2025.11.28

【脱・ポータル依存】不動産集客の本質は「選ばれる理由」9割|反響減・広告費高騰に勝つ戦略マップ

「SUUMOやHOME’S等の広告費高騰」「反響数の減少」「競合との差別化難」に悩む不動産仲介会社様へ。本記事では、ポータルサイト依存から脱却し、顧客に「選ばれる理由」を作るための本質的な集客戦略について解説します。自社の強みの見つけ方から、SEO、MEO(Googleマップ)、SNS活用などの具体策まで、持続的な成果を出すための方法をお伝えします。

不動産仲介会社の経営者・集客担当から、最近このようなご相談が増えています。

「ポータルサイトに掲載しているが、以前ほど反響が来ない」

「広告費(掲載料)ばかりが嵩み、成約単価が悪化している」

「他社との違いを打ち出せず、結局は仲介手数料の割引合戦になる」

不動産業界の集客環境は、この10年で劇的に変化しました。顧客の情報収集行動は多様化し、単に「物件情報を網羅している」だけでは選ばれない時代になっています。

本記事では、売買・賃貸仲介会社が「追う営業」から「選ばれる営業」へとシフトし、持続的に成約を生むための具体的な手法について解説します。

malna(マルナ)では、「ポータルサイト依存から脱却したい」「自社の強みを活かしたWeb集客を強化したい」というお悩みをもった企業さまをご支援します。集客戦略でお困りの方はお気軽にご相談ください。

前提整理:不動産集客の対象領域

本記事では、マイホーム購入検討者や賃貸入居希望者を対象とした「BtoCの売買・賃貸仲介」に焦点を当てます。

※投資用不動産や管理受託の集客とはアプローチが異なるため、それらをご検討の方は個別にご相談ください。

不動産仲介の集客を取り巻く現状と課題

ポータルサイト依存の3つのリスク

SUUMOやHOME’S等のポータルサイトは依然として強力なチャネルですが、「そこだけに頼る」経営には構造的なリスクがあります。

  1. 広告費の高騰とCPAの悪化

インターネット広告費は年々増加傾向にあり、ポータルサイト内での上位表示オプションや枠購入の単価も上昇しています。競合他社も同様に課金するため、消耗戦になりがちです。

▶ 参考データ:「2022年 日本の広告費」解説――過去最高を15年ぶりに更新する7兆円超え。インターネット広告は3兆円を突破(電通報、2023年2月)

  1. 「埋もれる」リスク

同じエリア、同じ物件情報が並ぶポータルサイト上では、顧客は「写真」「価格」「駅距離」等のスペックでしか判断できません。結果として自社の魅力が伝わらず、比較検討の土俵にすら上がれないケースが増えています。

  1. 顧客資産(リスト)が蓄積されない

ポータル経由の顧客情報は、あくまでポータルサイト側のプラットフォーム上のものです。自社独自の顧客リストとして関係性を構築しにくく、「自社のファン」になりにくい構造があります。

顧客の情報収集行動の変化

現代の顧客は、ポータルサイトを見る「前」や「同時」に、別の媒体で検索を行っています。

Googleマップ検索:「近くの不動産屋」で検索し、Googleのクチコミ(星の数)でお店を選定する。

Instagramでの情報収集: ハッシュタグ(#〇〇市ランチ、#一人暮らしインテリア)で街の雰囲気や暮らしのイメージを掴んだり、リール動画でルームツアーを見て「疑似内見」を行う。

YouTube検索: 物件の内見動画や、エリアの治安・住みやすさ解説動画を見る。

▶ 参考データ:令和6年版 情報通信白書|SNSの利用状況(総務省)

※20代〜30代のSNS利用率は非常に高く、InstagramやYouTubeは住まい探しの重要な情報源となっています。

お客様は「物件」を探していますが、最終的に契約するのは「人(会社)」です。物件スペックが横並びの今、「この会社なら信頼できそうだ」と思わせる情報発信があるかどうかが、反響の質を左右します。

不動産集客の本質:「選ばれる理由」を作る

集客とは、単に広告を出してアクセスを集めることではありません。以下のプロセスを設計することです。

  1. 【認知】 知ってもらう(広告・SEO・SNS)
  2. 【興味】 関心を持つ(有益なコンテンツ・物件写真)
  3. 【信頼】 安心する(実績・クチコミ・スタッフの顔)
  4. 【行動】 問い合わせる(来店予約・資料請求)

この中で最も重要なのが「信頼(選ばれる理由)」の設計です。

不動産仲介における「選ばれる理由」の3軸

自社に「強みがない」と感じていても、以下の3軸で分解すると必ず独自のポジションが見つかります。

軸1:専門性

具体例:エリア特化(〇〇区専門)、物件種別(リノベ専門、平屋専門)、顧客属性(シングルマザー専門、ペット可専門)

アピールポイント:「そのエリアのスーパーの安売り時間まで知っている」「ペット可物件の審査を通すノウハウがある」

軸2:提供価値

具体例:スピード対応(レスポンス10分以内)、提案力(FPによるライフプラン診断付)、付帯サービス(引越し割、家具提案)

アピールポイント:物件紹介だけでなく、生活全般の不安を解消できる付加価値を提供する。

軸3:信頼性

具体例:創業年数、成約実績数、Googleクチコミの評価、スタッフの人柄発信

アピールポイント:「大手ではないが、親身になってくれる」「無理な営業をされない」という安心感。

もっとも確実な方法は、直近で成約してくれたお客様に聞くことです。「他にも不動産屋はあったのに、なぜウチで契約してくれたのですか?」という質問への答えこそが、等身大の「選ばれる理由」です。

おすすめの集客手法3選(オンライン)と成功事例

自社の強みが明確になったら、それを適切なチャネルで発信します。ここでは具体的な施策と成功事例を紹介します。

1. 自社サイトのSEO対策(ロングテール戦略)

「地名 × 賃貸」などのビッグワードは大手ポータルが独占しているため、狙うべきは「スモールワード(ニッチな検索)」です。

狙い目キーワード例: 「〇〇小学校区 売買」「〇〇駅 一人暮らし 治安」「〇〇区 ペット可 初期費用」

ポイント: 物件情報だけでなく、「街の情報」「住まい探しの悩み解決」などのブログ記事を蓄積することで、検索エンジンからの質の高い流入(指名検索)を増やします。

「SEO会社のおすすめ18選!選び方や注意点なども解説」 

「SEO対策費用の相場はどれぐらい?3つの料金形態と費用の内訳を解説!」 

2. MEO対策(Googleマップ最適化)

「地域密着」を謳うなら必須の施策です。「〇〇駅 不動産」で検索された際、地図上で上位3位以内に入ることを目指します。

最重要アクション: 成約時にお客様へ「Googleのクチコミ投稿」をお願いすること。悪いクチコミが入った場合も、誠実に返信することで、かえって見ている人からの信頼感につながります。

3. SNS活用(Instagram・YouTube)

SNSは「物件カタログ」ではなく「会社のファン作り」の場です。お客様は、ポータルサイトで見た物件の「実際の雰囲気」や「その会社の中の人の雰囲気」を確認するためにSNSを訪れます。

成功事例1.goodroom(グッドルーム)

「リノベーション賃貸」に特化し、Instagramでおしゃれなライフスタイルを発信。写真のトーンを統一し、物件のスペックよりも「暮らしのイメージ」を伝えることで、ファン層を獲得しています。

出典:グッドルーム | リノベ・デザイナーズ・マンスリーのお部屋探し

YouTube:goodroom 新しいくらし

成功事例2.東京都心の高級中古・リノベーションマンションなら【mitaina(ミタイナ)】

都心の高級中古マンションに絞り、ターゲットを明確にすることで、資産価値の高いマンションを求める層に効率的にリーチしています。

出典:東京都心の高級中古・リノベーションマンションなら【mitaina(ミタイナ)】

YouTube:mitaina

成功事例3.I’s room(アイズルーム)

「女性による女性のための賃貸仲介」を掲げ、ホームページを持たずInstagramのみで集客を行うスタイルを確立。ターゲットを明確に絞ることで、広告費をかけずに反響を獲得しています。

出典:アイズルーム「絶対に住みたい」を叶えるお部屋探し

「SNS広告の成功事例12選!成果を生むポイントを徹底解説

地域密着を武器にするアナログ戦略(オフライン)

デジタル全盛だからこそ、アナログな接点が差別化になります。

チラシ×デジタル: チラシにLINE公式アカウントのQRコードを載せ、「非公開物件情報はLINEで」と誘導する。

地域イベント・セミナー: 「はじめての住宅購入セミナー」などを開催し、顔を合わせた関係を作る。成約率はWeb問い合わせよりも圧倒的に高くなります。

紹介の仕組み化: 成約後のアフターフォローを手厚くし、「紹介キャンペーン」などで意図的に紹介を生み出す。

成果を出すための戦略の立て方

全ての施策を同時に行う必要はありません。リソースの限られる中小規模の会社こそ、「ランチェスター戦略(局地戦)」が有効です。

1.ターゲット(ペルソナ)を絞り込む

「誰でもいい」は「誰にも刺さらない」と同義です。「30代共働き、初めての購入、〇〇沿線希望」のように具体的に設定します。

2.一点突破で始める

「まずはInstagramだけは地域No.1を目指す」「MEOのクチコミ数で地域トップになる」など、リソースを1箇所に集中させます。

3.PDCAを回す数字を決める

「なんとなく」ではなく、以下の指標を毎月計測してください。

CPA(1件の問い合わせ獲得にかかった費用)

媒体別反響率(ポータル vs 自社HP vs SNS)

成約率(媒体ごとの質の差を確認)

さいごに

本記事では、不動産仲介会社の集客について、現状の課題から具体的な手法、戦略の立て方までお伝えしました。

重要なのは、以下の3点です。

  1. 顧客の行動変化に合わせて、SNSやMEOを取り入れる
  2. スペック競争ではなく、専門性や信頼性で差別化する
  3. 自社の強みに合った施策にリソースを集中する

これらを地道に積み上げることで、広告費に左右されない強い集客基盤を作ることができます。まずは、既存のお客様に「なぜ当社を選んでくれたのか」を聞いてみてください。そこに、集客のヒントが必ずあります。

自社に合った集客戦略を立てるならmalna株式会社へ

malna(マルナ)では、「地方企業への販路拡大の方法が分からない」「都市部での広告だけだと規模拡大が狙えない」というお悩みをもった企業さまをご支援します。

「何から手をつければいいかわからない」という段階でも構いません。まずは貴社の現状の課題をお聞かせください。

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執筆者情報

高橋 一志

writer 高橋 一志 consultant
Web開発やデジタルマーケティングの総合支援を担当。戦略的なWebサイト企画・設計からSEO対策、SNS運用、広告運用(リスティング、ディスプレイ、SNS広告)に至るまで、プロジェクトの企画から実行まで幅広く携わる。SalesforceやHubSpotを活用したCRM/MA導入・運用やGoogle Analyticsを基にしたデータ分析を通じて、施策の成果向上を実現。ウェビナーやメールマーケティングの運営でも豊富な実績を持つ。
2018年にmalna株式会社を創業し、デジタル分野における幅広い支援を展開。
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