2026.08.13

Google広告の事例19選|公式が公表した数値と再現条件を施策別に解説

「Google広告 事例」で検索すると、売上が5倍になった、コンバージョンが倍増したという数字がいくらでも並びます。ところが、その数字を公表したのが誰で、何と比べた数字なのかまで書かれている記事はそれほど多くありません。

目次

実際には、倍率だけを見ても自社の予算に置き換える計算ができません。どの業種が、どんな設定で、どの期間を比べてその数字になったのか。そこが抜けている限り、社内で予算を通すための材料にはならないからです。

本記事では、Googleが公式サイトに実名で掲載しているGoogle広告の成功事例19件を、施策と数値、その数値が何と比べたものか、いつ公開されたものかまで揃えて一覧化しました。19件を並べて浮かび上がった成立条件もあわせて扱います。

広告の方針を社内に説明する立場の方、これからGoogle広告に予算を振る判断を控えている方に向けた内容です。

広告予算の配分を決めたいのに、社内に参照できる数字がない。そんな段階でしたら、キャンペーン構成と計測の点検からmalnaにご相談ください

Google広告の事例を読むときに確認すべき3点

Google広告の事例とは、広告主が実施したキャンペーン設定と、その後に動いた数値の対応関係をたどれる記録です。倍率の大きさよりも、誰が公表したか、いつの数値か、何と比べた数値かの3点がそろっているかどうかで、自社の判断材料に使えるかが決まります。まず3つの確認軸を整理し、そのうえで本記事に載せた19件の選び方を示します。

誰が公表した数値かを確認する

公表主体は、数値の検証しやすさをそのまま左右します。広告主本人またはプラットフォーム側が実名で公表した事例なら、掲載ページを開いて記述を読み直せます。

支援会社が自社サイトに載せている匿名のA社事例は、計測条件も比較対象も読み手側から確かめる手立てがありません。同じコンバージョン2倍でも、検証できる数値とできない数値では、社内稟議に持ち込んだときの強さが違います。

いつ公表された数値かを確認する

公開時点は、その事例がどのプロダクト環境で成立したかを示します。Google広告のキャンペーン種別は入れ替わりが速く、数年前の設計が現在そのまま再現できるとは限りません。

たとえば動画アクションキャンペーンは、2025年7月からデマンドジェネレーションキャンペーンへ自動的にアップグレードされ、新規作成ができなくなりました。この点はGoogle自身が事例ページ内に注記しています。2022年の動画事例を読むときは、同じ設計を今つくるなら置き換わると補正してください。

何と比べた数値かを確認する

比較対象がわからない倍率は、期待値の目安になりません。前年同月比なのか、施策導入前の直近2か月との比較なのか、社内の目標値に対する達成度なのかで、同じ4倍の意味は大きく変わります。

19件でも比較の起点は事例ごとに違い、前年比、施策前後、アカウント全体の平均との比較が混在しています。Googleの事例ページには、実際の結果は広告主によって異なる旨の注記が置かれているものもあります。社内の資料に転記するときは、数字の横に比較の起点と期間を必ず添えてください

この記事に載せた19件の選定条件

採用したのは、Google広告の公式サイトにある成功事例ページに実名で掲載された、日本国内の事例だけです。掲載ページを開けば、企業名も施策も数値も第三者が確かめられる状態にあります。

本文中の数値は掲載ページの記載どおりに引用し、単位をそろえるための加工や期間の合算は加えていません。ただし、掲載主体がGoogle自身である以上、Google広告がうまく機能したケースが選ばれている偏りは残ります。その前提を踏まえたうえで全体像をご覧ください。

事例 主な施策 公表された主な成果 公開時点
東晶貿易 自動入札とインテントマッチ コンバージョン数69%増 2022年4月
ひらまつ 動画広告と検索広告、ディスプレイ広告 公式ページ全体の予約数120% 2022年6月
井野屋 検索広告 ECサイト売上が単月比較で最大7倍 2022年6月
三栄電子 検索広告とディスプレイ広告 商談件数が約10倍 2022年6月
TAクリニックグループ コンバージョン価値を設定したスマート入札 予約数166%増 2022年9月
オルビス 動画アクションキャンペーンとP-MAX コンバージョン数1.8倍 2022年12月
BluAge レスポンシブ検索広告の改善とスマート自動入札 コンバージョン数40%増 2023年6月
MOTA P-MAXと動画アクションキャンペーン アカウント全体のコンバージョン36.5%増 2023年9月
Techouse P-MAX(A/Bテストを経て本導入) コンバージョン数47%増 2023年9月
ベガコーポレーション ショッピング広告のフィード改善 クリック率42%改善 2023年12月
アーラリンク 検索広告 目標に対して約4倍のコンバージョン数 2024年4月
ゼビオコミュニケーションネットワークス P-MAX 投資対効果25%改善 2024年6月
教育プラザ 検索広告と地域ターゲティング 入塾者数260% 2024年8月
そば信 検索広告とショッピング広告、P-MAX 事業全体の売上前年比150% 2024年8月
柳井商店 検索広告 単月売上が前年比で最大5倍 2024年8月
奥地建産 検索広告とディスプレイ広告 オリジナル製品の売上148% 2024年8月
ワンダーマーク 検索広告 オンラインショップ売上が前年比150% 2024年8月
武蔵野銀行 検索広告と動画広告、デマンドジェネレーション 採用ページ流入が前年比最大4,500% 2025年3月
TENTIAL 動画キャンペーンと検索広告 指名検索数402%増 2025年9月

一覧にすると、同じ検索広告を使った事例でも、動いた指標が売上、入塾者数、CPAとばらけていることがわかります。何を成果に置いたかで打ち手が変わるためで、その違いは個別の中身を読むとはっきりします。

関連記事:Google広告とは?初心者向けに仕組み・種類・始め方を徹底解説

検索広告で成果を出したGoogle広告の事例4社

検索広告は、19件のうち最も多くの事例に登場する広告タイプです。すでに探している人に当てにいく施策のため、反応が出るまでが短く、少額から検証しやすいという共通点があります。地方の食品店から学習塾まで、規模も業種も異なる4社の公表値を見ていきます。

柳井商店

柳井商店は、検索広告の配信を強化した約4か月後に、単月売上を前年比5倍まで伸ばした事例です。大分県佐伯市でとらふぐの加工と販売を営み、オンラインショップは12年から13年前に開設していました。

課題は配信範囲にありました。それまでの広告が地元限定だったため、全国の顧客に情報を届ける手段がなく、注文数が伸び悩みます。そこで検索広告を開始し、キーワード選定を含む運用を代表自身が担当しました。冷凍せずに生のとらふぐを届ける新商品の告知として2023年9月から配信を強化し、同年12月の売上が前年比5倍に到達。購入者に占める大分県以外の在住者は9割まで上がっています。5倍は単月の最大値として掲載された数値です。

参考:既存の他社広告からの切り替えで売上 5 倍を達成した柳井商店

株式会社教育プラザ

教育プラザは、配信エリアの設定を変えることで入塾者数を前年比260%まで伸ばした事例です。千葉県内に成田、都賀、蘇我の3教場を構える小中学生向けの学習塾が舞台になっています。

従来のデジタル広告以外の手法では、30代から40代の保護者に届いている実感が持てず、改善のためのデータも取れませんでした。導入したのは検索広告で、市区町村や駅の単位ではなく、狙った場所を中心に配信範囲を決める地域ターゲティングを設定しています。配信期間は2023年12月から2024年3月。成田と都賀は従来の広告と並行運用し、蘇我は検索広告だけという切り分けを行いました。同期間のサイト訪問者数は前年比175%、入塾者数は260%、単月売上は前年比112%と公表されています。

参考:適切なエリア設定で入塾者数 260% を達成した株式会社教育プラザ

株式会社井野屋

井野屋は、少額の検索広告を年間通して続け、ECサイトの売上を単月比較で最大7倍に伸ばした事例です。レザーバッグブランドのSLOWなどを手がける革製品メーカーが、卸売中心の構成から自社販売へ軸足を移す途中にありました。

広告より先に着手したのは、既存コンテンツの整備です。全商品のラインナップ掲載と直営店情報の整理を済ませてから、検索広告に予算を振っています。運用は月に1回、月末に数値を確認して翌月の運用金額とキーワードを決め直す頻度で回しました。公表値は、広告開始前後の年間比較でECサイト売上2倍、単月比較の最大値で約7倍、サイト滞在時間が15秒程度から約30秒へ倍増の3点。年間と単月で倍率が3倍以上ずれている点は、事例の読み方を考える好例です。

参考:自社 EC 売上を 7 倍に拡大した株式会社井野屋

株式会社アーラリンク

アーラリンクは、本導入から1か月で目標の約4倍のコンバージョン数を獲得した事例です。2023年に格安スマホサービスの誰でもスマホを立ち上げた企業で、新サービスの認知拡大が課題でした。

以前に別サービスの運用を外部に任せて期待した成果が出なかった経験から、今回は自社内での運用を選んでいます。担当者は未経験からのスタートでしたが、専任サポート担当と2週間に一度のミーティングを重ねて設定を進めました。掲載されている成果は、目標に対して約4倍のコンバージョン数、運用当初と比べたCPAの46%改善、デジタル広告全体のコンバージョン数のうちGoogle広告が占める割合50%の3点です。ここで注意したいのは、4倍の比較対象が同社の設定した目標値であり、外部から水準を検証できないことです。

参考:新サービスを急成長させた、アーラリンクの無料サポート活用術

関連記事:【2025年最新版】リスティング広告の費用相場と予算の決め方

ディスプレイ広告と動画で認知から獲得までつないだ事例4社

動画広告とディスプレイ広告は、まだ検索していない層に接点をつくる役割を担います。4社に共通するのは、動画やディスプレイ単体で終わらせず、そこで関心を持った人が検索したときに拾えるよう検索広告と組み合わせている点です。効果が指名検索の増加という形で現れているのも特徴といえます。

株式会社ひらまつ

ひらまつは、YouTube広告を軸としたフルファネル配信で、公式ページ全体の予約数を120%まで戻した事例です。レストランウエディングを手がける同社は、雑誌中心のマーケティングからデジタルへの転換を迫られていました。

施設を端的に紹介する広告ではなく、料理や現場に込めた思いを伝えたいという狙いから動画広告に着目します。予算の入れ方は慎重で、まず5万円から10万円程度の規模で効果をテストし、成果に応じてマーケティング予算内のデジタル配分を段階的に増やしました。動画で関心が高まった人が検索したときに拾えるよう検索広告を、YouTubeを使わない層にはディスプレイ広告を配置しています。公表値は、緊急事態宣言明けの公式ページ全体の予約数が約120%、コロナ後の見学予約数の復調率が業界水準より10%以上高いという2点でした。

参考:動画広告を活用し、予約数 120% を達成したひらまつ

武蔵野銀行

武蔵野銀行は、採用マーケティングにGoogle広告を使い、採用ページへの流入を前年比で最大4,500%まで伸ばした事例です。埼玉県内を拠点とする地方銀行が、県外の学生や他業種志望の学生に届かないという新卒採用の課題に取り組んでいます。

先に着手したのは採用サイトの刷新でした。ところがローンチ後の分析で閲覧数の少なさが判明し、県内で金融機関を志望する学生数と自行のエントリー数がほぼ同数という状況も見えてきます。そこで、埼玉県外に住みメガバンクや商社を検討している学生に対象を絞り、動画広告とデマンドジェネレーションキャンペーン、検索広告を組み合わせました。2024年5月の配信開始後、約1か月間で採用ページへの流入は前年比で最大4,500%、平均1,900%まで増加。エントリー数は配信後半年間の前年比で35%増でした。最大値と平均値が併記されているため、読み手側で幅を把握できます。

参考:ターゲットを絞った広告で、採用サイトへの流入数が 4,500% 増加した武蔵野銀行

株式会社TENTIAL

TENTIALは、コネクテッドテレビへの動画配信と検索広告の強化を組み合わせ、指名検索数を402%増やした事例です。リカバリーウェアのBAKUNEシリーズなどを展開するアパレルメーカーで、それまでは顕在層への獲得型配信が中心でした。

事業拡大には潜在層への認知拡大が要るという判断から、2024年11月に動画キャンペーンを、12月に検索広告を強化します。動画はテレビCMでは届かない層に当てるため、コネクテッドテレビに絞って配信しました。強化前の2024年9月から10月と比べた2か月間の数値として、商品名BAKUNEの検索リフトが402%増、全体売上が116%向上と公表されています。内訳はカートへの追加13.3%増、購入完了10.1%増、検索広告経由の売上36.1%増。ブランドリフト調査でも認知が11%、比較検討が6%、購入意向が5%それぞれ向上しました。

参考:Google 広告の活用で、指名検索数を 402%、店頭・EC 売上を 116% 向上させたアパレル メーカー TENTIAL

オルビス

オルビスは、動画視聴者を検索広告で拾い直す設計により、コンバージョン数を導入前の約1.8倍に伸ばした事例です。化粧品市場での競争激化を背景に、ブランド全体のシェア拡大と新規顧客の獲得を課題としていました。

まずYouTubeの動画アクションキャンペーンを開始し、動画を視聴した人が関連語句を検索した際に自社の検索広告を表示できるよう、検索広告向けデータセグメントを活用しています。動画素材では価格や数量限定を訴求し、動画から検索、購入へつなぐ導線を意図的に設計しました。動画視聴者を対象とした検索広告では、通常の検索広告と比べて新規顧客のコンバージョン率が約1.7倍。ショッピング広告をスマートショッピングからP-MAXへ移管した施策を含む全体では、導入前と比べてコンバージョン数が約1.8倍でした。

参考:CV 数 1.8 倍、 Google 広告を包括的に活用したオルビスの施策

P-MAXを導入したGoogle広告の事例4社

P-MAXは、検索やYouTube、ディスプレイ、Discover、Gmail、マップなどGoogleの各面に1つのキャンペーンから配信し、AIが入札とクリエイティブの組み合わせを最適化するキャンペーン種別です。4社の公表値を並べると、成果の出方だけでなく、既存キャンペーンとの共存をどう検証したかという進め方の差も見えてきます。

ゼビオコミュニケーションネットワークス株式会社

ゼビオコミュニケーションネットワークスは、P-MAXの推奨設定に運用を寄せることで投資対効果を25%改善した事例です。スーパースポーツゼビオやヴィクトリアゴルフのEC事業を担い、扱う商品数は10万点以上にのぼります。

商品数が膨大なため一点ずつのプロモーションが行き届かず、新規ユーザーの獲得も頭打ちになっていました。GoogleがP-MAXに注力する方針を聞いていたことから、ベータ版の段階で導入しています。ただし当初は苦戦しました。自社の運用方針で良かれと思って試した設定が、結果としてP-MAXの最適化を進みにくくしていたといいます。そこで推奨設定と運用方法を忠実に実行する方向へ切り替え、競技や商品カテゴリー、ブランドといった独自のアセットグループを設定。公表値は投資対効果25%改善、オンライン売上300%の拡大、配信規模2.1倍です。推奨設定への差し戻しが転換点になったと読めます。

参考:P-MAX の活用で投資対効果を +25% 改善。ゼビオ コミュニケーション ネットワークス株式会社

株式会社Techouse

Techouseは、5週間のA/Bテストで既存キャンペーンとの競合懸念を検証してからP-MAXを本導入した事例です。工場や製造業に特化した求人プラットフォームのジョブハウス工場で、求人応募数の最大化を目標にしていました。

導入前の懸念は、既存の検索キャンペーンとP-MAXが食い合うのではないかという点でした。そこでP-MAXのテスト機能を使い、テスト期間中も広告素材の追加と更新を続けながら5週間の検証を実施します。テスト段階の結果は、コンバージョン数13%増、CPA3%削減。この数値をもって本導入へ移行したところ、前年同時期と比べてコンバージョン数は47%増、コンバージョン単価はアカウント全体の平均と比べて17%削減となりました。テスト時と本導入後で比較対象が変わっている点は押さえておきたいところです。

参考:A/B テストで不安を払拭し、コンバージョン数を 47% 増加させた Techouse

株式会社MOTA

MOTAは、P-MAXと動画アクションキャンペーンを同時に導入し、アカウント全体のコンバージョンを36.5%増やした事例です。車買取サービスのMOTA買取を運営しており、後発ゆえの認知格差を埋める必要がありました。

従来のSEOと検索広告の運用だけでは限界を感じていたため、認知獲得と刈り取りの両方を狙って2つのキャンペーンを組み合わせています。動画広告の本格運用は初めてで、配信頻度や費用対効果への不安があったと担当者は振り返っています。施策導入前の直近2か月間と比較した数値は、アカウント全体のコンバージョン36.5%増、CPA2%削減。同期間で指名検索は24%増え、車買取の申込数は前年比で51%増と、比較対象の異なる数値が併記されています。認知施策が既存の検索広告に相乗効果をもたらした形です。

参考:キャンペーンの自動化と動画広告の活用で、コンバージョンを 36.5% 増加させた MOTA

有限会社そば信

そば信は、手動で組んだ検索広告の運用をP-MAXへ寄せることで、事業全体の売上を前年比150%まで伸ばした事例です。長野市で35年以上続く老舗の蕎麦屋が、2021年に開設したオンラインショップの新規顧客獲得に取り組みました。

最初に選んだのは検索広告で、キーワードは兄弟2人で作戦を練り、そばとギフトの掛け合わせを手動で選んでいます。長年の経験から、そばは目上の人への贈り物として選ばれるという確信があったためです。母の日に向けた配信で反響を得たのちショッピング広告を追加し、さらに効率化を求めてP-MAXを導入しました。実店舗への来店が目的ではなかったため、来店を想起させるキーワードを除外できた点も効いています。公表値はオンラインショップ単体の売上が前年比130%、事業全体の売上が前年比150%です。

参考:P-MAX キャンペーンにおける Google の AI の力でより効率的に売上 150% を達成したそば信

入札と広告設定の見直しで成果を出した事例4社

キャンペーンを増やさず、入札戦略やキーワードのマッチタイプ、商品データの中身を変えるだけで数値が動いた事例も公表されています。4社に共通するのは、配信量を増やす前に、何を最適化の目標にするかを定義し直している点です。運用工数の削減幅まで公表されているものもあります。

株式会社BluAge

BluAgeは、コンバージョン値の設計を変えることで、コンバージョン数と顧客単価を同時に引き上げた事例です。部屋探しポータルのCANARYを運営し、訪問数の最大化と、不動産会社へ送客する際の顧客単価の向上を両立させる必要がありました。

施策は3軸です。レスポンシブ検索広告の広告アセットの充実度を確認して修正と追加を行い、広告有効性をほぼ平均的から非常に高いへ改善しました。入札面では物件の賃料に合わせてコンバージョン値を動的に設定し、賃料が高い物件ほどコンバージョン率が下がる傾向に対して目標広告費用対効果を設定しています。エリアごとに分かれていたキャンペーンは、学習データを増やす目的で統合しました。施策導入前と比べた公表値は、コンバージョン数40%増、顧客単価8%増、コンバージョン値50%増、広告費用対効果33%改善です。

参考:Google の AI を活用し、CV 数改善と顧客単価上昇を同時に実現した BluAge

TAクリニックグループ

TAクリニックグループは、コンバージョンアクションを160以上に細分化して価値を設定し、予約数を166%増やした事例です。美容外科と美容皮膚科を全国8院展開しており、院や施術内容ごとに顧客単価が異なる構造を抱えていました。

それまではすべてのコンバージョンの価値を同一とみなして配信していたため、投資対効果を正確に把握できません。そこでエリアと施術内容を掛け合わせてコンバージョンアクションを160以上に分け、それぞれに価値を設定しました。あわせて最適化案の自動適用でキーワードのインテントマッチ化を進めています。公表値は、クリニック全体の予約数166%増、ROAS1.34倍、入札に関わる工数25%削減。予約数の少ない院の価値を調整することで、全体の予約充足率も改善しました。

参考:CV 価値重視の入札戦略で、予約数 166% 増加に成功した TA クリニックグループ

東晶貿易株式会社

東晶貿易は、キーワードのマッチタイプをすべてインテントマッチへ切り替え、ROASを維持したままコンバージョン数を69%増やした事例です。金融や人材、教育のメディアを複数展開しており、主力メディアで伸び悩みが起きていました。

従来は手動入札かつ完全一致という運用でしたが、市場拡大と競争激化でコンバージョン数とROASが頭打ちになります。そこで目標広告費用対効果による自動入札を導入し、完全一致とインテントマッチを併用しました。数値は改善傾向を示したものの目標には届かず、さらに一段としてすべてをインテントマッチでの運用に切り替えています。切り替え前後の比較で、ROASを維持しながらコンバージョン数69%増、広告運用に投じていた時間の50%削減が公表されました。自動入札は学習に一定の期間が要るため、短期的な変動で判断しないと担当者は述べています。

参考:自動入札とインテントマッチの導入で、コンバージョン数 69% 増を達成した東晶貿易

株式会社ベガコーポレーション

ベガコーポレーションは、ショッピング広告の商品データを作り込むことでクリック率を42%改善した事例です。家具とインテリアのECサービスLOWYAを運営し、競合増加によるクリック単価の上昇と広告投資対効果の悪化に直面していました。

現状分析を進める中で、サイトで人気のある商品や売り出したい商品が広告に表示されていないことが判明します。ショッピング広告のオークションでは商品データの品質、入札額、ユーザーとの関連性の3要素で表示商品が決まるため、Merchant Centerのフィード改善に着手しました。商品タイトルへのワード追加、商品画像や説明文の充実を、1施策あたり約2週間という短いサイクルで検証しています。特に反応が大きかったのは商品タイトルに新商品というワードを加えた施策で、インプレッション45%増、クリック率42%改善、広告投資対効果17%改善という結果でした。配信面も予算も増やさずに表示の中身だけを変えた事例として、参照しやすい内容といえます。

参考:ショッピング広告のフィードを改善、CTR 42% アップを実現した株式会社ベガコーポレーション

入札の設計を変えるのか、キーワードのマッチタイプを広げるのか、商品データを作り直すのか。この4社のように打ち手を1つに絞って検証したい段階でしたら、malnaは何を先に試すかの順番づけからお手伝いしています。支援の進め方についてはこちらからお問い合わせいただけます

関連記事:リスティング広告の費用対効果は?メリットや対策を解説

BtoBと中小企業のGoogle広告の事例3社

営業人員が限られる企業や、広告に大きな予算を割けない企業の事例も公式に公表されています。3社はいずれも、人手で届けられる範囲の狭さを広告で補うという発想から始まっており、投じている予算規模も大きくありません。

三栄電子株式会社

三栄電子は、展示会中心の新規開拓からデジタルへ切り替え、商談件数を約10倍に伸ばした事例です。50年以上の実績を持つ電子部品の専門商社で、認知度の低さと営業人数の制約を課題としていました。

コロナ禍で展示会がなくなったことが直接のきっかけです。ランディングページの制作を進めていたものの、そのページをどう知ってもらうかが次の課題となり、検索広告とディスプレイ広告を開始しました。特徴的なのはキーワードの決め方です。届いた問い合わせに対してどんな言葉で検索したのかをヒアリングし、その内容を営業とのディスカッションに持ち込んで練り直す工程を繰り返しています。開始前と比べて商談件数が約10倍、成約件数も約10倍、問い合わせ数が200%という結果が公表されました。

参考:デジタルで商談件数 10 倍を実現した三栄電子株式会社

奥地建産株式会社

奥地建産は、営業3名では届かない全国2万社の工務店に接点をつくり、オリジナル製品の売上を148%まで伸ばした事例です。大阪を拠点に住宅用の下地材や太陽光発電施設の架台資材を製造販売しています。

主力のクラックガードは、石膏ボード同士のずれを抑えてクロスの割れを防ぐ資材です。住宅に必ず要るものではないため、クロス割れの補修を経験した工務店にしか必要性が伝わらないという難しさがありました。そこで検索広告では顕在層と潜在層の両方に当たるキーワードを設定し、まだ製品を知らない層には、どんな場面で必要になるかをバナー画像で示すディスプレイ広告を使い分けています。2021年から2023年の比較で、売上148%、採用企業数147%、オンラインショップの会員登録600件増を公表。顕在層は検索広告、潜在層はディスプレイ広告という役割分担が明記された事例です。

参考:ユーザーへの的確なリーチにより 148% の売上を達成した奥地建産

株式会社ワンダーマーク

ワンダーマークは、少額から始めた検索広告で、オンラインショップの売上を前年比150%まで伸ばした事例です。雑貨の企画製造やデザイン制作を手がける小規模な会社が、2020年に始めた背景紙の企画販売に力を入れていました。

オンラインショップを開いたものの集客が伸びず、初期設定の方法もわからないという状態からのスタートです。専任のサポート担当から少額ずつ始めるよう助言を受け、商品特性を踏まえて対象を女性に絞った検索広告を実施しました。キーワード選定では、撮影や写真といった自明の語だけでなく、AIが提案したファンシーのような自分では思いつかない語も採用しています。運用開始からすぐ販売につながり、1週間ほどで手応えが見え、1年後には売上が150%まで増加。コンバージョン数の増加率は8.4%と公表されています。

参考:専任のサポート担当の支えで、売上を 150% に増加したワンダーマーク

関連記事:Google広告に強い代理店21社を比較!|料金やメリット・選び方などを解説

事例が成立した4つの共通条件

19件を並べると、成果が出た事例には広告を出す前の状態に共通点があることが見えてきます。キャンペーン種別や予算規模はばらばらでも、探されている需要があること、受け皿が用意されていること、配信対象を絞る条件が決まっていること、検証してから広げていることの4つは繰り返し現れました。

条件1 届けたい相手がすでに探している

1つ目は、対象となる人が検索や視聴という形で能動的に動いている状態です。アーラリンクは、今すぐ携帯電話を手に入れたい層の検索行動が顕著だという理由から検索広告を選びました。そば信は、そばがギフトとして探されるという長年の経験を前提にキーワードを組んでいます。

この条件が弱ければ、探されるところから作る必要があります。奥地建産のクラックガードは、補修を経験した工務店にしか必要性が伝わらない製品でした。だからこそ検索広告だけに頼らず、必要になる場面を示すディスプレイ広告を併用しています。自社の商品がどちらの状態にあるかで、選ぶ広告タイプは変わります。

条件2 広告の受け皿が先に整っている

2つ目は、クリックした先のページが先に用意されていることです。井野屋は広告を出す前に、全商品のラインナップ掲載と直営店情報の整理を済ませました。三栄電子はランディングページの制作を進める中で、そのページをどう知ってもらうかという課題に行き当たり、広告に着手しています。

武蔵野銀行の順序はさらにはっきりしています。採用サイトを刷新したあとに閲覧数の少なさが分析で判明し、そこから広告の検討が始まりました。受け皿がないまま配信を始めると、クリック単価だけが積み上がって何も残りません。広告より先に着地点を整える順序は、19件を通して例外が見当たりませんでした。

条件3 配信対象を絞る条件が決まっている

3つ目は、誰に当てるかが具体的な設定に落ちていることです。教育プラザは、市区町村や駅の単位ではなく、狙った場所を中心に配信範囲を決める形でエリアを絞りました。武蔵野銀行は、埼玉県外に住みメガバンクや商社を検討している学生という条件でターゲットを定義しています。

除外の設計も同じ役割を果たします。そば信は実店舗への来店が目的ではなかったため、来店を想起させるキーワードを除外しました。TAクリニックグループはエリアと施術内容を掛け合わせてコンバージョンアクションを160以上に細分化し、それぞれに価値を設定しています。何を成果とみなすかを細かく決めることが、そのまま配信の精度に返ってきた形です。

条件4 効果を検証してから広げている

4つ目は、いきなり全面展開せず、範囲を区切って確かめてから広げる進め方です。Techouseは5週間のA/Bテストで競合懸念を検証してから本導入しました。教育プラザは3教場のうち2つで従来広告と並行運用し、1つは検索広告のみという切り分けを行っています。東晶貿易も、完全一致とインテントマッチの併用を経てから100%切り替えに進みました。

効果が見えるまでの期間には幅があります。掲載ページに期間の記述があるものを並べると、次のとおりです。

事例 期間の記述 変化した指標
武蔵野銀行 配信翌日から反応、約1か月間 採用ページ流入が前年比最大4,500%
教育プラザ 運用開始4日で初期段階の目標だった40%を達成 4か月で入塾者数260%
TENTIAL 配信強化から1週間から2週間 2か月間の比較で全体売上116%
Techouse A/Bテスト5週間 コンバージョン数13%増
柳井商店 配信強化から約4か月 単月売上が前年比5倍
ワンダーマーク 運用開始1週間で手応え、1年後 オンラインショップ売上150%

数週間で反応が見えるものと、1年単位で積み上がるものが混在しています。社内に約束できる時間軸は、どの型の施策に取り組むかで変わると考えてください。

よくある質問

Google広告の事例を調べたあとに残りやすい疑問を5つ整理しました。数値の使い方、規模による差、期間、社内共有時の注意、自社運用と代理店の選択という順で扱います。回答はGoogleが公表した範囲の情報にとどめています。

Google広告の事例の数値を自社の目標値に使ってもよいですか

目標値の根拠には使えません。19件はいずれも比較の起点となる期間や対象範囲、施策前の状態が異なり、同じ土俵の数字ではないためです。目標を置くなら自社の現状値を起点にし、事例からは施策の順序と設定の中身を借りるという分け方をおすすめします。

小さな会社や少ない予算でも事例のような成果は出せますか

予算規模より、探されている需要があるかどうかで決まります。ワンダーマークは少額から始めた検索広告で1年後に売上150%、ひらまつは5万円から10万円程度の規模でテストしてから配分を増やしました。三栄電子の担当者も、マス広告よりずっと小さい予算で始められるため中小企業向きだと述べています。

Google広告の効果はどのくらいの期間で出ますか

施策によって数日から1年まで幅があります。武蔵野銀行は配信翌日から反応が出始め、教育プラザは運用開始からわずか4日で、初期段階の目標としていた40%を達成しています。一方でワンダーマークは1週間で手応えを感じたのち、売上150%に達したのは1年後です。自動入札は学習期間が必要なため、短期的な変動だけで判断しないよう東晶貿易の担当者も述べています。

事例の倍率をそのまま社内で共有してもよいですか

倍率だけを切り出すと、実態より大きな期待を招きます。アーラリンクの4倍は自社が設定した目標値との比較、井野屋の7倍は単月の最大値で年間比較では2倍というように、同じ数字でも意味が違うためです。共有するときは比較の起点と対象期間を必ず添えてください。

事例のような成果を出すには代理店に頼むべきですか

事例には自社で運用しているものと、支援を受けているものの両方があります。柳井商店や奥地建産、アーラリンクは自社運用で、いずれもGoogle広告の専任サポート担当との定期的なやり取りを併用していました。判断材料は社内に割ける工数と検証を回せる体制の有無で、掲載事例からどちらが有利かを結論づけることはできません。

まとめ

Google広告の事例とは、実施した設定と動いた数値の対応関係をたどれる記録です。ここで扱った19件は、掲載元も企業名も公開時点も開いて確かめられるため、社内会議で数字の出どころを問われても答えられます。この検証しやすさこそが、匿名の実績紹介との差でした。

19件を横断すると、成果が出た事例には広告を出す前の共通点がありました。探されている需要があること、クリックの受け皿が先に整っていること、配信対象を絞る条件が決まっていること、範囲を区切って検証してから広げていることの4つです。効果が見えるまでの期間は数日から1年まで開きがあり、比較の起点も事例ごとに違います。転用すべきは倍率ではなく、その4条件を自社で満たせるかどうかの点検だと考えてください。

次の一手として、自社の着地ページと計測が事例と同じ水準にあるかを1つずつ照合し、欠けている条件を書き出してみてください。そこから先の順番づけや、効果を切り分けて読む仕組みづくりまで手を入れたい場合は、malnaへのお問い合わせから個別に伺います。

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malnaブログ編集部

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