2025.07.16
リードナーチャリングで使えるツール8選 主な機能や種類をご紹介!
リードナーチャリングは、獲得した見込み顧客を育て、受注へとつなげる重要なプロセスですが、成果を出すにはいくつかのポイントを抑える必要があります。特にツールの活用は、顧客情報の管理や営業活動の把握・分析において欠かせない存在です。リードナーチャリングの成果を大きく左右するポイントのひとつと言えます。
本記事では、リードナーチャリングの基本から、目的別に選べるおすすめツール8選を紹介します。さらに、成果を出している企業が実践している「3つの原則」や、ナーチャリング体制を整えるための具体的なステップまで解説します。効果的なリードナーチャリングを行い、結果を出したい企業担当者は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
今さら聞けないリードナーチャリングとは
近年、特にBtoBマーケティングにおいて「リードナーチャリング」が注目されています。本章では、リードナーチャリングの定義と目的、そして現代のビジネス環境でなぜこれが必要なのかを解説します。
リードナーチャリングの定義と目的
リードナーチャリングとは、獲得したリードに対して、段階的に情報提供やコミュニケーションを行い、購買意欲を高めるプロセスです。目的は、リードが購入を決断するまでの間、最適な情報を届けて関係性を深め、商談や受注につなげることにあります。たとえば、ホワイトペーパーの提供やメルマガ配信、セミナー案内などを通じて、リードが必要とする情報をタイムリーに届けることで、信頼関係を築いていきます。ただの一方的な情報提供ではなく、リードの行動や反応をもとに次のアクションを最適化することが、リードナーチャリングの本質です。リードナーチャリングについて詳しく知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
BtoBリードナーチャリングで成果を出す4つのステップ|事例・ツール活用も紹介
なぜ今リードナーチャリングが必要なのか
近年、消費者の購買行動は多様化・複雑化しており、特にBtoBの領域では特にこの傾向が顕著に表れています。こうした変化に対応するためには、リードを獲得した後も長期間にわたって継続的に接点を持ちながら、検討フェーズに応じリードを購買まで育成していく必要があります。このような状況を踏まえ、「顧客の検討プロセスに寄り添いながら信頼を構築し、購買意欲を高めていく」リードナーチャリングが改めて注目されているのです。
リードナーチャリングで活用するツールの主な種類と機能
効率的かつ継続的にリードナーチャリングを行うには、ツールの活用が不可欠です。なかでも、マーケティングオートメーション(MA)、顧客管理(CRM)、営業支援(SFA)の3つは、その中心となる代表的なツールです。それぞれの特徴と役割を把握し、適切に組み合わせることが成果につながります。
MA(マーケティングオートメーション)
MAは、見込み顧客の行動を可視化し、最適なタイミングでアプローチを自動化するツールです。たとえば、資料請求をしたリードに自動でフォローメールを配信したり、スコアが一定値に達したら営業に通知したりといった活用が可能です。主な機能として、フォーム作成、ステップメール、スコアリング、Webアクセス履歴の可視化、コンテンツ配信の最適化などがあり、リードの育成を自動かつ継続的に行うツールです。適切な情報を適切なタイミングで届ける仕組みを整えることで、リードナーチャリングの効率が飛躍的に向上します。
CRM(顧客管理)
CRMは、顧客情報の一元管理を通じて、顧客ごとのニーズや行動履歴を把握するためのツールです。商談履歴や対応状況、属性情報、過去の接触履歴などを蓄積・共有することで、顧客理解を深め、より的確なリードナーチャリングにつなげることができます。また、CRMはマーケティング部門と営業部門の「橋渡し」としても有効です。たとえば、マーケティングで獲得したリードの履歴が営業部門でも即座に把握できることで、タイムラグや情報のズレを防ぎ、スムーズなフォローアップにつながります。営業活動全体の質を高めるためにも、CRMの活用は不可欠です。
SFA(営業支援)
SFAは営業活動を記録・分析するツールで、商談管理やアクションログ、タスクの進捗状況などをデジタルで一元管理できます。これにより、営業チーム全体の行動を可視化し、属人化を防ぎながら効率的な営業活動をサポートしてくれます。リードが営業に引き渡された後のフォローアップや、商談の進捗管理、顧客へのアプローチ履歴などの一元管理にも役立ちます。マーケティング部門が育てたホットリードを確実に成約へと導くためにも、SFAとの連携は極めて重要です。特に、リードナーチャリングの最終成果を上げるためには、営業活動の精度を高めるSFAの導入が有効です。
各種ツールの違いとツール同士の連携
MA、CRM、SFAはそれぞれ異なる役割を担いながらも、連携させることで相乗効果を発揮します。たとえば、MAでリードの行動を把握・スコアリングし、一定の条件を満たした段階でCRM経由でSFAに引き渡すといった流れが一般的です。各ツールを独立して使うのではなく、業務プロセス全体に沿って統合的に運用することが、リードナーチャリングの成果を最大化させることにつながります。
【目的別】おすすめリードナーチャリングツール8選
自社に合ったツールを選ぶには、企業の規模や業種に応じた選定が不可欠です。ここでは、初心者向けから大企業向け、LINEなどチャネル特化型、無料で使えるツールまで、目的別に厳選した8つのリードナーチャリングツールを紹介します。
初心者でも使いやすいツール
「初めてリードナーチャリングツールを導入する」「専任担当がいない」「ITリテラシーが高くない」といった企業にとっては、操作がわかりやすく、最低限の機能から始められるツールが最適です。ここでは、初期コストを抑えながらも、効果的なナーチャリング施策をスタートできるツールを紹介します。
BowNow
出典:マーケティングオートメーション BowNow(バウナウ)
BowNowは、国産のマーケティングオートメーションツール(MAツール)で、無料プランから始められる手軽さが魅力です。シンプルなUI設計で、ITリテラシーの高くない担当者でもスムーズに操作できます。主な機能にはフォーム作成、メール配信、スコアリング、アクセスログの分析などがあり、BtoBの中小企業に特に人気があります。営業連携を重視した設計も特徴です。
List Finder
出典:マーケティングオートメーションList Finder(リストファインダー)
List Finderも国産のMAツールで、BtoB企業の導入実績が豊富です。ステップメール配信やスコアリングはもちろん、企業データベースとの連携により、未登録ユーザーの企業属性も把握可能です。営業部門との連携を想定した画面設計とシンプルな操作性で、導入・定着がしやすい点が評価されています。サポート体制も手厚く、運用に不安のある企業でも安心して導入を進められるのが魅力です。機能を最小限に絞った設計ながら、必要なリードナーチャリング施策をしっかり実行できるため、初期導入フェーズに最適なツールとなっています。
高機能で大企業向けツール
マーケティング体制が整っており、より高度で多機能なツールを必要とする大企業では、汎用性と拡張性を備えたハイエンドなMAツールが最適です。ここでは、大企業での本格運用に適した2つのツールをご紹介します。
SATORI
SATORIは、匿名リードの管理ができる点が大きな強みです。Web上の行動履歴をもとに、リードの興味関心を可視化し、匿名の段階からアプローチが可能です。広告連携、セミナー管理、シナリオメールなど、多彩な機能を備えており、リード育成の幅が広がります。柔軟なカスタマイズ性もあるため、大企業やマーケティング体制が整っている企業に向いています。
Adobe Marketo Engage
出典:Marketo Engageマーケティングオートメーション | Adobe Experience Cloud
Marketo Engageは、Adobeが提供する世界的に有名なMAツールで、グローバルでの導入実績も豊富です。複雑なシナリオ構築や、SalesforceなどのCRMとの高い連携性が特徴です。ABM(アカウントベースドマーケティング)にも対応しており、大企業における精緻なリードナーチャリング設計に適しています。多言語対応や権限管理機能も充実しており、グローバルなチームでも活用可能です。
LINEなどのチャネル特化型ツール
近年、メールだけでなく、LINEやWeb接客など複数チャネルを活用したコミュニケーションが注目されています。特にtoCビジネスにおいては、ユーザーが日常的に使用するチャネルでの接点がリードナーチャリングの効果を高めます。ここでは、LINEやWeb接客に特化した2つのツールを紹介します。
KARTE
出典:CX(顧客体験)プラットフォーム【KARTE(カルテ)】
KARTEは、Webサイト上でのユーザー行動をリアルタイムに解析し、リードごとに最適な体験を提供できるツールです。LINEやメール、ポップアップなど多くのチャネルでの接触が可能で、ユーザー属性や過去の行動に基づいた細かなセグメント配信が得意です。ECサイトやSaaSサービス、会員制ビジネスとの相性が良く、Web接客の最適化を目指す企業に支持されています。
MicoCloud
出典:Mico Engage AI(ミコエンゲージAI:旧MicoCloud)| LINEマーケティングツール
MicoCloudは、LINE特化型のMAツールで、LINE公式アカウントを使ったリードナーチャリングに最適です。セグメントに応じたシナリオ配信、配信効果の分析などが簡単に行えます。LINE上でのユーザーアクションをもとに、購買フェーズごとのコミュニケーションが可能になるため、toC向け商材を扱う企業やカスタマーサポート用途にも向いています。また、同じくLINEを活用したツールとしては、Lステップも有名です。より細かな条件分岐やCRM連携、教育業界や美容サロンなどの現場に特化した活用が可能な点が特徴です。自社の運用スタイルに合ったLINEツールを選ぶ際は、それぞれの機能や導入実績を比較することが重要です。Lステップについては、以下の記事で詳しく解説していますので併せてご確認ください。
【2025年度版】Lステップとは?┃LINE公式との違いから、できること、運用時の注意点まで徹底解説!
無料で試せるツール
「まずはコストを抑えて始めたい」「いきなり高機能なツールを使いこなせるか不安」という企業にとって、無料で試せるツールがおすすめです。ここでは、特に評判の高い2つの無料ツールをご紹介します。
HubSpot
HubSpotは、無料で利用できる範囲が広いのが特長で、フォーム作成、ステップメール、CRM連携など、リードナーチャリングに必要な基本機能を網羅しています。UIが洗練されており、初心者でも操作しやすく、拡張機能も豊富です。将来的に有料プランへとスケールアップしたい企業にとっても、無駄なく移行できる設計がされています。
ferret One
出典:BtoBマーケティングのリード獲得をまるっと支援|ferret(フェレット)
ferret Oneは、CMS機能とMA機能が一体化したツールです。Webサイト制作、コンテンツ管理、フォーム作成、メール配信までをワンストップで行えるため、「リードナーチャリングだけでなくWeb集客全体を強化したい」という企業におすすめです。特にリード獲得から育成、商談化までを一貫して支援する設計が、中小〜中堅企業に好評です。
ツール選びで失敗しない!成果を出す企業が実践している3つの原則
リードナーチャリングで成果を出すには、ツールの導入そのものよりも「どう活用するか」が重要です。多くの企業がMAツールやCRMを導入しても、期待した効果が得られない理由は、運用の根幹にある考え方や体制の整備に課題があるからです。ここでは、成果を出している企業に共通する3つの実践原則を紹介します。
成果が出ない企業に共通する3つの原則
多くの企業がリードナーチャリングに取り組む中で、成果につながらない共通の落とし穴も存在します。それは「戦略」「体制」「コンテンツ」という3つの基本要素が欠けている、あるいは整備されていないことです。以下では、具体的にどのような課題が成果を妨げているのかを見ていきましょう。
1. 戦略設計を曖昧にしない
まず重要なのは、「誰に、どのような価値を、どのタイミングで届けるのか」という設計を明確にすることです。これが曖昧なままだと、ツールの機能を活かしきれず、思いつきでメールを配信したり、営業部門への引き渡しが曖昧になってしまいます。リードナーチャリングでは、ペルソナ設計や購買までの意思決定プロセスの整理、フェーズごとの情報設計が必要です。成果を出す企業は、この戦略設計にしっかり時間をかけています。
2. 組織と運用体制を整える
リードナーチャリングはマーケティング部門だけの仕事ではありません。営業部門との連携がとれていないと、せっかく育てたリードが放置され、成果に結びつきません。そのため、部門間でのSLA(サービスレベルアグリーメント)を明確にし、役割分担とKPIの共有を行うことが欠かせません。さらに、実際の運用を担うメンバーのスキルやリソースも考慮し、無理なく回る体制をつくることが重要です。
3. 継続的なコンテンツ提供を仕組み化する
リードは1回の接点では購買に至りません。興味・関心・比較検討とフェーズが進む中で、各段階に応じた有益なコンテンツを提供することで、信頼を築いていきます。具体的には、ホワイトペーパー、事例記事、FAQ、動画、セミナーなどを整備し、リードの行動履歴やスコアに応じて自動配信する仕組みをつくります。成果を出している企業は、このコンテンツ運用に継続的に投資し、リードナーチャリングの仕組みを改善し続けています。
外部の力を借りるという選択肢
「自社でナーチャリングを構築したいが、手が回らない」「どこから始めればよいかわからない」といった声は多くの企業で聞かれます。戦略設計、ツール選定、コンテンツ制作、営業連携といったこれらを社内リソースだけで完結するのは簡単ではありません。そのような場合は、マーケティング支援の専門パートナーに伴走を依頼するのも有効な選択肢です。特に、BtoBに強みを持つ支援会社であれば、戦略設計からツール活用、運用支援まで一貫して対応してくれるため、スピード感を持って成果を出すことが可能です。
malnaでは、BtoB企業を中心に、リード獲得からナーチャリング、商談化までを一貫して支援しています。戦略設計やペルソナ・カスタマージャーニーの設計はもちろん、ツール選定やホワイトペーパーなどのコンテンツ制作、営業部門との連携設計まで、社内にリードナーチャリングの体制を根づかせるところまで伴走します。「成果の出る仕組みを短期間で構築したい」「まずは相談してみたい」と感じたら、ぜひ一度malnaのマーケティング支援をご活用ください。
まとめ
リードナーチャリングは、単なるツールの導入ではなく、戦略設計や体制構築、そして継続的な運用体制の整備が重要なプロセスです。本記事では、リードナーチャリングの基本的な考え方から、目的別のおすすめツール、そして成果を出すための3つの原則を網羅して紹介しました。しかし、「ツールは導入したものの、運用が続かない」「戦略設計や人手が追いつかない」など、課題を抱えるマーケティング担当者も少なくありません。その場合は、まずは一度、外部の力を取り入れる選択肢も検討してみてください。
malnaでは、BtoB企業のマーケティング課題を根本から見直し、リード獲得からナーチャリング、商談化までを一気通貫でサポートする体制を整えています。リードを育てて成果につなげたい企業の方は、ぜひ以下より詳細をご覧ください。
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