2025.01.31
【管理シート付き】ABM(アカウントベースドマーケティング)の始め方:失敗しないための6ステップ

本記事では、ABM(アカウントベースドマーケティング)の始め方や始めるために必要な情報を解説しています。具体的な管理シートも添付いたしますので、あわせて活用してください。
目次
ABMとは
アカウントベースドマーケティング(Account Based Marketing、以下ABM)は、特定の企業や組織をターゲットとして、カスタマイズされたマーケティング施策を展開する戦略的アプローチです。
従来の幅広いターゲットに向けたマーケティングとは異なり、ABMは攻める「アカウント(企業/担当者)」を特定し、その企業/担当者の特性や課題に合わせた個別のアプローチを行います。
ABM≠手紙施策
ABMは、しばしば「特定企業への手紙送付」と混同されがちですが、これは大きな誤解です。ABMの本質的な違いは以下の点にあります:
- ・戦略的アプローチ
- ◦単なる手紙送付は一方向のコミュニケーションに留まりますが、1つの企業に受注していただくために練られる包括的な戦略を指します。
- ・マルチチャネル展開
- ◦手段としてもメール、SNS、ウェブサイト、イベントなど、複数のチャネルを統合的に活用します。もちろんこの中に手紙も入っています。
なぜABMが注目されているのか?
近年、ABMが注目を集めている背景には、以下のような要因があります:
- デジタル化の進展 : テクノロジーの発展により、特定企業の詳細な行動データの収集と分析が可能になりました。これにより、よりパーソナライズされたアプローチが実現可能になっています。
- 意思決定プロセスの変化 : BtoBの購買における意思決定者が増加し、複雑化しています。ABMは、この複雑な意思決定プロセスに効果的にアプローチする手法として評価されています。
- ROIの向上 : 従来の幅広いターゲティングと比較して、ABMはより高いROIを実現できることが実証されています。Alteraグループの調査によれば、97%の企業が「ABMは他の施策に比べて高いROIを示している」と答えています。
引用 : MarkeZine「「他の施策より高いROI」と評価の高い注目手法“ABM”、マルケトが語る“実践のための4ステップ”」
このように、ABMは現代のビジネス環境に適応した、効果的なマーケティング戦略として注目を集めています。しかし、その成功には適切な戦略立案と実行が不可欠です。
ABMの進め方とは?
ABMの進め方は大きく下記5つの流れで進みます。
- ・0 : ABM実施の可否検討
- ・1 : ターゲット企業/キーマン特定
- ・2 : 訴求整理/アタック開始
- ・3 : 連絡先獲得
- ・4 : アポ獲得
今回はその1つ1つを細かく説明していきます。
また、今回はABM施策に特化したスプレッドシートを作成しましたので、ぜひご利用ください。
Account Based Marketing(ABM)シートはこちら (登録不要)
シートをうまく活用いただければ、E列のステータスが勝手に変更され、KPI管理ができる優れものです。
ぜひご活用ください。
ABMの必要性を判断する
まずは、ABMが自社のサービスにフィットするのかを確認します。
1番重要なことはLTV(顧客生涯価値)です。LTVとは、ある顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間にどれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標でして、LTVが低い商材を扱っている会社はABMに向きません。(俗にいう薄利多売です。)
理由としては、1社を受注するにあたって割けるコストが必然的に低くなるため、個別ごとにアプローチ方法を変えて、人件費が多くかかるABMは向かないからです。
具体的には、下記のようにLTV/1件受注するために許容できるマーケティングコスト割合/商談→受注率を用いて、1件の商談を獲得するために許容できるマーケティングコストを算出した上で判断すると良いです。
おおよそ、1件の商談を獲得するために許容できるマーケティングコストが100,000円を超える場合はABMにフィットする可能性が高いです。
例) 許容コスト算出例
- ・1件受注あたりのLTV : 2,000,000円
- ・1件受注するために許容できるマーケティングコスト割合 : 20%
- ◦1件受注するために許容できるマーケティングコスト : 400,000円
- ・商談→受注率 : 25%
- ◦1件受注するために必要な商談数 : 4件
- ・1件の商談を獲得するために許容できるマーケティングコスト : 100,000円
対象の顧客の条件を整理する
ABMをやると決めた場合は、まずは顧客をリストアップするために自分たちが獲得したい顧客の属性を整理します。
- ・これまで受注した企業の属性
- ・売上が見込める企業の属性
- ・課題が大きい(成約確度が高い)企業の属性
上記などの観点をもとに、アタックする売上規模や業種・業界・社員数・所在地などを属性で整理します。
対象の企業をデータベースで一覧化する
上記で、ターゲットする企業の属性を整理できたならデータベースツールを使って、具体的な企業をリストアップしましょう。
上記サービスなどを使うことがおすすめです。
リストアップしたら、自社のSFA/CRMなどに入れましょう。
今回に関しては、ABMに特化したスプレッドシートを作成しましたので、ぜひご利用ください。
Account Based Marketing(ABM)シートはこちら (登録不要)
シート上でA列の部分に対象とする企業を一覧で記載しましょう。
対象企業のキーマンを特定する
ターゲットとなる企業の洗い出しが完了したら、次はその企業のキーマンを特定しましょう。
その企業のどのような人が、キーマンになりうるのかは「対象の顧客の条件を整理する」と同様に、考えると良いです。
上記の形でキーマンの属性が決まり次第、インターネットで検索や人脈をフル活用して、その属性のキーマンが誰なのかを見つけにいきましょう。かなり地道な作業が必要になりますが、適切なキーマンを洗い出すことが、かなり重要になります。
キーマンを特定できた場合は、Account Based Marketing(ABM)シートのB〜D列を埋めましょう。
ここまでの作業によってキーマン特定が完了です。
訴求整理/アタックを開始する
キーマンが特定できたのでしたら、まずはそのキーマンに対しての訴求を整理しましょう。
会社のIR情報やプレスリリース、業界動向などを参考にしつつ、その会社が抱えている課題を特定し、その上でその課題を自社のサービスならどう解決することができるのかを整理します。
会社が「私たち、ここが困ってます!助けてください!」と書いているケースは少ないですので仮説ベースで書きましょう。
上記が書けましたらSNSでのDMや手紙の送付、オフライン接触など、キーマンの電話番号・メールアドレスなどがない状態でもコンタクトを取れる方法を選んでアタックを開始しましょう。
上記の内容は、Account Based Marketing(ABM)シートのF〜H列を埋めましょう。
ここまでの作業によって訴求整理/アタックまでが完了です。
連絡先獲得/アポ獲得
基本的には、さまざまな仮説/手法を用いて訴求整理/アタックを繰り返していくことになります。
その上で連絡をしていく中でその人のメールアドレス/電話番号を獲得することができるケースがあります。メールアドレス/電話番号を獲得することによって、メルマガの配信が可能ですし、良いタイミングでお電話をしてアポの打診が可能となります。
連絡先を獲得し、よりさまざまな仮説/手法を用いてアタックすることで、最終的にアポを獲得することができます。
アポが獲得できれば、いったんABM的には終了となります。
上記の内容は、Account Based Marketing(ABM)シートのF〜H列を埋めましょう。
ABMで見るきKPIとは?
KPI計測準備(コスト編)
ABMで計測するKPIのうちには”アポ獲得単価”などの、使ったコストを計算するものがあります。
何件のキーマンを特定できたか?何件のキーマンの電話番号を獲得できたのか?などと同じようにコストの情報も蓄積しましょう。
上記の内容は、Account Based Marketing(ABM)シートのコストシートのA〜B列を埋めましょう。
ABMで見るべきKPI
ABMで見るべきKPIは複数あり、Account Based Marketing(ABM)シートのKPIシートの部分にも10個以上おいております。
その中でも特に下記のKPIが重要な数値です。
- ・ターゲット企業数
- ☞自社が狙う企業の総数を把握できます。
- ・キーマン特定数/キーマン特定率
- ☞自社が狙う企業のうちキーマンを何人特定できているのかを把握できます。
- ・連絡先獲得数/連絡先獲得率
- ☞自社が狙う企業のキーマンのうちを何人の連絡先を特定できているのかを把握できます。
- ・アポ獲得数/アポ獲得単価
- ☞ABM施策経由で、何件のアポイントが獲得できて、1件のアポイント獲得に、何円かかったのかがわかります。
自社でも目標の数値を立てつつ、上のKPIを管理していきましょう。
さいごに
ABMは、ターゲット企業に対して戦略的にアプローチする効果的なマーケティング手法です。本記事で解説した6つのステップと提供したABM管理シートを活用することで、効率的なABMの実践が可能となります。
特に重要なポイントは以下の3つです:
- ・適切な企業選定
- ・キーマン特定の徹底した調査
- ・KPIに基づく継続的な改善
まずは小規模から始めて、PDCAを回しながら自社に合った形でABMを展開していくことをお勧めします。
なお、本記事で紹介したAccount Based Marketing(ABM)シートは、無料/登録なしで使用いただけます。ぜひ実践にお役立てください。
無料相談はこちら