2026.10.16
展示会の効果とは|出展で得られる5つの効果と成果の測り方を解説
展示会で名刺はたくさん集まったのに、その後の商談や受注につながったのかが見えない。出展の費用に見合う効果があったのかを、社内でうまく説明できない。展示会の担当者が抱えやすい悩みです。

目次
展示会の効果は、名刺の枚数だけでは測りきれないことがあります。ここでは、展示会の5つの効果、名刺から受注までの段階ごとの測り方、効果を上げる準備・当日・事後の進め方、出展費に使える公的な補助制度を順に解説します。
BtoBの商材を扱い、展示会への出展を考えている、または出展の効果を見直したいマーケティング担当者や営業部門の方を想定しています。
展示会をほかの集客の手法とどう組み合わせるかは、malnaの新規リード獲得戦略の支援で一緒に整理できます。
展示会とは、来場者と対面で接点をつくる場です
展示会とは、特定の業界やテーマに関心を持つ来場者が集まる場で、出展者がブースを設けて商品やサービスを紹介する催しです。
日本展示会協会のパンフレット(2024年版)によると、2023年の国内のBtoB展示会の開催件数は882件、来場者数は9,647,380人でした。データは株式会社ピーオーピーの調べです。
参考:データとグラフで見る 国内B to B展示会(日本展示会協会 パンフレット2024年版)
大きな展示会の来場の規模
個別の展示会の規模は、主催者が公開している来場者数から分かります。たとえばRX Japanの発表によると、2026年4月8日から10日に東京ビッグサイトで開かれたJapan IT Week【春】などの同時開催の4展の来場者数は、3日間の合計で51,370名でした。速報値で、1人が複数日来場した場合は日数分を数えた延べの人数です。
日本能率協会のTECHNO-FRONTIER 2026の公式サイトには、440社・842ブースの出展と、3日間で33,637名の来場があったと掲載されています。同サイトは来場者分析として、役職者の来場が4割以上、購入に関わる人の来場が6割以上としています。主催者による分析で、調べ方や回答の数は公開されていません。
こうした数字は、出展先を選ぶときの目安になります。同じ会場で複数の展示会が同時に開かれる場合は、来場者の数がどの展示会の分なのかも確かめます。ただし来場者の数が多いことと、自社のターゲットが多く来ることは同じではありません。来場者の業種や職種、役職の内訳を、主催者の資料で確かめましょう。
参考:TECHNO-FRONTIER 公式サイト(日本能率協会)
展示会とほかの手法の違い
展示会は、短い期間に見込み客と対面で会える機会を持てることが特徴です。その一方で、出展の準備に時間と費用がかかり、開催の時期も主催者の予定に左右されます。
| 観点 | 展示会 | Webでの手法(記事、広告など) |
|---|---|---|
| 接点の数 | 会期の数日間に集中する | 時期を選ばず続けられる |
| 伝え方 | 実物や実演で、対面で伝えられる | 文章や画像、動画で伝える |
| 準備 | ブース、資料、人員の手配が要る | 制作や設定が要る |
| 時期 | 主催者の開催の予定に合わせる | 自社で時期を決められる |
展示会で接点をつくり、その後の関係をWebの手法やメールで育てる、という組み合わせにすると、それぞれの弱みを補いやすくなります。展示会の開催の時期が限られる分、会期の外の時期はWebの手法で接点を保つ、という考え方です。
展示会の5つの効果
展示会の効果は、新しい接点をつくる、対面で説明できる、既存顧客との関係を深める、市場の声を集める、案件を前に進める、の5つに分けられます。
| 効果 | 中身 |
|---|---|
| 新しい接点をつくる | まだ取引のない企業の担当者と名刺を交換する |
| 対面で説明できる | 実物や実演で、資料だけでは伝わりにくい点を説明する |
| 既存顧客との関係を深める | 取引先を招き、新しい商品を紹介する |
| 市場の声を集める | 来場者の質問や反応から、関心の高いテーマを知る |
| 案件を前に進める | 検討中の企業と会場で具体的な話を進める |
新しい接点をつくる
展示会では、まだ取引のない企業の担当者と一度に多くの名刺を交換できることがあります。テーマに関心を持って足を運んだ人と会えるので、接点のない相手に電話をかけるより会話の入口をつくりやすくなります。
対面で説明できる
実物を手に取ってもらったり、実演を見てもらったりできるのは、展示会で得やすい効果です。資料やウェブサイトだけでは伝わりにくい商材では、この効果を生かしやすくなります。
既存顧客との関係を深める
既存の取引先を招き、新しい商品を紹介する場としても使えます。普段の訪問では会えない担当者と会えることもあります。
市場の声を集める
来場者からの質問や、どの展示の前で人が足を止めたかは、市場の関心を知る材料になります。次の商品開発や訴求の言葉の見直しに生かせることがあります。
案件を前に進める
すでに検討を進めている企業と会場で会い、具体的な話を進めることもできます。

展示会の成果の測り方
展示会の成果は、名刺の枚数で止めず、名刺から受注までの段階ごとに数字を置いて測ります。段階を分けておけば、どこで止まっているのかも同時に見えやすくなります。
| 段階 | 指標の例 |
|---|---|
| 接点 | 名刺交換の枚数、そのうちターゲットに合う割合 |
| フォロー | 展示会の後に連絡がついた数 |
| 面談 | 面談や商談に進んだ数 |
| 見積もり | 見積もりの依頼の数 |
| 受注 | 受注の数と金額 |
名刺をランク分けする
名刺を、すぐに商談になりそうな相手、情報を集めている段階の相手、今は関心が薄い相手といったランクに分けておくと、その後のフォローの優先順位をつけやすくなります。
段階ごとの数字を記録する
段階ごとの数字を記録しておくと、どこで止まっているかが分かりやすくなります。名刺は多いのに面談に進まないなら、フォローの仕方を見直す余地があります。
受注までの期間を見込む
BtoBでは、展示会で出会った相手が受注に至るまでに時間がかかることがあります。展示会の効果を判断する時期を、事前に決めておきましょう。
なお、展示会の名刺から商談や受注に進む割合は、商材や展示会によって違いが出やすいため、自社の過去の出展と比べることが現実的です。
出展する展示会の選び方
展示会の効果は、どの展示会に出るかによって変わることがあります。来場者の層、主催者の資料、出展の費用、開催の時期の4つを比べて選びます。
来場者の層が合っているか
自社のターゲットの業種や職種、役職の人が多く来場するかを確かめます。過去に出展した同業や近い業種の会社があれば、その会社がどの展示会に出ているかも参考になります。主催者が公開している来場者の分析や、出展を検討する企業向けの資料に、来場者の内訳が載っていることがあります。
主催者の資料を読む
主催者の資料には、前回の来場者数や出展者数、来場者の内訳が載っていることがあります。数字の数え方、たとえば延べの人数か、同じ人を1人と数えているかも確かめておきます。
費用と時期が合っているか
出展料に加えて、ブースの装飾や資料の印刷、人員の交通費などがかかります。出展料の申込みの締切が会期のかなり前に設けられていることもあるため、出展を検討し始める時期も早めにします。開催の時期が、新しい商品の発売や営業の繁忙期と重なっていないかも確かめます。
ブースでの見せ方
ブースでは、通りがかった来場者に、短い時間で何の会社で誰の役に立つのかを伝える必要があります。伝えたいことを詰め込むより、伝えることを絞ったほうが足を止めてもらいやすくなります。
一言で伝えることを決める
ブースの看板やパネルには、誰のどんな課題を解決するのかを一言で書きます。遠くからでも読める大きさで書き、細かな説明は近づいてくれた来場者に口頭で伝えます。製品の名前や機能の一覧より、来場者が自分ごととして受け止められる言葉を選びます。
実物や実演を用意する
実物を手に取ってもらう、実演を見てもらうといった、展示会で生かしやすい見せ方を用意します。資料を渡すだけなら、Webでも伝えられるためです。実物を持ち込めない商材なら、導入の前後の変化が分かる事例のパネルや、短い動画で補います。
話しかけ方と聞き取りの項目を決める
ブースに立つ人が、来場者にどう話しかけ、何を聞き取るかを事前に決めておきます。聞き取りの項目がそろっていれば、名刺のランク分けと事後のフォローを具体的にしやすくなります。
出展の費用の内訳
展示会の費用は、出展料だけでなく、ブースの準備、配布物、人員にかかる費用を合わせて考えます。
| 費用 | 中身 |
|---|---|
| 出展料 | ブースの小間の料金 |
| ブースの準備 | 装飾、展示する機材や見本の運搬 |
| 配布物 | 資料やカタログの印刷 |
| 人員 | ブースに立つ人の人件費と交通費 |
| 事後のフォロー | 連絡や資料送付にかかる時間 |
人員と事後のフォローの費用は、支払いが発生しないため見落とされることがあります。会期の数日間に営業が通常の業務から離れることも、費用の一部として考えます。成果と比べるときは、これらも含めて1件の商談や受注にかかった費用を出します。
社内の体制と役割
展示会は、準備、当日、事後の3つの段階で、関わる人が変わることがあります。段階ごとの担当を決めておくと、事後のフォローの遅れを防ぎやすくなります。
| 段階 | 主な担当 | 担うこと |
|---|---|---|
| 準備 | マーケティング | 出展の手続き、ブースと資料の準備、事前の案内 |
| 当日 | 営業とマーケティング | 来場者への説明、聞き取りと記録 |
| 事後 | 営業 | 名刺のランクごとの連絡、商談の設定 |
とくに事後のフォローは、会期が終わった直後の営業の予定を空けておかないと、ほかの業務に押されて遅れやすくなります。出展を決めた時点で、事後の数日間の予定を押さえておきます。
聞き取った内容を記録する
ブースで聞き取った内容は、名刺と結び付けて記録します。記録がなければ、後から名刺を見ても、どんな話をしたのかを思い出しにくくなります。
記録の項目は、相手の課題、検討の時期、関心を持った製品や話題、次の約束の4つが目安です。項目を決めた用紙や入力の画面を用意しておくと、忙しいブースでも短い時間で記録しやすくなります。記録は、会期中にその日のうちに整理しておくと、事後のフォローに使いやすくなります。名刺の読み取りや入力の作業を誰がいつ行うかも、会期の前に決めておきます。
海外の展示会に出るとき
海外の展示会への出展では、日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援を使う方法もあります。ジェトロの公式サイトによると、ジェトロが主催または参加する海外の見本市や展示会のジャパンブースへの出展を支援しており、対象の見本市や展示会によって異なるものの、出展経費の一部を補助するとしています。
日本の企業がまとまって出展する形のため、単独で出展するより手続きの負担を軽くできると説明されています。海外の展示会を検討するときは、出展の支援が予定されている見本市の一覧を確かめましょう。
段階ごとの目標の置き方
展示会の目標は、名刺の枚数だけでなく、名刺から受注までの段階ごとに置きます。段階ごとの目標があれば、会期の後にどこで止まっているかが分かりやすくなります。
目標は、受注に近い段階から置き、そこに至るまでに必要な面談や名刺の数を考える、という順番で決めます。
目標の数は、自社の過去の出展の記録から考えます。過去の記録があれば、名刺から面談、面談から見積もりへと進んだ割合を使って、受注の目標から必要な名刺の数を見積もれます。記録が無い初めての出展では、目標の数より、段階ごとの数字を記録することを優先し、次の出展の目標づくりに生かします。
名刺のランク分けの基準
先に触れた名刺のランク分けは、ブースでの会話をもとに、その場で決めておくと事後のフォローを早めやすくなります。次の表は、ランクごとの基準と事後の対応の一例です。
| ランク | 基準の例 | 事後の対応 |
|---|---|---|
| A | 具体的な課題があり、検討の時期が近い | 会期の直後に営業が連絡し、面談を設定する |
| B | 課題はあるが、検討の時期は先 | 資料を送り、メールで情報を届け続ける |
| C | 情報を集めている段階、またはターゲット外 | お礼の連絡と、今後の案内の同意の確認 |
基準は、自社の商材の検討の進み方に合わせて決めます。会期の後に、ランクごとの商談の結果を見て、基準が合っていたかを振り返ります。ランクの基準を当日ブースに立つ全員でそろえておかないと、人によって判断がばらつきやすくなり、事後の対応の優先順位が崩れるおそれがあります。
事前の案内で来場を増やす
展示会では、会期の前の案内も準備しておきます。既存の見込み客や取引先に、出展することと、ブースで何を見られるかを案内しておくと、来場のきっかけになることがあります。
案内には、会場と小間の場所、展示の見どころ、ブースで相談できることを書きます。主催者が来場の登録の仕組みを用意している場合は、その案内も添えると、相手の来場の手間を減らせます。来場の予約を受け付けておけば、ブースでの説明の担当を割り振りやすくなり、検討の進んだ相手と落ち着いて話しやすくなります。
事後のフォローの進め方の例
事後のフォローは、会期の直後から、ランクごとに順番を決めて進めます。次の表は進め方の一例です。
| 時期 | すること |
|---|---|
| 会期中 | その日の名刺と記録を整理し、ランクを確かめる |
| 会期の直後 | Aランクの相手に営業が連絡し、面談の日程を調整する |
| 数日以内 | 全員にお礼の連絡を送り、Bランクの相手に資料を送る |
| その後 | Bランクの相手に情報を届け続け、反応があれば営業に渡す |
名刺交換をした相手にメールで案内を送るときは、後の見出しで取り上げる特定電子メール法の決まりに沿って送ります。受信拒否の通知を受けた相手には送らないよう、配信の仕組みに反映しておきます。

効果を社内に報告する
展示会の効果を社内に報告するときは、段階ごとの数字と、かかった費用を並べます。名刺の枚数だけを報告すると、次の出展の判断材料になりにくくなります。
報告には、出展の目的、段階ごとの目標と実績、費用の合計と1件の商談あたりの費用、うまくいったことと次に直すことを入れます。ブースに立った人の気づきも添えると、数字では分からない来場者の反応が伝わりやすくなります。商談や受注の数は会期の直後には確定しないことが多いため、一定の期間がたってから追加で報告する形にしておきます。
オンラインの展示会
展示会には、会場に出展する形のほかに、オンラインで開かれる展示会や商談会もあります。移動や装飾の費用を抑えられる一方で、実物を手に取ってもらうといった対面のような見せ方はしにくくなります。
小規模事業者持続化補助金の公募要領では、対象経費の展示会等出展費に、オンラインによる展示会や商談会を含むとしています。オンラインの展示会に出る場合も、来場者の層、目標、事後のフォローの考え方は、会場に出展する場合と同じように整理できます。
東京都の市場開拓助成事業
東京都には、展示会出展助成事業のほかに、展示会への出展などの販売促進の費用を助成する市場開拓助成事業もあります。東京都の報道発表によると、令和8年度の市場開拓助成事業は、国内の展示会、海外の展示会、オンラインの展示会を対象に、出展小間料、資材費、輸送費などの展示会等参加費を必須として、助成限度額300万円、助成率2分の1以内で助成するものです。
令和8年度の電子申請の受付は、2026年5月15日から5月29日までで、すでに終わっています。助成の対象になる商品やサービスにも条件があります。次の年度の募集を検討する場合は、東京都や東京都中小企業振興公社の発表を確かめてください。
参考:令和8年度 市場開拓助成事業 募集開始のご案内(東京都)
名刺の情報を顧客の管理に取り込む
展示会で集めた名刺と記録は、会期の後に、SFAやMAツール、顧客の一覧など、社内で顧客を管理している仕組みに取り込みます。名刺が担当者の手元に残ったままだと、ほかの部署の人が状況を確かめられず、フォローの漏れや重複した連絡が起きやすくなります。
取り込むときは、どの展示会のどの年の出展で出会ったかを、流入元として記録しておきます。流入元が残っていれば、後から商談や受注の数を展示会ごとに集計でき、出展を続けるかの判断に使えます。すでに取引のある会社や、以前から接点のある見込み客の名刺は、新しい接点と分けて数えます。分けておかないと、新しい接点の数が実際より多く見えるおそれがあります。取り込みの作業は、誰がいつまでに終えるかを決めておきます。取り込みが遅れると、その間はAランクの相手への連絡の状況も共有しにくくなります。
効果が出にくいときの見直し
段階ごとの数字を並べると、どこで止まっているかに応じて見直す点が変わります。次の表は、止まっている段階と見直す点の一例です。
| 止まっている段階 | 見直す点 |
|---|---|
| 名刺が集まらない | 出展する展示会の選び方、ブースでの見せ方、事前の案内 |
| 名刺はあるが面談に進まない | 事後の連絡の速さ、ランク分けの基準 |
| 面談はあるが見積もりに進まない | ブースで話しかける相手の条件、聞き取りの項目 |
一度にすべてを変えると、何が効いたのかが分かりにくくなります。次の出展で変える点を絞り、その段階の数字がどう変わったかを確かめます。変えた点と結果は、次の出展の担当者にも引き継げるよう記録に残します。
出展を続けるかを判断する
展示会への出展は、1回の結果だけで続けるかを決めず、数回の結果を並べて判断します。同じ展示会でも、年によって来場者の層や、自社の準備の出来が変わることがあるためです。
判断の材料にするのは、1件の商談あたりの費用、商談から受注に進んだ割合、受注までにかかった期間の3つです。既存の取引先との関係を深めることが目的の出展なら、取引の継続や追加の注文も判断の材料に加えます。ほかのリード獲得の手法と同じ単位で比べ、展示会のほうが費用に見合っているかを確かめます。費用に見合っていない場合も、すぐにやめるのではなく、出展する展示会、ブースでの見せ方、事後のフォローのどこを変えれば改善しそうかを先に考えます。
出展の前に確かめる一覧
出展の準備の漏れを防ぐため、次の項目を出展の前に確かめます。
| 確かめる項目 | 中身 |
|---|---|
| 目的と目標 | 5つの効果のどれを狙い、段階ごとの目標はいくつか |
| 来場者の層 | 主催者の資料で、ターゲットが来場するか |
| ブースの見せ方 | 一言で伝えることと、実物や実演の用意 |
| 聞き取りと記録 | 聞き取りの項目と、記録の用紙や画面 |
| 事後のフォロー | ランクの基準、連絡の担当と期限 |
| 補助制度 | 使える制度と、申請の時期 |
補助制度を使う場合は、申請の時期と、出展の申込みや支払いの時期の関係に注意します。小規模事業者持続化補助金の公募要領では、出展料などの支払日が交付決定日より前のものは補助の対象外とされています。
展示会で集めた情報の扱い
展示会では、名刺やアンケートで来場者の個人情報を受け取ります。受け取った情報を何に使うのかを示し、決めた範囲で使うことが基本です。
個人情報保護法第21条は、個人情報を取得した場合、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに利用目的を本人に通知し、または公表しなければならないと定めています。また同条第2項は、本人から直接、書面(電磁的記録を含む)で個人情報を取得する場合は、あらかじめ本人に利用目的を明示しなければならないとしています。ブースで配るアンケートや、名刺と引き換えに資料を渡す場面では、受け取った情報を今後の案内に使うことを示しておきましょう。判断に迷う場合は、法務の担当者や専門家に相談します。
ブースに立つ人の準備
ブースに立つ人の準備も大切です。誰が立つのか、何を話すのか、どう記録するのかを、会期の前にそろえておきます。
話す内容をそろえる
ブースに立つ全員が、同じ言葉で自社の強みを説明できるようにします。来場者からよく受けそうな質問と答えを一覧にして、事前に読み合わせておくと、説明のばらつきを減らしやすくなります。
役割を分ける
来場者に声をかける人、詳しく説明する人、記録を整理する人と、役割を分けておくと、混み合う時間帯でも来場者を待たせにくくなります。詳しく説明する人には、商材に詳しい営業や技術の担当を置くと、その場で具体的な質問に答えやすくなります。少人数で出展する場合は、混み合う時間帯の前後に交代で休憩を取れるよう、予定を組んでおきます。
会期中に振り返る
会期が複数日ある場合は、1日の終わりに、足を止めてもらえた説明と、そうでなかった説明を振り返ります。翌日の話しかけ方や展示の見せ方に反映すれば、会期中にも効果を高めやすくなります。
展示会とWebの手法をつなぐ
展示会の効果を高める方法の一つは、会期の前後でWebの手法とつなぐことです。展示会で会った相手は、後日あらためてサイトで情報を確かめることがあるため、サイトの側の受け皿も整えておきます。
会期の前には、自社のサイトやメールで出展を案内し、会期の後には、ブースで紹介した内容をサイトでも見られるようにしておきます。ブースに来られなかった見込み客にも、同じ内容を届けられます。展示会で配った資料やチラシに載せるURLには、キャンペーンのパラメータを付けておくと、展示会をきっかけにした訪問を見分けられます。展示会で名刺を交換した相手が、その後どのページを見て問い合わせたかが分かれば、事後のフォローの内容も具体的にできます。
小さな会社が展示会に出るとき
人員や予算の限られた会社が展示会に出るときは、狙う相手と見せるものを絞り、事後のフォローに力を残すことを優先します。
大きなブースを構えるより、自社のターゲットが多く来る展示会を選び、小さめの小間で、一言で伝わる展示を用意します。当日に人手を使い切ってしまうと、事後のフォローが遅れやすいため、会期の後の数日は営業の予定を空けておきます。地域の展示会や業界の商談会は、来場者の層が絞られている場合があり、初めての出展の場として検討しやすい選択肢です。
公的な補助制度を使う場合は、申請の時期と出展の時期が合うかを先に確かめます。補助制度は公募の回ごとに条件と日程が変わるため、使えそうな制度を早めに調べておきましょう。
効果を上げる準備・当日・事後の進め方
展示会の効果は、準備、当日、事後の3つの段階で進め方を決めておくことで高めやすくなります。
準備|目的と目標の数字を決める
出展の目的を決め、名刺の枚数、面談の数、見積もりの依頼の数など、段階ごとの目標を決めます。誰に来てほしいかを決め、既存の見込み客や取引先に事前に案内します。
当日|会話の記録を残す
ブースで話した内容を、その場で記録します。相手の課題、検討の時期、次の約束を残しておくと、事後のフォローを具体的にしやすくなります。
事後|ランクごとにフォローする
展示会が終わったら、名刺のランクごとにフォローします。すぐに商談になりそうな相手には会期の熱が冷めないうちに連絡し、情報を集めている段階の相手には資料やメールで情報を届け続けます。
名刺交換した相手にメールで案内を送る場合は、特定電子メール法のルールを確かめておきましょう。総務省と消費者庁のパンフレットは、名刺などの書面で自分のメールアドレスを通知した相手には、同意がなくても広告宣伝メールを送れる例外があるとしています。ただし受信拒否の通知を受けたら送れなくなります。
参考:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント(総務省・消費者庁)

出展費に使える公的な補助制度
展示会の出展費には、公的な補助制度を使える場合があります。条件や日程は公募の回ごとに変わるため、申請の前に最新の公募要領で確かめてください。以下は2026年10月時点の内容です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金の一般型通常枠では、展示会等出展費が対象経費に含まれています。第20回公募の公募要領(第8版、2026年7月21日)によると、補助上限は50万円、補助率は3分の2で、申請の受付は2026年11月5日から12月15日17時までの予定です。
対象は小規模事業者で、審査があります。国の補助で出展料の一部の助成を受けているものや、支払日が交付決定日より前のものなどは対象外です。商工会地区と商工会議所地区で窓口が分かれています。
東京都の展示会出展助成事業
東京都は、令和8年度の展示会出展助成事業として、展示会参加費などを助成限度額150万円、助成対象経費の3分の2以内で助成しています。受付期間は令和8年4月1日から令和9年1月14日までの年10回です。
対象は、指定の経営分析を受け、この助成の利用が有効と認められた都内の中小企業者などに限られます。

よくある質問
展示会の効果についてよく挙がる疑問をまとめます。
展示会の効果はどのくらいで分かりますか
段階によって違います。名刺の枚数は当日に分かりますが、商談や受注は、検討期間によって時間がかかることがあります。判断する時期を事前に決めておきましょう。
名刺の枚数が多ければ展示会は成功ですか
そうとは限りません。ターゲットに合う名刺の割合と、その後に面談や見積もりに進んだ数を見て判断します。
展示会の出展費に補助金は使えますか
使える場合があります。小規模事業者持続化補助金では展示会等出展費が対象経費に含まれ、東京都にも展示会出展の助成事業があります。条件と日程は最新の公募要領で確かめてください。
まとめ
展示会の効果は、新しい接点をつくる、対面で説明できる、既存顧客との関係を深める、市場の声を集める、案件を前に進める、の5つです。成果は名刺の枚数だけでなく、名刺から受注までの段階ごとに数字を置いて測ります。
効果を高めるには、準備と事後のフォローが要になると考えられます。目的と目標の数字を決め、会話の記録を残し、名刺のランクごとにフォローしましょう。出展費には、条件が合えば公的な補助制度も使えます。
手始めに、前回の展示会の名刺の枚数と、その後に面談や見積もりに進んだ数を並べてみてください。
止まっている段階が見え、次の出展までにフォローの流れを組み直したくなったら、お問い合わせから進め方を相談できます。
関連記事:【2025年版】展示会コンサル会社おすすめ11選|名刺が商談につながる費用対効果の高い選び方

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