MAの導入事例10選!BtoB・BtoC企業の活用方法を紹介

MAツールを入れるか考えるとき、ほかの会社がどんな課題を抱え、MAで何をし、どこまで成果を出したのかは知っておきたいところです。もっとも、事例に載っている数字は、何と何を比べたものかで意味ががらりと変わります。

マーケティング支援

目次

ここでは、MAツールのベンダーが公開している導入事例と企業の発表から、BtoB6件、BtoC4件の計10件を取り上げます。各社の課題、取り組み、成果を並べたうえで、事例に共通する取り組みの型と、自社に取り入れるときの手順を解説します。

MAツールの導入や活用を考えているマーケティング担当者や営業企画の方を想定しています。

10件のうちどれが自社の課題に近いかを一緒に見極めたいときは、malnaのSFA/MA導入支援が窓口です。

MAの事例を読む前に押さえる3つの見方

MAの事例の数字は、件数か率か、何と比べたのか、MA以外の要因が混ざっていないか、の3点を押さえて読みます。同じ3倍でも、件数が3倍になったのか、割合が3倍になったのかで重みはまったく違います。

見方確かめること
件数か率かリード数や商談数などの件数か、商談獲得率などの率か
比較の起点と期間導入前と比べたのか、前年と比べたのか、いつの時点の数字か
MA以外の要因サイトの刷新や研修など、同時に行った施策がないか

取り上げる10件は、いずれもベンダーか導入企業が自ら公開している事例で、第三者が検証した数字ではありません。この点も頭に置いて読み進めてください。

MAの事例を読む前に押さえる3つの見方を並べたチェックリストの図

BtoBのMA導入事例

BtoBの事例で目立つのは、見込み客の関心の高さを見て営業が連絡する先を絞る使い方と、資料のダウンロードで見込み客を集める使い方です。

ディーエムソリューションズ株式会社

広告・マーケティング事業を営む同社は、展示会で集めた名刺に営業担当が1枚ずつ電話をかけていましたが、効率が悪く、新しく得たリードもすぐに休眠していました。

SATORIを導入し、自社メディアからホワイトペーパーのダウンロードに誘導してリードを獲得し、ステップメールでフォローしました。電話は、SATORIで関心が高まった顧客を抽出して優先的にかける方式に切り替えています。

SATORIの導入事例ページによると、リード獲得数はそれまでに比べて5倍以上となり、商談獲得率は以前の15倍ほどに改善しました。15倍は商談の数ではなく、商談を獲得できた割合です。取材は2017年2月です。

参考:ディーエムソリューションズ株式会社の導入事例(SATORI)

デイブレイク株式会社

特殊冷凍の技術を扱う同社は、事業の拡大に人手が追いつかず、確度の高いリードを効率よくフォローできなくなっていました。

別のMAツールからSATORIに乗り換え、ステップメールによる顧客のフォローを自動化し、アプローチに適したタイミングを営業チームに共有しました。

SATORIの導入事例ページによると、Webサイトからのリード獲得数が30%ほど増え、同社が商談化率と定義しているショールームへの来店率は50%上昇しました。2名で行っていた業務は1名分以下に圧縮されています。

参考:デイブレイク株式会社の導入事例(SATORI)

東洋ビジネスエンジニアリング株式会社

製造業向けの業務システムを開発・販売する同社は、製品のコモディティ化に伴い、セミナーや展示会を中心とした従来の営業で成果を出しにくくなっていました。

2016年9月にHubSpotを導入し、Webサイトを刷新したうえで、セミナー用に作った資料をダウンロード資料に転換してメールで案内しました。

HubSpot Japanの事例記事によると、リード獲得数は導入前から80%上昇し、1%前後だったメールマガジンのクリック率は2%弱になりました。Webサイトの修正にかかる時間は、1週間から1時間になっています。

参考:東洋ビジネスエンジニアリング株式会社の事例(HubSpot Japan)

株式会社Casa

家賃債務保証の事業を営む同社は、不動産会社や大家からの連絡がFAX中心で、手作業が多いことに悩んでいました。

Kairos3 Marketingで不動産会社、大家、入居者それぞれの専用フォームを設け、資料請求した相手への情報提供メールや、提出書類のリマインドメールを配信しました。

カイロスマーケティングの導入事例ページによると、リマインドメールの配信リストの更新や確認に1時間ほどかかっていた作業が、15分ほどで終わるようになりました。売上ではなく、業務の効率化の事例です。

参考:株式会社Casaの導入事例(Kairos3)

株式会社堀内機械

油圧シリンダを開発・製造・販売する同社は、新規開拓が年2回の展示会頼みで、展示会の後も継続的なアプローチができていませんでした。

BowNowを導入し、ホワイトペーパーのダウンロードフォームを自社サイトに設置しました。サイト上の行動履歴やダウンロードした資料から顧客の課題を推測し、営業に引き渡しています。

BowNowの導入事例ページによると、ホワイトペーパーの設置から約4か月で40件のリードを獲得し、月平均10社ほどがダウンロードしています。ホットリードの自動抽出の機能で、受注見込みを1件得ました。

参考:株式会社堀内機械の導入事例(BowNow)

株式会社コームラ

印刷やWebシステム、学会サポートを手がける同社は、顧客である大学への訪問ができなくなり、営業ごとにばらばらにメールを送っていました。

Kairos3を導入して顧客へのメールマガジンを月1通のペースで配信し、配信後は興味度の高い顧客を画面で選んで電話をかけました。

カイロスマーケティングの導入事例ページによると、メールマガジンを3回送った時点で8件の商談があり、うち4件が契約に至りました。メールマガジンを送った後に電話をかけると、アポイントの獲得率が約30倍になったとしています。

参考:株式会社コームラの導入事例(Kairos3)

BtoBの6件から読み取れること

BtoBの6件に共通するのは、MAを入れる前から、展示会や電話、メールといった接点を持っていたことです。MAは新しい接点を生むというより、すでにある接点の中から、いま連絡すべき相手を見つけ、連絡の順番をつける役割を担っています。

成果の数字も、ディーエムソリューションズの商談獲得率、コームラのアポイントの獲得率のように、率で表されているものが目立ちます。連絡の件数を増やすのではなく、連絡した相手が商談に進む割合を上げる使い方だと読めます。営業の人数を増やさずに成果を伸ばしたい会社にとって、参考にしやすい型です。

BtoCのMA導入事例

BtoCの事例では、会員登録、購入、セミナーへの申し込みといった顧客の行動に合わせて、メールや画面上の案内を自動で出し分ける使い方が中心になります。

株式会社三越伊勢丹

同社は、ミレニアル世代向けのギフト専門のECサイトを2019年に開設しました。Salesforce Marketing Cloudで顧客の属性や行動によって分岐するシナリオを作り、会員登録後に購入していない顧客へのメールなどを自動化しました。

Salesforceの導入事例ページによると、2020年と2022年を比べると、メールマガジンの会員数は約4倍、メールマガジン経由の売上も約4倍になりました。手作業で1時間ほどかかっていたメールマガジンの運用の時間は、自動化でなくなっています。数字は2023年6月時点の情報です。

参考:株式会社三越伊勢丹の事例(Salesforce)

株式会社パレモ

ファッションと生活雑貨の小売とECを営む同社は、全顧客に同じ内容のメールを送っており、データの抽出もすべて手作業でした。

b→dashで顧客の属性やサイト上の行動に応じた施策を自動化し、2回目の購入を促すメールや、カートを離れた顧客への案内を行いました。

データXの事例リリースによると、2025年3月以降の売上は前年を上回り、メールマガジンを除いた自動化施策経由の売上は前年比115%増となりました。

参考:株式会社パレモの事例(b→dash)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

投資信託の直販サービスを運営する同社は、既存と新規の顧客に同じメールを送っており、セミナーの前後や口座開設後のフォローが十分にできていませんでした。

SATORIでサイトにセミナー案内のポップアップを設け、申込者へのリマインドメールや、口座開設直後の顧客へのフォローメールを自動で配信しました。

SATORIの導入事例ページによると、セミナー申込数は2018年度と比べて多いときで9.2倍、参加率は多いときで1.9倍になりました。いずれも平均ではなく伸びが大きかったときの値で、同社自身もSATORI以外の要因が一定数あるとしています。

参考:三井住友DSアセットマネジメント株式会社の導入事例(SATORI)

株式会社東栄住宅

戸建住宅を分譲する同社は、広告に頼らない問い合わせを増やしたいと考えていました。

SATORIで、顧客の購買の状況ごとにポップアップやメールで誘導する仕組みを作りました。

SATORIのリリースによると、問い合わせ全体に占める、特定の物件によらない問い合わせの割合が5%から15%になりました。件数ではなく割合の変化です。2017年の事例です。

参考:株式会社東栄住宅の導入事例(SATORI)

BtoBとBtoCのMAの使い方の違いを左右に分けて比べた図

事例に共通する取り組みの型

10件の取り組みを並べると、関心の高い見込み客を見つけて営業につなぐ型、顧客の状態に合わせて自動で配信する型、資料で見込み客を集める型、業務を効率化する型の4つに整理できます。

型当てはまる事例MAの使い方
関心の高い見込み客を営業につなぐディーエムソリューションズ、堀内機械、コームラ行動の記録から関心の高い顧客を抽出し、優先して連絡する
顧客の状態に合わせて自動で配信するデイブレイク、三越伊勢丹、パレモ、三井住友DS登録や購入などの行動に応じたメールや案内を自動化する
資料で見込み客を集めるディーエムソリューションズ、東洋ビジネスエンジニアリング、堀内機械ダウンロード資料とフォームでリードを獲得する
業務を効率化するCasa、デイブレイク配信や管理の手作業をMAに置き換える

関心の高い見込み客を営業につなぐ型

BtoBで多いのがこの型です。見込み客の全員に電話をかけるのではなく、MAで関心が高まった顧客を見つけて先に連絡します。ディーエムソリューションズとコームラでは、成果が件数ではなく、商談やアポイントの獲得率の改善として表れている点も共通しています。

顧客の状態に合わせて自動で配信する型

BtoCの中心はこの型です。会員登録、カートへの追加、セミナーへの申し込み、口座開設といった行動を合図に、次に要る情報を届けます。BtoBのデイブレイクも、ステップメールでフォローを自動化しています。

資料で見込み客を集める型

ホワイトペーパーやセミナーの資料をダウンロードしてもらい、連絡先を得る型です。東洋ビジネスエンジニアリングのように、既存の資料を転用して始めている事例もあります。

業務を効率化する型

Casaの事例のように、売上ではなく配信や管理の手作業を減らすことを成果とする型もあります。

MAの事例に共通する4つの取り組みの型を番号付きのカードで並べた図

事例を自社で取り入れるときの手順

事例を自社に生かすときは、課題を1つに絞る、近い型の事例を選ぶ、測る指標を決める、小さく始める、の順で進めます。

課題を1つに絞る

まず、MAで解決したい課題を1つに絞ります。リードが休眠している、営業の電話が非効率、手作業の配信に時間がかかっているなど、課題によって参考にすべき事例が変わります。

近い型の事例を選ぶ

課題に近い型の事例を選び、その会社が何をしたかを読み込みます。業種が同じかどうかより、課題と型が近いかどうかを優先しましょう。

測る指標を決める

事例の数字が件数なのか率なのかを確かめたうえで、自社で測る指標を決めます。比較の起点も決めておきます。

小さく始める

最初から4つの型を全部取り入れず、1つの型から始めます。結果を見てから広げるほうが、設定と運用の手間を抑えられます。

事例に見る導入の進め方

10件の事例のなかには、導入からどのように使い始めたかの順番が書かれているものがあります。いきなりすべての機能を使うのではなく、段階を踏んで使い始めている点が共通しています。

契約から本格的な運用までを段階に分ける

三井住友DSアセットマネジメントは、SATORIの導入事例ページによると、2019年4月の契約から実装を経て5月にプレ運用を始め、6月から本格的に始動しています。試しに動かす期間を挟むことで、本格的な運用の前に設定や運用の手順を確かめられます。

担当者が使い方を覚える期間を見込む

東洋ビジネスエンジニアリングは、HubSpot Japanの事例記事によると、2016年9月にHubSpotを導入し、社内のWebの担当者が3か月かけて使い方を身につけてから、12月にWebサイトを刷新しています。導入の前の構想づくりは、HubSpotの代理店と一緒に進めたと書かれています。使い方を覚える期間をあらかじめ見込んでおくと、成果を急いで判断せずに済みます。

小さな範囲から始める

コームラは、カイロスマーケティングの導入事例ページによると、Kairos3の導入を機に顧客へのメールマガジンを始め、月1通のペースで3回送った時点で成果を確かめています。最初から多くのシナリオを組まず、1つの配信から始めて、反応を見ながら電話のかけ方まで変えていった例です。

合わなければツールを見直す

デイブレイクは、SATORIの導入事例ページによると、最初に入れた別のMAツールを1年半ほど使った後、ステップメールが使えないといった機能の不足と、リードの増加に人手が追いつかない状況から、SATORIに乗り換えています。最初のツールで運用を始めてみて、足りない機能がはっきりしてから選び直すという進め方もあります。

成果の数字の種類ごとの見方

事例に出てくる成果の数字は、件数、率、時間、売上の4種類に分けられます。種類によって、自社の取り組みの成果として何を測ればよいかが変わります。

数字の種類事例での例読むときの注意
件数堀内機械の約4か月で40件のリード期間と、リードの定義を確かめる
率ディーエムソリューションズの商談獲得率件数が増えたわけではない
時間Casaの配信の作業が1時間ほどから15分ほどに売上や商談の成果ではない
売上三越伊勢丹のメールマガジン経由の売上が約4倍比較の起点の年と、MA以外の要因

件数は期間と定義をそろえて読む

リードの件数は、何をリードとして数えたか、どの期間の数字かで大きく変わります。堀内機械の40件は、ホワイトペーパーの設置から約4か月でダウンロードされた件数で、商談や受注の件数ではありません。

率は分母を意識して読む

商談獲得率やアポイントの獲得率は、分母が何かを意識して読みます。率が上がっても、母数が小さくなっていれば、商談の件数そのものは増えていない可能性があります。

時間の成果は浮いた時間の使い道まで見る

Casaの事例のように作業の時間が減った成果は、浮いた時間を何に使ったかまで見ると、事業への効き目が分かります。自社で時間の成果を測るなら、減った時間と、その時間で始めた取り組みを一緒に記録します。時間の成果は、作業する人の時間の単価を掛けて金額にしておくと、ツールの費用と並べて比べられます。

売上の成果は起点と要因を確かめる

売上の成果は、比較の起点の年と、MA以外の施策が重なっていないかを確かめて読みます。三越伊勢丹の事例では、MAの成果として読めるのはメールマガジン経由の売上で、サイトのおすすめの機能による売上の伸びは、別の仕組みの成果として分けて書かれています。

MAツールを選ぶときに事例から確かめること

ベンダーの事例は、ツールを選ぶ材料としても使えます。読むときは、自社に近い規模や業種の事例があるか、成果を出した使い方が自社の課題と合うか、導入後の支援の形がどう書かれているかの3点を確かめます。

自社に近い事例があるか

ベンダーの事例の一覧から、自社に近い業種や規模の事例を探します。近い事例があれば、導入後の運用の姿を想像しやすくなります。

成果を出した使い方が自社の課題に合うか

同じツールでも、事例によって使っている機能は違います。営業につなぐ型の課題を持つ会社なら、関心の高い見込み客を見つける機能を使った事例を、自動で配信する型の課題を持つ会社なら、シナリオの配信を使った事例を中心に読みます。

導入後の支援の形

東洋ビジネスエンジニアリングのように、代理店と一緒に導入の構想を描いた事例もあります。事例に、導入時や導入後の支援がどう書かれているかを読むと、自社で使いこなすために何が要るかの見当がつきます。

事例を社内で共有するときのまとめ方

MAの導入を社内で提案するときは、事例を1件ずつ紹介するより、自社の課題に近い事例を2、3件選び、同じ形で並べたほうが伝わります。

項目書くこと
会社と業種事例の会社と、自社との共通点
導入前の課題自社の課題と同じ点
取り組みMAで何をしたか
成果数字と、その種類(件数・率・時間・売上)
注意点比較の起点、MA以外の要因、事例の時点

注意点の列を空けずに書いておくと、事例の数字をそのまま自社の目標にしてしまうことを防げます。とくに事例の時点は、古い事例ほど当時と今とで使える機能や環境が違うため、書き添えておきましょう。

BtoBとBtoCで成果の指標が違う理由

今回の事例では、BtoBは商談やアポイントの獲得率、BtoCはメールマガジン経由の売上や会員数といった指標で成果が語られていました。この違いは、購入の決め方の違いから来ています。

BtoBでは、MAが見込み客を見つけた後、営業が商談を進めて受注に至ります。MAの成果は、営業に渡すまでの段階で測るのが自然です。BtoCでは、MAが届けた案内から見込み客がそのまま購入に進むことが多く、売上で測りやすくなります。自社の成果の指標を決めるときは、MAの後ろにどんな工程があるかを考えて選びます。

マーケティング支援

BtoCの4件から読み取れること

BtoCの4件では、会員登録、購入、セミナーへの申し込み、口座開設といった顧客の行動を合図に、メールや画面上の案内を出し分けていました。BtoBのように営業が間に入らない分、案内を出すタイミングと内容の設計が、そのまま成果を左右しています。

三越伊勢丹は会員登録後に購入していない顧客へのメールを、パレモはカートを離れた顧客への案内を、三井住友DSアセットマネジメントは口座開設直後のフォローメールを自動化しています。いずれも、顧客が次の一歩を踏み出す手前の場面に案内を置いている点が共通しています。自社で取り入れるなら、顧客がどの場面で止まりやすいかを先に調べ、そこに置く案内から作り始めるのが近道です。

MAを入れる前に整えておくこと

事例を読むと、MAの成果は、ツールを入れる前に整えていたものに支えられていることが分かります。整えておきたいのは、顧客の情報の整理、届けるコンテンツ、営業との連携の3つです。

自社がMAを導入すべきかを決める前に、メリットとデメリットを確かめたい場合は、MAツールのメリット・デメリットとは?導入を判断するポイントも解説を参考にしてください。

顧客の情報を整理する

Casaは、タグを使って新規、既存、解約などの顧客の状態を管理しています。どんな状態の顧客がいるかを整理しておくと、MAで出し分ける配信の設計がしやすくなります。

届けるコンテンツを用意する

東洋ビジネスエンジニアリングはセミナー用に作った資料をダウンロードの資料に転用し、堀内機械はホワイトペーパーを作ってダウンロードのフォームを設けています。MAは届ける中身がなければ動きません。手元の資料で使えるものを洗い出しておきます。営業が商談で使っている資料や、よく受ける質問への回答も、形を整えれば届けるコンテンツになります。

営業との連携を決める

デイブレイクは、アプローチに適したタイミングを営業チームに共有しています。MAで見つけた見込み客を誰がいつ受け取るのかを決めておかないと、関心の高い見込み客を見つけても連絡が遅れます。受け取った後に営業がどう動いたかをMAの側に戻す流れも決めておくと、どの配信が商談につながったかを後から確かめられます。

事例の数字を自社の目標に置き換える手順

事例の数字は、そのまま自社の目標にはできません。自社の今の数字を測り、事例の取り組みのうち自社でもできることを選び、変えたい数字を1つに絞る、という順で目標に置き換えます。

自社の今の数字を測る

まず、事例で使われている指標と同じものを、自社でも今の時点で測ります。商談獲得率を目標にするなら、今の商談獲得率が分からなければ、変化を比べられません。

できる取り組みを選ぶ

次に、事例の取り組みのうち、自社の体制や予算で始められるものを選びます。事例の会社と同じ規模の取り組みを最初から目指す必要はありません。

変えたい数字を1つに絞る

最後に、取り組みによって変えたい数字を1つ決め、いつまでにどこまで変えたいかを置きます。複数の数字を同時に追うと、どの取り組みが効いたのかが分からなくなります。置いた目標は、事例の数字ではなく、自社の今の数字からの変化として書きます。

自社に近い事例が見つからないとき

自社と同じ業種の事例が見つからないときは、業種ではなく、課題と取り組みの型が近い事例を探します。たとえば、展示会で集めた名刺の追客に悩んでいるなら、業種が違っても、展示会の名刺をMAで追客した事例が参考になります。

ベンダーの事例の一覧は、業種のほかに、課題や使った機能で絞り込めることがあります。業種で見つからなければ、課題の側から探し直しましょう。複数のベンダーの事例を見比べると、同じ課題に対する取り組みの違いも見えてきます。

事例に出てくる機能の言葉

MAの事例には、ツールの機能の名前がたびたび出てきます。主な言葉の意味を押さえておくと、事例の取り組みを自社に当てはめやすくなります。

言葉意味事例での使われ方
ステップメール登録などを起点に、決めた順番と間隔で送るメールディーエムソリューションズ、デイブレイクのフォロー
ポップアップサイトの閲覧中に画面に重ねて出す案内三井住友DSのセミナー案内、東栄住宅の会員登録の誘導
ホットリード関心が高まったと判定された見込み客堀内機械の自動抽出
タグ顧客の状態や属性を表す目印Casaの新規・既存・解約の管理
シナリオ条件で分岐する配信の流れ三越伊勢丹の属性や行動で分岐する配信

同じ機能でも、ツールによって呼び方が違うことがあります。事例を読むときは、機能の名前より、何をきっかけに誰へ何を届けたのかに注目すると、ツールが違っても取り入れやすくなります。ベンダーに相談するときも、機能の名前ではなく、やりたいことの言葉で伝えたほうが話が早く進みます。

成果が出るまでの期間を見込む

事例の成果は、導入から一定の期間を経て出たものです。東洋ビジネスエンジニアリングの事例記事は、HubSpotの導入から1年数か月で大きな効果を出していると紹介しています。堀内機械の40件も、ホワイトペーパーの設置から約4か月の数字です。

自社で取り組むときも、成果を判断する時期を先に決めておきます。設定と使い方を覚える期間、コンテンツを用意する期間を経てから成果が出始めるため、導入の直後の数字だけで判断すると、仕組みが育つ前に止めてしまいかねません。

古い事例の読み方

今回の10件には、2017年の事例のように時点の古いものも含まれます。古い事例は、取り組みの考え方は参考になりますが、使われている機能や、メールやWebの環境は今と違う可能性があります。

古い事例を読むときは、数字よりも、どんな課題に対してどんな順番で取り組んだかに注目します。課題と順番の考え方は、時点が古くても通用することが多いからです。成果の数字を自社の目標の参考にするなら、できるだけ新しい事例を選びましょう。

導入を検討する前に社内で答えておく問い

事例を読んで自社でもMAを検討するときは、次の問いに社内で答えておくと、ベンダーへの相談や提案の比較が具体的になります。

問い答えがあると決まること
MAで解決したい課題は4つの型のどれか参考にする事例と使う機能
いまある顧客の情報はどこに、何件あるか取り込みの手間と、ツールの規模
届けるコンテンツは手元にあるか最初に作る必要のあるもの
MAで見つけた見込み客を誰が受け取るか営業との連携の決めごと
いつ、どの数字で成果を判断するか事例の数字の読み替え方

答えに詰まった問いは、MAを入れる前に片づけておくべき課題です。ツールの機能で解決しようとする前に、社内で決めておきましょう。とくに4つ目の問いは、マーケティングと営業の両方の責任者がそろって答える必要があります。片方だけで決めると、見込み客を渡す基準が実際の営業の動きと合わなくなるためです。

よくある質問

MAの事例についてよく挙がる疑問をまとめます。

MAの事例の数字はそのまま自社にも当てはまりますか

当てはまるとは限りません。事例の数字は、その会社の課題、商材、体制のもとで出たものです。比較の起点や、MA以外の施策が同時に行われていないかも確かめましょう。

BtoBとBtoCでMAの使い方は違いますか

違います。今回の事例では、BtoBは関心の高い見込み客を見つけて営業につなぐ使い方、BtoCは顧客の行動に合わせて自動で配信する使い方が中心でした。

MAの導入で業務の効率化だけを目的にしてもよいですか

問題ありません。Casaの事例のように、配信や管理の手作業を減らすことを成果に置いている事例もあります。効率化で浮いた時間を、見込み客のフォローに回す使い方もできます。

まとめ

MAの事例は、件数か率か、何と比べたのか、MA以外の要因がないかを確かめて読みます。今回の10件の取り組みは、関心の高い見込み客を営業につなぐ型、顧客の状態に合わせて自動で配信する型、資料で見込み客を集める型、業務を効率化する型の4つに分けられます。

自社に取り入れるときは、課題を1つに絞り、近い型の事例を手本に、測る指標を決めてから小さく始めます。

手始めに、自社の課題が4つの型のどれに近いかを、10件の事例と照らし合わせてみてください。

取り入れる型が決まり、ツールの選定や設定に踏み出す段になったら、お問い合わせで具体的な進め方を相談できます。

関連記事:MAとは?基本機能と導入メリットを初心者向けに解説

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執筆者情報

malnaブログ編集部

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