2026.08.14

Yahoo!広告の代理店と運用代行の選び方|正規代理店3制度の違いを解説

Yahoo!広告の運用を外部に任せようと調べ始めると、「正規代理店10選」「認定代理店15社」といった記事が上位に並びます。ところが、そこに書かれている正規代理店という言葉が何を指すのかは、記事によってばらついています。認定基準として紹介されている数値も、出典が示されないまま流通しています。

目次

しかも2026年4月1日、Yahoo!広告はLINEヤフー広告へ名称が変わり、ディスプレイ広告の基盤はLINE広告と統合されました。上位に出てくる代理店比較記事の多くは、この変更に触れていません。名称が変わっただけでなく、代理店の認定制度も、扱えるメニューの範囲も、統合を前提に読み直す必要があります。

本記事では、LINEヤフーの公式情報を2026年8月13日時点で確認し、正規代理店と呼ばれる3つの認定制度の違い、認定でわかることとわからないこと、発注前に確認する7項目を整理します。

初めて運用代行を検討する広告担当者の方、すでに代理店と契約していて見直しを考えている方に向けた内容です。

代理店選びでつまずく原因の多くは、候補の数が足りないことではなく、比べる軸が定まっていないことにあります。malnaは伴走型のWebマーケティング支援として、媒体選定から運用設計、社内で判断できる体制づくりまでを一緒に進めています。比較軸の整理から相談したい段階でも、malnaへのご相談は受け付けています。

Yahoo!広告の運用代行とは、広告の設計と運用を外部の広告会社に任せる形態です

Yahoo!広告の運用代行とは、キーワード設計、入札調整、クリエイティブ制作、効果測定といった広告運用の実務を、外部の広告会社に委託する契約形態です。2026年4月1日の名称変更にともない、現在の正式な媒体名はLINEヤフー広告になりました。代理店選びの前提も、この変更後の姿にそろえておく必要があります。

何が変わり、何が変わらなかったのかを先に押さえると、候補の代理店に投げるべき質問がはっきりします。

名称変更で変わったことと、変わらなかったこと

名称変更で実質的に変わったのは、ディスプレイ広告の配信基盤です。旧LINE広告と旧Yahoo!広告ディスプレイ広告が統合され、LINEヤフー広告 ディスプレイ広告としてひとつのプラットフォームになりました。検索広告は名称だけが変わり、広告主側の移行作業は発生していません

代理店選びに関わるのは、統合によって扱う範囲が広がった点です。従来はYahoo!広告に強い代理店とLINE広告に強い代理店が別々に存在していましたが、統合後のディスプレイ広告は両方の掲載面を同じキャンペーンから扱います。片方の掲載面しか運用経験がない場合、統合の利点を活かしきれない可能性があります。

なお、この記事では現行の公式名称であるLINEヤフー広告を基本の表記とします。検索で使われる旧称に触れる必要がある箇所では旧Yahoo!広告と補います。旧略称のYSAとYDAも現行の公式名称ではないため、代理店の提案資料に残っている場合は情報の更新時期を確認する材料になります。

LINE広告の提供終了が代理店選びに影響します

旧LINE広告は、2026年10月下旬頃をもって広告配信を停止し、その後段階的に提供を終了する予定です。配信停止日と提供終了日の具体的な日付は、決まり次第あらためて案内されるとされています。

これが代理店選びに関わるのは、LINE広告の運用実績が、統合後のディスプレイ広告の実績とそのままイコールにはならないからです。LINE広告で豊富な実績を持つ代理店であっても、統合後のプラットフォームでYahoo! JAPAN側の掲載面を含めて設計した経験は別に確認する必要があります。移行作業そのものを引き受けてもらえるかどうかも、契約前に決めておく論点です。

参考:「LINEヤフー広告」プラットフォーム統合リリースについて

統合の効果は限定テストの段階で数値が出ています

統合の効果については、LINEヤフーが限定テストの結果を公表しています。テストに参加した代理店の82.0%が新プラットフォームに大変期待できるから維持までの評価を示し、予算への影響についても83.6%が大幅増加から維持と回答したと発表されています。

数字そのものは代理店側の期待値であり、成果を保証するものではありません。ただし、LINEで培った予測モデルの一部を旧Yahoo!広告の予測モデルで活用するという技術的な説明とあわせて読むと、配信データの一元化が学習効率に効くという設計意図は明確です。代理店に統合後の運用方針を聞くときは、この一元化をどう使うつもりなのかを具体的に語れるかが判断材料になります。

参考:LINEヤフー、ディスプレイ広告プラットフォームを統合 新たに「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告」の提供を開始

「Yahoo!広告の正規代理店」は3つの別制度を指しています

Yahoo!広告の正規代理店という表現は、実際には3つの異なる認定制度のどれかを指しています。LINEヤフー Sales Partner、Yahoo! JAPAN セールスパートナー、LINEセールスパートナーの3つで、対象サービスも階層の呼び方も認定の頻度も別です。どの制度で認定されているかを確認しないまま正規代理店という肩書きだけで判断すると、自社が出したいメニューを扱えない相手を選ぶことになります。

3制度の対応関係を先に整理します。いずれも2026年8月13日時点の公式ページで確認した内容です。

認定制度 主な対象サービス 認定の階層 認定の頻度 一覧の公開状況
LINEヤフー Sales Partner LINEヤフー広告の商品全般 認定パートナーのPremier、Select、Certified 年間での認定 公式サイトとPDFで公開
Yahoo! JAPAN セールスパートナー 旧Yahoo!広告の系統 ★1つから★7つ 半期ごとに星を進呈 公式サイトで公開
LINEセールスパートナー LINE公式アカウント、旧LINE広告 Diamond、Gold、Silver、Bronze 公式ページでは明記なし 公式サイトで公開

3つが並存している理由は、統合前のLINE側とYahoo!側でそれぞれ制度が育ってきた経緯にあります。統合から数か月の時点では、一覧ページも制度ごとに分かれたまま運用されています。

LINEヤフー Sales PartnerのPremier、Select、Certified

LINEヤフー Sales Partnerは、LINEヤフー広告を販売する正規代理店として認定される枠組みです。認定の階層は取扱高で線が引かれており、公式ページに具体的な金額が記載されています。

前年のLINEヤフー広告商品の取扱高が25億円以上のパートナーがPremier、4億円以上のパートナーがSelectに認定されます。Premierのうち前年の取扱高が最上位のパートナーは、さらに上位として扱われます。それ以外の認定パートナーはCertifiedにあたり、企業名の一覧がPDFで公開されています。

この階層が示しているのは取扱高の規模であり、運用の巧拙ではありません。25億円以上という水準を満たすのは大手の総合代理店が中心になるため、Premierであることは自社の予算規模に合う相手かどうかとは別の話になります。月額数十万円の予算でPremierの代理店に依頼しても、社内の優先度は上がりにくいという構造は理解しておいてください。

Yahoo! JAPAN セールスパートナーの★制度

Yahoo! JAPAN セールスパートナーは、Yahoo! JAPANの審査を経て契約を締結し、公式に認定された広告会社を指します。旧Yahoo!広告の系統に対応する制度で、拡販実績に応じて★の数が変わる仕組みです。

★は一定の売上基準を満たしたパートナーに半期ごとに進呈され、拡販実績が優れるほど数が多くなります。2026年8月13日時点の一覧では、最上位の★7つが1社、★6つが2社、★5つが2社、★4つが9社、★3つが10社という構成で、★2つと★1つを含めると200社以上が掲載されています。売上基準の具体的な金額は公開されていません。代理店の比較記事では認定条件として具体的な販売見込み額が紹介されていることがありますが、その数値は2026年8月13日時点の公式ページでは確認できませんでした。認定条件を判断材料にするなら、候補の代理店に直接聞くほうが確実です。

この一覧を読むときに実務上役立つのは、★の数よりも認定領域の欄です。広告運用認定パートナー、動画広告認定パートナー、広告審査認定パートナーの3分野があり、それぞれ対象となる広告メニューが決まっています。広告審査認定パートナーは★3つ以上のセールスパートナーに限定されており、審査の通しやすさを重視する場合の絞り込みに使えます。

LINEセールスパートナーのDiamondからBronze

LINEセールスパートナーは、LINE公式アカウントと旧LINE広告を中心とした広告商品を販売するパートナーの制度です。認定の階層はDiamond、Gold、Silver、Bronzeの4段階で構成されています。

認定基準は制度の種別で分かれます。Sales Partnerは、LINEが提供する広告サービス群を対象に、サービス別に係数を設定した売上カウントを基準として認定されます。Local Sales Partnerは、新規アカウント開設数と期間中の総合売上金額を基準に認定される仕組みです。

LINE公式アカウントの運用も同時に任せたい場合は、この制度の認定状況を確認する意味があります。逆に、検索広告だけを任せたい場合は、この制度の階層は判断材料になりません。制度の名前と、自社が出したい広告メニューを対応させて読むことが、一覧を役立てる前提になります

参考:パートナーを探す

参考:LINEヤフー Sales Partner

参考:LINEヤフー広告 Sales Partner申し込み

参考:Yahoo! JAPAN セールスパートナー

参考:Yahoo! JAPAN セールスパートナーの一覧

参考:LINEセールスパートナー

認定でわかることと、わからないこと

認定制度でわかるのは取扱高の規模と、注力領域での実績の有無です。運用担当者個人の力量や、自社の商材への適合性は認定からは読み取れません。認定の有無を入口の絞り込みに使い、そこから先は別の材料で判断するという二段構えが現実的です。

認定が保証している範囲を、公式の記述に沿って切り分けます。

認定が示すのは取扱高と注力領域の実績です

2026年度のセールスパートナー認定では、前年の取扱高が一定基準以上のパートナーを認定パートナーのPremier、Select、Certifiedの3種類に認定したと発表されています。あわせて、LINE公式アカウントを活用したStore Promotion領域の運用を得意とするパートナーを、同じ3段階のStore Promotion Partnerとして認定しています。

注力領域についてはバッジ制度があります。LINEヤフーが指定する推奨運用手法や広告審査などの注力領域で優秀な実績を残したパートナーには、Ads Operation BadgeまたはAds Policy Badgeが進呈されます。認定は年間で行われるため、いつの年度の認定なのかを確認してください。発表では、約款への事前同意がない場合に一部のSales Partnerが認定されていない可能性にも触れられています。

つまり、認定されていない代理店が実力不足だとは限りません。認定の欠落は、取扱高の規模や約款の同意状況といった別の理由でも起こります。

認定資格は個人単位で、法人単位ではありません

代理店の提案資料に載っている認定資格は、企業ではなく個人を認定するものです。LINEヤフーが提供する認定資格LINEヤフーマーケティングスキルバッジは、公式ページに「あくまでも個人を認定するものとなっており、法人単位での認定ではありません」と明記されています。

対象コースはLINE公式アカウント、LINEヤフー広告 検索広告、LINEヤフー広告 ディスプレイ広告の3つで、それぞれにBasicとAdvancedのレベルが用意されています。学習から資格取得まで無料で、どなたでも受験できます。認定の有効期間は試験合格日から1年間で、合格後180日を経過するといつでも更新のテストを受けられます。

実務上の意味は明確です。社内に有資格者がいることと、自社アカウントを担当する人が有資格者であることは別なので、担当者本人がどのコースのどのレベルを保有しているかを聞いてください。有効期間が1年間である点も、更新されているかどうかの確認材料になります。

推奨運用手法「六連」への準拠を聞くと運用の型が見えます

六連とは、LINEヤフー広告の広告効果を上げるための推奨運用手法で、運用における重要なステップとKPIを6つのパートに分類したものです。基礎構築、最適入札、効果効率、拡大成長、最適表現、成果維持の順に進めます。

6つのステップを順番どおりに進めることで、機械学習による自動最適化が効率よく適切に実施され、結果として各種機能の併用が進むと説明されています。媒体側が公開している型なので、代理店の運用方針を聞くときの共通言語として使えます。

質問の仕方としては、六連のどのステップまで実施済みで、次にどのステップに進むのか、その判断は何を見て決めるのかという3点を聞くのが実際的です。型を持たずに感覚で調整している場合、この質問には具体的に答えられません。逆に、六連を金科玉条のように扱って自社の事情を無視する提案も、そのまま受け入れる必要はありません。

参考:「LINEヤフー Partner Program」の「Sales Partner Program」において、2026年度のセールスパートナーを認定

参考:認定資格LINEヤフーマーケティングスキルバッジ

参考:LINEヤフー広告の効果を上げるための運用手法「六連」のご紹介

出したい広告メニューを扱えるかを先に確認します

代理店選びで最初に確認すべきは、自社が出したい広告メニューを扱える相手かどうかです。LINEヤフー広告には自社アカウントから直接申し込めるメニューと、取り扱い契約を結んだセールスパートナーを通さないと出稿できないメニューが混在しています。この線引きを知らないまま候補を絞ると、契約後に出したい広告が出せないという事態が起こります。

メニューごとに、誰を通せば出稿できるのかを整理します。

検索広告と運用型ディスプレイ広告は自社でも申し込めます

検索広告と運用型ディスプレイ広告は、自社アカウントから申し込んで運用できるメニューです。申し込みはビジネスIDの登録から始まり、LINE公式アカウントの作成、ビジネスマネージャーの作成、広告サービス情報の入力を経て管理画面にログインするという流れです。

法人の場合は法人番号、法人名、住所、代表者名、代表電話番号、担当者の氏名と部署名と電話番号とメールアドレス、ウェブサイトのURLを用意します。個人事業主はビジネス名、事業主名、電話番号、メールアドレスで足ります。この2つのメニューについては、代理店に任せるかどうかはリソースと知見の判断であり、制度上の制約ではありません。

予約型ディスプレイ広告は取り扱い契約のあるパートナーだけが扱えます

予約型ディスプレイ広告は、取り扱い契約を結んでいるセールスパートナーを通さないと出稿できません。公式ページには「広告会社・代理店の中でもディスプレイ広告(予約型)取り扱い契約を結んでいるセールスパートナーを通して出稿できます」と明記されています。

対象となる商品は、LINE Talk Head View、LINE NEWS Top Ad、Yahoo! JAPAN トップページ ブランドパネル、Yahoo! JAPAN トップページ トピックスPRです。購入タイプは掲載期間を3日から31日で設定するvimps購入型と、1日の配信でリーチを最大化する枠購入型やリーチ固定のvimps購入型に分かれます。

ここで重要なのは、予約型を取り扱えるセールスパートナーの一覧が公開されていないという点です。2026年8月13日時点で公式サイトを確認した限り、予約型の取り扱い契約を結んでいるパートナーだけを絞り込んだ一覧は見つかりませんでした。公式ページも取り扱い可能なセールスパートナーに相談するよう案内するにとどまっています。認知施策で予約型を使う予定があるなら、候補の代理店1社ずつに取り扱いの有無を直接聞くしかありません。

動画広告と広告審査の認定領域も確認材料になります

Yahoo! JAPAN セールスパートナーの認定領域は、扱いたいメニューと対応させて読めます。動画広告認定パートナーはディスプレイ広告の運用型と予約型を対象とし、広告運用認定パートナーと広告審査認定パートナーは検索広告とディスプレイ広告の運用型を対象としています。

動画クリエイティブを含む配信を予定しているなら、動画広告認定パートナーであるかどうかは絞り込みに使えます。審査の否認で配信開始が遅れる不安がある場合は、広告審査認定パートナーが候補になります。ただし認定領域は媒体側が定めた分野での実績を示すものなので、自社の業種で通用するかは事例で確認してください。

LINE公式アカウントを併用する場合の確認点

LINE公式アカウントの運用も併せて任せたい場合は、扱う会社が別になることがあります。LINEヤフー広告の運用とLINE公式アカウントのメッセージ配信は、必要な知見も課金の仕組みも異なるためです。

LINEセールスパートナーの認定を持つ代理店であれば、LINE公式アカウントを含めた提案を受けやすくなります。逆に、Yahoo! JAPAN セールスパートナーの★の数だけで選ぶと、LINE公式アカウント側の設計は範囲外になる可能性があります。窓口を1社にまとめたいのか、メニューごとに得意な会社に分けるのかを先に決めてください。

参考:LINEヤフー広告をはじめよう|アカウント作成〜申し込み流れ

参考:LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(予約型)

運用代行の手数料と、費用の3層構造

運用代行の費用は、媒体に支払う広告費、代理店に支払う運用手数料、制作や計測実装にかかる費用の3層に分かれます。見積もりを比べるときは、この3層のどこまでが提示金額に含まれているかを揃えてから並べてください。層の切り分けをせずに総額だけを比べると、安く見える見積もりが実は制作費別だったという行き違いが起きます。

手数料の目安として流通している数値の出所も、あわせて確認します。

費用を3層に分けて見積もりを揃えます

費用の3層は、性質がまったく違います。広告費は媒体に支払うもので、配信量に応じて動きます。運用手数料は代理店の稼働に対する対価で、広告費に連動する場合と定額の場合があります。制作費と計測実装費は、必要になった時点で発生する一時的な費用です。

見積もりを比べるときに揃える前提は3つあります。1つ目は、手数料の算定対象が広告費のみか、制作費を含む総額かという線引きです。2つ目に、バナーや動画の制作本数が手数料に含まれるのか、別途見積もりになるのかを確認します。3つ目は、コンバージョン計測やタグの実装を引き受けてもらえるかどうか。この3つを揃えないまま比較しても、金額の差が何の差なのか説明できません。

「広告費の20%」という目安の出所

運用手数料の目安として広く流通している広告費の20%という数値は、LINEヤフーの公式コラムに記載があります。同コラムには「手数料の目安は、一般的に広告費の20%程度といわれていますが、月額定額制の場合もあります。広告代理店によって異なるため、代理店を選ぶ際は必ず確認するようにしましょう」と書かれています。

ただし、この記述は一般的にいわれている目安の紹介であって、料率を集計した調査統計ではありません。媒体の公式コラムに載っているからといって、20%が正しい水準だという意味にはならない点は押さえておいてください。代理店の自社サイトで20%前後と説明されている場合も、それは各社の自社公表値であり、業界全体の統計ではありません。料率の妥当性は、その料率で何をどこまで実施するのかという稼働の中身とあわせて判断してください。

なお、同コラムは運用を依頼する際の費用を初期費用と運用手数料に分け、初期費用にはコンサルティング料や広告制作費などが含まれ、運用手数料は広告費に対する割合で算出されるのが一般的だとしています。この区分は見積もりを読むときの土台になります。

代理店経由では最低出稿金額が設定される場合があります

LINEヤフー広告そのものには、利用開始時の初期費用も最低出稿金額も設定されていません。一方で公式コラムは、広告代理店を通す場合には最低出稿金額が設定されている可能性があると注意を促しています。

これは少額から始めたい場合に効いてくる制約です。自社アカウントなら1日数千円の規模から配信できるのに、代理店経由では月額の下限が決まっているために検証段階から一定の予算を積む必要が出てきます。予算規模が小さい段階では、最低出稿金額の有無と金額を候補ごとに確認してください。

予算の相場については、同コラムが20万円から30万円程度を予算として始めるケースが多いとしています。ただし個人向けなど数万円や数千円から始めるケースもあると補足されており、相場に合わせにいくよりも、目標の獲得件数と許容できる獲得単価から逆算するほうが実務的です。

料金体系の型を確認します

料金体系として公式コラムが挙げているのは、広告費に対する割合で算出する型と月額定額制の2つです。成果報酬型を提示する代理店も存在しますが、その料金体系は各社の自社公表値であり、媒体の公式説明には含まれていません。

型ごとに、稼働が増えたときの費用の動き方が変わります。料率型は広告費を増やすと手数料も増えるため、予算拡大局面では総額が読みやすい反面、少額期は代理店側の採算が合わず稼働が薄くなりがちです。定額型は予算規模と手数料が切り離されるため、少額から始める場合に選びやすくなります。どちらが有利かは自社の予算推移の見通し次第で、型そのものに優劣はありません。

同じ料率でも、レポートの頻度や打ち合わせの回数、制作本数が違えば実質的な単価は変わります。malnaでは、費用の3層を分けて実測データと突き合わせながら広告担当者の方と並走し、社内で判断できる状態まで引き渡すことを重視しています。見積もりの読み方から相談したい場合はmalnaのお問い合わせ窓口をご利用ください。

参考:リスティング広告の費用相場と課金方式|予算の決め方や注意点を解説

関連記事:【2025年最新版】リスティング広告の費用相場と予算の決め方

2026年4月の統合後に増えた確認項目

統合によって、代理店選びで確認する項目が増えました。掲載面をまたいだ設計ができるか、LINE広告からの移行を引き受けるか、移行前後の数字を配信面別に出せるか、予約型と運用型を組み合わせた提案ができるかの4点です。統合前の基準だけで選ぶと、統合の利点を活かせない体制に発注してしまう可能性があります。

4つの確認項目を順に見ていきます。

LINE面とYahoo! JAPAN面を1つのキャンペーンで設計できるか

統合後のディスプレイ広告は、LINEとYahoo! JAPANの掲載面を同じキャンペーンから扱えます。LINEで培った予測モデルの一部を旧Yahoo!広告の予測モデルで活用することで配信性能を高めるという設計が公表されており、配信データの一元化が学習効率に効く前提になっています。

確認したいのは、代理店側がこの一元化を活かした設計を提案できるかどうかです。旧Yahoo!広告のキャンペーン構成をそのまま残し、LINE面を除外したまま運用していると、統合の効果は出ません。掲載面をどう扱うつもりなのか、除外するならその理由は何かを説明できる相手を選んでください。

LINE広告からの移行を引き受けるか

旧LINE広告を使っている場合、統合後もディスプレイ広告を継続するには移行が必要です。移行の方法は、管理画面上で提供される移行ツールを利用する方法と、手動で作り直す方法の2つが案内されています。

移行作業を代理店の業務範囲に含めるかどうかは、契約前に文書で決めてください。移行はキャンペーン構成の作り直しに近い作業量になることがあり、範囲が曖昧なままだと追加費用の交渉が発生します。配信停止は2026年10月下旬頃に予定されているため、スケジュールの逆算も同時に必要です。

移行前後の数字を配信面別に出せるか

移行の前後では、配信面が広がるぶん配信量と成果指標が動きます。移行前のターゲティング設定や除外設定が、移行後も同じ意図で機能するとは限らないため、数字の変化を掲載面の単位で追えるレポート体制があるかどうかが、代理店を見極める材料になります。

分かれ目になるのは、移行前の数値を配信面別に書き出しておけるかどうかです。全体の獲得単価だけを追っていると、悪化したときに新しく増えた掲載面の影響なのか、季節要因なのか、クリエイティブの疲弊なのかを切り分けられません。移行直後の数週間は日次で確認できる体制を組み、配信面別の比較表を出せる代理店を選ぶのが安全です。レポートの粒度は契約前に見本で確認してください。

予約型と運用型を組み合わせた提案ができるか

認知の量を確保したい局面では、予約型ディスプレイ広告と運用型を組み合わせる設計が候補になります。予約型で短期間に露出を積み、そこで接触した層へ運用型で再接触するという流れで、両方を1つの計画として描けるかどうかが提案力の差になります。

この提案ができるのは、予約型の取り扱い契約を持つセールスパートナーに限られます。取り扱い一覧が公開されていない以上、確認は個別のヒアリングになります。予約型は企画から掲載までにリードタイムが必要で、配信しながらの微調整の余地も小さいため、入稿前の完成度がそのまま結果に出ます。運用型しか扱えない相手に認知施策まで期待すると、打ち手の幅がそこで止まります。

発注前に確認する7項目と質問の仕方

発注前に確認する項目は、認定の種類、扱えるメニュー、手数料の対象範囲、運用手法の型、担当者の資格、移行対応とレポート、アカウントとデータの帰属の7つです。どれも相手を試す質問ではなく、契約後の行き違いを防ぐための確認です。曖昧な回答が返ってきた項目は、契約書か業務範囲の文書に落としてください。

7項目を一覧にしたうえで、聞き方の要点を補います。

項目 確認する内容 判断のポイント
1 認定の種類 3制度のどれで、いつの年度に認定されたか 制度名と年度が具体的に出てくるか
2 扱えるメニュー 検索広告、運用型、予約型のどこまで扱えるか 予約型の取り扱い契約の有無
3 手数料の対象範囲 算定対象と、制作費や計測実装の扱い 最低出稿金額の有無と金額
4 運用手法の型 六連のどのステップまで実施し、次に何をするか 判断の根拠を数字で語れるか
5 担当者の資格 担当者本人が保有するコースとレベル、更新状況 個人単位の認定である点を踏まえた回答か
6 移行とレポート LINE広告の移行対応と、配信面別レポートの粒度 レポートの見本を出せるか
7 帰属と引き継ぎ アカウントとデータの帰属、契約終了時の引き継ぎ範囲 文書で明記できるか

認定と扱えるメニューはセットで聞きます

認定については、正規代理店かどうかという聞き方をやめて、どの制度でいつ認定されたのかを聞いてください。LINEヤフー Sales PartnerのCertifiedなのか、Yahoo! JAPAN セールスパートナーの★2つなのかで、示している実績の意味が変わります。

扱えるメニューは、認定の話と切り離さずにセットで確認します。予約型ディスプレイ広告を将来使う可能性があるなら、その時点で取り扱い契約があるかを聞いておいてください。今は使わないとしても、後から窓口を変える手間は小さくありません。認定領域の欄に動画広告や広告審査が入っているかも、あわせて確認しておくと絞り込みが早くなります。

手数料と稼働の中身を対応させます

手数料の水準だけを聞いても比較にはなりません。同じ20%でも、含まれる稼働の量は会社ごとに大きく違います。その料率または定額で、月に何回のレポート提出と何回の打ち合わせがあり、クリエイティブを何本作るのかまで対応させて聞いてください。

計測実装の扱いも重要です。コンバージョン計測が正しく動いていない状態では、どんな運用手法も効果を検証できません。タグの実装を引き受けるのか、自社または別のベンダーの作業になるのかを最初に決めておくと、配信開始後の押し付け合いを防げます。最低出稿金額がある場合は、その下限を下回る期間の扱いも聞いておいてください。

アカウントとデータの帰属を文書で決めます

アカウントとデータの帰属は、契約を始める前に決める項目です。代理店が開設したアカウントで運用した場合、契約終了時にアカウントと配信実績のデータをどこまで引き継げるかが問題になります。乗り換えや内製化を考えた瞬間に、この一点が足かせになることがあります。

引き継ぎの範囲としては、アカウントそのもの、キーワードと入札の設定、クリエイティブの原本データ、過去の配信実績のレポートの4つを個別に確認してください。特にクリエイティブの原本は、権利関係が曖昧なまま制作されていると次の会社で流用できません。代理店を乗り換える可能性が少しでもあるなら、この4つを業務範囲の文書に書き込んでおくのが確実です。

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よくある質問

Yahoo!広告の代理店と運用代行について、発注前に確認されることの多い5つの疑問に答えます。正規代理店の定義、手数料の水準の読み方、認定の有無の意味、予約型の出稿方法、LINE広告利用時の確認点という、判断がぶれやすい論点を集めました。いずれも2026年8月13日時点の公式情報にもとづく内容です。

Yahoo!広告の正規代理店とは何を指しますか

現在は3つの認定制度のどれかを指します。LINEヤフー広告の商品全般を対象とするLINEヤフー Sales Partner、旧Yahoo!広告の系統に対応するYahoo! JAPAN セールスパートナー、LINE公式アカウントと旧LINE広告を中心とするLINEセールスパートナーです。制度ごとに階層の呼び方も認定頻度も違うため、どの制度でいつ認定されたのかを確認してください。

Yahoo!広告の運用代行手数料の相場はいくらですか

LINEヤフーの公式コラムでは、手数料の目安は一般的に広告費の20%程度といわれており、月額定額制の場合もあると説明されています。ただしこれは目安の紹介であって料率を集計した統計ではありません。代理店の自社サイトに載っている数値も各社の公表値です。料率だけでなく、その金額で実施される稼働の中身とあわせて判断してください。

認定パートナーでない代理店に依頼しても問題はありませんか

認定の欠落は実力不足を意味しません。認定は前年の取扱高が一定基準以上のパートナーを対象とするため、規模の小さい会社は基準に届かないことがあります。約款への事前同意がない場合に認定されていない可能性も公式に示されています。認定は入口の絞り込みに使い、担当者の資格や運用方針、レポートの粒度で判断してください。

予約型ディスプレイ広告は自社で直接出稿できますか

自社では出稿できません。予約型ディスプレイ広告は、取り扱い契約を結んでいるセールスパートナーを通して出稿する仕組みです。取り扱い可能なパートナーだけを絞り込んだ一覧は2026年8月13日時点で公開されていないため、候補の代理店に個別に取り扱いの有無を確認する必要があります。

LINE広告を使っています。代理店選びで何を確認すべきですか

移行対応の範囲とスケジュールです。旧LINE広告は2026年10月下旬頃に配信を停止し、その後段階的に提供を終了する予定です。統合後もディスプレイ広告を継続するには移行が必要なので、移行ツールと手動作業のどちらで進めるのか、作業を業務範囲に含めるのか、移行前後を配信面別に比較したレポートを出せるのかを確認してください。

まとめ

Yahoo!広告の代理店選びは、2026年4月のLINEヤフー広告への統合を前提に組み直す必要があります。正規代理店という言葉が指しているのはLINEヤフー Sales Partner、Yahoo! JAPAN セールスパートナー、LINEセールスパートナーの3制度で、対象サービスも階層も認定頻度も別です。

認定でわかるのは取扱高の規模と注力領域の実績までで、担当者の力量は認定資格が個人単位である点を踏まえて別に確認します。予約型ディスプレイ広告は取り扱い契約のあるセールスパートナーを通すしかなく、その一覧は公開されていません。手数料の20%という目安も、料率を集計した統計ではないことを押さえたうえで稼働の中身と対応させてください。

最初の一歩としておすすめしたいのは、候補に挙げた代理店3社に対して、どの制度でいつ認定されたのかと、予約型の取り扱いがあるかの2つだけを同じ文面で聞いてみることです。回答の具体性と速さに、その後のやり取りの質が先に出ます。

比較軸の設計や、社内で運用を判断できる体制への切り替えを検討している場合は、malnaへご相談ください。媒体の一次情報にもとづいて、発注の前提から一緒に整えます。

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執筆者情報

malnaブログ編集部

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