SFA導入支援とは?依頼できる内容と費用・選び方を解説

SFAを入れたいけれど、社内だけで進め切れるかが心配だ。そう考えたときに候補に挙がるのがSFA支援です。もっとも、同じSFA支援という名前でも、ツールの選定から関わるものもあれば、導入後の定着だけを支えるものもあり、中身はまちまちです。

マーケティング支援

目次

ここでは、SFA支援が手伝う工程を5つに分け、支援の提供元による違い、どこまでを頼むかの決め方、依頼の前に用意しておくものを整理します。

SFAの導入を検討していて、外部の支援を使うかどうかを考えている営業部門や営業企画の担当者の方を想定しています。

どの工程を外に出すかの切り分けは、malnaのSFA/MA導入支援へご相談いただけます。

SFAとSFA支援の違い

SFAとは、Sales Force Automationの略で、営業の活動を支えるシステムのことです。

大和総研の用語解説では、問い合わせの履歴、商談の情報、営業担当者の日報や成果などを管理するシステムと説明しています。

顧客の管理を担うCRMと機能が重なる製品も多く、まとめてSFA/CRM製品と呼ぶこともあります。

SFAが営業の記録を管理するシステムを指すのに対し、SFA支援はSFAを入れて使い続けるまでの工程を外部が手伝うサービスを指します。

参考:営業支援(SFA)とは(大和総研)

SFA支援とは、SFAの導入と定着を外部が手伝うサービスです

SFA支援とは、SFAを入れる目的の整理から、ツールの選定、項目や画面の設計、設定とデータの移行、導入後の定着までの工程を、外部の専門家が手伝うサービスです。

SFAは入れただけでは営業の成果につながらず、営業の流れに合った設計と、日々の入力と活用の習慣がそろってはじめて効果が出ます。SFA支援は、この設計と定着を中心に、社内だけでは手が回りにくい工程を補う役割を担います。

SFA支援が手伝う5つの工程

SFA支援が手伝う工程は、目的と要件の整理、ツールの選定、項目と画面の設計、設定とデータの移行、定着と活用の伴走の5つに分けられます。どの支援がこのうちどこを扱うかは、提供元や契約によって違います。

工程主な中身社内が担うこと
目的と要件の整理解決したいこと、必要な機能の洗い出し現場と管理職の困りごとを出す
ツールの選定候補の比較、試用、選定の判断試用への参加と最終の判断
項目と画面の設計案件の段階の定義、入力項目、画面の構成営業の流れの説明と設計の承認
設定とデータの移行初期の設定、既存の顧客や案件の取り込み移行するデータの選別と確認
定着と活用の伴走研修、入力状況の確認、活用の改善会議での活用と運用ルールの徹底

右の列にあるとおり、どの工程にも社内が担う部分があります。支援を頼んでも、社内の手がまったく要らなくなる工程はありません。

SFA支援が手伝う5つの工程を矢印でつないだフロー図

目的と要件の整理

最初の工程では、SFAで何を解決したいのかを整理し、要る機能を洗い出します。営業の現場や管理職への聞き取りを通じて、今の営業の進め方と困りごとを確かめる工程です。

ツールの選定

続いて、要件に合うツールを比べて選びます。複数のツールを試用して、営業の現場で無理なく使えるかを確かめることもあります。

項目と画面の設計

選んだツールに、自社の営業の流れに合った項目と画面を設計します。案件の段階の定義と、入力する項目の絞り込みがこの工程の中心です。

設定とデータの移行

設計に沿ってツールを設定し、表計算ソフトなどで管理していた顧客や案件のデータを取り込みます。古いデータや重複したデータをそのまま移すと、使い始めから一覧が見づらくなるため、移す前の整理も欠かせません。

定着と活用の伴走

導入後に、担当者向けの研修、入力状況の確認、レポートの改善などを重ね、SFAが使われ続ける状態をつくります。

工程ごとに受け取るもの

SFA支援を頼むときは、工程ごとに何を受け取るのかを先に決めておきます。受け取るものが決まっていないと、支援が終わった後に、何が自社に残ったのかが分からなくなります。

工程受け取るものの例
目的と要件の整理解決したいことと、必要な機能の一覧
ツールの選定候補の比較表と、選んだ理由
項目と画面の設計案件の段階の定義、入力する項目の一覧、画面の構成
設定とデータの移行設定済みの環境、移したデータとその対応表
定着と活用の伴走使い方の手順書、研修の資料、見直しの記録

とくに、案件の段階の定義や項目の一覧、使い方の手順書は、支援が終わった後に社内で項目を見直したり、新しい担当者に教えたりするときの土台になります。受け取る文書の形式も、社内で編集できる形にしてもらうよう頼んでおきます。設定の作業だけを頼んで、こうした文書を受け取らずに終えると、後から手を入れるたびに外部に頼むことになります。

支援の費用の決まり方

SFA支援の費用は、関わる工程の数、作業の量、支援の期間で決まります。公開されている支援のメニューを見ると、作業の量を人日で示すものや、打ち合わせや研修の回数で示すものがあります。

作業の量で示す例

AGSのSalesforce導入支援サービスのページには、3つのプランが載っています。エントリーのプランは月間5人日からの初期開発、スタンダードのプランはそれに月間1人日までの保守サポートを加えたもの、プレミアムのプランは月間10人日からの初期開発に、保守サポートと月間1人日からの随伴開発支援を加えたものです。料金は、都度見積もりと書かれています。

参考:Salesforce導入支援サービス(AGS株式会社)

回数で示す例

後の見出しで紹介するNIコンサルティングの導入支援コンサルティングは、4回のコンサルティング、3回の研修、2回のプロジェクトミーティングという回数で内容を示しています。

見積もりで確かめること

どちらの示し方でも、5つの工程のうちどこまでが含まれるか、追加の作業が出たときにどう扱うかを見積もりで確かめます。支援の費用とは別に、SFAの利用料がかかる点も忘れずに見込みます。人日で示される場合は、1人日でどれだけの作業ができるのかを、具体的な作業の例で聞いておくと比べやすくなります。

支援の提供元による違い

SFA支援には、SFA製品の提供元やその販売会社が行う支援と、特定の製品に縛られない支援会社が行う支援があります。提供元によって、扱う製品の範囲と関わる工程が変わります。

製品の提供元や販売会社による支援

製品の提供元や販売会社による支援は、その製品を前提にしています。たとえば、キヤノンマーケティングジャパングループのSFA支援サービスは、定着化、活用、改善の3つを提供範囲に掲げ、対象を株式会社NIコンサルティングのSFAであるSales Force Assistantに限っています。

その提供元であるNIコンサルティングも導入支援コンサルティングを用意しています。導入支援トータルサポートとして、4回のコンサルティング、3回の研修、2回のプロジェクトミーティングを、導入後6か月間をめどに行うと案内しています。

製品の機能に通じた担当者が付くため、設定や定着の工程では心強い存在です。半面、ツールの選定の段階で他社製品と比べてもらう役割は期待しにくくなります。

参考:SFA支援サービス(キヤノンMJグループ)

参考:導入支援コンサルティング(Sales Force Assistant)

導入後の保守と定着を支える支援

製品の提供元や販売会社の支援には、導入の後の保守や定着を支えるものもあります。AGSのページには、導入後のマニュアルの作成、問い合わせへの対応、年3回のバージョンアップのときの動作の検証といった保守サポートが書かれています。

キヤノンMJグループのSalesforce定着化支援のページでは、カスタマーサクセスマネージャーが、ヒアリング、事例の紹介、課題の解決の支援の流れで、目標や戦略に沿ったKPIの設定を支えるとしています。対象は、有償のプランを契約している顧客と書かれています。

導入した後も製品の機能は更新されていくため、保守や定着の支援をどこまで受けるかも、導入の段階で考えておきます。機能の更新のたびに社内で動作を確かめるのが難しいなら、保守のサポートを含む形を選ぶ理由になります。

参考:Salesforce定着化支援(キヤノンMJグループ)

特定の製品に縛られない支援会社による支援

特定の製品に縛られない支援会社は、目的と要件の整理やツールの選定から関われます。複数の製品を比べてから選びたい場合や、営業の進め方そのものから見直したい場合に向いています。

製品の細かな設定については、製品の提供元の支援と組み合わせる進め方もあります。

どこまでを頼むかの決め方

どこまでを外部に頼むかは、使う製品が決まっているか、社内にシステムの設定を担える人がいるか、定着の取り組みに人手を割けるか、の3点で決めます。

使う製品が決まっているか

製品がまだ決まっていないなら、目的と要件の整理や選定から関われる支援を選びます。すでに決まっているなら、設計、設定、定着の支援から頼む形が考えられます。

社内にシステムの設定を担える人がいるか

社内にSFAの設定を任せられる人がいれば、設定は社内で行い、設計と定着だけを頼むこともできます。いなければ、設定とデータの移行まで含めて頼んだほうが進めやすくなります。

定着の取り組みに人手を割けるか

定着には、研修や入力状況の確認といった継続的な取り組みが要ります。社内に担当者を置けないなら、定着の伴走まで含めた支援を選びます。

社内の状況頼む範囲の目安
製品が未定で、社内に設定の担い手がいない目的の整理から定着まで
製品は決まっているが、設定の担い手がいない設計、設定、移行、定着
製品が決まっていて、設定は社内でできる設計と定着
設定も定着も社内で回せる頼まずに進めることも可能
SFA支援をどこまで頼むかを決める3つの問いを番号付きのカードで並べた図

依頼の前に用意しておくもの

支援を頼む前に、導入の目的、今の営業の流れ、既存のデータ、社内の責任者、予算と期間の5つをそろえておくと、支援の範囲と見積もりを具体的に詰められます。

用意するもの中身
導入の目的SFAで解決したいことを1つか2つ
今の営業の流れ見込み客から受注までの段階と、それぞれでしていること
既存のデータ顧客や案件を管理している表計算ソフトなどの一覧
社内の責任者導入と運用の判断をする人
予算と期間ツールの利用料と支援の費用の上限、稼働させたい時期

見積もりを受け取ったら、5つの工程のどれが含まれているか、研修や打ち合わせの回数、支援の期間を並べて比べます。工程の範囲がそろっていない見積もりどうしを、金額だけで比べないようにしましょう。

支援会社を選ぶときに確かめること

SFA支援を頼む会社を選ぶときは、扱える製品、関われる工程、支援の終わり方、担当者の体制の4つを確かめます。

扱える製品

製品の提供元や販売会社の支援は、その製品が前提です。複数の製品を比べてから選びたいなら、扱える製品の幅を確かめます。すでに製品を決めているなら、その製品の設定や機能に詳しいかを確かめるほうが大切です。

関われる工程

目的の整理から関われるのか、設定だけなのか、定着まで伴走するのかを確かめます。自社が頼みたい工程と合っているかを、5つの工程に当てはめて見ます。頼みたい工程の一部しか扱っていない場合は、残りの工程を誰が担うのかもあわせて決めておきます。

支援の終わり方

支援の期間が終わったときに、何を受け取り、社内で何を続けられる状態になっているかを確かめます。終わった後に質問できる窓口が残るのか、有償の保守に切り替わるのかも聞いておきます。終わり方が決まっていない支援は、ずるずると続くか、急に途切れるかのどちらかになりがちです。

担当者の体制

打ち合わせに出てくる担当者と、実際に設定や研修を担う担当者が同じかを確かめます。担当者が途中で替わる場合の引き継ぎの方法も聞いておきます。自社の業種や営業の形に近い会社の導入に関わったことがあるかも、担当者に聞いてみるとよいでしょう。

契約で決めておくこと

SFA支援の契約では、範囲、受け取るもの、期間、追加の作業の扱いを決めておきます。あわせて、成果物の完成を約束する契約なのか、作業や助言の遂行を約束する契約なのかも確かめます。

民法は、仕事の完成を約束する請負と、事務の委託である準委任を分けて定めています。第632条は、請負を、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約する契約としています。設定済みの環境を納める工程と、定着の伴走のように続く工程とでは、契約の性質が違う場合もあります。判断に迷うときは、弁護士などの専門家に確認しましょう。

参考:民法(e-Gov法令検索)

支援の期間の考え方

SFA支援の期間は、頼む工程によって変わります。期間が長いほど費用も増えるため、どの工程にどれだけの期間をかけるかを見積もりの段階で分けて示してもらいます。目的の整理から設定までの導入の工程は終わりを決めやすい一方、定着の伴走は、入力が習慣になり、記録を使った会議が回るまで続けるかどうかを判断する必要があります。

NIコンサルティングの導入支援コンサルティングのように、導入後6か月間をめどに支援の期間を示している例もあります。自社で期間を決めるときは、何ができるようになったら支援を終えるのか、終える条件を先に決めておきます。たとえば、全員が週に1回以上記録を更新している、営業会議を画面の上で進めている、といった状態です。

支援を頼んでもうまくいかないとき

支援を頼んでも、SFAが定着しないことがあります。よくあるのは、社内の責任者が決まっていない、現場の声が設計に入っていない、支援に任せきりになっている、の3つです。

社内の責任者が決まっていない

社内で判断する人がいないと、支援会社からの提案が決まらず、作業が進みません。導入と運用の判断をする責任者を、支援を始める前に決めます。判断が遅れるたびに支援の期間が延び、その分の費用もかかります。

現場の声が設計に入っていない

項目や画面を、管理職と支援会社だけで決めると、入力する担当者にとって使いにくいものになりがちです。設計の段階で、担当者に試してもらう場を設けます。担当者から出た意見のうち、取り入れたものと見送ったものを理由と一緒に伝えると、設計への納得が得られやすくなります。

支援に任せきりになっている

研修や使い方の説明を支援会社に任せきりにすると、支援が終わった後に、社内で教えられる人がいなくなります。新しく入った営業に使い方を教えるたびに外部に頼むことになり、費用も手間も続きます。研修には社内の担当者も同席し、教える側に回れるようにしておきます。

データの移行で気を付けること

表計算ソフトなどからSFAへのデータの移行を支援会社に頼むときは、移すデータの範囲、項目の対応、個人情報の扱いの3つを確かめます。

移すデータの範囲

過去のすべての案件を移すと、整理の手間と費用が増えます。移す件数が増えるほど、移した後の確かめの作業も増えます。進行中の案件と、直近の取引のある顧客に絞って移し、古い記録は元の表計算ソフトで閲覧できるように残す方法もあります。

項目の対応

今の管理表の列と、SFAの項目がどう対応するかを表にしてから移します。選択肢の言葉が今の管理表とSFAで違う場合は、どちらに合わせるかを決めておきます。重複した顧客や、表記の揺れのある会社名も、移す前に整理します。

個人情報の扱い

顧客の担当者の氏名や連絡先を支援会社に渡すことになるため、取り扱いの方法を確かめます。個人情報保護法第25条は、個人データの取扱いの全部または一部を委託する場合、委託を受けた者に対して必要かつ適切な監督を行わなければならないと定めています。データの受け渡しの方法や、作業が終わった後のデータの消去を契約で決めておきましょう。

参考:個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)

研修の組み立て方

定着の工程で行う研修は、立場ごとに分けて組み立てると、それぞれが必要なことを短い時間で身につけられます。

対象研修で扱うこと
営業の担当者毎日の入力の手順、外出先での入力、記録の型
営業の管理職案件の一覧と集計の見方、会議での使い方、助言の仕方
社内の管理者項目や画面の変更、ユーザーの追加と停止、権限の設定

担当者向けの研修では、操作の説明より先に、入力した情報が誰のどんな判断に使われるのかを伝えます。研修の後に質問できる窓口を社内に用意しておくと、使い始めてからのつまずきを拾えます。管理者向けの研修は、支援が終わった後に社内で手直しを続けるための土台になるため、とくに丁寧に受けておきます。

マーケティング支援

支援の進み具合を確かめる

支援を受けている間は、定期的な打ち合わせで、決めたこと、残っている作業、次に社内で行うことを確かめます。打ち合わせの記録を残し、決めたことを社内の責任者が確かめる流れにしておくと、認識のずれに早く気づけます。

工程ごとに区切りの時期を決め、その時点で受け取るものがそろっているかも確かめます。区切りで社内の確認を挟むことで、後の工程での手戻りを減らせます。たとえば項目と画面の設計が終わった時点で、段階の定義と項目の一覧を受け取り、社内で読み合わせてから設定の工程に進みます。

社内だけで進める場合と比べる

SFAの導入を支援に頼むか、社内だけで進めるかは、かかる時間、社内に残る知識、費用の3つで比べます。

観点支援を頼む社内だけで進める
かかる時間手順を知る人が進めるため短くなりやすい調べながら進めるため長くなりやすい
社内に残る知識受け取るものと研修しだい進める中で身につく
費用支援の費用がかかる担当者の時間が費用になる

社内だけで進める場合も、担当者の時間は費用です。担当者が本来の業務から離れる時間を金額にして、支援の見積もりと並べてみると、判断がしやすくなります。設定と移行だけを頼み、設計と定着は社内で担うといった組み合わせも選べます。

支援の名前と中身の対応

SFA支援は、会社によって呼び方がまちまちです。名前だけで中身を判断せず、5つの工程のどこに当たるかで見分けます。

よく使われる呼び方主に当たる工程
導入支援、導入コンサルティング目的と要件の整理から、設定とデータの移行まで
初期開発項目と画面の設計、設定
定着化支援、活用支援定着と活用の伴走
保守サポート導入後の問い合わせ対応、手順書の更新、機能の更新への対応
随伴開発導入後の機能の追加や改修

同じ導入支援という名前でも、目的の整理から関わるものと、設定だけを担うものがあります。反対に、名前が違っても中身がほぼ同じこともあります。名前ではなく、作業の一覧で比べるのが確実です。提案書や見積もりで、どの工程の作業が書かれているかを確かめましょう。

定着の度合いを測る

定着の伴走を頼むなら、何をもって定着したとするのかを、数字で決めておきます。数字がなければ、支援を続けるか終えるかを判断できません。

測るもの見方の例
入力の割合進行中の案件のうち、決めた期間内に更新されたものの割合
放置された案件一定の期間、更新されていない案件の数
会議での利用営業会議を画面の上で進めているか
問い合わせの数使い方についての社内の質問が減っているか

入力の割合が上がり、放置された案件が減り、会議で使われるようになれば、定着が進んでいると判断できます。数字は支援を始める前にも測っておくと、支援の効き目を比べられます。キヤノンMJグループのSalesforce定着化支援のページでも、目標や戦略に沿ったKPIの設定を支えるとしており、定着をどう測るかは支援の中心になる論点です。

提案書で見るところ

支援会社から提案書を受け取ったら、工程の範囲、受け取るもの、社内に求められる作業、終わり方の4つを見ます。

社内に求められる作業

提案書に、社内で用意するもの、社内で決めること、社内の担当者が出る打ち合わせの回数が書かれているかを確かめます。社内の作業が書かれていない提案は、始めてから社内の負担が想定より大きくなることがあります。

終わり方

支援が終わる条件と、終わるときに受け取るものが書かれているかを確かめます。終わり方が書かれていれば、支援の後に社内で運用を続ける姿が描けているかも判断できます。

小さな会社が支援を使うとき

営業の人数が少ない会社では、すべての工程を頼むと、支援の費用が利用料に比べて大きくなりがちです。頼む工程を絞って使います。どの工程を頼むかは、社内で手が止まりやすい工程から決めます。

たとえば、項目と画面の設計と、管理者向けの研修だけを頼み、設定とデータの移行は社内で行う形があります。設定の作業は、製品の手順書やトライアルで社内でも進めやすい一方、どんな項目にすべきかの判断は、経験のある人の助言が効きやすい部分だからです。設計の考え方と、社内で手直しを続ける方法を身につければ、その後は社内で運用を回せます。回数で内容が決まっている支援のメニューは、費用の見通しが立てやすく、小さな会社でも検討しやすい形です。

MAとあわせて頼む場合

SFAと一緒にMAも導入する、またはすでにMAを使っていてSFAとつなぎたい場合は、2つの間の受け渡しを支援の範囲に入れるかを決めます。受け渡しの対象になるのは、見込み客の情報、関心の高さの判定、営業の結果などです。マーケティングで集めた見込み客をSFAに渡す条件や、営業の結果をMAに戻す流れは、どちらか一方の設定だけでは完結しないためです。

SFAとMAを別々の会社に頼む場合は、受け渡しの設計をどちらが担うのかを先に決めておきます。決まっていないと、両方の会社が相手の担当だと考え、受け渡しの部分だけが抜け落ちます。社内の責任者が両方の打ち合わせに出て、受け渡しの条件を自社の言葉で決めるのが確実です。

支援が終わった後の1年の運用

支援が終わった後も、SFAは社内で手直しを続けていく必要があります。見直す周期を決めておくと、手直しが後回しになりません。周期ごとの担当者も決めておきます。

周期見直すこと
月ごと入力の割合と放置された案件の数、使い方の質問
四半期ごと入力の項目と案件の段階の定義が実際の営業に合っているか
年ごと利用する人数とプラン、ほかの仕組みとのつなぎ方

項目や段階の定義を変えたときは、変えた日と理由を記録しておきます。定義を変える前と後の集計は、そのままでは比べられないためです。支援の期間に受け取った定義や項目の一覧を、そのたびに更新しておけば、次に支援を頼むときにも状況をすぐに伝えられます。

支援を頼む前に自社で試せること

支援を頼む前に、自社で試しておけることもあります。試しておけば、支援会社との打ち合わせで自社の状況を具体的に伝えられ、支援の範囲を絞ることにもつながります。

案件の段階の定義を表計算ソフトで試す

案件の段階と、次の段階に進む条件を、今の表計算ソフトの管理表で先に試してみます。担当者によって判断がばらつく段階が見つかれば、それが設計の工程で支援会社と詰めるべき論点になります。

無料のトライアルで入力を試す

候補の製品に無料のトライアルがあれば、営業の担当者に数件の案件を入力してもらいます。入力の手間についての現場の感想は、項目の設計を頼むときの材料になります。どの項目で手が止まったか、何を入力したくなったかを書き留めておくと、より具体的な材料になります。

社内の責任者の役割

SFA支援を受けるときの社内の責任者は、支援会社の提案を判断し、現場の声を設計に反映し、経営と予算を調整する役割を担います。支援会社がどれだけ手厚くても、この3つは社内にしかできません。

責任者は、営業の実情を知っていて、営業の管理職や担当者に協力を頼める立場の人が向いています。営業の現場から離れた部署の人だけが責任者になると、現場の協力を得にくくなることがあります。支援の期間中は、打ち合わせへの出席や現場への確認に時間を取られるため、ほかの業務の量を調整しておくことも必要です。

製品の提供元と支援会社を組み合わせる

製品の提供元の支援と、特定の製品に縛られない支援会社の支援は、どちらか一方を選ぶものではありません。工程ごとに組み合わせる進め方もあります。

たとえば、目的と要件の整理、ツールの選定は製品に縛られない支援会社と進め、選んだ製品の設定や保守は提供元や販売会社の支援を使う、という分け方です。この場合は、要件の整理で作った文書を、設定を担う側にそのまま引き渡せるかを確かめておきます。間に社内の責任者が入り、両者の打ち合わせの内容をつなぐ役割を担うと、工程の切れ目で情報が抜けにくくなります。

支援を受けている間に社内で進めること

支援を受けているあいだも、社内でしか進められないことが3つあります。管理職が記録を使う場面を決めること、運用のルールを決めること、支援が終わったあとの担当を決めることです。

管理職が記録を使う場面を決める

営業会議や面談でSFAの記録を使うと決めておけば、担当者にとって入力する理由がはっきりします。この決定は外部の支援だけでは下せません。

運用のルールを決める

入力のタイミングや、案件の段階を進める条件といった運用のルールは社内で決めます。支援する側は案を出せても、守るのは社内です。

支援が終わったあとの担当を決める

支援の期間が終わったあと、項目の見直しや入力状況の点検を誰が受け持つかを決めておきます。ここが空いたままだと、支援の終了とともに運用が止まりかねません。

SFA支援を受けている間に社内で進める3つのことを並べたチェックリストの図

よくある質問

SFA支援についてよく挙がる疑問をまとめます。

SFA支援とSFA導入支援は同じですか

ほぼ同じ意味で使われますが、導入支援は導入時の設計や設定に重きを置き、定着や活用の支援を別メニューにしている会社もあります。依頼の前に、5つの工程のどれが含まれるかを確かめましょう。

SFA支援の期間はどのくらいですか

頼む範囲によって変わります。一例として、NIコンサルティングは自社のSFA向けの導入支援コンサルティングを、導入後6か月間をめどに行うと案内しています。

SFA支援を使わずに導入することはできますか

できます。目的がはっきりしていて、社内に設定を担える人と定着に取り組める人がいれば、社内だけで進めることもできます。

まとめ

SFA支援は、目的と要件の整理、ツールの選定、項目と画面の設計、設定とデータの移行、定着と活用の伴走という5つの工程を外部が手伝うサービスです。製品の提供元や販売会社による支援と、特定の製品に縛られない支援会社による支援とでは、扱う製品の範囲と関わる工程が変わります。

どこまでを頼むかは、製品が決まっているか、社内に設定の担い手がいるか、定着に人手を割けるかで決めます。

手始めに、導入の目的と今の営業の流れを1枚の紙に書き出してみてください。

頼みたい工程が見えてきたら、その範囲での進め方をお問い合わせから相談できます。

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