ホワイトペーパーとは?BtoBでの役割と6つの型、成果が出る使いどころ

BtoBのリード獲得を調べていくと、必ずホワイトペーパーという言葉に行き当たります。お役立ち資料と言い換えられることもあれば、白書という直訳が並ぶこともあり、結局どういう資料を指すのかが定まらないまま話だけが進んでいきます。

目次

つまずくのは、その先の判断です。自社サービスの紹介資料とは何が違うのか、どの型を作れば検討中の相手に届くのか、作ったあとに何が起きるのか。ここが埋まらないと、社内で企画を通すことも、外部に依頼内容を伝えることもできません。

本記事では、ホワイトペーパーの定義と語源、BtoBで必要とされる理由、6つの型、担う役割と効果、配布する場所ごとの使いどころ、成果が出ないときの原因という順で整理します。数値は調査主体と時期が確認できる調査だけを使い、確認できない相場や体感値は扱いません。

リード獲得の施策を任され、まず何を作るべきかの判断から迷っている段階でしたら、同じ地点から企画を組み立ててきた立場でご相談を承ります。施策の組み立て方を相談するところから始められます。

ホワイトペーパーとは、見込み顧客の課題解決に役立つ情報をまとめた資料です

ホワイトペーパーとは、見込み顧客が抱える課題の解決に役立つ情報をまとめ、連絡先の登録と引き換えに提供するBtoB向けの資料です。自社サービスの宣伝ではなく、相手の業務上の困りごとに答える情報を主役に据える点が、他の営業資料と分かれる出発点になります。

呼び方は現場によってさまざまです。お役立ち資料、DL資料、リード獲得資料といった言い方が混ざりますが、指しているものはおおむね同じだと考えて差し支えありません。読み手にとっては無料で受け取れる情報であり、提供する側にとっては匿名の閲覧者を連絡可能な相手に変える接点にあたります。ひとつの資料が二重の性格を持つところに、この施策の設計の難しさがあります。

語源は政府が発行する白書です

ホワイトペーパーという語は、もともと政府が政策の方針や現状をまとめて公表する報告書、つまり白書を指す言葉です。英国政府は現在も政策文書をWhite Paperという名称で公開しており、日本でも総務省が情報通信白書や地方財政白書などを刊行しています。

共通しているのは、発行者が根拠を示しながら現状と方向性を説明するという文書の性格です。売り込みではなく、読めば状況が理解できる資料として設計されています。BtoBマーケティングで使われるホワイトペーパーも、この性格をそのまま引き継いでいます。

似た名前の文書として、暗号資産やブロックチェーンのプロジェクトが公開するホワイトペーパーがあります。こちらは技術仕様や設計思想を記した技術文書で、本記事で扱うマーケティング資料とは別のものです。検索結果に両方が混ざるため、社内で話す際は前提を揃えておくと混乱を避けられます。

参考:White Papers(GOV.UK・Get Britain Working White Paper)

参考:白書(総務省)

サービス資料との違いは、主語が誰かにあります

サービス資料との違いは、資料の主語が自社か読み手かという点にあります。サービス資料の主役は自社の製品であり、機能、料金、導入の流れが中心に並ぶ構成です。一方のホワイトペーパーは読み手の課題を主語に置き、その課題をどう捉え、どう解けばよいかを説明します。

この違いは、届く相手の違いに直結します。サービス資料が刺さるのは、すでに製品を知っていて比較検討に入っている層です。一方でホワイトペーパーは、課題は感じているが解決手段をまだ知らない層にも届きます。読み手の検討段階が早い分、接点を作れる母数が大きくなります。

観点 ホワイトペーパー サービス資料
主語 読み手の課題 自社の製品
想定読者 潜在層から比較検討層まで 比較検討層
主な内容 課題の整理、解決の考え方、データ、事例 機能、料金、導入手順、サポート体制
主な目的 新規リードの獲得と関係構築 検討の後押しと社内稟議の支援
提供のきっかけ サイトや広告からのダウンロード 商談や問い合わせへの返信

両者は競合しません。入口をホワイトペーパーが担い、出口をサービス資料が担うという役割分担で並べると、それぞれを作る目的がはっきりします。

記事コンテンツとの違いは、連絡先と交換するかどうかです

記事コンテンツとの違いは、読むために連絡先の登録が要るかどうかにあります。オウンドメディアの記事は誰でも自由に読めますが、その代わり読み終えた相手が誰なのかはわかりません。ホワイトペーパーはフォームを挟むことで、読み手が誰であるかを把握できます。

内容の設計も変わります。記事に求められるのは、検索から来た人が数分で答えにたどり着ける簡潔さです。ホワイトペーパーは腰を据えて読む前提なので、全体像の整理、判断基準の提示、チェックリストや比較表といった手元に残る要素を入れられます。保存して社内で回せる形にできることが、ファイル形式で配る意味です。

役割が違うため、両方を並行して持つ設計が現実的です。記事で検索から人を集め、その記事の中でホワイトペーパーへ誘導する流れが、実務ではよく組まれます。

ホワイトペーパーが必要とされる理由は、購買の大半が営業接触前に進むからです

ホワイトペーパーが必要とされる理由は、BtoBの購買判断の大半が、営業担当者と会う前の情報収集の段階で固まってしまうからです。営業が接点を持った時点で候補が絞られているなら、絞り込みが起きている場所に自社の情報を置いておくしかありません。

初回面談の時点で85%が候補を絞り込んでいます

購買側の絞り込みは、営業が想像するよりも早い段階で終わっています。ワンマーケティング株式会社が2025年9月30日から10月1日にかけて、経営者、役員、購買・契約担当者600名を対象に実施した調査では、営業担当者との初回面談時点での状況について次の回答が集まりました。

初回面談時点の状態 回答割合
ほぼ決まっている 29%
いくつかの候補に絞り込まれている 56%
上記の合計 85%

同じ調査では、普段利用する情報源として購買先企業のWebサイトが38.5%、検索エンジンが32.2%を占めています。最近利用が増えた情報源ではAI検索や生成AI、比較サイトが12.2%で並びました。営業が会う前に、Webサイトと検索結果の中で比較が終わっているという構図です。

比較の対象そのものも絞られています。株式会社ITコミュニケーションズとB2Bマーケティング株式会社が2025年5月27日から28日に会社員517名へ実施した共同調査では、比較対象が3つ以内だった回答が81.4%を占め、2022年調査の68.1%から上昇しました。候補に入れなかった時点で、検討の土俵にすら乗りません。

関与者が増えるほど、社内で回せる資料が要ります

購買の意思決定は個人ではなく集団で行われ、金額が上がるほど関与する人数が増えます。先のワンマーケティングの調査では、取引金額別の購買関与人数が300万円未満で5.6人、中価格帯で14.4人、高価格帯で18.3人と報告されています。

この人数と営業が全員面談することは現実的ではありません。社内を実際に動かすのは、最初に接点を持った担当者ひとりです。その担当者が上長や他部門へ説明する場面で、口頭の伝聞だけでは通りません。手元に残るファイルがあるかどうかが、検討が前に進むかどうかを分けます。

ホワイトペーパーはここで働きます。課題の整理や判断基準がまとまった資料は、担当者がそのまま社内共有に使えます。営業が同席していない場所で自社の考え方を伝える代理人として機能する点が、ページを読ませるだけの施策との違いです。

匿名の閲覧者を、連絡できる相手に変えられます

Webサイトを訪れた人の大半は、問い合わせをせずに離脱します。問い合わせフォームだけを置いた状態では、検討の初期にいる相手を捕まえる手段がありません。ホワイトペーパーは、まだ相談する段階にない相手にも渡せる、心理的な負荷の低い接点になります。

受け取る側には資料が残り、提供する側には連絡先と関心テーマが残ります。どのテーマの資料を取得したかは、その相手が今どの課題を抱えているかの手がかりです。この情報があるからこそ、次のメールやウェビナーの案内を的外れにせずに送れます。

関連記事:【保存版】BtoBマーケティングとは?基礎から戦略・手法、成功のプロセスまで徹底解説

参考:企業の購買行動、営業面談前に85%が候補を選定(ワンマーケティング株式会社)

参考:BtoB商材の購買行動に関する実態調査レポート2025(株式会社ITコミュニケーションズ)

ホワイトペーパーの種類は6つの型に整理できます

ホワイトペーパーの種類は、読み手がどの検討段階にいるかを基準に6つの型へ整理できます。型を意識せずに作ると、課題に気づいていない人へ選び方ガイドを配るような、段階のずれた資料になりがちです。まず全体像を押さえてから、自社に足りない型を選んでください。

主な中身 届きやすい検討段階
課題解決型 業務課題の原因分析と解決の道筋 課題を感じ始めた段階
ノウハウ型 手順、テンプレート、チェックリスト 自力で解決を試みている段階
調査レポート型 独自アンケートや市場データの集計 現状把握と社内説得の段階
事例集型 導入企業の課題と変化のまとめ 効果を確かめたい段階
選び方ガイド型 比較軸の整理と製品分類 比較検討の段階
セミナー資料型 登壇内容の再編集と補足 段階を問わない

課題解決型は、まだ解決手段を知らない層に届きます

課題解決型は、読み手が抱えている業務課題を分解し、原因と解決の方向性を示す型です。まだ製品カテゴリの存在すら知らない層にも届くため、6つの型のなかで最も母数の大きい入口になります。困っている実感さえあれば読み始めてもらえる点が強みです。

構成は、課題が起きる構造の説明から入り、放置した場合に何が起きるかを示し、解決の選択肢を並べる流れが基本になります。自社製品はあくまで選択肢のひとつとして最後に登場させます。ここで宣伝色を強めると、読み手が求めていた整理が得られず、次の接点につながりません。

ノウハウ型は、手を動かす担当者に持ち帰ってもらう型です

ノウハウ型は、具体的な手順やテンプレートを提供し、読み手が自分で実行できる状態にする型です。実務担当者に喜ばれやすく、ダウンロード数も伸びやすい型として知られています。明日から使える形になっているほど、社内で共有されて広がります。

ただし注意点があります。株式会社ベーシックが2025年に実施した調査では、ノウハウ解説はダウンロードはされるものの商談化しにくい傾向があると報告されました。自力で解決できてしまう相手を集めやすいためだと考えられます。ダウンロード数の獲得と商談創出は、別の指標として扱ってください。

調査レポート型は、社内説得の材料として使われます

調査レポート型は、自社で実施したアンケートや集計データを公開する型です。ダウンロードされやすさで上位に入る型であり、読み手が社内で企画を通す際の根拠として持ち帰りやすい点が支持されています。

一次データを持っている企業にとっては、他社が真似できない資産になります。自社サービスの利用データを匿名化して集計する、顧客への簡易アンケートを実施するといった方法で、規模が小さくても成立します。数字そのものが引用され、外部メディアからの被リンクにつながることも珍しくありません。

事例集型は、効果を確かめたい相手に効きます

事例集型は、導入企業の課題と導入後の変化をまとめた型です。調査レポート型と並んでダウンロードされやすい型とされており、比較検討に入った相手の背中を押す役割を担います。他社が実際に選んで動いたという事実そのものが、判断の後押しになります。

Webサイトに個別に掲載している導入事例を一冊にまとめ直すだけでも成立するため、着手のハードルが低い型でもあります。業種別や課題別に束ねると、読み手が自社に近い事例をすぐ見つけられます。導入前の状態と導入後の状態を並べて示す構成が、変化を伝えるうえで有効です。

選び方ガイド型は、比較検討の土俵を作ります

選び方ガイド型は、製品カテゴリの比較軸を整理し、どういう企業がどのタイプを選ぶべきかを示す型です。比較検討の段階にいる相手に届くため、6つの型のなかで商談化までの距離が最も近くなります。読み手はすでに買う前提で情報を探しています。

自社に有利な軸だけを並べても、読み手はすぐに気づきます。中立的に軸を提示したうえで、自社が強い領域と向かない領域を正直に書くほうが信頼されるでしょう。向かない相手を先に除外できるため、営業が追いかける先の精度も上がります。

セミナー資料型は、既存の素材を再利用できます

セミナー資料型は、ウェビナーや展示会で使った登壇資料を再編集して配る型です。素材がすでに手元にあるため、6つの型のなかで制作の負担が最も軽くなります。1回きりで終わっていた登壇内容を、繰り返しリードを生む資産に変える位置づけです。

そのまま公開すると、話し手の口頭説明を前提にしたスライドは意味が通りません。補足のテキストを加え、当日の質疑で出た論点を追記すると、読み物として成立します。ウェビナーに申し込んだが参加できなかった層への案内としても使えます。

参考:BtoBホワイトペーパー330社の実態調査(株式会社ベーシック)

ホワイトペーパーが担う役割は、リード獲得だけではありません

ホワイトペーパーが担う役割は、新規リードの獲得、既存リードの育成、営業活動での利用、顧客理解のためのデータ取得という4つに分かれます。リード獲得だけを目的に置くと、ダウンロード数は増えても商談が増えないという状態に陥りやすくなります。

新規リードの獲得は、最もわかりやすい役割です

新規リードの獲得は、ホワイトペーパーの中心的な役割です。フォームを通じて社名、氏名、メールアドレス、役職といった情報を受け取ることで、それまで匿名だった訪問者と連絡が取れるようになります。

規模感は調査から把握できます。株式会社ベーシックがBtoBマーケティング担当者330名へ実施した調査では、月間ダウンロード数の分布は101件から300件が28.4%で最多、301件から500件が24.1%、50件未満が13.4%でした。獲得単価は1万円から3万円未満が46.0%を占めています。自社の実績を評価する際の比較対象となる外部の数値として使えます。

既存リードのナーチャリングでは、関心の変化を追えます

既存リードのナーチャリングでは、どの資料をいつダウンロードしたかが判断材料になります。過去に接点を持ったまま止まっている相手が、あるテーマの資料を新しく取得したなら、その領域で検討が動き始めた合図と捉えられます。

複数の型を揃えておくと、この観測が細かくなります。課題解決型しか持っていない状態では、相手が比較検討に進んだことに気づけません。選び方ガイド型や事例集型が並んでいれば、ダウンロードの履歴そのものが検討段階の推定に使えます。

関連記事:【完全ガイド】リードナーチャリングとは?意味から手法、成功の秘訣まで徹底解説

営業活動では、商談の前後に渡す資料として働きます

営業活動では、商談の前後に渡す資料としてホワイトペーパーが働きます。初回商談の前に送っておけば当日の前提説明を省けますし、商談後に渡せば担当者が社内へ持ち帰る材料になります。営業の話し方に依存しない説明を一定の品質で届けられる点も利点です。

先に触れたとおり、高額帯の購買には18.3人が関与します。営業が会えない残りの関与者へ届く形は、担当者が転送できるファイルしかありません。営業が同席していない会議で自社の主張を代弁する役割を、資料が引き受けます。

顧客理解のためのデータ取得という側面もあります

顧客理解のためのデータ取得という側面は見落とされがちですが、実務上の価値は小さくありません。どのテーマの資料が多くダウンロードされたかは、市場が今どの課題に関心を持っているかの指標になります。

この情報は、次のコンテンツ企画やサービス開発の判断材料になります。想定していなかったテーマに反応が集中したなら、訴求の軸を組み替える根拠が得られたということです。ダウンロード数を市場調査の結果として読み直す視点を持つと、1本の資料から引き出せるものが増えます。

関連記事:BtoBリード獲得支援おすすめ15選!手法別の選び方と費用

自社にどの役割が足りていないのかを切り分けるところから整理したい場合は、リード獲得とナーチャリングの設計を伴走してきた立場で一緒に組み立てられます。malnaでは、株式会社HERP様の支援でウェビナーの企画から集客、運営に加えてホワイトペーパーの企画と制作までを担当し、1名体制から再現性のあるリード獲得体制への転換を支援しました。現状の施策を見てもらうところから相談できます。

参考:株式会社HERP様の支援事例(malna)

ホワイトペーパーの使いどころは、配布する場所ごとに変わります

ホワイトペーパーの使いどころは、どこに置いて誰に届けるかで変わります。同じ資料でも、自社サイトに置く場合と広告で配る場合では、届く相手の検討段階も獲得できる件数も違います。配布経路を複数持つことが、1本あたりの回収を最大化する近道です。

自社サイトの資料ダウンロードページに集約します

自社サイトの資料ダウンロードページは、すべての配布経路の受け皿になります。1本ずつ単独のページに散らすのではなく、一覧ページを作って全資料を並べる形にすると、1本を目的に来た相手が別の資料も取得します。

ここで効くのは、資料の中身が想像できるタイトルと表紙画像です。誰向けの資料で何がわかるのかが一目で伝わらなければ、フォーム入力まで進みません。目次や本文の一部をページ内で見せておくと、内容を確かめたうえで登録を判断してもらえます。

オウンドメディアの記事に設置して、検索流入を受け止めます

オウンドメディアの記事に設置する方法は、検索から来た読者をリードへ変える経路です。記事を読んで課題意識が高まった状態の相手に、その課題に対応する資料を差し出す形になるため、テーマが一致していれば反応します。

重要なのは、記事のテーマと資料のテーマを揃えることです。リード獲得を扱う記事に無関係な資料のバナーを貼っても、クリックされません。記事ごとに出し分ける運用が理想ですが、まずはテーマ群ごとに対応する資料を1本ずつ用意する形から始められます。

関連記事:コンテンツマーケティング代理店13選!費用や成功させるためのポイントを紹介

広告や外部メディアで、接点のない層へ配ります

広告や外部メディアへの掲載は、自社サイトに来ていない層へ届ける経路です。検索連動型広告やSNS広告の遷移先を資料ダウンロードページにする方法と、リード獲得を専門とする外部メディアに掲載する方法があります。

外部メディアの場合、獲得したリードの質が経路によって変わる点に注意が必要です。資料の内容を見ずに登録が発生する仕組みのメディアもあり、その場合は後続のフォローで温度感を確かめる工程が要ります。獲得件数だけで経路を評価すると、営業の工数を圧迫します。

セミナーや展示会のフォローアップに使います

セミナーや展示会のフォローアップは、名刺交換だけで終わりがちな接点を次につなぐ経路です。当日の登壇内容を再編集した資料や、関連するテーマの資料を送ることで、その場で途切れた会話の続きを作れます。イベント後の数日が、最も反応が返りやすい時間帯です。

参加後のアンケートで関心テーマを聞き、それに対応する資料を送り分けると精度が上がります。イベント当日に話せなかった内容を補う位置づけで送れば、単なる営業メールとは受け取られません。

関連記事:【初心者向け】ウェビナーのリード獲得・運用と商談化の流れをご紹介

メールやMAでの配信で、休眠リードを掘り起こします

メールやMAツールでの配信は、過去に接点を持ったまま止まっているリストを動かす経路です。新しい資料ができたタイミングでの案内は、営業の連絡よりも開封されやすく、反応した相手だけを抽出できます。

反応の有無そのものが情報になります。開封もクリックもない相手は現時点で検討していないと判断でき、逆に資料を取得した相手には営業から連絡する根拠ができました。新規獲得よりも低コストで商談を作れる経路として、既存リストの規模が大きい企業ほど効果が出ます。

成果が出ないホワイトペーパーには、共通する4つの原因があります

成果が出ないホワイトペーパーには、宣伝資料になっている、検討段階と型が合っていない、配布後の導線がない、測定がダウンロード数で止まっているという4つの原因が共通して見られます。作る前にこの4点を潰しておくと、やり直しの手戻りを減らせます。

自社サービスの宣伝資料になっています

最も多い原因は、ホワイトペーパーがサービス紹介資料になってしまうことです。読み手の課題から書き始めたはずが、途中から自社製品の機能説明に切り替わり、最後は導入のお誘いで終わる構成が典型です。

読み手は課題の整理を期待して連絡先を渡しています。期待と違うものが出てくれば、その企業への印象は当然下がるでしょう。次に資料を出したときに取得されなくなるという形で、損失は後から効いてきます。自社製品への言及は全体の1割程度に抑え、残りを課題側の記述で埋める配分が目安になります。

検討段階と型が合っていません

2つ目の原因は、届けたい相手の検討段階と資料の型がずれていることです。課題に気づいていない層へ選び方ガイドを配っても比較の必要性が理解できませんし、比較検討に入った相手へ課題解説を配っても既知の情報にしかなりません。

型が1つしかない状態も、このずれを生みます。ノウハウ型だけを揃えている企業では、ダウンロードは伸びても商談につながらない状態になりがちです。株式会社ベーシックの調査でも、ノウハウ解説はダウンロードされるが商談化しにくい傾向が指摘されています。段階の異なる型を並べておくことが、ずれを吸収する現実的な手立てになります。

配布したあとの導線が用意されていません

3つ目の原因は、ダウンロードのあとに何も起きないことです。資料を送って終わりにすると、取得した相手は読み終えたところで自然に離れていきます。せっかく連絡先を受け取ったのに、その先で何もしないまま関心が冷めてしまう状態です。

ダウンロード直後のサンクスメール、数日後のフォローメール、関連ウェビナーへの案内といった導線を、資料を作る段階で同時に決めておく必要があります。営業へ渡す基準も先に決めておくと、対応の抜けを防げます。誰がいつ何を送るかまで含めて1つの施策として設計してください。

効果測定がダウンロード数で止まっています

4つ目の原因は、成果をダウンロード数だけで測っていることです。獲得件数は増えているのに商談は増えないという状態は、この測り方を続けている限り表に出てきません。数字が伸びているぶん、問題が起きていること自体に気づきにくくなります。

株式会社ベーシックの調査では、ROIの測定指標として成約率を挙げた回答が67.1%、商談化率が51.3%を占め、ダウンロード数は33.0%にとどまりました。ダウンロード後の商談化率の分布は、11%から20%が41.4%で最多、5%から10%が33.3%、21%以上が12.6%です。費用対効果の自己評価では改善の余地があるという回答が54.0%を占めており、測定の見直しは多くの企業に共通する課題だと考えられます。

参考:第2章 施策の成果評価とROIの実態(株式会社ベーシック)

ホワイトペーパー作成は5工程、内製と外注は3つの軸で判断します

ホワイトペーパーの作成は、テーマ選定、構成設計、原稿執筆、デザイン、公開と配布の5工程で進みます。工程ごとに求められる能力が違うため、どこを自社で持ちどこを外に出すかの判断材料として、まず全体像を押さえてください。

工程 主な作業 必要になるもの
テーマ選定 届けたい層と検討段階、型の決定 顧客理解、営業からの情報
構成設計 章立てと各ページの役割の決定 論点整理の力
原稿執筆 本文とデータ、図表の作成 専門知識、一次情報
デザイン レイアウト、図版、表紙の制作 デザインスキル、ツール
公開と配布 LP作成、フォーム設置、配信設定 Web運用、MAの知識

テーマ選定と原稿執筆は自社の事業理解が前提になるため内製に向きます。デザインと公開まわりは専門性で仕上がりが変わる領域なので、外部の力を借りやすいところです。分けられる工程と分けられない工程があるという見方が、体制を決めるときの起点になります。

制作の規模感は調査から読み取れます。株式会社ベーシックの調査では、年間の制作本数は4本から6本が24.2%、7本から9本が20.6%、10本以上が18.5%で、実施したことがないという回答は20.9%でした。1本あたりの制作費用は10万円から20万円未満が34.5%、5万円から10万円未満が21.8%となっています。月間501件以上を獲得している企業に限ると、年間10本以上の制作が80.8%を占めます。

全工程を自社で回している企業は少数派で、外部リソースの活用が主流だと同調査は整理しています。判断の軸になるのは、社内に割ける時間、デザインの品質要求、年間で何本回すかの3点です。年間1本から2本なら内製で試し、本数を増やす段階で外注を検討する進め方が無理のない順序といえます。

依頼先の選び方や費用の内訳を具体的に比べたい場合は、制作代行会社を横並びで整理した記事が参考になります。

関連記事:ホワイトペーパーの制作代行会社15選|選び方や費用も解説

参考:第1章 ホワイトペーパー施策の実施状況と制作体制(株式会社ベーシック)

よくある質問

ホワイトペーパーを調べ始めた段階で引っかかりやすい論点を、5つの質問にまとめました。同名の別文書との違い、サービス資料との使い分け、ダウンロード数と制作本数の目安、フォームの要否という順で、確認できた調査データを添えて回答します。

暗号資産のホワイトペーパーとBtoBマーケティングのホワイトペーパーは同じものですか

別物です。BtoBマーケティングのホワイトペーパーは、見込み顧客の課題解決に役立つ情報をまとめ、連絡先と引き換えに提供する資料を指します。暗号資産やブロックチェーンのホワイトペーパーは、プロジェクトの技術仕様や設計思想を公開する技術文書です。語源はどちらも政府が発行する白書です。

ホワイトペーパーとサービス資料はどう使い分けますか

読み手の検討段階で使い分けます。ホワイトペーパーは課題を感じ始めた潜在層から比較検討層までに届き、新規の接点を作る入口になります。サービス資料は製品を知っている比較検討層向けで、商談や問い合わせへの返信として渡す資料です。入口と出口で役割を分ける形が基本です。

ホワイトペーパーのダウンロード数はどのくらいが目安ですか

株式会社ベーシックがBtoBマーケティング担当者330名へ実施した2025年の調査では、月間ダウンロード数は101件から300件が28.4%で最多、301件から500件が24.1%、50件未満が13.4%でした。獲得単価は1万円から3万円未満が46.0%です。自社の実績と比べる目安に使えます。

ホワイトペーパーは年間何本くらい作られていますか

同じ株式会社ベーシックの調査では、年間の制作本数は4本から6本が24.2%、7本から9本が20.6%、10本以上が18.5%でした。実施したことがないという回答は20.9%です。月間501件以上のダウンロードを獲得している企業では、年間10本以上を制作している割合が80.8%に達しています。

ホワイトペーパーはフォームを設けずに公開してもよいですか

目的次第です。新規リードの獲得が目的ならフォームは必要で、連絡先と引き換えにする設計が前提になります。一方で認知の拡大や営業の補助が目的なら、フォームを外して誰でも読める形にしたほうが読まれる件数は増えます。同じ資料でフォームの有無を出し分ける運用も可能です。

まとめ

ホワイトペーパーとは、見込み顧客が抱える課題の解決に役立つ情報をまとめ、連絡先の登録と引き換えに提供するBtoB向けの資料です。自社製品を説明するサービス資料とは主語が違い、誰でも読める記事コンテンツとは連絡先を交換する点が違います。

必要とされる背景ははっきりしています。営業との初回面談時点で85%が候補を絞り込んでおり、高額帯では18.3人が購買に関与します。営業が会えない相手へ届く形は、担当者が社内で転送できる資料しかありません。型は課題解決、ノウハウ、調査レポート、事例集、選び方ガイド、セミナー資料の6つに整理でき、届けたい層の検討段階に合わせて選びます。

成果が出ないときの原因も共通しています。宣伝資料になっている、検討段階と型が合っていない、配布後の導線がない、測定がダウンロード数で止まっている、の4点です。測定指標を商談化率まで伸ばすところから見直すと、次に作るべき型が見えてきます。

まずは自社が今どの型を持っていて、どの検討段階が空いているかを一覧にしてください。空白が見つかったら、そこを埋める1本から着手する順序が無理のない進め方です。リード獲得から商談化までを一続きで設計し直したい段階でしたら、戦略から実行、内製化までを伴走する形でご一緒できます。設計から相談することができます。

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malnaブログ編集部

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