2025.11.26

SFA導入支援おすすめ15選!失敗しない選び方と費用相場

「経営陣から『営業DXを進めろ』とSFA導入を指示されたが、現場の営業メンバーが『管理されるのは嫌だ』『入力作業で営業時間が減る』と猛反発しそうで、失敗するのが怖くて夜も眠れない…」

「以前、高機能なSFAを導入したものの、入力項目が多すぎて現場に全く定着せず、結局誰も見ないただの日報ツールになってしまった。高額なコストだけが毎月消えていく…」

営業改革(セールスDX)を目指す企業の担当者にとって、このような「SFA(営業支援システム)の定着」に関する悩みは、避けては通れない巨大な壁です。多くの企業が、理想と現実のギャップに苦しんでいます。

SFAは、適切に運用できれば「属人化していたトップセールスのノウハウを標準化し、組織全体の売上を底上げする」「科学的なデータに基づいた経営判断を可能にする」という、企業の成長エンジンになります。しかし一方で、「導入した企業の約6割〜7割が定着に失敗する」と言われるほど、現場への浸透が極めて難しいツールでもあります。

この記事では、そうしたSFA導入の最大の失敗要因である「現場が使わない」という事態を未然に防ぎ、営業組織を本当に強くするための「SFA導入支援・コンサル会社」について、業界の構造的な課題も含めてどこよりも詳しく解説します。

目次

SFA(セールスフォースオートメーション)導入支援・コンサルとは?

SFAツールは、導入するだけで勝手に売上が上がる魔法の杖ではありません。むしろ、契約して導入してからが、現場の抵抗との「戦い」の本当のスタートです。

なぜ多くの企業が自社だけでの導入に失敗し、外部のコンサルティング会社を必要とするのか。その構造的な理由と、プロフェッショナルが提供する具体的な支援内容について深く掘り下げて解説します。

SFA導入支援・コンサルが提供できること

SFA導入支援・コンサルとは、単にSFAツールの初期設定やマニュアル作成を代行するだけの業者ではありません。彼らが提供する真の価値は、システム導入を通じた「営業組織の変革」にあります。

具体的には、「自社の営業課題を解決するためには、どのツールが最適か」という選定フェーズから始まり、SFAに入力してもらうための「営業プロセスの再設計(BPR)」、現場の実態に合わせた複雑な初期設定、そして何より重要な「導入後に営業担当者が使いこなせるようになるまでの定着支援」を、専門家の視点で伴走し、成功へと導くパートナー企業のことです。

自社にITやシステム導入の専門知識がなくても、彼らの知見を借りることで、現場の負担を最小限に抑えつつ、SFAの効果を最大限に引き出し、最短距離で「売れる営業組織」を作ることができます。

なぜコンサルが必要なのか? 導入が「失敗」する最大の理由

「SFAを導入したものの、営業が使ってくれない」。これはSFA導入における永遠の課題であり、最大の失敗原因です。

SFAの導入がMA(マーケティングオートメーション)と比べて圧倒的に難しいのは、主な利用者が数値管理に慣れた「マーケター」ではなく、日々足を使って顧客と対峙し、ノルマに追われている多忙な「営業担当者」だからです。営業担当者にとって、SFAへの入力は「自分の売上には直結しない、面倒な作業」と映りがちです。

自社だけで進めようとすると、現場の心理や実態を無視した設計になり、以下のような「3つの失敗パターン」に陥りがちです。

よくある失敗例1:入力項目が多すぎて営業が使ってくれない

最も多い失敗例です。経営層や管理部門が「あれも分析したい、これも見たい」と欲張って、顧客の役職、決裁権の有無、予算時期、競合情報など、数十個もの入力項目を必須にしてしまうケースです。

その結果、営業担当者は「1件の商談を入力するのに10分もかかる」「1日5件訪問したら入力だけで1時間近く残業しなければならない」と感じてしまいます。多忙な営業担当者にとって、これは許容しがたい負担です。

結果として、SFAへの入力が後回しになり、最終的には「月末にまとめて適当に入力する」だけの日報ツールと化します。記憶に頼って入力された不正確なデータしか集まらないため、予実管理や経営判断にも使えず、営業にとっても会社にとっても誰も得をしない「死んだシステム」になってしまいます。

よくある失敗例2:自社の営業プロセスとSFAが合っていない

SFAツールにはそれぞれ設計思想があります。しかし、自社の独自の営業フローや管理方法を無理やりSFAの標準機能に合わせようとして現場が混乱したり、逆にSFAをカスタマイズしすぎて複雑怪奇なシステムにしてしまったりするケースです。

結果として、「ツールは導入されたが、使い勝手が悪く実態に合わないため、営業は慣れ親しんだExcelや手帳、ホワイトボードを使い続ける」という二重管理の状態を招きます。これでは生産性が上がるどころか、入力の手間が2倍になるだけで現場が疲弊し、SFAへの不満が爆発します。

よくある失敗例3:導入後の「教育・定着支援」が不足している

ツールを導入して「マニュアルをサーバーに置いておいたので、各自読んで使ってください」というアナウンスだけで済ませてしまうケースです。営業担当者は日々のノルマに追われており、新しいツールを自発的に覚える余裕はありません。

導入後に、「なぜこのツールを使うのか」の目的共有や、具体的な操作方法のハンズオントレーニング、現場からの「使い方が分からない」「エラーが出る」といった質問に即答できるサポート体制といった「定着支援」が不足すると、SFAは必ず使われなくなります。特にベテラン営業ほど、「俺のやり方」を変えることへの抵抗感が強く、一度「使えない」と判断されると、二度とログインしてもらえなくなります。

コンサルに依頼できる具体的な支援内容

SFAコンサルは、上記の「失敗」を回避するために、単なるシステム導入だけでなく「組織変革」の視点を持って、以下のような業務を幅広く支援してくれます。SFA導入プロジェクトは「システム3割、運用7割」と言われます。コンサルタントはこの「運用」の部分に深く関与し、定着までの泥臭いプロセスを支えます。

1. SFAツールの選定と営業プロセスの設計

「自社の営業スタイルに合うSFAはどれか」「SFA導入を機に、属人化した営業プロセスをどう標準化すべきか」といった、導入前の最も重要な設計を支援します。

単にツールを選ぶだけでなく、「アポイント→初回訪問→提案→見積もり→受注」といった営業フェーズの定義や、各フェーズでやるべき行動を整理し、売れる営業の型を作る「BPR(業務改革)」から提案してくれるのが良いコンサルの特徴です。ここで営業プロセスを整理しておかないと、SFAに入れても「ゴミデータ」が溜まるだけになってしまいます。

2. 初期設定・カスタマイズ・既存データ移行

複雑なSFAの導入作業を代行します。自社の営業プロセスに合わせたSFAの項目設定、画面レイアウトのカスタマイズ、入力規則の設定などを行います。

また、MA(マーケティング)や名刺管理ツール、基幹システムとのデータ連携設定も重要な支援範囲です。さらに、最も現場が嫌がる作業である「データ移行」も支援します。Excelや旧システムに散らばっている既存の顧客リストや商談履歴データを洗い出し、重複を統合し、表記ゆれを修正してSFAに移行します。この作業を怠ると、検索しても顧客が出てこないなど、使い勝手が著しく低下します。

3. 営業担当者への操作教育・マニュアル作成

SFA導入成功の鍵となる「定着支援(オンボーディング)」です。

営業担当者向けの操作説明会や、マネージャー向け、メンバー向け勉強会を実施し、実際に画面を触りながら操作を習得してもらいます。

また、ベンダーが提供する汎用的なマニュアルではなく、「自社の運用ルール(いつ、何を、どう入力するか)」に合わせた、分かりやすい独自のSFA操作マニュアルを作成します。さらに、導入直後の「使い方が分からない」「ログインできない」といった問い合わせへの対応サポートを提供し、現場の心理的ハードルを下げるためのきめ細やかなフォローを行います。

4. データの分析・活用支援、運用ルールの改善

SFAに蓄積されたデータを分析し、営業活動の改善を支援します。データが溜まってからがSFAの本番です。営業会議でそのまま使える予実管理ダッシュボードや、営業マンごとの行動量レポートを作成し、会議の効率化を図ります。また、「受注率が高い営業担当者の行動パターン」などを分析し、チーム全体へ横展開することで組織力の底上げを狙います。

さらに、現場の声を吸い上げ、「この項目は入力必須にしなくて良いのではないか」「スマホから入力しやすくしてほしい」といった運用ルールの見直しやシステム改修を継続的に行い、使いやすさを向上させます。

5. MA・CRMツールとの連携、管理者の育成

SFAを単体で使うのではなく、MA(マーケティングオートメーション)やCRM(カスタマーサクセス)と連携させ、見込み客獲得から受注、顧客維持までの一気通貫したデータ基盤を構築します。これにより、マーケティング部門と営業部門の断絶を解消し、リードの取りこぼしを防ぎます。

また、最終的に自社でSFAの設定変更やユーザー管理ができるよう、社内のSFA管理者を育成する支援もあります。これにより、組織変更や商材追加にも自社で柔軟に対応できるようになり、ランニングコストの削減にもつながります。

SFA導入支援のメリットと注意点

SFAコンサルに依頼することは、導入成功への近道ですが、コストや依存のリスクといった注意点もあります。契約前に両面をしっかり理解し、納得した上で依頼しましょう。SFA導入のメリットを最大化するためのポイントを解説します。

活用する3つの主要メリット

SFAコンサルを活用する主なメリットは、以下の3点です。これらは、自社だけで試行錯誤してもなかなか得られない価値です。

1. SFA導入の成功確率(定着率)が劇的に上がる

最大のメリットは、「営業現場が使ってくれない」というSFA導入における最大のデスバレーを回避できる確率が格段に上がることです。

プロは「現場がどこでつまずくか」「どうすれば入力負荷を下げられるか」「どのようなUIなら直感的に使えるか」を熟知しています。彼らが現場目線でシステムの設計や教育を行うことで、SFAの「定着」を強力に後押しし、高額なツールが形骸化するのを防ぎます。また、「外部の専門家」が関わることで、社内のしがらみにとらわれず、客観的な視点で「変革の必要性」を説得できるという効果もあります。

2. 社内リソースをコア業務に集中できる

SFAの導入・設定・マニュアル作成・教育には、膨大な時間がかかります。特にデータ移行やマニュアル作成は、数百時間単位の工数が必要です。これらを慣れていない社員が片手間でやろうとすると、本来の業務が圧迫され、導入プロジェクト自体が長期化・頓挫する原因になります。

これらをプロに任せることで、自社の営業責任者や担当者は、本業である「商談」や「顧客対応」、「今期の目標達成に向けた戦略立案」といった、売上に直結するコア業務にリソースを集中できます。

3. 客観的な視点で営業プロセスを改善できる

自社だけでSFAを導入しようとすると、「今までのやり方を変えたくない」「今のExcel管理のままでいい」というバイアスがかかり、既存の非効率な営業プロセスをそのままSFAにシステム化してしまいがちです。これでは根本的な解決になりません。

第三者であるプロの視点が入ることで、「そもそも、この報告フローは不要ではないか?」「この承認プロセスはもっと簡略化できるのではないか?」「トップセールスの〇〇さんのやり方を標準化しよう」といった、営業プロセス自体のBPR(業務改革)が期待でき、組織全体の生産性が向上します。

依頼前に知るべき3つの注意点

逆に、依頼する前に知っておくべき注意点は以下の3点です。これらを理解せずに丸投げすると、失敗のリスクが高まります。

1. 費用対効果が合わないリスク

コンサルティングや導入支援には、当然ですが安くない費用がかかります。

SFAツール本体のライセンス費用に加えて、初期導入支援費用として数百万円、月額サポート費用として数十万円が発生することも珍しくありません。

SFA導入によって得られる成果が、支援費用を上回るかどうか、投資対効果(ROI)をシビアに計算する必要があります。小規模な組織で、営業担当者が数名しかいない場合、高額なコンサルフィーが経営を圧迫し、コストがメリットを上回ってしまう場合もあります。

2. 社内にノウハウが蓄積されない懸念

支援会社にすべての設定や運用を「丸投げ」してしまうと、社内にSFAの運用・定着ノウハウが一切残りません。契約が終了した途端、誰もSFAの設定変更ができなくなり、組織変更や商材追加に対応できず、システムが陳腐化・形骸化するリスクがあります。

また、ちょっとした項目の追加や修正も毎回外注することになり、ランニングコストが膨らみ続ける原因にもなります。必ず、社内担当者が一緒にプロジェクトに関わり、「自走化」を見据えた技術移転を受けるようにしましょう。

3. 現場の営業担当者とのミスマッチ

「コンサルが導入したSFA」が、現場の営業担当者のスタイルやITリテラシーと合わない場合、強い反発が起こる可能性があります。

「コンサルに任せたから大丈夫」と安心せず、導入プロジェクトには必ず現場のエース級の営業担当者やキーマンも参加させ、現場の肌感をフィードバックしながら進めることが重要です。また、コンサルタントによっては「理想論」を押し付けてくる場合もあるため、自社の現場の「泥臭さ」を理解してくれるパートナーを選ぶことが不可欠です。現場を置き去りにしたシステム導入は必ず失敗します。

SFA導入支援の費用相場と料金体系

SFA導入支援の費用は、依頼する範囲や、会社の規模、SFAツールの種類(Salesforceか、kintoneかなど)によって大きく異なります。

一般的な料金体系と費用相場を解説します。社内稟議を通す際の予算取りの参考にしてください。

支援の料金体系は主に3タイプ

料金体系は、大きく分けて以下の3つのタイプがあります。自社の状況に合わせて選びましょう。

料金体系 費用目安 特徴 おすすめな企業
1. 初期費用+月額固定型 初期:50〜300万 月額:10〜50万 導入と定着支援が分かれている。手厚いサポートが受けられる一般的モデル。 定着までしっかり伴走してほしい企業
2. プロジェクト型 100〜500万 「導入設定一式」として一括で支払う。期間と成果物が明確。 導入設定だけをプロに頼み、運用は自社でやる企業
3. ライセンス費用+コンサル費用 ツール費に含む (または合算) 代理店モデル。ツール契約とセットで、初期導入サポートが付帯するケースが多い。 特定ツールの導入を決めている企業

1. 初期費用+月額固定型

導入時の初期設定にかかる「初期費用」と、導入後の定着支援・ヘルプデスクにかかる「月額費用」が分かれているタイプです。

  • 初期費用:50万〜300万円程度。要件定義、設計、設定、データ移行などを含みます。
  • 月額固定型:10万〜50万円程度。定例会、Q&A対応、マニュアル更新、定着率モニタリングなどを行います。

導入後も継続的に関わってもらうことで、現場の利用状況に合わせた微調整が可能になり、定着率が高まるメリットがあります。多くのSFAコンサルティング会社がこのモデルを採用しています。

2. プロジェクト型

「導入設定一式で100万円」「営業プロセス改革プロジェクトで300万円」など、作業範囲と期間を限定して一括で費用が発生する形式です。

基本的には納品をもって完了となり、その後の定着支援は含まれず、別途契約となる場合が多いです。社内にSFA経験者やシステム管理者がいて、導入後の面倒を見られる場合に適しています。予算が決まっている場合や、稟議を通しやすいのがメリットです。

3. ライセンス費用+コンサル費用

SalesforceやHubSpotなどの正規販売代理店となっている会社に多い形式です。

SFAツールのライセンス費用をその会社経由で支払うことで、基本的な導入サポートが無償または安価で受けられたり、ライセンス費用に上乗せする形でコンサル費用を支払ったりします。

そのツールの機能や仕様に特化しているため、技術的な専門性が高く、ツール活用に関する最新情報を得やすいのが特徴です。請求書を一本化できるメリットもあります。

【業務別】具体的な費用相場一覧

「どこまで頼むか」によって費用は大きく変わります。業務ごとの相場観を押さえておきましょう。

導入支援の費用相場:50万〜300万円

SFAツールの初期設定や戦略設計、カスタマイズにかかる費用です。

  • 要件定義、営業プロセス設計:20〜100万円
  • 基本設定、画面カスタマイズ、権限設定:30〜100万円
  • データ移行、外部システム連携:20〜100万円以上

Salesforceなど高機能なツールで、自社独自の業務フローに合わせた複雑なカスタマイズ(Apex開発など)を行うほど、費用は高額になります。また、移行するデータ量が多い場合もコストが増加します。

定着・運用支援の費用相場:月額10万〜50万円

導入後、現場に使ってもらうための活動にかかる費用です。実はここが最も重要です。

  • 操作説明会、マニュアル作成:20〜50万円
  • 定着モニタリング、定例会、Q&A対応:月額10〜30万円
  • ダッシュボード改修、データ分析レポート:月額20〜50万円

SFAは「入れてからが勝負」なので、予算の半分はここに充てるくらいの配分が理想的です。定着しなければ、導入費用のすべてが無駄になるからです。

中小企業向け|費用を抑えて成果を出すための考え方

中小企業で予算が限られている場合は、いきなり高機能なSFA(Salesforceなど)や、数百万円のコンサルに依頼するのはリスクが高いです。

まずは「低コスト・スモールスタート型」の会社に相談し、月額10万円程度の安価で使いやすい国産SFA(Senses, kintoneなど)の導入と、最低限の定着支援から始めるのが賢明です。

機能の多さよりも「現場の使いやすさ」を最優先し、まずは「日報のデジタル化」や「顧客情報の共有」といった小さな成功体験を積み重ねることから始めましょう。小さく始めて、成果が出たら機能や支援を拡張していくのが成功の秘訣です。

失敗しないSFA導入支援コンサル会社の選び方

世の中には多くのSFA支援会社があり、得意分野も千差万別です。「システム開発が得意な会社」もあれば、「営業研修が得意な会社」もあります。どこを選べば良いか迷ってしまいますよね。

ここでは、自社に最適なパートナーを見つけるために、コンペや商談で必ず確認すべき「5つのチェックポイント」を解説します。

成功に導く!コンサル会社選びの5つのチェックポイント

支援会社選びで失敗しないために、以下の5点を厳しくチェックしてください。

1. 自社が使うSFAツールの「認定パートナー」か

SFAツールはそれぞれ設計思想やカスタマイズ性が大きく異なります。もし導入するツール、例えばSalesforceが決まっているなら、そのツールのベンダーから公式に認められた「認定パートナー」資格を持っている会社を選びましょう。

認定パートナーは、ツールの最新機能や仕様上の制約を熟知しており、技術的なトラブルも防げます。また、ベンダーとの太いパイプを持っているため、万が一の際のサポートも安心です。各社のホームページや、ツールベンダーのパートナー一覧ページで確認できます。

2. 「導入設定」だけでなく「営業現場への定着支援」の実績が豊富か

SFA導入の成功は、システムが稼働することではなく、「営業担当者が毎日入力し、データを活用すること」で決まります。

「要件通りに設定して終わり」のシステム開発会社的なスタンスではなく、「導入後の操作説明会」「現場へのヒアリング」「入力率が低い場合の対策」「評価制度への組み込み提案」など、泥臭い「定着支援」の実績が豊富な会社を選びましょう。「定着率99%」などの具体的な実績数字を持っている会社は信頼できます。

3. 自社の「業界・営業プロセス」への理解度が高いか

IT業界のサブスクリプション型営業と、建設業の工期管理を含む営業、不動産の反響営業では、管理すべき指標(KPI)やプロセスが全く異なります。

自社の業界での「SFA導入実績」があるか、自社の複雑な営業プロセスや商習慣を理解しようと努めてくれるかを確認しましょう。業界用語が通じないコンサルタントだと、要件定義で齟齬が生まれ、現場の実態とかけ離れた「使いにくいシステム」になってしまいます。類似業界の事例を見せてもらうのが確実です。

4. 担当コンサルタントの「実務経験」と「相性」は良いか

実際にプロジェクトを進行するのは「担当者」です。会社の知名度よりも、担当者の質が重要です。その担当者が、SFAのシステム的な知識だけでなく、自身も営業の実務経験があるか、現場の営業担当者の気持ちを理解できるかは非常に重要です。

現場の担当者と「話しやすいか」「信頼できそうか」という相性も、定着の成否を分けます。可能であれば、契約前に担当者との面談を依頼しましょう。

5. 最終的な「内製化」を支援する体制があるか

「注意点」で挙げたように、コンサルへの丸投げによる依存は危険です。将来的に「自社で設定変更やユーザー管理をしたい」という希望を伝え、システム管理者向けのレクチャーやマニュアル提供など、「内製化」を支援してくれるサービスがある会社が理想的です。

自社で運用を回せるようになって初めて、SFA導入は成功したと言えます。いつまでもコンサルフィーを払い続けるモデルではなく、卒業を前提とした支援を行っているか確認しましょう。

「MA導入支援」と「SFA導入支援」どちらを選ぶべき?

「MAとSFA、どちらから入れるべきか?」「両方入れるべきか?」と迷う企業も多いです。自社の解決したい課題によって、どちらが最適か(あるいは両方必要か)が異なります。以下の表を参考に判断しましょう。

比較軸 MA導入支援がおすすめな企業 SFA導入支援がおすすめな企業
解決したい課題 見込み客(リード)が足りない 商談数が足りない 商談の進捗が見えない 

営業の属人化を解消したい

主な対象部門 マーケティング部門 営業部門
管理する対象 見込み客(個人)の行動 商談(案件)の進捗
ゴールのイメージ 質の高い商談を営業に渡す 渡された商談を

確実に受注する

もし「そもそも商談相手がいない」ならMAから、「商談はあるが決まらない、管理できていない」ならSFAから導入するのがセオリーです。両方導入する場合は、データの連携設計がさらに重要になるため、両方の実績がある支援会社を選びましょう。

SFA導入支援 おすすめ会社15選

ここからは、数あるSFA支援会社の中から、実績・評判・専門性を基準に厳選したおすすめの15社を紹介します。

「戦略から見直したい」「Salesforceを入れたい」「まずは安価に始めたい」といった自社の目的や導入したいツールに合わせて、比較検討してみてください。

(※各社の情報は記事執筆時点のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください)

戦略・総合支援型

まずは、SFAツールの導入だけでなく、営業戦略の立案から実行プロセス、マーケティング連携まで、営業組織全体を幅広く改革したい企業向けの会社を紹介します。

1. malna株式会社

出典:malna株式会社

malna株式会社は、BtoBマーケティングの戦略策定から実行支援、営業連携までをワンストップで伴走する総合支援会社です。 SFA単体の導入にとどまらず、「広告やMAで獲得したリードを、いかにSFAを活用して効率的に受注につなげるか」という、マーケティングと営業を横断した「売れる仕組みづくり」に強みを持っています。

実績も豊富で、情報システム部門向けサービスを提供するJOSYS株式会社様の事例では、MAとインサイドセールスを連携させ、リード獲得から商談化までの効率的なフローを構築しています。

部分最適ではなく、全体最適の視点でSFAを導入し、営業成果を最大化させたい企業に最適なパートナーです。

参考記事:メンバーの一員のように伴走し、数億円の売上成長に貢献。商談数が増加するとともに、CPAを下げることに成功。

【無料】SFA導入の相談をする

2. 株式会社才流

出典:株式会社才流

株式会社才流は、BtoBマーケティングおよび営業のコンサルティングで高い実績を持つ会社です。

SFAツールの導入作業そのものよりも、「営業プロセスの見直し(The Model型への移行など)」や「営業戦略の立案」、「営業資料の改善」といった、営業活動全体の上流工程コンサルティングを得意としています。「SFAを入れる前に、まず営業の型を作りたい」「売れるロジックを固めたい」という企業におすすめです。

3. 株式会社MOLTS

出典:株式会社MOLTS

株式会社MOLTSは、成果にコミットするデジタルマーケティング・カンパニーです。

SFA導入単体ではなく、MA(マーケティング)やCRM(顧客管理)まで含めた「事業全体」のデータ基盤構築と、それによる成果最大化を支援します。中〜大手企業向けの総合支援実績が豊富で、部門を跨いだ複雑なプロジェクトでも強力に推進してくれます。

4. テクロ株式会社

出典:テクロ株式会社

テクロ株式会社は、BtoB特化の伴走型Webマーケティング支援を強みとしている会社です。

SFA導入・運用はもちろん、その前工程であるSEO記事作成や広告運用まで幅広くカバーし、社内にリソースがない場合でもチームの一員のように実務をサポートしてくれます。マーケティングから営業まで一貫して支援してほしい企業に適しています。

特定ツール・手法特化型

ここでは、導入したいSFAツール(Salesforce、HubSpotなど)が既に決まっている企業や、特定の業務領域に特化した専門的な支援を求める企業に最適な会社を紹介します。「最新機能を活用して競合に差をつけたい」など考える担当者様のために、各ツールの認定資格や豊富な導入実績を持つ、技術力に定評のあるプロフェッショナル企業を厳選しました。

Salesforce系

圧倒的な機能性と拡張性を持つ反面、その自由度の高さゆえに設計・運用の難易度が極めて高く、「多機能すぎて現場が使いこなせない」という失敗が後を絶ちません。ここでは、豊富な実績と高度な技術力を持ち、導入から定着までを確実にリードしてくれる支援会社を紹介します。

5. 株式会社toBeマーケティング

出典:株式会社toBeマーケティング

株式会社toBeマーケティングは、SalesforceおよびMAツール(Account Engagement)の導入・定着支援に特化した、国内トップクラスのパートナー企業です。

導入実績は1,000社以上。SFAであるSales CloudとMAを連携させ、マーケティングから営業プロセスにシームレスに組み込むまでの支援を得意としています。Salesforceを単なる顧客管理ではなく、マーケティングエンジンとして使い倒したいなら外せない一社です。

6. 株式会社フライク

出典:株式会社フライク

株式会社フライクは、中小企業向けのSalesforce導入・定着支援に特化している会社です。

「システム組立屋」を標榜し、大手向けの複雑で高額なカスタマイズではなく、中小企業の限られたリソースでも「使いこなせる」状態を目指した、現実的で無駄のない導入・定着支援に強みを持っています。Salesforceを入れたいが高額で諦めていた企業におすすめです。

7. 株式会社ウフル

出典:株式会社ウフル

株式会社ウフルは、大手企業向けのSalesforce導入や、IoT連携などのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に豊富な実績を持つ会社です。

単なるSFA導入に留まらず、基幹システム(ERP)との連携や、大規模なデータ活用基盤の構築など、技術力が求められる大規模なプロジェクトを得意としています。全社的なDXの一環としてSFAを導入したい場合に適しています。

HubSpot系

世界中で愛用されている「HubSpot Sales Hub」は、直感的な操作性と、マーケティング(MA)機能との完全な統合が最大の特徴です。ここでは、HubSpotの認定パートナー資格を保有し、単なるツール導入にとどまらず、マーケティングと営業の壁を取り払うための戦略設計や、既存ツールからのデータ移行を得意とする導入支援会社を紹介します。

8. 株式会社100

出典:株式会社100

株式会社100(ハンドレッド)は、HubSpotの最上位であるダイヤモンドパートナー企業です。

MAとSFAが一体型となったHubSpotプラットフォーム全体の導入・運用支援はもちろん、インバウンドセールスの体制構築にも強みを持っています。HubSpotの機能をフル活用して、営業の自動化・効率化を実現したい企業に最適です。

9. H&K株式会社

出典:H&K株式会社

H&K株式会社は、HubSpotの運用・活用に特化したテクニカルサポートを提供する会社です。

「導入はしたけれど使いこなせていない」「他ツール(Salesforce等)からHubSpotに移行したい」という企業に対し、日々の操作サポートや運用代行、データ移行支援などを提供しています。技術的な課題解決に強みがあります。

国産SFAツール系

「Senses(Mazrica Sales)」や「e-Sales Manager」に代表される国産SFAツールは、日本の独特な商習慣や、現場担当者のITリテラシーに合わせて設計されており、直感的な操作性と手厚い日本語サポートが最大の魅力です。ここでは、国産SFAの導入支援実績が豊富で、日本企業の営業スタイルに合わせた運用設計を得意とする会社を紹介します。

10. 株式会社アイ・ピー・エス

出典:株式会社アイ・ピー・エス

株式会社アイ・ピー・エスは、Salesforceだけでなく、国産SFAである「Senses(センシーズ)」や「Ge-Niee(ジーニー)」の導入支援にも実績を持つ会社です。

「海外製ツールは高機能すぎて現場がついていけない」「現場のITリテラシーに不安がある」と感じる企業に対し、日本の営業スタイルに合った国産SFAの選定から導入・定着までを支援してくれます。

11. ソフトブレーン株式会社

出典:ソフトブレーン株式会社

ソフトブレーン株式会社は、国産SFA市場でトップクラスのシェアを持つ「e-Sales Manager」の開発・販売元です。メーカー直系のコンサルティング部隊が、ツールの導入・定着支援を提供しています。

単なるツールベンダーではなく、「プロセスマネジメント」という独自の営業理論を持っており、日本の営業現場を知り尽くしたノウハウで、現場に定着するSFA導入を支援します。

低コスト・スモールスタート型

最後に、予算を抑えて、まずは小さくSFA導入を始めたい中小企業やスタートアップ向けの会社・サービスを紹介します。高機能なツールを使いこなせずに挫折するリスクを避け、まずは「顧客情報の共有」や「日報のデジタル化」といった小さな成功体験を積み重ねることから始めるための、最適なパートナーをご紹介します。

12. 株式会社アッドラスト

出典:株式会社アッドラスト

株式会社アッドラストは、テレマーケティング支援などを手掛ける会社ですが、中小企業向けに安価なSFAツールの選定から導入・設定までをパッケージ料金で提供している場合があります。

高額なコンサルティングではなく、まずは「ツールを使える状態にする」ことを低コストで実現したい企業向けです。

13. 株式会社GeNEE

出典:株式会社GeNEE

株式会社GeNEEは、DX支援やシステム開発を行っていますが、国産MA/SFAツールの導入支援において、初期費用無料のパッケージなどを提供している場合があります。

「まずはツールを入れてみたい」「初期コストを極限まで抑えてSFA導入をスタートしたい」という中小企業にとって、スモールスタートに適したプランが見つかるかもしれません。

14. 株式会社WACUL

出典:株式会社WACUL

株式会社WACULは、AIによるWebサイト分析ツール「AIアナリスト」を提供する会社です。

SFAの高度な導入コンサルというよりは、分析ツールを基にしたWebサイト改善提案や、月額固定の安価なデジタルマーケティング支援を強みとしており、その一環として簡易的なSFA運用の相談に乗ってくれる場合があります。マーケティングとセットでライトに相談したい場合に適しています。

15. フリーランス・個人コンサルタント

出典:https://pixabay.com/photos/laptop-work-coffee-chart-man-6062425/

特定の会社に所属しない、フリーランスのSFAコンサルタントに依頼する方法です。「プロの副業」などのエージェントサービスで探すことができます。

企業に依頼する場合に比べて安価に依頼できる可能性がありますが、個人のスキルに依存するため、実績の見極めとリスク管理が必要です。

SFA導入コンサルを「活用し倒す」ための3つのコツ

高い費用を払って支援会社と契約しても、任せきりにするだけではSFAは絶対に定着しません。

支援会社を単なる業者ではなく、変革のパートナーとして「活用し倒す」ための3つのコツを紹介します。これらを実践できるかどうかが、プロジェクトの成否を分けます。

1. 「丸投げ」は厳禁!「営業の何を解決したいか」を明確に

最もよくある失敗が「丸投げ」です。「プロなんだから、いい感じに導入しておいて」では、現場の実態とかけ離れた使いにくいシステムが出来上がります。

「とにかく売上を上げて」という曖昧な依頼ではなく、「営業日報の二重入力をなくして残業を減らしたい」「商談の進捗をリアルタイムで見える化して、失注を防ぎたい」「トップセールスの行動を可視化して横展開したい」といった、解決したい現場の課題を必ず共有しましょう。

支援会社はSFAのプロですが、あなたの会社の営業のプロではありません。

2. 経営層(営業トップ)が「SFAを使う」と強くコミットする

SFAの導入が失敗する最大の理由は「営業現場の抵抗」です。

どんなに使いやすいツールを入れても、現場は「今のままでいい」「管理されたくない」「忙しい」と考えます。この抵抗を乗り越えるには、ボトムアップのアプローチだけでは限界があります。

経営層や営業部門のトップが「我が社はSFAを導入する。これからは評価もSFAで行う。使わない選択肢はない」と強くコミットし、現場にその必要性を伝え続けることが不可欠です。コンサルタント任せにせず、トップが旗を振ってください。

3. 現場の営業担当者をプロジェクトに巻き込む

「管理職とコンサルだけで決めた、使いにくいツール」と反発されないよう、導入プロジェクトの初期段階から、現場で最も成果を出している「エース級の営業担当者」や、現場への影響力が強い「キーマン」を巻き込みましょう。

彼らに実際にツールを触ってもらい、「これなら使える」「この機能は便利だ」という意見を反映させることで、「自分たちが作ったツール」という当事者意識が生まれます。彼らが現場のエバンジェリストとなることで、導入後の定着率が劇的に上がります。

まとめ:最適なコンサルと伴走しSFA導入を成功させよう

SFA(営業支援システム)は、正しく使えば属人化を解消し、営業活動を劇的に効率化する強力なエンジンとなりますが、「営業現場に定着しない」という理由で最も失敗しやすいツールでもあります。

SFA導入支援コンサル会社は、そうした「ツールが無駄になる」という最大の失敗を避け、営業現場への「定着」を成功させるための最短ルートを示し、伴走してくれるパートナーです。

支援会社選びで大切なのは、「自社の課題」と「依頼したい範囲」を明確にし、自社のフェーズに合った会社を選ぶことです。

今回ご紹介した「5つの選び方」と「おすすめ15選」を参考に、自社にぴったりの信頼できるパートナーを見つけ、SFA導入を成功させましょう。

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malnaブログ編集部

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