LLMOサービスを調べ始めると、支援会社の一覧記事とツールの比較記事が入り混じって出てきます。読み進めても、自社が最初に何を発注すればよいのかは見えてきません。料金の記載は要問い合わせが並び、稟議に載せる金額の目安も立たないままです。LLMOのサービスは、計測の道具を買う話、人手を借りる話、サイトを直す話がそれぞれ別物として存在しています。この違いを整理し、公式サイトで確認できた価格を確認日つきで並べたうえで、自社の状況からどの型を選ぶかを判断できるところまで進めます。AI検索での見え方に何から手を付けるか迷っている段階であれば、お問い合わせから現状をお聞かせください。
目次
LLMOサービスとは、AI検索での引用を増やすために外部から調達できる提供物の総称です
LLMOサービスとは、生成AIの回答で自社が引用・言及されやすい状態をつくるために、ツールや作業、知見という形で外部から調達できる提供物の総称です。同じLLMOという言葉でも、対策は自社がやること、サービスは買えるものを指します。この2つを分けると、検討の入口がはっきりします。
情報収集でつまずきやすいのは、サービスの名前が支援内容を表していない点です。LLMOコンサルティングという同じ名称のなかに、月1回のレポート提出だけの契約もあれば、記事の改修とサイトの実装まで含む契約もあります。名前ではなく、納品されるものが何かで見比べる必要があります。
調達できる提供物は、大きく5つの型に分かれます。
| 型 | 買っているもの | 解決する課題 | 価格の公開状況 |
|---|---|---|---|
| モニタリング・可視化ツール | 計測環境 | AI検索で自社が出ているか分からない | 公開しているツールがある |
| コンテンツ制作・改修代行 | 原稿と改修作業 | 引用される形に直す手が足りない | ほぼ非公開 |
| 技術実装 | サイト改修の作業 | AIが読める状態になっていない | ほぼ非公開 |
| 診断・監査 | レポートと優先順位 | どこから手を付けるか決められない | 一部が公開 |
| 内製化支援・研修 | 進め方と社内の実行力 | 外注を続ける前提を変えたい | ほぼ非公開 |
型が違えば、比較する項目も変わります。ツールなら計測できるAIモデルとプロンプト数、代行なら本数と単価、実装なら作業範囲と権限が判断材料です。型をまたいで金額だけを並べると、安く見えるほうを選んで必要な作業が抜けます。
生成AI時代の検索最適化を全体像から押さえたい場合は、次の記事で基本的な考え方を整理しています。
関連記事:AIOとは?生成AI時代のSEO最適化戦略と実践ステップを解説
LLMOサービスの5つの型と、それぞれが解決する課題
LLMOサービスの5つの型は、モニタリング・可視化ツール、コンテンツ制作・改修代行、技術実装、診断・監査、内製化支援・研修です。どの型もAI検索での見え方を良くする目的は共通していますが、解決している課題は違います。自社の詰まっている箇所と型が噛み合っていないと、契約しても状況は変わりません。
モニタリング・可視化ツールは見えていない状態を解消します
モニタリング・可視化ツールは、生成AIに一定の質問を定期的に投げ、自社や競合がどう言及されたかを記録し続けるSaaSです。手作業でChatGPTに質問して確かめる方法でも状況はつかめますが、回答は実行のたびに揺れます。1回きりの確認では変化を判断できません。
ツールが引き受けているのは、同じ条件で継続的に記録する部分です。追跡する質問文を登録しておくと、指定したAIモデルごとに言及の有無や引用元、競合の出現状況が蓄積されます。導入前はたまたま見かけた回答で一喜一憂していた状態が、導入後は月次で増減を語れる状態に変わります。
ただし、ツールは記事を書いてくれませんし、サイトも直してくれません。測定と改善は別の作業です。ここを混同すると、契約したのに何も変わらないという感想につながります。
コンテンツ制作・改修代行は書く手がない状態を解消します
コンテンツ制作・改修代行は、AIに引用されやすい構成の記事を新しく作る、または既存記事を直す作業を請け負うサービスです。生成AIは質問に対して端的に答えている箇所を拾いやすいため、結論の位置、見出しの粒度、表や定義文の有無が引用のされ方に影響します。
依頼できるのは、質問の設計から原稿の執筆、既存記事のリライト、事実確認までの範囲です。社内に書ける人がいても、既存記事が100本あって手が回らない状況は珍しくありません。その場合は新規制作ではなく、改修だけを切り出して依頼するほうが費用と効果の見合いが取りやすくなります。
注意したいのは、自社の一次情報を外部が代わりに持てない点です。導入事例の詳細や自社データの解釈は、社内でしか出せません。原稿は外注できても、事実の提供と最終確認は社内に残ると考えて体制を組んでください。
技術実装はAIが読めていない状態を解消します
技術実装は、AIのクローラーが本文を取得できる状態を整え、構造化データやサイト構成を実装するサービスです。JavaScriptに依存した描画で本文が読み取れない、robots.txtで特定のクローラーを拒否している。こうした状態は、コンテンツの質と無関係に露出を妨げます。
作業の中身は、レンダリング方式の変更、robots.txtやサイトマップの調整、構造化データの実装、パンくずや内部リンクの整理です。CMSの改修が必要な場面が多く、開発を担当している会社との調整が前提になります。制作会社が別にいるなら、実装をどちらが行うかを最初に決める必要があります。決めないまま進めると、提案だけが積み上がって着手できません。
なお、構造化データやllms.txtの実装は生成AIに引用されるための必須要件ではありません。実装すれば引用されるという説明を受けたときは、根拠を確認してください。
診断・監査はどこから手を付けるかを決めます
診断・監査は、現状の言及状況と技術面の状態を調べ、課題に優先順位を付けて渡すサービスです。スポットで依頼できる形が多く、外注範囲を決める前の判断材料として使えます。診断だけを先に買い、実行は自社で進める進め方も選べます。
診断の中身は会社によって幅があります。生成AIへの質問結果を集計するだけのものから、クロールの可否やサイト構成の点検、競合との比較まで含むものまで存在します。依頼するときは、何を測ったのかを再現できる形で受け取れるかを確認してください。測定条件が分からないレポートは、次の測定と比較できません。
内製化支援・研修は外注が終わらない状態を解消します
内製化支援・研修は、運用の進め方や判断基準を社内に移し、自走できる体制をつくるサービスです。LLMOはコンテンツの更新と計測を続ける性質の取り組みで、全量を外注し続けると費用が積み上がります。
支援の形は、運用ルールの設計、担当者向けの研修、定例での壁打ち、レポートの読み方の引き継ぎです。研修だけを単発で受けても、翌月から誰が何をするかが決まっていなければ元に戻ります。引き継ぎの範囲と、支援が終わったあとに残る成果物を契約時に決めておくことが分かれ目になります。
モニタリングツールの公開価格を公式サイトで確認しました(2026年8月13日時点)
モニタリング・可視化ツールの価格は、公式サイトに掲載しているツールと、問い合わせのみのツールに分かれます。以下は各ツールの公式ページを2026年8月13日に確認し、掲載されていた内容だけを記載したものです。価格は改定されることがあるため、検討時は公式ページで最新の情報を確認してください。
まず、確認できた範囲を一覧にします。掲載順は優劣ではありません。
| サービス | 提供元 | 公開価格(月あたり) | 備考 |
|---|---|---|---|
| Brand UP | 国内 | ベーシック7,980円、プロ50,000円 | エンタープライズは要相談 |
| DolphinX AIO | 国内 | ライト30,000円、プロ50,000円、ビジネス100,000円 | 税別・6ヶ月契約時 |
| AKARUMI | 国内 | 非公開 | プラン別の機能仕様は公開 |
| ミエルカGEO | 国内 | 非公開 | サービスページに料金の記載なし |
| 生成AI言及チェッカー | 国内 | 無料 | 登録不要の簡易チェック |
| Profound | 海外 | Starter 99ドル、Growth 399ドル | 年額請求時の表示価格 |
| Otterly.AI | 海外 | Lite 29ドル、Standard 189ドル、Premium 489ドル | 月払いの表示価格 |
| Peec AI | 海外 | 非公開 | プラン名のみ公開 |
| Ahrefs | 海外 | Lite 19,900円、Standard 38,400円、Advanced 68,900円 | ブランドレーダーを含む |
| Semrush | 海外 | AI Visibility Toolkit 99ドル | 年額請求・1ドメイン分 |
10件のうち、プラン単位の金額を公式ページで確認できたのは6件でした。無料で使える簡易ツールが1件、金額が非公開のものが3件という内訳です。
国内ツールで価格を公開しているもの
国内ツールで公式ページに金額を掲載していたのは、Brand UPとDolphinX AIOの2つでした。どちらも登録できるプロンプト数と対応するAIモデルの範囲でプランが分かれています。
Brand UPは、ベーシックが月額7,980円、プロが月額50,000円で、エンタープライズは要相談です。ベーシックは登録ドメイン1件と登録プロンプト10件で、対応するAIモデルはChatGPTとAI Overviews。プロは登録プロンプトが50件になり、GeminiとAI Modeが加わります。税込か税抜かの表記はページ上に見当たらなかったため、契約前の確認が必要です。
DolphinX AIOは、6ヶ月契約の場合にライトが月あたり30,000円、プロが50,000円、ビジネスが100,000円で、いずれも税別表示です。12ヶ月契約にすると月あたり27,000円、45,000円、85,000円になります。契約は6ヶ月以上が条件で、14日間の無料トライアルはクレジットカード不要と記載されています。
同じLLMOツールという括りでも、月額7,980円と月額10万円が同じ表に並びます。この差の大半は、登録できるプロンプト数、追跡できるAIモデルの数、競合として登録できる社数の違いです。金額の高低だけで判断せず、自社が追跡したい質問の数から必要なプランを逆算してください。
国内ツールで価格を公開していないもの
AKARUMIとミエルカGEOは、公式ページで金額を確認できませんでした。どちらも機能やプランの考え方は公開されているため、価格以外の比較は先に進められます。
AKARUMIは、ライト、スタンダード、エキスパートの3プランについて、ワークスペース数、ユーザー数、登録できるプロンプト数、計測対象のAIモデル、競合の登録社数が公開されています。ライトはワークスペース1・ユーザー3・プロンプト50件・競合5社、スタンダードはプロンプト100件・競合10社、エキスパートはプロンプト200件・競合20社という構成です。金額は無料トライアルの申し込みか問い合わせで案内される形になっています。
ミエルカGEOは、ChatGPTやGemini、AI Overviewsなどでのブランド露出をモニタリングし、コンテンツ改善につなげる位置づけのツールです。サービスページには機能の説明があり、料金表の掲載はありません。
価格が非公開であることは、そのまま高いという意味ではありません。プロンプト数やドメイン数で見積もる設計になっているため、対象範囲を伝えないと金額を出せないという事情があります。問い合わせの段階で追跡したい質問文の数と対象ドメイン数を先に伝えると、比較できる形の見積もりが返ってきます。
参考:料金(AKARUMI)
海外ツールの公開価格
海外ツールは、ProfoundとOtterly.AIが金額を公開しており、Peec AIはプラン名のみの掲載でした。表示されている通貨と請求サイクルが国内ツールと異なるため、条件を揃えて読む必要があります。
Profoundは、Starterが月額99ドル、Growthが月額399ドルで、いずれも年額請求時の価格として表示されています。Starterは追跡対象がChatGPTのみで50プロンプト、Growthは3つのアンサーエンジンと100プロンプトという内容です。Enterpriseはカスタム価格で、最大9つのアンサーエンジンへの対応やSSO、SOC2への準拠が挙げられています。月払いの金額はページに記載がありませんでした。
Otterly.AIは、月払いでLiteが29ドル、Standardが189ドル、Premiumが489ドルです。登録できるプロンプト数はそれぞれ15件、100件、400件で、Enterpriseはカスタムとなり1,000ドルからと記載されています。年払いにすると15%引きになり、Liteは25ドル、Standardは160ドル、Premiumは422ドル相当です。プロンプトを100件追加する場合は月99ドルというアドオンも用意されています。
Peec AIは、Starter、Pro、Advanced、Enterpriseという4つのプラン名と比較項目の見出しは公開されていますが、金額の記載はありませんでした。
海外ツールを検討するなら、日本語の質問文と日本のロケールでどこまで計測できるかを事前に確かめてください。対応するAIモデルの一覧は公開されていても、言語や地域ごとの精度は公開情報から判断できません。
既存のSEOツールの拡張として使う場合
既存のSEOツールにAI検索の追跡機能が追加されており、SEOの計測環境を持っている企業はここから始められます。AhrefsとSemrushは、いずれも公式ページで金額を確認できました。
Ahrefsは日本円表示のページで、Liteが月あたり19,900円、Standardが38,400円、Advancedが68,900円、Enterpriseが230,900円です。AI検索でのブランドの扱われ方を見るブランドレーダーはLite以上のプランに含まれ、追跡できるAIプロンプト数はLiteが5、Standardが10、Advancedが20と記載されています。より広く追跡する場合は、月あたり30,600円からのアドオンが用意されています。
Semrushは、AI Visibility Toolkitが1ドメインあたり月99ドルで、年額請求が前提の表示です。ヘルプページには、無料トライアルを提供していないこと、Brand Performanceのレポートが1ドメイン分であること、追加のドメインは各99ドル、プロンプトを50件追加する場合は月60ドル、メンバーの追加は99ドルという記載があります。コアのプラン料金は月払いでSEOが139ドル、Starterが199ドル、Pro+が299ドル、Advancedが549ドルです。
既存ツールの拡張から始める利点は、検索順位やクロールのデータと同じ画面でAI検索の動きを見られる点です。一方で追跡できるプロンプト数が数件から数十件にとどまる場合があり、質問のパターンを広く見たい段階では専用ツールのほうが向きます。
参考:AI Visibility Toolkit Pricing(Semrush)
参考:AI Visibility Toolkit(Semrush ヘルプ)
無料で確認できる範囲
無料で使える簡易チェックツールもあり、予算を確保する前の一次確認に使えます。オルグロー株式会社が2026年6月19日に提供を開始した生成AI言及チェッカーは、利用料金が完全無料で登録も不要と案内されています。
ブランド名と質問文を入力すると、AI Overviews、ChatGPT、Geminiの回答に自社名やサービス名が含まれているかを確認できます。同時に入力できる質問文は3つまでという仕様です。生成AIの回答は実行のタイミングや環境で変わるため、参考値として扱う前提のツールです。
無料ツールで分かるのは、ある質問に対して今この瞬間に名前が出るかどうかという1点だけです。継続的な増減や競合との差、引用元の分布まで見たい段階になると、有料のツールか支援会社のレポートが必要になります。それでも、想像と実際のずれを社内で共有する用途には十分に足ります。
参考:生成AI言及チェッカーの提供開始(オルグロー株式会社)
価格が公開されないサービスで、見積の前に決めておく条件
コンテンツ制作代行、技術実装、内製化支援は、公式サイトに金額が出ていないことがほとんどです。作業量が対象範囲で大きく変わるため、範囲を伝えないと見積もりが出ないという構造があります。裏を返せば、依頼側が範囲を決めて渡せば、比較できる見積もりが返ってきます。
見積が出ない理由は範囲が決まっていないことにあります
見積もりが出てこない場面の多くは、料金を隠しているのではなく、作業量を決める情報が足りていない状態です。記事の改修なら対象本数と1本あたりの分量、実装なら対象ページ数とCMSの種類、内製化支援なら対象者の人数と期間が分かれば、金額の根拠は組み立てられます。
依頼の段階で決めておく情報は、次の5つです。
- 対象範囲
- 改修するページ数、実装するサイトの規模、研修を受ける人数
- 期間
- 3ヶ月なのか1年なのか、いつまでに何が終わっている状態を目指すか
- 社内で担う作業
- 事実確認、記事の公開作業、CMSへの反映を誰がやるか
- 求める成果物
- レポート、原稿、実装済みのコード、運用ルールのどれが必要か
- 判断に使う指標
- 言及率、AI経由の流入、指名検索のどれを見るか
5つが埋まっていれば、同じ条件で複数社に依頼できます。埋まらない項目が多い段階では、診断だけを単発で買って範囲を決めるほうが早く進みます。
ツール費用が含まれているかを切り分けます
支援会社の見積もりには、モニタリングツールの利用料が含まれている場合と、自社で契約する前提の場合があります。ここが曖昧なままだと、契約後にツール費用が別途発生して予算が合わなくなります。
確認したいのは、レポートの元になるデータをどのツールで取得しているか、その契約は誰の名義かという2点です。支援会社の名義で契約している場合、契約が終わるとデータの履歴を引き継げないことがあります。測定データの所有者を契約前に決めておくと、支援を切り替えるときに過去との比較が途切れません。
実装作業がどちらの担当かを決めます
技術実装が必要な場面では、提案する側と手を動かす側が別になっていないかを確認します。構造化データの実装やレンダリングの変更は、CMSやサーバーを触る権限がないと進みません。
見積もりを受け取ったら、実装作業が支援会社の範囲に入っているか、自社の開発担当や制作会社に依頼する前提かを1行ずつ確かめてください。分かれていない見積もりは、着手後にうちの範囲ではありませんという説明が出てきます。支援会社の作業が指示書の作成までで終わる場合は、実装側の工数を別に見積もる必要があります。
自社の状況からサービスの型を選び分ける3つの質問
サービスの型は、自社の状況を3つの質問に当てはめると絞り込めます。欲しいものが数字か判断か作業か、社内に手があるか、サイトを触る権限があるか。この順番で答えると、最初に買うべき型が1つか2つに収まります。逆にこの3つが決まらないまま商談を重ねると、各社の説明の切り口に引きずられて判断軸がぶれます。

質問1 いま欲しいのは数字か、判断か、作業か
最初に切り分けるのは、欲しいものが数字なのか、判断なのか、作業なのかです。ここを曖昧にしたまま相談に入ると、必要のない範囲まで含んだ提案を受け取ることになります。
数字が欲しい段階ならモニタリングツールが合います。現状は把握しているものの優先順位を決められない場合は、診断・監査を単発で買うほうが早く進みます。やることは決まっていて手が足りないなら、制作代行か技術実装のどちらかです。
| 欲しいもの | 合う型 | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| 数字(今どう見えているか) | モニタリング・可視化ツール | 無料ツールで主要な質問を試す |
| 判断(何から直すか) | 診断・監査 | スポットの診断を1社に依頼する |
| 作業(記事・実装の手) | 制作代行または技術実装 | 対象本数とページ数を確定する |
| 体制(続ける仕組み) | 内製化支援・研修 | 担当者と月次の作業量を決める |
質問2 社内に見る人と書く人がいるか
2つ目の質問は、社内で継続して手を動かせる人がいるかどうかです。ツールは契約すれば動きますが、ダッシュボードを開いて解釈し、記事を直す人がいなければ数字が並ぶだけで終わります。
担当者を置けるなら、ツールを自社で契約して定点観測し、判断に迷う箇所だけ相談する形が費用を抑えられます。置けない場合は、計測から改善提案までを含む伴走型の支援を選ばないと施策が止まります。兼任の担当者が月に数時間しか割けない状況なら、ツールの契約より先に、誰がいつ見るかを決めるほうが順序として先です。
質問3 サイトを触る権限と手順があるか
3つ目は、サイトを改修する権限とリリースの手順が自社にあるかどうかです。技術実装のサービスは、権限がなければ提案書の段階で止まります。発注してから権限の所在を調べ始めると、着手までに1ヶ月以上かかることもあります。
確認するのは、CMSの管理権限を持っているのは誰か、robots.txtやテンプレートの変更に誰の承認が必要か、リリースの周期はどれくらいかという3点です。制作会社に運用を任せているなら、その会社に作業を依頼できるかを事前に聞いてください。権限の整理が済まないまま実装を発注すると、支払いは始まっているのに作業が進まない期間が生まれます。
改修に時間がかかる見通しであれば、先にコンテンツ側から着手する判断もあります。手を付けられる範囲から動かすほうが、権限の調整を待つより成果が早い場面は少なくありません。
malnaは、伴走型のWebマーケティング支援として、AI導入・コンサルティングおよびIT・DX分野で累計40社以上を支援してきました。どの型から着手するかの整理や、社内体制に合わせた進め方の設計からご相談いただけます。判断に迷う段階であれば、お問い合わせをご利用ください。
サービスを入れたのに動かない4つのつまずき
LLMOサービスの契約後につまずく箇所は、ツールを見る人の不在、追跡する質問の設計、代行への丸投げ、実装だけが先に進むという4つに集約されます。いずれもサービスの品質ではなく、社内の役割分担が決まっていないことから生じます。契約前に担当と順序を決めておけば避けられるものです。

契約したツールを誰も開かない
ツールを導入したのに誰もダッシュボードを開かない状態は、実際によく起こります。導入を決めた人と運用する人が別で、担当者の業務時間が確保されていない場合に生じます。
避けるには、契約前に見る人と見る頻度を決めておくことです。月次で誰が数字をまとめ、どの会議で共有するかまで決まっていれば、ツールは情報源として機能します。担当者が決まっていない段階なら、無料ツールで手動確認するところから始めるほうが無駄になりません。
追跡する質問文が実際の検索とずれている
モニタリングツールの精度は、登録する質問文で決まります。自社が言ってほしい言葉を並べても、見込み客が実際にAIへ投げる質問と違っていれば、測っている対象がずれます。
登録する質問文は、購買の手前で出てくる疑問の形に寄せてください。業界名とおすすめを組み合わせた問いだけでなく、費用はどれくらいか、他の手段との違いは何か、小規模でも導入できるかといった問いを含めると、実際の言及機会に近づきます。プロンプト数に上限があるプランでは、この選定が結果の質をそのまま左右します。
制作代行に任せきりで事実確認が抜ける
コンテンツ制作を外注する際に起こりやすいのは、原稿の事実確認が誰の担当でもない状態です。自社の製品仕様や実績値は社内でしか判断できないため、確認の工程を外注先に委ねると誤りが残ります。
対策は単純で、原稿の確認者と確認にかける時間を最初から工程に入れておくことです。ここを空欄にした進行計画は、公開直前に確認が集中して破綻します。生成AIは記述の正確さを含めて参照するため、誤りを含んだまま公開すると訂正の手間が二重にかかります。
技術実装だけが先に進んで中身が空になる
技術実装から着手して、肝心のコンテンツが手つかずのまま終わるパターンもあります。構造化データを整えても、参照される中身がなければ引用は増えません。実装は成果物が形になって見えるため、着手の順序を誤りやすい部分です。
実装とコンテンツは、どちらかを先に完成させる関係ではなく、並行して少しずつ進める関係です。まずクロールを妨げている要因を取り除き、次に主要なテーマのコンテンツを整え、そのうえで構造化データや内部リンクを詰めていく順序が現実的です。実装の提案だけが分厚い状態になっていたら、コンテンツ側の計画が抜けていないかを確認してください。
関連記事:AIOは本当に意味ない?SEOとの違いやメリットなどを徹底解説
ツールを契約する前に確認する5つの条件
モニタリングツールの契約で確認する条件は、請求サイクル、上限と追加課金、対応AIモデル、データの扱い、トライアルの5つです。公開価格が同じでも、この5項目で実質的な負担は変わります。表示価格を見て稟議を通したあとに条件が違って組み直す事態を避けるため、見積もりの段階で押さえておきたい項目です。
請求サイクルと最低契約期間
表示されている月額が、月払いの金額なのか年額請求を月で割った金額なのかを確認します。今回調べた範囲でも、ProfoundとSemrushは年額請求前提の価格表示で、DolphinX AIOは6ヶ月以上の契約が条件と記載されていました。
年額前提の価格を月払いに切り替えると単価が上がる場合があります。試験導入の期間を短く取りたいなら、月払いが選べるか、途中解約の扱いはどうなるかを見積もり時に確認してください。
プロンプト数・ドメイン数の上限と追加課金
上限の設計はツールごとに異なり、超えた分の追加料金も公開されています。Otterly.AIはプロンプト100件の追加が月99ドル、Semrushはプロンプト50件の追加が月60ドル、Brand Performanceの追加ドメインは各99ドルという記載でした。
複数ブランドや複数国を追跡する予定があるなら、この加算が本体価格を上回ることもあります。契約前に、追跡したい質問文の数、ドメイン数、拠点数を書き出してから見積もりを取ると、想定外の増額を避けられます。
対応するAIモデルと日本語での計測範囲
対応するAIモデルは、プランによって数が変わります。下位プランではChatGPTのみ、上位プランでGeminiやAI Overviews、Perplexity、Claudeが加わる構成が多く見られます。
海外製ツールでは、日本語の質問文と日本のロケールでの計測にどこまで対応しているかを、トライアル期間中に実際の質問文で確かめるのが確実です。
計測データの保持とエクスポート
蓄積したデータを外に出せるかどうかは、契約から数ヶ月経ってから効いてきます。CSVでのエクスポート、API連携、BIツールとの接続に対応していれば、社内のレポートに組み込めます。
解約後にデータを参照できなくなる仕様は珍しくありません。月次の推移を社内資産として残したいなら、定期的にエクスポートする運用をあらかじめ決めておいてください。支援会社経由で契約する場合は、契約名義とデータの引き継ぎ条件もあわせて確認します。
無料トライアルの有無と条件
トライアルの条件はツールごとに差があります。DolphinX AIOは14日間の無料トライアルでクレジットカード不要と記載され、SemrushのAI Visibility Toolkitはヘルプページで無料トライアルを提供していないと明記されています。
トライアルがあるなら、期間中に確認する項目を先に決めておくと判断が早くなります。自社の主要な質問文を10件ほど登録し、競合を並べて、レポートの粒度が社内共有に足りるかを見る。この3点が確認できれば、本契約の判断材料はそろいます。
よくある質問
LLMOサービスの検討で多い疑問は、費用の下限、無料での確認方法、ツールと支援会社の順番、効果の保証、海外ツールの日本語対応です。いずれも発注の前に社内で聞かれる論点で、答えを用意しておくと稟議が進みます。自社の状況に近いものから確認してください。
LLMOサービスは月いくらから始められますか
公式サイトで価格を公開しているモニタリングツールでは、月額7,980円のプランが確認できました(2026年8月13日時点)。一方でコンテンツ制作代行や技術実装、伴走型の支援は金額を公開していない場合がほとんどで、対象範囲を伝えて見積もりを取る形になります。予算の目安を立てる段階では、ツール費用と作業費用を分けて考えてください。
無料でAI検索での見え方を確認できますか
確認できます。ブランド名と質問文を入力して生成AIの回答に自社名が含まれるかを調べる無料ツールが公開されており、登録不要で使えるものもあります。生成AIに直接質問して回答と出典を記録する方法でも把握は可能です。ただし回答は実行ごとに変動するため、継続的な増減や競合との差を見る段階では有料ツールが必要になります。
ツールと支援会社は、どちらから始めるべきですか
社内に数字を見る担当者を置けるかどうかで決まります。担当者を置ける場合は、ツールを自社で契約して定点観測し、判断に迷う箇所だけ相談する形が費用を抑えられます。見る人を置けない場合は、計測と改善提案を含む支援を先に入れないと施策が止まります。どちらの場合も、対象テーマと期間を決めてから相談するほうが比較しやすくなります。
LLMOサービスを使えば、AIの回答に必ず表示されますか
表示を保証することはできません。生成AIの回答は質問の仕方やモデルの更新によって変わるため、掲載の確約は難しいのが実情です。表示を保証する説明を受けた場合は、測定方法と根拠を確認してください。サービスが提供できるのは、引用されやすい状態に近づける作業と、その変化を測る手段までです。
海外のツールは日本語のAI検索に対応していますか
対応の範囲はツールごとに異なります。対応AIモデルの一覧は公開されていても、日本語の質問文や日本のロケールでの計測精度は公開情報から判断できません。無料トライアルが用意されている場合は、自社の実際の質問文を登録して結果を確認するのが確実です。日本語のサポート窓口が必要かどうかも、あわせて検討してください。
まとめ
LLMOサービスは、モニタリング・可視化ツール、コンテンツ制作・改修代行、技術実装、診断・監査、内製化支援・研修の5つの型に分かれます。公式サイトで価格を確認できたのはモニタリングツールが中心で、今回調べた10件のうち6件がプラン単位の金額を公開し、1件が無料、3件が非公開でした。金額の幅は月額7,980円から10万円超まで開きますが、その差は追跡できる質問文の数と対応AIモデルの範囲でほぼ説明できます。
選ぶ順番は、欲しいものが数字か判断か作業かを決め、社内に見る人と書く人がいるかを確かめ、サイトを触る権限があるかを確認するという3段階です。この3つに答えられていれば、必要のない範囲まで含んだ契約を避けられます。無料の範囲で自社の主要な質問を試し、想像とのずれを見てから予算を組み立てる進め方が、最初の一歩として現実的です。
malnaは、戦略立案から実行、内製化までを伴走型で支援しています。どの型から着手するか、社内の体制に合わせてどう組み合わせるかを整理したい場合は、お問い合わせからご相談ください。
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