチャネルに集客を依存していると、そのチャネルの反応が落ちた途端に事業全体の勢いが止まってしまうこともあります。

実際には、スカウトメールや求人媒体への掲載だけを漫然と続けていても、登録数も紹介成約数も頭打ちになりがちです。求職者と企業、双方の集客を同時に設計できていないことが要因になっているケースが目立ちます。片方の母集団だけを追いかけていると、もう片方が先細りし、結果として紹介そのものが成立しにくくなります。

人材紹介事業における集客の考え方を整理したうえで、求職者向け・企業向けそれぞれの具体的な手法、費用の目安、施策に着手する際の優先順位まで解説します。人材紹介事業の立ち上げ期にある経営者や、集客施策の見直しを検討しているマーケティング担当者の方に向けた内容です。

人材紹介事業における集客とは、自社サービスに登録する求職者と、求人の依頼を出す取引先企業の両方を、継続的に獲得し続けるための一連の活動を指します。

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人材紹介における集客とは|市場環境と重要性

人材紹介における集客とは、求職者と取引先企業を同時に獲得し続ける活動です。市場全体の申込件数が伸びる局面では、後発の事業者ほど早期の体制構築が求められます。

厚生労働省が公表した令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)によると、有料職業紹介事業の新規求職申込件数は5,525万件(前年度比43.1%増)、常用求人数は1,681万人(前年度比41.8%増)、手数料収入は約9,835億円(前年度比17.6%増)となっています。報告を提出した事業所数は3万561所にのぼり、実績があった事業所は1万3,946所です。

このデータからわかるのは、市場全体としては求職者・求人ともに拡大が続いている一方、報告提出事業所の数自体も増えているため、事業者ごとに見れば「求職者と企業の奪い合い」が同時に起きているという構図です。登録数や取引先数が自然に増える局面ではなく、集客の設計次第で成長スピードに差がつく状況にあると捉えたほうが実態に近いといえます。

加えて、人材紹介事業は職業安定法にもとづく許可事業であり、求職者・求人企業のどちらから見ても「安心して任せられる相手か」という信頼性の見え方が集客の成否に直結します。広告表現や紹介実績の打ち出し方ひとつで印象が変わりやすい業種であることも、集客設計を考えるうえで踏まえておきたい前提です。

参考:厚生労働省「職業紹介事業報告書の集計結果」

かつては求人媒体への掲載とスカウトメールが集客の中心でしたが、SNSの普及やオウンドメディアの一般化にともない、求職者・企業のどちらも複数のチャネルを比較検討したうえで問い合わせ先を選ぶようになっています。特定の1チャネルだけに依存する集客設計は、そのチャネルの反応が鈍化した瞬間に事業全体の成長が止まるリスクを抱えることになります。求職者向け・企業向けのそれぞれで複数の手法を並行して育てておくことが、長期的な安定運用につながります。

求職者と企業、双方の集客に同時に課題を感じている場合は、malnaへの問い合わせから状況をお聞かせください。

求職者を集めるための集客手法

求職者集客の手法は多岐にわたりますが、自社の主要な採用ターゲットに合うチャネルを絞り込み、複数の施策を組み合わせて運用することが基本方針になります。求職者集客5つの手法

以下は、代表的な求職者集客の手法を概要と向いている場面で整理した一覧です。

手法 概要 向いている場面
スカウトメール 求人媒体に登録した求職者へ直接案件を送る まとまった母数へ短期間でアプローチしたい場合
SNS運用 X・Instagram等で継続的に情報発信する 中長期的にファン化・指名検索を狙いたい場合
求人媒体・アグリゲーションサイト 自社求人を外部サービスに掲載してもらう 広告費を抑えつつ流入経路を増やしたい場合
オウンドメディア・SEO 自社サイトで転職関連記事を発信する 広告費に依存しない集客資産を育てたい場合
既存登録者・紹介 休眠登録者への再アプローチや紹介施策 過去の接点を無駄にせず再活用したい場合

スカウトメールによる集客

スカウトメールとは、求人情報サイトに登録した求職者に対し、条件に合う案件を人材紹介会社側から直接届ける手法です。

アプローチできる母数の大きさが利点である一方、テンプレート的な文面では開封や返信につながりにくいという課題もあります。職務経歴やスキルへの言及を盛り込んだ個別性のある文面にすることや、送信するタイミング・頻度を調整することが、返信率を左右する実務上のポイントです。件名の書き方ひとつで開封率が変わるため、同じ文面を使い回すのではなく、職種やターゲット層ごとに文面を出し分ける運用が求められます。

またスカウトメールは、送りすぎると求職者側の受信箱で埋もれてしまい、逆に印象を下げるリスクもあります。反応が薄いターゲット層に対しては、送信頻度を下げたり、別のチャネルに切り替えたりする判断も必要です。

スカウトメールの成果を測る際は、開封率だけでなく返信率、さらにその先の面談化率まで含めて確認することをおすすめします。開封率が高くても返信率が低い場合は文面の訴求内容に、返信率が高くても面談化率が低い場合は案件とのマッチ度に課題があるケースが多く、どの段階で離脱が起きているかによって見直すべきポイントが変わります。

SNSを使ったソーシャルリクルーティング

SNSを使ったソーシャルリクルーティングとは、X(旧Twitter)やInstagramなどのプラットフォームで情報発信を続け、転職潜在層との接点をつくる手法です。

求人情報そのものよりも、キャリアアップのヒントや面接対策といった求職者にとって役立つ内容を継続的に発信することで、フォロワーとの関係を築きながら認知を広げていく進め方が中心になります。単発の投稿では効果が見えにくいため、更新頻度を保てる運用体制を先に決めておくことが前提になります。

運用担当者を専任で置けない場合は、投稿テーマをあらかじめ数パターン決めておき、ネタ切れを防ぐ仕組みを作っておくと継続しやすくなります。フォロワー数そのものよりも、コメントやDMを通じた個別のやり取りが登録につながりやすい点も、他の広告施策との違いです。

プラットフォームごとに集まりやすい層や向いている発信内容が異なるため、自社が主な採用ターゲットとする層が普段利用しているプラットフォームを見極めたうえで、注力するSNSを絞り込むことも運用負荷を下げるうえで有効です。複数のSNSに手を広げすぎると、いずれも更新頻度が落ち、フォロワーとの関係構築が中途半端になってしまいます。

求人媒体・アグリゲーションサイトの活用

求人媒体・アグリゲーションサイトの活用とは、自社で求人ページを整備したうえで、外部の求人検索サービスに情報を掲載してもらい、無料または成果報酬型で流入を得る手法です。

自社サイトの求人情報が外部の検索サービスに正しく取り込まれる状態を整えておけば、広告費をかけずに新規の求職者との接点を増やせる可能性があります。ただし掲載条件やフォーマットはサービスごとに異なるため、事前に仕様を確認したうえで情報を整備する手間が発生します。

求人情報を定期的に更新しないと、外部サービス側の評価が下がり、表示順位が落ちてしまうこともあります。掲載して終わりにするのではなく、応募状況を見ながら求人票の内容を継続的に見直す運用体制が必要です。

オウンドメディア・SEOでの情報発信

オウンドメディア・SEOでの情報発信とは、転職ノウハウやキャリアに関する記事を自社サイトで継続的に公開し、検索エンジン経由の流入を積み上げていく手法です。

広告費に依存せず中長期的な集客資産を築ける点が特徴ですが、検索エンジンでの評価が定まるまでには一定の期間がかかるため、短期的な登録数の底上げには向きません。即効性のある施策と役割を分けたうえで、並行して取り組む位置づけで考えるのが現実的です。

自社が強みとする業界・職種に関する記事を優先的に用意すると、検索経由で流入した読者が自社の専門性を実感しやすくなり、そのまま登録につながる導線を作りやすくなります。逆に、幅広いテーマを浅く扱うだけでは、他の紹介会社との違いが伝わりにくくなる点に注意が必要です。

Q: オウンドメディアは即効性がありますか。
A: 検索エンジンでの評価が定まるまでには一定の期間が必要なため、即効性のある施策とは言えません。広告など短期で成果が出やすい施策と役割を分けて併用するのが現実的です。

既存登録者・紹介経由でのアプローチ

既存登録者・紹介経由でのアプローチとは、過去に登録した休眠求職者への再アプローチや、既存の登録者・関係者からの紹介を通じて新規接点を得る手法です。

一定期間連絡が途絶えている登録者に対し、近況確認を兼ねたメールマガジンや案件紹介を送ることで、再度の転職検討につながるケースがあります。新規獲得に比べて費用がかかりにくく、過去に一度信頼関係を築いた相手であるという点も大きな利点です。

また紹介施策では、紹介した側にインセンティブを用意する設計が一般的ですが、景品表示法や職業安定法など関連する法令の範囲内で制度を設計する必要があります。インセンティブの金額や提供方法によっては規制の対象になり得るため、制度設計の段階で専門家に確認することをおすすめします。

取引先企業を増やすための集客手法

取引先企業の集客は、求職者集客に比べて検討期間が長くなりやすく、単発の広告よりも接点を重ねながら信頼を積み上げる進め方が中心になります。企業側の担当者は、採用単価や紹介実績、対応可能な職種の幅など複数の観点で比較検討したうえで発注先を決めるため、単発の広告だけで即断してもらえるケースは多くありません。継続的な接点づくりを前提にした集客設計が必要になります。

提案型営業と資料・ホワイトペーパーでの訴求

提案型営業と資料・ホワイトペーパーでの訴求とは、採用課題を抱える企業に対し、自社の紹介実績や支援範囲をまとめた資料をもとに個別提案を行う手法です。

問い合わせや資料請求のきっかけをつくったうえで、費用対効果や紹介までの流れを具体的に示しながら商談を進める形が基本になります。業界特化型の紹介会社であれば、対象業界特有の採用課題への理解を資料に盛り込むことで、他の紹介会社との違いを伝えやすくなります。

資料の内容が抽象的な自社紹介に終始してしまうと、企業側は「他社と何が違うのか」を判断しづらくなります。対応可能な職種の幅や、紹介から入社までの平均的な期間、フォロー体制など、企業側が比較検討で知りたい情報を具体的に盛り込むことが重要です。

セミナー・自社主催イベントでの接点づくり

セミナー・自社主催イベントでの接点づくりとは、採用担当者向けのセミナーやイベントを主催し、見込み企業との接点を作る手法です。

採用市場の動向や自社が持つデータをテーマにしたセミナーを開催すると、単なる営業訪問よりも自然な形で企業担当者との関係を築きやすくなります。参加後のフォローを個別営業につなげる導線をあらかじめ用意しておくことが重要です。

セミナー開催そのものが目的化してしまうと、参加後のフォローが手薄になり、接点を作っただけで終わってしまうことがあります。参加者へのアンケートや個別相談の案内をセットで用意し、参加から商談への移行率を高める設計にしておく必要があります。

既存取引先からの紹介・クロスセル

既存取引先からの紹介・クロスセルとは、すでに取引のある企業から別の企業を紹介してもらったり、同じ企業内の別部署・別ポジションへの紹介依頼を広げたりする手法です。

新規開拓に比べて信頼関係がすでにある分、成約までの検討期間が短くなりやすい傾向があります。既存取引先への定期的な状況共有や、成約後のフォローを丁寧に行うことが、紹介やクロスセルにつながる土台になります。

定期的な接点を意図的に設計せず、成約時だけのやり取りにとどめてしまうと、既存取引先との関係が薄れ、紹介の機会そのものが生まれにくくなります。四半期に一度の状況共有や、他部署の採用状況をヒアリングする機会を作るなど、関係を継続させる仕組みを持っておくことが求められます。

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人材紹介の集客にかかる費用の目安

集客にかかる費用は利用するチャネルによって幅があり、まずは無料で始められる施策とあわせて予算配分を考える必要があります。集客費用の目安4つの水準

人材紹介会社への取材をもとに集客手法を紹介しているメディアの記事では、チャネルごとの費用感が示されています。

情報源 費用感の目安
L reach COMPASS(人材紹介会社120社超への取材に基づく調査) 求職者1人あたりの登録獲得単価はチャネルによって数千円から数万円程度まで幅がある
スリーカウント株式会社の記事 集客予算の目安として小規模で月0〜5万円程度、中規模で月10〜30万円程度、大規模で月50万円以上という区分が紹介されている

上記はいずれも各メディアが独自に集計・紹介している参考値であり、自社に当てはめる際は狙う職種の難易度や地域、既存の登録者基盤の有無によって変動する前提で見る必要があります。特に専門性の高い職種や採用難易度の高い業界では、登録獲得単価も面談単価も相対的に高くなる傾向があるとされています。

費用を考えるうえでは、単価の安さだけで施策を選ばないことも重要です。登録単価が低いチャネルでも、その後の面談化率や成約率が低ければ、結果的に紹介1件あたりのコストは高くつくことがあります。単価だけでなく、登録から成約までの歩留まりを合わせて確認する視点が必要です。

そのためには、チャネルごとに登録数・面談数・成約数を分けて計測できる状態を先に整えておく必要があります。計測の仕組みがないまま複数のチャネルを並行して走らせると、どの施策が実際に成約へ貢献しているのかが判断できず、予算配分の見直しにも時間がかかってしまいます。小規模なうちからチャネル別の数値を記録しておくと、事業規模が拡大した際の予算判断もスムーズになります。

Q: 集客予算はどのくらいから始めればよいですか。
A: まずはオウンドメディアやSNS、既存登録者への再アプローチなど無料で始められる施策を優先し、成果を確認しながら有料施策への予算配分を広げていく進め方が現実的です。

参考:L reach COMPASS「人材紹介の集客方法7選|広告費削減と面談数増の具体策」
参考:スリーカウント株式会社「人材紹介会社が集客を成功させるには?」

集客を成功させるための差別化戦略

数ある人材紹介会社の中から求職者や企業に選んでもらうためには、集客手法そのものよりも先に、自社の立ち位置を明確にしておく必要があります。

差別化の観点 具体的な取り組み例
得意分野の明確化 特定の業界・職種に特化し、専門性を打ち出す
取り扱い求人数の拡充 提案できる案件の幅を広げ、求職者への提案力を高める
サービス認知度の向上 オウンドメディアやSNSでの情報発信を通じて指名検索を増やす
サポート体制の充実 面談から入社後フォローまでの伴走体制を整える

これらの観点は、求職者向けの訴求と企業向けの訴求のどちらにも関わってきます。特化領域を明確にすることは、求職者に対しては「自分に合った紹介先」という印象を、企業に対しては「その職種ならこの会社」という指名理由を生み出す効果につながります。

一方で、特化領域を絞り込みすぎると案件数が不足し、求職者への提案力が落ちるという裏返しのリスクもあります。特化と網羅性のバランスは、自社が抱える登録者数や取引先数の推移を見ながら段階的に調整していく必要があります。立ち上げ初期は特定領域への特化で認知を作り、一定の実績が積み上がった段階で取り扱い領域を広げていくという順序で進める紹介会社も少なくありません。

差別化のポイントは、集客チャネルを選ぶ段階よりも前に整理しておくことが望ましい情報です。どのチャネルを使うかを先に決めてから訴求内容を後付けで考えると、求職者・企業のどちらにも「なぜこの会社を選ぶべきか」が伝わりにくい発信になりがちです。自社の強みを言語化したうえで、その強みが伝わりやすいチャネルを選ぶという順番で検討することをおすすめします。

参考:tameni「人材紹介業における集客方法おすすめ5選|差別化戦略も紹介」

自社の強みの言語化や、求職者・企業それぞれに合わせた集客チャネルの選定について、事業・マーケティング設計の段階から相談したい場合は、malnaへの問い合わせからご連絡ください。

事例で見る人材紹介企業への集客支援

人材紹介事業を営む企業への集客支援は、KPI設計から広告運用、クリエイティブ制作まで幅広い施策を組み合わせて行われます。malna株式会社は、伴走型のWebマーケティング支援(戦略立案から実行、内製化までを総合的に支援)を行う会社であり、実際の支援内容は次の2社の事例に表れています。2社の集客支援事例

株式会社ネクストビート様の事例

株式会社ネクストビートは、保育士向けの人材紹介サービス「保育士バンク!」などを展開する、人材紹介を中核事業とする企業です。

malnaでは、KPIや運用方針の整理、データ分析にもとづく施策設計といった事業・マーケティング設計を支援したうえで、広告運用の仕組み化・自動化、LP改善、EFO(入力フォーム最適化)、求人票制作などの広告・クリエイティブ実行を担当しました。あわせて、求人票制作やレポーティングへのAI活用も進めています。

支援の結果、CPA(顧客獲得単価)は約15%改善し、応募数は20%増加しました。あわせて、求人票の改善サイクルが数日がかりから数時間に短縮され、レポーティングにかかる工数も月30時間近くから月10時間程度に圧縮されています。

参考:malna株式会社 支援実績(ネクストビート様)

株式会社ジェイック様の事例

株式会社ジェイックは、就職・採用支援事業として「就職カレッジ」などの新卒・中途向け人材紹介サービスや、教育研修事業を手掛ける東証グロース上場企業です。

malnaでは、ターゲット分析や訴求整理、Meta広告の運用戦略立案からクリエイティブ制作、セグメント別の配信最適化までを支援し、週次でのレポーティングと数値の振り返りをもとにバナーやターゲティングの改善を継続しています。初期の段階からターゲットとセグメントを丁寧に整理したうえで運用を始めた点は、ジェイック様からも評価されています。

支援の結果、想定よりも抑えたコストでターゲット条件を満たすリード獲得につながったことに加え、既存のハウスリストでは接点を持てなかった層からのリード獲得にもつながったと評価されています。具体的な数値は事例ページに記載がないため、ここでは定性的な成果としてご紹介します。

参考:malna株式会社 支援実績(ジェイック様)

2つの事例に共通するのは、広告運用やクリエイティブといった個別の施策改善に着手する前に、KPIの整理やターゲット・訴求の言語化を先に行っている点です。集客手法そのものを増やす前に、自社が誰に何を届けたいのかを整理しておくことが、その後の施策改善の効果を左右すると考えられます。

集客施策を始める際の優先順位

集客施策は、費用のかからないものから着手し、成果を確認しながら有料施策の比重を高めていく順番で進めるのが現実的です。求職者向け・企業向けの手法をすべて同時に始める必要はありません。

フェーズ1|無料で始められる施策を立ち上げる

最初のフェーズでは、オウンドメディアでの情報発信やSNS運用の体制づくり、休眠している既存登録者・取引先への再アプローチから着手します。広告費がかからないため、事業立ち上げ期の限られた予算でも取り組みやすく、並行して自社の強みや訴求ポイントを整理する期間としても活用できます。

この段階でつまずきやすいのは、体制を作らないまま「手が空いたときにやる」運用にしてしまうことです。誰がどの頻度で記事を書くのか、SNSの投稿担当は誰か、休眠登録者への連絡はいつ行うのかといった役割と頻度をあらかじめ決めておく必要があります。決めておかないと、他の業務に押されて更新が止まってしまいます。小さくてもよいので、無理なく続けられる頻度をあらかじめ決めておくことが優先されます。

フェーズ2|効果を見ながら有料施策を組み合わせる

無料施策の運用体制が整い、自社の訴求ポイントが固まってきた段階で、求人媒体への掲載やスカウトメールの活用、有料広告の出稿を組み合わせていきます。フェーズ1で整理した訴求内容をもとに広告のクリエイティブや文面を作ることで、無駄打ちになりにくい状態から有料施策を始められます。

この段階では、複数のチャネルを一度に始めるのではなく、1つずつ追加しながら効果を確認していくことをおすすめします。一度に始めてしまうと、どの施策が登録数の増加に寄与しているのかが判断できなくなり、翌月以降の予算配分の判断材料が乏しくなってしまいます。

フェーズ3|差別化を軸にした企業向け施策を強化する

求職者側の集客が軌道に乗り、紹介できる案件の幅が見えてきた段階で、提案型営業の資料整備やセミナーの主催、既存取引先からの紹介強化に力を入れます。求職者側の実績が積み上がっているほど、企業向けの提案資料に具体性を持たせやすくなり、企業集客の成約率にも良い影響を与えやすくなります。

このフェーズに入ってからは、求職者向け施策を止めるのではなく、運用の手間がかからない形に仕組み化したうえで、企業向け施策に人員と時間を再配分していく進め方が現実的です。両輪のどちらかを止めてしまうと、せっかく積み上げた集客基盤が先細ってしまうため、優先順位を移す際も完全に手を離さないことが求められます。

よくある質問

人材紹介の集客について、検討段階で寄せられることが多い質問をまとめました。

Q. 人材紹介事業における集客とは、具体的に何を指しますか。
A. 自社サービスに登録する求職者と、求人の依頼を出す取引先企業の両方を、広告やSNS、紹介などの手法を通じて継続的に獲得し続ける活動全般を指します。片方だけでは事業が成り立たないため、両輪での取り組みが基本です。

Q. 求職者集客と企業集客はどちらを優先すべきですか。
A. どちらか一方を止めることは避け、並行して取り組むのが基本です。求職者が少なければ企業への提案材料が乏しくなり、企業が少なければ紹介先が確保できないため、両方の母集団を同時に育てる進め方が求められます。

Q. 集客を始めたばかりの人材紹介会社が最初に取り組むべき施策は何ですか。
A. 広告費をかけずに始められるオウンドメディアでの情報発信やSNS運用、既存登録者・取引先への再アプローチから着手するのが現実的です。自社の強みが定まってから有料施策に予算を配分すると無駄打ちを防げます。

Q. 人材紹介の集客にかかる費用はどのくらいが目安ですか。
A. 利用するチャネルによって幅があり、外部メディアの調査では求職者1人あたりの登録獲得単価が数千円から数万円程度とされています。無料施策から始め、成果を見ながら予算を広げる進め方が現実的です。

Q. 集客施策の効果はどのように確認すればよいですか。
A. チャネルごとに登録数・面談数・成約数を分けて記録し、単価だけでなく登録から成約までの歩留まりも合わせて確認します。歩留まりが低いチャネルは、単価が安く見えても紹介1件あたりのコストが高くつくことがあります。

まとめ

人材紹介事業の集客は、求職者と取引先企業という2つの母集団を同時に育てる活動です。市場全体の申込件数は拡大を続けている一方、事業所数も増えているため、集客の設計次第で成長スピードに差がつく状況にあります。

スカウトメールやSNS、求人媒体、オウンドメディアといった求職者向けの手法と、提案型営業やセミナー、既存取引先からの紹介といった企業向けの手法を組み合わせながら、自社の得意分野を明確にしていくことが、選ばれ続ける人材紹介会社になるための土台になります。まずは無料で始められる施策から着手し、成果を見ながら有料施策への配分を広げていく進め方を検討してみてください。

どの手法から着手する場合でも、チャネルごとの数値を記録し、自社にとって効果的な組み合わせを見極めながら調整を続けることが欠かせません。一度決めた施策の配分を固定するのではなく、市場環境や自社の登録者数・取引先数の変化に合わせて、定期的に見直していく姿勢が長期的な集客の安定につながります。

自社の集客状況を整理したうえで、どの施策から着手すべきか迷う場合は、まずmalnaへの問い合わせにてお問い合わせください。

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執筆者情報

malnaブログ編集部

writer malnaブログ編集部 webマーケター / データアナリスト
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