2024.11.04
【事例付き】B2Bのマーケティングチームが設定すべきKPIとは?
はじめに
今日のB2Bマーケティングは、複雑化する購買意思決定プロセスと長期的な顧客関係構築の両立が求められています。
そんな中で、施策の効果を正しく測定し、戦略の方向性を示す羅針盤となるのが適切なKPI設定です。
本記事では、B2Bマーケターが押さえるべき重要業績評価指標(KPI)とその設定アプローチについて、実践的な視点から解説していきます。
KPIとは
KPIとは、Key Performance Indicator(キーパフォーマンス インジケーター)の略で、「重要業績評価指標」と訳される定量的な指標のことです。
組織や事業の目標達成に向けた進捗を測定するための具体的な評価指標であり、最終目標であるKGI(Key Goal Indicator)を達成するために、日々の業務やプロジェクトのパフォーマンスを数値化して管理します。
KPIを設定する理由とは
KPIを設定する最も重要な理由は、目標達成に向けた進捗状況を明確に可視化できることです。数値による客観的な進捗管理により、現状と目標とのギャップを正確に把握することが可能となります。これにより、必要に応じてタイムリーな軌道修正を行うことができ、より効率的な目標達成が実現できます。
また、KPIの設定は、効果的なPDCAサイクルの実践を可能にします。具体的な数値指標があることで、実施した施策の効果を客観的に評価でき、改善すべきポイントを明確に特定することができます。このデータに基づいた改善活動により、より効果的な事業運営が可能となります。
B2B企業のマーケティングチームが見るべきKPIとは
上記でお伝えしたKPIに関してですが、具体的にB2B企業のマーケティングチームがどのようなKPIを設定する必要があるのかをお伝えします。
まずは、それぞれマーケティング部署の目標とB2B企業の特性をお伝えさせていただければと思います。
B2B企業のマーケティングチームの目標とは?
B2B企業の営業フローを語るにはThe modelをまずは理解する必要があります。
The modelでは、営業プロセスを4つの専門部門に分けることで、効率的な業務遂行を実現します。 具体的には以下の部門が連携してビジネスを推進します。
- マーケティング部門
- インサイドセールス部門
- フィールドセールス部門(外勤営業)
- カスタマーサクセス部門
それぞれの部門ごとにKGI/KPIを設定し、それぞれがKPI数値を達成することによって、最終的に1つの事業として目標を達成することになります。
例)全体目標 : 今季の最後に現在50社の受注顧客を100社まで伸ばす
・カスタマーサクセスの目標:現在の50社を受注顧客のうち40社を継続に導く
・フィールドセールス部門(外勤営業)の目標:100件の案件から新規で60社の契約を獲得する
・インサイドセールス部門の目標:1,000件の見込み顧客から100件の案件を生み出す
・マーケティング部門の目標:1,000件の見込み顧客を創出する
マーケティング部門は基本的に、インサイドセールスが案件を創出するために、お電話をする先である見込み顧客を作ることが部門としてゴールになるケースが多いです。
具体的なKPIの設定例を紹介
前章でB2B企業のマーケティングチームは「インサイドセールスが案件を創出するために、お電話をする先である見込み顧客を作ること」と伝えさせていただきました。
上記の見込み顧客獲得数が1章でお伝えしたKGI(Key Goal Indicato)になります。
それでは、そのKGIに対してどのようなKPIを設計していけば良いのかを説明していこうと思います。
マーケティング部署が見るべきKPI
①直接インサイドセールスがアプローチできるニーズ顕在層のリード獲得数
基本的に、まずは直接獲得できる見込み顧客数です。
こちらはオーガニックでの流入やリスティング広告経由の流入などのユーザーが、能動的にサービスのことを調べて獲得したケースのことを指します。
このような顧客はそのままインサイドセールスにトスアップすることが可能ですので、マーケティングチームのKGIに直結すると言っても良いです。
まずは、こちらを目標数値として伸ばしていくことが一番重要ではありますが、ニーズ顕在層は数が限られております。そのため事業を伸ばしていくためには、下記の②/③などのKPIも設置して改善を進めていく必要があります。
②ニーズ潜在層のリード獲得数
ニーズ潜在層のリードに対しては、基本的にはインサイドセールスはコールをすることができません。そのため、このリード獲得数はKGIに直接寄与するわけではございません。一方で①のところでお伝えしたとおり、ニーズ顕在層の数には限りはございますので、ニーズ潜在層の方を獲得して、さまざまなコンテンツを送ることでユーザーをニーズ顕在層に変化させる必要があります。
上記の理由より、こちらもKPIに基づいて設計して施策運営をしていく必要があります。
③ニーズ潜在層からニーズ顕在層への転換数
②で獲得したニーズ潜在層をインサイドセールスがお電話することができるニーズ顕在層に引き上げる部分を指しており、ニーズ潜在層→ニーズ顕在層の転換率をKPIに置くことが多いです。
詳細の数値イメージなどは以降でご説明させていただきます。
数値設定イメージ
基本的には数値は上記のように立てるケースが多いです。
具体的には下記を参考に考えていただけますと幸いです。
- 直接インサイドセールスがアプローチできるニーズ顕在層のリード獲得数
- KPI : リード獲得目標数 / 予算 / CPA
- ニーズ潜在層のリード獲得数
- KPI : リード獲得目標数 / 予算 / CPA
- ニーズ潜在層からニーズ顕在層への転換数
- KPI : ニーズ潜在層→ニーズ顕在層の転換率
件数や予算などは過去実績をもとに、何を改善すればどれくらい数値を上乗せできそうなのか?という視点で考えると良いと思います。
まとめ
B2Bマーケティングにおいて、適切なKPIの設定は複雑化する購買プロセスに対して、長期的な顧客関係構築に欠かせません。マーケティング部門のKPIは、インサイドセールスが直接アプローチ可能な見込み顧客(ニーズ顕在層)の獲得を主とし、限られた顕在層に加え、ニーズ潜在層を育成して顕在層へと転換することも重要な目標です。
具体的なKPI設定例としては、以下が挙げられます:
- ニーズ顕在層リード獲得数:オーガニック流入やリスティング広告での直接リード獲得
- ニーズ潜在層リード獲得数:見込み顧客の育成を目的としたリード獲得
- ニーズ潜在層から顕在層への転換数:ニーズ潜在層のリードを顕在化し、インサイドセールスのアプローチ可能な状態に引き上げる転換率
詳細の数値設定などに苦労することもあると思いますが、ぜひわからないことがあればmalna株式会社にお問い合わせください。
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