MAと広告を連携するメリットとは?活用方法と注意点を解説

広告で見込み客を集めているのに、その人たちが商談や受注に進んだのかが見えない。MAツールを入れているのに、広告とは別々に回している。この2つの分断をつなぐのが、MAと広告の連携です。

マーケティング支援

目次

ここでは、MAツールと広告をつなぐ3つの使い方、連携の前に確かめておくこと、成果の見方と始め方を解説します。なお、ここでのMAはマーケティングオートメーションのことで、企業の合併や買収を指すM&Aの広告の話ではありません。

MAツールを使っている、または導入を考えていて、広告の成果を受注まで伸ばしたいBtoBのマーケティング担当者の方を想定しています。

MAと広告をどこでつなぐかの設計から、malnaのSFA/MA導入支援で一緒に考えられます。

MA広告とは

MA広告とは、MAツールと広告をつなげて運用する使い方を指します。MAツールにたまった見込み客の情報や行動の記録を広告の配信に使ったり、広告から来た見込み客をMAツールで育てたりします。MA広告という名前の広告の種類があるわけではありません。

MAツールは、見込み客の情報を管理し、メールの配信、行動の記録、関心の高さの判定などを自動で行う仕組みです。一方の広告は、まだ接点のない相手や、接点が途切れた相手に情報を届けるのが得意です。届け方の違う2つをつなぐと、互いの弱みを補い合えます。

MAと広告をつなぐと何が変わるか

MAと広告を別々に運用していると、広告の担当者は問い合わせの数まで、MAの担当者は配信の反応まで、と見ている範囲が分かれます。つなぐと、広告で集めた見込み客がその後どう育ち、商談や受注に至ったかを一続きで追えるようになります。

観点別々に運用している場合つないだ場合
広告の評価問い合わせや資料請求の数と単価商談や受注まで含めた成果
広告から来た見込み客問い合わせの後は営業任せMAで関心に合わせた情報を届ける
接点の途切れた見込み客メールが開かれなければ届かない広告という別の経路で届けられる
広告の配信の学習問い合わせの数をもとに最適化商談や受注の結果を戻して最適化できる

とくに表の最後の行は、広告の側の効き方を変えます。広告の媒体が、問い合わせの数ではなく、商談や受注につながった見込み客の傾向をもとに配信を調整できるようになるからです。問い合わせの数だけを目標にした配信では、問い合わせはしやすいが受注にはつながりにくい層に広告が偏ることもあります。商談や受注の結果を広告に戻す方法は、3つの使い方の後で取り上げます。

MAと広告をつなぐ3つの使い方

MAと広告をつなぐ使い方は、見込み客の情報を広告の配信に使う、広告から来た見込み客をMAで育てる、広告の成果を商談や受注まで追う、の3つです。

使い方中身効く場面
情報を広告の配信に使うMAの見込み客の情報をもとに広告を届けるメールが届かない、開かれない相手に接触したい
広告経由の見込み客を育てる広告から来た見込み客にMAでメールなどを届ける広告で集めた見込み客がすぐには商談にならない
成果を受注まで追う広告の流入元をMAに記録し、商談や受注と結びつける広告の費用対効果を受注で判断したい
MAと広告をつなぐ3つの使い方を番号付きのカードで並べた図

見込み客の情報を広告の配信に使う

1つ目は、MAツールにたまった見込み客の情報を、広告の配信に使う使い方です。たとえばGoogle広告のカスタマーマッチは、広告主が持つ顧客の情報を使い、検索、ショッピングタブ、Gmail、YouTube、ディスプレイ広告を使っている人に広告を届けたり、再びアプローチしたりできる機能です。

メールを開かなくなった見込み客や、資料をダウンロードしたきり動きのない見込み客に、メールとは別の経路で情報を届けられます。

参考:カスタマー マッチについて(Google 広告 ヘルプ)

広告から来た見込み客をMAで育てる

2つ目は、広告から来た見込み客をMAツールに登録し、メールなどで育てる使い方です。広告で集めた見込み客の多くは、すぐには商談になりません。関心に合わせた情報をMAツールで届け続ければ、検討が進んだところで営業に渡せます。

広告の成果を商談や受注まで追う

3つ目は、広告から来た見込み客の流入元をMAツールに記録し、その後の商談や受注と結びつける使い方です。広告の管理画面では、問い合わせや資料請求の数までは分かっても、その先の受注までは分かりません。MAツールやSFAに流入元が残っていれば、どの広告から来た見込み客が受注につながったかを追えます。

流入元を記録するには、広告のURLにutm_source、utm_medium、utm_campaignといったキャンペーンのパラメータを付けておく方法があります。

参考:URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する(アナリティクス ヘルプ)

商談や受注の結果を広告に戻す

MAやSFAに記録された商談や受注の結果をGoogle広告に取り込むと、広告の成果を受注で測れるだけでなく、配信の最適化にも使えます。Google広告のヘルプには、クリックIDを使う方法と、リードの拡張コンバージョンを使う方法が紹介されています。

クリックIDを使ってオフラインのコンバージョンを取り込む

Google広告のヘルプによると、広告がクリックされた後にオフラインで生じた成果は、GoogleクリックID(GCLID)を使って取り込めます。流れは次のとおりです。

  1. Google広告でオフラインのコンバージョンのアクションを作る
  2. サイトのフォームの隠し項目でGCLIDを受け取る
  3. 顧客管理の仕組みでGCLIDと見込み客の情報を結び付けて保存する
  4. 後日、商談や受注の結果をGoogle広告に取り込む

ヘルプは、オフラインのコンバージョンのデータを取り込むには自動タグ設定を有効にする必要があるとしています。また、クリックからコンバージョンまでの期間には、データの取り込み元に応じて14日または90日未満という条件があります。検討期間の長い商材では、この期間の条件を先に確かめておきましょう。

参考:Google クリック ID(GCLID)を使用してオフライン コンバージョンを設定する

リードの拡張コンバージョンを使う

もう1つの方法が、リードの拡張コンバージョンです。ヘルプによると、サイトのフォームで受け取ったメールアドレスなどのユーザー提供データをハッシュ化して使い、顧客管理の仕組みに記録されたオフラインのコンバージョンと照合して、広告の貢献を測ります。クリックIDだけを使う方法に比べ、ユーザー提供データを追加で使う点が違います。

参考:リードの拡張コンバージョンについて

どちらの方法でも決めておくこと

どちらの方法を使うにしても、何を広告に戻すかを先に決めます。戻す成果の定義は、後の見出しで取り上げる段階ごとの言葉と指標の定義とそろえておきます。商談になった、受注した、といった段階のうち、件数が少なすぎない段階を選ぶと、広告の最適化に使いやすくなります。MAやSFAで、その段階に進んだ日付が記録されているかも確かめておきましょう。

顧客リストを広告で使う手順

MAにたまった見込み客の一覧を広告の配信に使う場合は、Google広告の顧客リストを作ります。ヘルプによると、顧客リストはCSVファイルを作ってアップロードする方法のほか、Salesforceなどのデータソースとつないで作る方法もあります。

データを整えてアップロードする

ファイルをアップロードする場合、データの正規化かハッシュ化が必要で、ハッシュ化には16進数のSHA256を使うとされています。アップロードの際には、データがGoogleのカスタマーマッチに関するポリシーに沿って集められ、共有されていることへの同意が求められます。

リストの有効期間と更新の条件

ヘルプによると、カスタマーマッチのリストの有効期間は540日までで、過去540日以内に少なくとも100人のユーザーを追加または更新する必要があります。見込み客の数が少ない会社では、リストを分けすぎると条件を満たしにくくなる点に気を付けます。

参考:顧客リストを作成する

連携の前に確かめておくこと

MAと広告をつなぐ前に確かめておきたいのは、使ってよいデータか、プライバシーポリシーで説明しているか、MAツールと広告の連携の方法、の3つです。

使ってよいデータか

広告の配信に使えるデータには、各広告の規定があります。Google広告のカスタマーマッチのポリシーは、使える顧客の情報を、広告主のウェブサイト、アプリ、実店舗などを通じて顧客が広告主に直接提供した情報に限るとしています。他社から購入したリストなどは使えません。

プライバシーポリシーでの説明があるか

同じポリシーは、プライバシーポリシーで顧客のデータを第三者と共有していることを開示すること、法律やポリシーで必要な場合はその共有について同意を得ることを求めています。自社のプライバシーポリシーの記載を確かめ、判断に迷う場合は法務の担当者や専門家に確認しましょう。

参考:カスタマー マッチのポリシー(Google 広告ポリシー ヘルプ)

MAツールと広告の連携の方法

MAツールによって、広告の媒体と直接つなげる機能があるもの、顧客の一覧を書き出して広告の管理画面に取り込むものなど、連携の方法が違います。使っているMAツールの対応を確かめておきます。

MAと広告の連携の前に確かめる3つのことを並べたチェックリストの図

広告の成果の見方を変える

MAと広告をつなぐと、広告の成果を問い合わせの数で止めず、商談や受注まで含めて見られるようになります。

見る段階指標の例
獲得広告経由のリードの数、リード獲得単価
育成広告経由のリードのうち、関心が高まったリードの割合
商談広告経由のリードの商談化率、商談獲得単価
受注広告経由の受注の数と金額

獲得の数だけで判断しない

リード獲得単価の安い広告が、受注にもつながっているとは限りません。商談や受注まで追うと、獲得単価は高くても受注に結びつきやすい広告が浮かび上がることがあります。

判断までの期間を決める

BtoBでは、広告から来た見込み客が受注するまでに時間がかかります。受注まで追う場合は、どのくらいの期間で判断するかを決めておきましょう。

サイトでの行動をもとに広告を届ける

見込み客の連絡先を使わなくても、サイトでの行動をもとに広告を届ける方法があります。GA4のオーディエンスをGoogle広告で使う方法です。

GA4のオーディエンスをGoogle広告で使う

アナリティクスのヘルプによると、GA4のオーディエンスは、ディメンション、指標、イベントをもとに、条件を満たすユーザーを集めたものです。GA4とGoogle広告をリンクし、既定の設定のままにしておくと、オーディエンスがGoogle広告の共有ライブラリに表示され、広告のキャンペーンで使えるようになります。

たとえば、料金のページを見たのに問い合わせをしていない人、といった条件でオーディエンスを作れば、検討の後半にいる人に絞って広告を届けられます。MAの側で関心が高いと判定する条件と、オーディエンスの条件をそろえておくと、メールと広告で同じ段階の人に一貫した案内を届けられます。

作った時点からさかのぼれる範囲

同じヘルプは、新しいオーディエンスを作ると、Google広告向けには過去30日間に条件を満たしたユーザーが追加されるとしています。それより前の行動はさかのぼって集められないため、使う予定のオーディエンスは早めに作っておきます。

参考:オーディエンスの作成、編集、アーカイブ

ターゲット企業に絞って広告とMAを組み合わせる

BtoBでは、狙う企業をあらかじめ決めて、その企業の担当者に広告とMAで繰り返し接触する進め方もあります。営業が狙っている企業の一覧を起点に、広告で認知を広げ、MAで反応を拾い、営業が連絡する流れです。

狙う企業の一覧を営業と作る

まず、営業と一緒に狙う企業の一覧を作ります。既存の顧客に近い業種や規模の企業、過去に商談になったが受注に至らなかった企業などが候補です。

反応した企業を営業に知らせる

狙う企業の担当者がサイトを訪れた、資料をダウンロードした、といった反応をMAで拾い、営業に知らせます。知らせる内容には、どのページを見たか、どの資料をダウンロードしたかも添えます。広告で関心を持った企業が、どの段階で反応したかが分かれば、営業は話の切り出し方を変えられます。

一覧は定期的に見直す

狙う企業の一覧は作りっぱなしにせず、商談になった企業、反応の無い企業を定期的に見直します。反応が無い企業ばかりなら、狙う企業の条件か広告の訴求を見直すきっかけになります。

段階ごとの言葉と指標をそろえる

MAと広告をつなぐと、広告の担当、MAの担当、営業が同じ見込み客について話すことになります。段階を表す言葉と数え方を3者でそろえておかないと、同じ数字のつもりで違うものを比べてしまいます。

段階定義の例数える指標
リード連絡先が分かった見込み客広告経由のリードの数
関心の高い見込み客MAの条件で関心が高いと判定された人判定された数と割合
商談営業が商談として記録したもの商談の数と商談化率
受注契約に至ったもの受注の数と金額

定義は社内の資料に書き残し、条件を変えたときは変えた日を記録します。広告の管理画面、MA、SFAで同じ言葉を別の意味で使っていないかも、最初に突き合わせておきます。条件を変えた前後の数字は、そのままでは比べられないからです。

広告の費用を受注の単位で見直す

MAとつないで受注まで追えるようになったら、広告の費用を、受注1件あたりでも見るようにします。問い合わせ1件あたりの費用が同じでも、受注に至る割合が違えば、受注1件あたりの費用は大きく変わります。

費用の見方

広告ごとに、かかった費用を受注の数で割れば、受注1件あたりの広告費が出ます。受注の数が少ないうちは、商談の数で割った商談1件あたりの費用を使うと、ぶれの少ない比較ができます。広告の管理画面の問い合わせ1件あたりの費用と並べて見ると、どの段階で差が開いているかも分かります。

配分の見直し

受注1件あたりや商談1件あたりの費用で広告を並べ、成果につながりやすい広告に予算を寄せていきます。ただし、検討期間の長い商材では、受注までに時間がかかるため、直近の数字だけで予算を大きく動かさないようにします。

広告から来た見込み客の育て方

広告から来た見込み客は、検索や紹介で来た見込み客と比べて、自社のことをまだよく知らない段階にいることが多くなります。MAで育てるときは、広告で約束したことから話を始め、関心の高まりに合わせて営業に渡します。

広告で約束した内容と最初の案内をそろえる

広告で資料のダウンロードを案内したなら、最初のメールはその資料の読みどころから始めます。資料の中でとくに読んでほしい部分を示し、次に読むとよい資料やセミナーを1つだけ添えます。広告と最初の案内の内容がずれると、見込み客は何の連絡なのかが分からず、配信の停止につながります。

流入元ごとにシナリオを分ける

検索広告から来た見込み客は、すでに課題を自覚して解決策を探していることが多く、SNSの広告から来た見込み客は、まだ課題がはっきりしていないこともあります。前者には比較の材料や事例を、後者には課題に気づいてもらうための情報を先に届けるといった形で、最初の数回の内容を変えます。流入元をMAに記録しておけば、流入元ごとに届ける内容を変えられます。

関心の高まりで営業に渡す

料金のページを見た、事例の資料をダウンロードした、といった行動をきっかけに、営業に知らせる流れを作ります。広告から来た見込み客のすべてを営業に渡すと、検討の初期の見込み客まで連絡の対象になり、営業の手間が増えます。

マーケティング支援

個人情報の扱いで確かめること

MAの見込み客の情報を広告に使うときは、広告の媒体のポリシーに加えて、個人情報保護法の決まりも確かめます。判断が分かれる場面もあるため、迷うときは法務の担当者や専門家に相談しましょう。

利用目的を示しておく

個人情報保護法第21条は、個人情報を取得した場合、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに利用目的を本人に通知し、または公表しなければならないと定めています。広告の配信に使うことも含めて、プライバシーポリシーなどで利用目的を示しているかを確かめます。

個人関連情報の決まり

同法は、生存する個人に関する情報で、個人情報、仮名加工情報、匿名加工情報のいずれにも当たらないものを個人関連情報と定めています。第31条は、提供先の第三者が個人関連情報を個人データとして取得することが想定されるときは、本人の同意が得られていることなどを確かめずに提供してはならないとしています。サイトの閲覧の記録などを外部とやり取りする仕組みを使う場合は、この決まりに当たるかを確かめておきます。

参考:個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)

社内の役割分担を決める

MAと広告の連携は、広告の担当、MAの担当、営業の3者にまたがります。誰が何を担うかを決めておかないと、データの受け渡しのどこかで止まります。

担当担うこと
広告の担当広告のURLのパラメータ、顧客リストの取り込み、成果の取り込みの設定
MAの担当流入元の記録、広告経由の見込み客のシナリオ、営業に渡す条件
営業渡された見込み客への連絡、商談や受注の結果の記録

営業が商談や受注の結果を記録しなければ、広告に戻すデータも生まれません。記録の項目は、営業の手間が増えすぎないよう、商談になった日、受注した日、失注した日の3つ程度から始めます。3者で決まりを作り、記録の抜けがないかを定期的に確かめます。

連携でつまずきやすい点

MAと広告の連携でつまずきやすいのは、成果の二重の計上、クリックIDの受け取り漏れ、リストの分けすぎ、の3つです。

成果を二重に数える

広告の管理画面と、MAやSFAの両方で同じ成果を数えると、報告で合計したときに成果が実際より多く見えます。どの成果をどこの数字で報告するかを決めておきます。

クリックIDを受け取れていない

フォームの隠し項目の設定が漏れていると、クリックIDが保存されず、後から成果を取り込めません。設定した後に、広告から試しにフォームを送って、クリックIDが記録されているかを確かめます。フォームを作り直したときや、サイトを改修したときも、同じ確認を繰り返します。

リストを細かく分けすぎる

顧客リストを細かく分けすぎると、1つのリストの人数が少なくなり、更新の条件を満たしにくくなります。最初は大きな区分で作り、効果を見てから分けます。分けるときも、1つのリストの人数が条件を下回らないかを先に数えておきます。

広告の着地先のページを整える

MAと広告をつなぐと、広告の着地先のページは、見込み客の情報がMAに入る入口になります。入口が整っていないと、広告で集めた見込み客の情報が欠けたり、MAでの育成が始まらなかったりします。

広告で約束したことをページの最初に置く

広告で案内した資料やセミナーが、ページの最初に分かる形で載っているかを確かめます。広告とページの内容が違えば、見込み客はフォームまで進まずに離れてしまいます。

フォームの項目を絞る

フォームの項目は、育成と営業に使うものに絞ります。項目が多すぎると入力の途中で離れる人が増え、少なすぎると、MAで流入元や関心を判定する材料が足りなくなります。何をどの判断に使うかを書き出してから項目を決めます。

流入元を受け取る仕組みを入れる

広告のURLに付けたキャンペーンのパラメータや、Google広告のクリックIDを、フォームの隠し項目で受け取ってMAに保存する仕組みを入れておきます。ここが抜けると、広告からの見込み客かどうかを後から見分けられません。

MAツールの広告連携の機能を確かめる

使っているMAツール、またはこれから選ぶMAツールに、広告とつなぐための機能がどこまであるかを確かめます。機能が無い部分は、ファイルの書き出しと取り込みなどの手作業で補うことになります。

確かめる点理由
流入元の記録広告のパラメータやクリックIDを見込み客の情報として保存できるか
顧客リストの受け渡し広告の媒体と直接つなげるか、ファイルの書き出しが要るか
商談や受注の結果の受け渡しSFAとつなぎ、成果を広告に戻す流れを作れるか
広告経由の見込み客の判定流入元を条件にしたシナリオや判定を組めるか

手作業で補う部分が多いと、担当者が替わったときに続かなくなります。どこを手作業で行うのかを手順書にしておきましょう。手作業の頻度が月に何度も必要になるなら、連携の機能があるツールへの見直しや、データをつなぐ仕組みの導入を検討する時期です。

連携の効果を確かめる

MAと広告をつないだ効果は、受注までの数字がそろうまで時間がかかります。最初は途中の段階の数字で確かめ、受注の数字がたまってから評価し直します。

途中の数字で動いているかを見る

広告経由の見込み客のうち、MAで関心が高いと判定された割合や、営業に渡った数が増えているかを見ます。これらが動いていなければ、受注の数字を待つまでもなく、シナリオや判定の条件を見直します。

受注の数字で評価し直す

受注の数字がたまってきたら、広告ごとの受注1件あたりの費用を出し、つなぐ前と比べます。つなぐ前の受注が広告ごとに追えていなかった場合は、つないだ後の最初の期間を比較の起点として記録しておきます。比べるときは、同じ季節、同じくらいの広告費の期間を選ぶと、連携そのものの効果を見分けやすくなります。

MAと広告の連携が向いている会社

MAと広告の連携は、どの会社にも同じように効くわけではありません。見込み客の数、検討期間、営業の体制、広告費の規模によって、手間に見合う効果が出るかが変わります。

条件連携が向いている状態
見込み客の数広告から毎月一定の数の見込み客が来ている
検討期間問い合わせから受注までに時間がかかる
営業の体制見込み客を受け取る営業がいて、結果を記録している
広告費の規模広告の配分を見直す余地があるだけの費用をかけている

広告からの見込み客がまだ少ない段階では、顧客リストの人数の条件を満たしにくく、成果を広告に戻しても件数が少なすぎて最適化に使いにくくなります。見込み客の数が増えてから、顧客リストや成果の取り込みに広げても遅くはありません。その段階では、流入元を記録して受注まで追うところから始めるのが現実的です。

広告とMAを別々の会社に頼むとき

広告の運用とMAの設計を別々の会社に頼んでいる場合は、両者の間の受け渡しを社内で取りまとめます。どちらの会社も、相手の領域のデータには直接触れられないことが多いためです。

受け渡しで決めておきたいのは、広告のパラメータの付け方、顧客リストを作る頻度と担当、成果を広告に戻す頻度と担当、月ごとの報告で共有する数字の4つです。社内の担当者が両方の会社の報告を見比べ、数字が食い違っていないかを確かめる役割を持つと、連携が途切れにくくなります。

広告経由の見込み客の判定の仕方

MAでは、見込み客の行動や属性をもとに、関心の高さを判定する仕組みを作れます。広告から来た見込み客の判定では、どの広告から来たかと、来た後に何をしたかを分けて考えます。

来た経路だけで判定しない

検索広告から来たから関心が高い、と経路だけで決めると、試しに資料を見ただけの人まで営業に渡ってしまいます。経路は判定の材料の1つにとどめ、来た後の行動を重く見ます。

来た後の行動を重く見る

料金のページを見た、事例の資料をダウンロードした、セミナーに申し込んだ、といった行動は、検討が進んでいる手がかりになります。どの行動を重く見るかは、過去に商談になった見込み客がどんな行動をしていたかを営業と一緒に振り返って決めます。

接点の途切れた見込み客を広告で呼び戻す

MAに登録されているのに、メールを開かなくなった見込み客は少なくありません。こうした見込み客には、メールを送り続けるより、広告という別の経路で接点を作り直す方法があります。

一定の期間メールを開いていない見込み客を顧客リストにまとめ、新しい資料やセミナーの案内を広告で届けます。広告をきっかけにサイトに戻ってきたら、MAで再び育成のシナリオに戻します。同じ人に広告を出しすぎると印象を損ねるため、表示の回数や期間には上限を設けておきましょう。

始めるときの進め方

MAと広告の連携は、目的を1つ決める、流入元を記録する、小さく試す、の順で始めると無理がありません。

目的を1つ決める

3つの使い方のうち、まず何をしたいかを決めます。広告の成果を受注で見たいなら、流入元の記録から始めます。

流入元を記録する

広告のURLにキャンペーンのパラメータを付け、MAツールで流入元を記録できるようにします。

小さく試す

試す前に、広告のパラメータの付け方、関心が高いと判定する条件、営業に渡す条件を、社内の決まりとして書いておきます。決まりがないまま試すと、試した結果をほかの担当者が再現できません。

見込み客の情報を広告に使う場合は、まず対象を絞った小さなリストで試し、効果を確かめてから広げます。

MAと広告の連携の始め方を3つの手順で示したフロー図

よくある質問

MAと広告の連携についてよく挙がる疑問をまとめます。

MA広告とは広告の種類のことですか

広告の種類ではありません。MAツールの情報と広告をつなげて運用する使い方を指す言葉として使われています。

購入した営業リストを広告の配信に使えますか

Google広告のカスタマーマッチでは使えません。ポリシーで、使える顧客の情報を顧客が広告主に直接提供した情報に限っているためです。

MAツールがなくても広告の成果を受注まで追えますか

追えます。広告のURLにキャンペーンのパラメータを付け、問い合わせの記録とSFAなどで流入元を管理すれば、受注まで追えます。MAツールがあると、その間の育成の記録も一緒に残せます。

まとめ

MA広告とは、MAツールの情報と広告をつなげて運用する使い方です。見込み客の情報を広告の配信に使う、広告から来た見込み客をMAで育てる、広告の成果を商談や受注まで追う、の3つの使い方があります。

連携の前には、使ってよいデータか、プライバシーポリシーでの説明があるか、MAツールと広告の連携の方法を確かめます。広告の成果は、獲得の数だけでなく商談や受注まで含めて見ましょう。

手始めに、広告のURLにキャンペーンのパラメータが付いているか、MAツールに流入元が残っているかを確かめてみてください。

流入元の記録が整い、見込み客の情報を広告に生かす設計に進む段になったら、お問い合わせから連携の進め方を相談できます。

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執筆者情報

malnaブログ編集部

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