2026.09.21
飲食店の集客は来店直前で決まる|検索と口コミで選ばれる7つの打ち手
飲食店の集客では、SNSの投稿、グルメサイトの掲載プラン、チラシ、割引と、打ち手の候補がいくらでも出てきます。ところが、ひととおり手を出しても来店数が動かないという声は少なくありません。
目次
ただ、来店直前の比較で読まれているのは、スマートフォンに表示される検索結果と地図、そして口コミです。ここに出ている情報が古かったり、判断材料として足りなかったりすると、どれだけ発信量を増やしても比較の土俵に乗りにくくなります。
本記事では、来店直前の検索で選ばれるために何を整えるのかを、公開されている調査データをもとに7つの打ち手として整理します。グルメポータルとGoogleビジネスプロフィールの役割分担、写真と営業時間の扱い、口コミ運用で踏み越えてはいけない線まで含めて扱います。
個人店や小規模チェーンで店舗運営を担当している方、集客の一部を外部に任せるか迷っている方を主な読者に想定しています。
打ち手を足す前に、いま何が効いているのかを整理したいという相談は珍しくありません。自店の状況に合わせて話を聞きたい方は、お問い合わせからご連絡ください。
もっとも、どの経路から何人来ているのかは、数えてみるまで見えてきません。malnaでは来店の経路を分けて数えるところから相談を受けています。
飲食店の集客とは?来店直前の比較で選ばれる状態をつくること
飲食店の集客とは、来店の候補に入り、比較のうえで選ばれる状態をつくる取り組みです。認知の獲得から再来店の促進までが含まれますが、この記事では来店直前の比較、つまり検索結果と地図アプリと口コミの上で起きる部分を中心に扱います。ここが整っていないと、手前で獲得した認知が来店につながりにくくなるためです。
イクシアス株式会社が2026年5月に一都三県の21〜59歳男女3,000名へ実施した調査では、飲食店を探すときの情報源は次のような利用率でした。
| 情報源 | 利用率 |
|---|---|
| Google検索 | 64.7% |
| 食べログ | 43.7% |
| Googleマップの飲食店情報 | 38.3% |
同じ調査では、複数のサイトを横断して見る人が64.3%、1つのサイトだけで決める人が35.7%となっており、後者のうち43.0%はGoogle検索だけで判断していました。つまり店を探す人の多くは、複数の情報源を行き来しながら最終判断をしていることになります。1媒体だけを整えても、比較の途中で落ちる可能性が残ります。
この並びは数年前とは違っています。TableCheckが2022年6月に全国の20〜60代1,100名へ行った同社の調査では、飲食店を検索する手段はGoogleが86.1%、グルメサイトが61.3%、知人・友人に聞くが31.1%でした。2020年時点ではグルメサイトが78.9%、Googleが78.5%と拮抗していたため、同じ調査の中では2年で順序が入れ替わったことになります。グルメサイトを信頼していないと答えた層も、2020年の26.1%から2022年には30.4%へ増えました。いずれも各調査時点での結果であり、2026年の実態をそのまま示すものではない点には注意が必要です。
点数だけでなく中身と返信が読まれている
口コミの読まれ方も変わりました。先のイクシアスの調査では、口コミの点数を参考にする人は49.3%と半数を切っており、30代では2025年の62.0%から2026年は55.2%へ下がっています。点数の平均値だけで決めるのではなく、何が書かれているか、店がどう応じているかまで読む人が増えていると考えられます。
この変化は、飲食店にとってはむしろ手が届きやすい状況です。点数は他人が決めますが、口コミに何が書かれるかは日々の営業とオペレーションの結果ですし、返信の文面は店側が完全に決められます。
裏を返すと、点数を上げる工夫よりも、書かれた内容に店がどう応じているかのほうが見られているということです。返信が止まっている店と、直近の指摘に応じている店では、同じ点数でも受け取られ方が変わります。
この記事で扱う7つの打ち手
来店直前の検索で選ばれるために必要な作業は、次の7つに整理できます。前半の4つは、比較の場に出ている情報を正しく保つための作業です。後半の3つは、書かれた内容への応じ方と、どこに力を入れるかを決めるための作業にあたります。上から順に手を付けると、後の施策が効きやすくなります。
| # | 打ち手 | 主に効く場面 |
|---|---|---|
| 1 | 営業時間と休業の情報を先に直す | 来店直前の確認 |
| 2 | メニューと価格を検索結果の側に置く | 比較検討 |
| 3 | 料理と店内の写真を更新し続ける | 比較検討 |
| 4 | 予約と経路の導線を切らさない | 来店直前の決定 |
| 5 | 口コミに返信する運用をつくる | 比較検討 |
| 6 | SNSと自店サイトに役割を振り分ける | 認知と再来店 |
| 7 | 来店経路を分けて数え、打ち手を決める | 全体の判断 |
参考:イクシアス株式会社「【2026年最新調査】飲食店探しは「Google検索」が64.7%で主流に」
参考:ITmedia NEWS「飲食店検索、「食べログ」などのグルメサイト抑え利用率トップのサービスは?」
グルメポータルとGoogleビジネスプロフィールの役割分担
グルメポータルとGoogleビジネスプロフィールは、競合ではなく担当範囲が違う道具です。傾向として前者は予約を取って送客する場所、後者は来店直前に見られる判断材料を置く場所と捉えると、どちらにいくら払うかの議論がかみ合います。実際にはGoogle側から予約に進む人も、ポータルで当日の店を決める人もいるため、どちらか一方だけで完結する話ではありません。飲食店の集客でつまずきやすいのは、この2つを同じ物差しで比べてしまう場面です。
グルメポータルが担うのは予約と送客
グルメポータルの中心的な役割は、予約をその場で成立させて店に人を送ることです。費用の考え方も送客に紐づいています。食べログのネット予約は導入費と固定費が0円で、ネット予約をして実際に来店した人数に応じた従量料金だけがかかる仕組みです。金額は本記事の執筆時点でランチが1名あたり100円、ディナーが1名あたり200円、いずれも税抜で、キャンセルされた予約分は課金されません。料金体系は変更されることがあるため、契約前に公式の案内で確認してください。
この構造は、予約1件あたりいくらで人が来ているのかを店側が計算できることを意味します。掲載プランの月額を払っている場合も、月額と従量を合わせた金額を、その媒体経由の来店人数で割れば比較の土台ができます。媒体の良し悪しではなく、1人あたりいくらで来ているかで判断できるのがポータルの扱いやすいところです。
Googleビジネスプロフィールが担うのは来店直前の判断材料
Googleビジネスプロフィールは、地図と検索結果に自店の情報を表示させるための無料の管理画面です。近くで店を探している人に対して、営業時間、メニュー、写真、口コミ、経路といった判断材料をまとめて出せます。
Googleはローカル検索結果の掲載順位について、関連性、距離、知名度の3つの要素で決まると説明しています。あわせて、掲載順位の改善を購入することはできないとも明記されています。順位を上げるための推奨として挙げられているのは、ビジネス情報を完全かつ正確に保つこと、口コミに返信すること、写真や動画を追加することです。これらは順位を直接動かす操作というより、比較の材料として表示されるための基礎情報です。店の情報を整えて応答することがGoogleの推奨として案内されていると理解しておくと、施策の期待値を間違えにくくなります。
どちらに何を持たせるか
2つを比べるときの軸は、費用の出方、強く効く場面、情報を誰が更新するか、成果をどう測るかの4つです。この軸で並べると、片方をやめるべきかどうかではなく、どちらに何を持たせるかという問いに変わります。
| 観点 | グルメポータル | Googleビジネスプロフィール |
|---|---|---|
| 主な役割 | 予約の受付と送客 | 来店直前の判断材料の提示 |
| 費用 | 掲載プランと来店人数に応じた従量 | 利用は無料 |
| 強い場面 | 日時が決まっている予約、宴会、幹事の店選び | 現在地の近くで今から入る店を探す場面 |
| 情報の更新責任 | 店舗と媒体の担当者 | 店舗(他の利用者による編集提案も入る) |
| 成果の測り方 | 予約人数と1人あたりの費用 | 経路検索、電話、サイト遷移などの反応 |
宴会や記念日のように日時が先に決まる来店はポータルが強く、今日の昼にどこへ入るかという判断は地図の上で終わります。自店の来店がどちらの型に寄っているかで、力の入れ先は変わります。
当日来店型と予約中心型で優先順位は変わる
7つの打ち手は共通でも、どこから手を付けるかは店の型によって変わります。判断の起点になるのは、予約が入ってから来店までの期間です。当日や前日の予約が中心の店は、地図の上ですでに候補が絞られた後に予約が入ります。数日から数週間先の予約が中心の店は、幹事が複数店を比較する時間があるぶん、読まれる情報の量が増えます。
| 店の型 | 例 | 先に手を付ける打ち手 |
|---|---|---|
| 当日来店が中心 | カフェ、ランチ主体の食堂、ラーメン店 | 営業時間の正確さ、写真、経路と電話の導線 |
| 事前予約が中心 | 宴会対応の居酒屋、記念日利用のレストラン | メニューと価格の掲載、予約導線、口コミへの返信 |
| 両方が混在 | ランチと夜営業の両方を持つ店 | 昼と夜で情報を分けて出す、経路別の集計 |
当日来店が中心の店は、決め手になる情報が地図の上でほぼ出揃います。事前予約が中心の店は、幹事が複数店を比較しながら決めるため、価格と席の条件が読み取れるかが効いてきます。
ポータルをやめる前に確かめること
グルメサイトへの信頼が下がっているというデータを見ると、解約を検討したくなるかもしれません。ただし2026年の調査でも食べログの利用率は43.7%あり、経路として無視できる水準ではありません。判断材料は世の中の平均値ではなく、自店の数字です。
解約を検討する場合は、直近3か月の予約をその媒体経由とそれ以外に分け、人数と支払額を突き合わせてから決めます。この作業をしないまま解約すると、減った予約がポータル由来だったのか、季節要因だったのかを後から切り分けられなくなります。

来店直前に見られる情報を整える
来店直前に見られる情報の整備は、写真や文章のうまさよりも、情報が正しく揃っているかで決まります。ここで扱う打ち手1から4は、いずれも初回の作業量は小さく、放置すると効果が落ちていく種類のものです。優先順位は、来店の妨げになる度合いが大きい順に考えます。
打ち手1|営業時間と休業の情報を先に直す
営業時間の誤りは、集客施策の中で最も直接的に来店を失います。定休日の変更、臨時休業、ラストオーダーの時刻、年末年始の営業予定は、検索結果の上で真っ先に読まれる情報です。特別営業日の設定を使えば、祝日や短縮営業を個別に登録できます。
店内の掲示やSNSの投稿で告知していても、地図上の表示が古いままでは意味がありません。休業を決めた時点で、地図の表示を直す作業を同じ手順の中に組み込んでおくと、更新漏れが減ります。
更新の担当を決めていない店では、この作業が誰の仕事でもない状態になりがちです。更新するのは誰か、いつまでにやるかを1行決めておくだけで、営業時間の食い違いはかなり減ります。祝日の営業可否は問い合わせの電話も呼ぶため、先に出しておくほど現場の手間も軽くなります。
打ち手2|メニューと価格を検索結果の側に置く
価格帯がわからない店は、比較の段階で外れやすくなります。MS&Consultingが2025年7月25日から8月4日にかけて1,037サンプルを対象に実施した調査では、昼食の店選びで価格帯を重視する人が52.1%にのぼりました。アルコールを伴う夕食では料理・メニューが54.3%、価格帯が38.6%となっており、時間帯によって読まれたい情報が入れ替わることがわかります。
このため、メニュー情報は自店サイトの中だけに置かず、検索結果や地図から直接読める状態にしておく必要があります。昼と夜で価格帯が違う店では、ランチメニューの価格を独立して読めるようにしておくと、昼の比較検討から外れにくくなります。全品を網羅する必要はなく、看板メニューと価格帯が伝わる範囲で十分です。
打ち手3|料理と店内の写真を更新し続ける
写真は、来店前の期待値をつくると同時に、来店後の落差を防ぐ役割も持ちます。実物とかけ離れた写真は、その場の集客には効いても、後から低い評価の口コミとして戻ってきます。
飲食店が用意しておきたいのは、看板メニューを正面から撮影したもの、席まわりと店内の様子がわかるもの、外観と入口の3種類です。外観は、初めて訪れる人が建物を見つけられるかどうかに直結します。スマートフォンでの撮影でも、自然光の入る時間帯を選び、明るさだけ整えれば実用に足ります。
季節メニューを出す店では、掲載写真が前のシーズンのままになっていないかを月に一度は確認します。写真の追加はGoogleが推奨する対応としても挙げられており、更新が止まった状態は情報の鮮度そのものを疑われます。
打ち手4|予約と経路の導線を切らさない
判断材料が揃っても、予約と経路の導線が切れていれば来店には至りません。電話番号が古い、予約リンクが終了したページを指している、地図のピンが建物の裏手に落ちている、といった不具合は、店側からは気づきにくいものです。
目安として月に一度、自店の店名で検索し、表示される電話番号と予約リンク、経路案内を実際にたどってみる時間をつくります。臨時休業や営業時間の変更は、月次の点検を待たずその場で直してください。スマートフォンの画面で、来店客と同じ操作をなぞるところまでを含めて確認すると、途中で切れている箇所が見つかります。
打ち手1〜4をまとめて点検する項目
4つの打ち手は、月に一度まとめて見ると漏れが出にくくなります。点検の対象になるのは、来店前に読まれる可能性がある項目すべてです。個別に思い出して直すより、決まった並びで上から確認するほうが早く、担当が交代しても引き継げます。次の項目を一覧にしておくと、確認の所要時間は10分程度に収まります。
| 点検項目 | 見るところ |
|---|---|
| オーナー確認の状態 | 自店で管理できているか、権限が前任者のままになっていないか |
| カテゴリ | 主カテゴリが業態と合っているか、追加カテゴリを使い切れているか |
| 営業時間 | 通常営業時間、特別営業時間、ラストオーダーの記載 |
| 住所と地図のピン | 入口の位置とピンがずれていないか |
| 電話番号と予約リンク | 現在つながる番号か、リンク先が生きているか |
| 属性 | 決済手段、席の種類、テラスの有無など、来店前に知りたい条件 |
| メニューと価格 | 昼と夜の価格帯が読み取れるか |
| 写真 | 直近で追加した写真があるか、季節メニューが古くないか |
すべてを毎月入れ替える必要はありません。変わっていないと確認するだけでも、誤った情報が残り続ける事故は防げます。
参考:Googleビジネスプロフィール ヘルプ「Improve your local ranking on Google」
参考:MS&Consulting「【2025年調査】お客様が『飲食店に求めるもの』とは?」
口コミを来店の決め手に変える
口コミ運用は、点数を上げる作業ではなく、読んだ人が来店を決められる状態をつくる作業です。株式会社movが2023年6月に996人へ実施した調査では、口コミによって行動が変わると答えた人は全世代で67.2%、Z世代では70.8%にのぼりました。読まれることを前提にした運用が要る、ということです。
返信は投稿者ではなく次の来店者に読まれる
口コミへの返信を読むのは、投稿した本人よりも、これから来店を検討している人です。この前提に立つと、書く内容も変わってきます。謝罪や感謝だけで終えるのではなく、指摘された点について確認したこと、変えたこと、変えられない事情があるならその理由を短く添えてください。
同じ定型文を並べた返信は、運用が形だけになっていることを読み手に伝えてしまいます。一方で、来店した事実や注文内容に触れる返信は、投稿者が誰かを推測できる情報になり得るため避けてください。個人が特定できる書き方をしないことと、事実に即して書くことは両立します。
返信までの日数も、運用しているかどうかの目安として読まれます。毎日確認する必要はありませんが、週に一度まとめて目を通す程度の頻度は決めておきたいところです。返信の有無はGoogleが推奨している対応でもあるため、後回しにする理由は多くありません。
返信の書き分け方
返信は3つの型に分けて考えると、毎回の判断が速くなります。好意的な内容、待ち時間や応対への指摘、事実誤認の3つで、書くべき内容がそれぞれ違うためです。いずれにも共通するのは、投稿者が特定できる情報を書かないことと、読み手が次の来店を判断できる材料を残すことです。
| 口コミの種類 | 返信で書くこと |
|---|---|
| 好意的な内容 | 触れられた料理やサービスについて、店側の取り組みを一言添える |
| 待ち時間や応対への指摘 | 事実の確認、直した点または直せない事情、今後の対応方針 |
| 事実誤認や別店舗との取り違え | 事実関係を短く訂正し、責める書き方を避ける |
指摘への返信では、反論より先に確認した内容を書きます。読み手が知りたいのは勝ち負けではなく、同じことが自分の来店時にも起きるかどうかです。
やってはいけない口コミの集め方
特典と引き換えに口コミを依頼する方法は、複数の理由で避ける必要があります。Googleは投稿コンテンツのポリシーで、報酬、割引、無料の商品やサービスと引き換えにレビューの投稿を促す行為を明確に禁止しています。実体験に基づかない投稿や、雇用関係や契約関係にある人による投稿も同様に認められていません。好意的な評価を書いてくれそうな人だけを選んで依頼する形も、同じ考え方で避ける必要があります。
法令の側からも注意が要ります。消費者庁は令和5年10月1日から、広告であることが一般消費者に判別しにくい表示を景品表示法上の不当表示に指定しました。規制の対象は依頼を受けた第三者ではなく、商品やサービスを供給する事業者、つまり店側です。媒体のポリシー違反と景品表示法上の違法性は別の話ですが、投稿を依頼する立場にある以上、責任は店に残ります。個別の企画が規制に触れるかどうかの判断は、景品表示法に詳しい専門家に確認してください。
店舗支援サービスを提供する株式会社movは2025年5月のリリースで、Googleによる口コミへの対応が見直され、日本でもビジネスプロフィールの停止や口コミの大量削除といった影響が出始めていると指摘しています。一社の観測ではありますが、星5の投稿でドリンク1杯無料といったキャンペーンについても、ステルスマーケティング規制や景品表示法違反にあたる可能性があるとしています。短期的に点数を動かす手法は、アカウントごと失う危険と表裏です。
低い評価が来たときの扱い
低い評価の口コミは、消す対象ではなく、オペレーションへ戻す材料として扱います。待ち時間、注文の通り方、退店時の応対のように、同じ指摘が複数回出ている場合は、個人の資質ではなく手順の問題である可能性が高くなります。
事実誤認や別店舗との取り違えが明らかな場合は、媒体の窓口へ削除を申し立てる手段もあります。ただし判断は媒体側が行うため、通らない前提で、返信によって読み手に状況を伝えておくほうが確実です。
口コミの運用をどこまで自店で持つかは、人手の状況によって変わります。運用の設計から一緒に考えたい方は、お問い合わせからご相談ください。
参考:飲食店ドットコム ジャーナル「Z世代は飲食店を探すとき何を使う?」
参考:Google マップ ユーザー投稿コンテンツ ポリシー ヘルプ「Prohibited & Restricted Content」
参考:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
参考:株式会社mov「Google口コミ最新情報!店舗が直面するリスクといま抑えるべき対策を専門家が解説」

SNSと自店サイトに役割を振り分ける
SNSと自店サイトは、来店直前の判断材料とは別の役割を担います。地図と口コミが決める場所だとすれば、SNSは行きたい理由をつくる場所、自店サイトは情報の正を置く場所です。役割を分けずに全部へ同じ投稿を流すと、どこも中途半端になります。
なお、SEOやリスティング広告、MEOといった手法そのものの違いは、飲食店に限らない話です。手法ごとの全体像を先に押さえたい方は、関連記事で確認してください。
関連記事:【初心者向け】Web集客の方法14選!自社に合った選び方を解説
SNSは行きたい理由をつくる
SNSで飲食店が発信する内容は、店の存在を知らせるものと、行く理由になるものに分かれます。後者は、今月だけの一品、仕込みの様子、席の埋まり方といった、来店のきっかけになる情報です。前者だけを繰り返すと、投稿の頻度に対して反応が落ちていきます。
先ほどのmovの調査では、Z世代が飲食店を探す際に最も使う情報源はGoogleマップで、次いでグルメサイト、知人からの紹介という順でした。SNSで見つけた店を地図で確かめてから向かう行動は珍しくありません。SNSは入口であって、判断の場所は地図の上にあると考えると、投稿と情報整備のどちらを削ってよいかが決めやすくなります。
自店サイトは情報の正になる
自店サイトの役割は、他の場所に出している情報の正を1か所にまとめることです。営業時間、メニューと価格、席数、支払い方法、アレルギーに関する案内といった項目は、媒体ごとに書きぶりが分かれやすいため、更新の起点を決めておきます。
なお、原材料やアレルギーの表示に踏み込む場合は、表示の要否や書き方が法令で定められている範囲があります。店内で提供する場合と、持ち帰りや通信販売で販売する場合とで扱いが変わることもあるため、自店の提供形態で何をどこまで書くべきかは、管轄の保健所や食品表示に詳しい専門家に確認したうえで文面を決めてください。
再来店の連絡先を自店で持つ
新規の来店を増やす話と、再来店を促す話は別に考えます。前者は検索と地図、後者は店が直接持っている連絡手段が中心です。公式アカウントやメール、来店時の案内など、店の側から連絡できる手段を1つ持っておくと、悪天候や閑散期に打てる手が残ります。
媒体の仕様変更や規約変更は、店側では止められません。連絡手段を1媒体だけに預けている状態は、その媒体の方針が変わった時点で打ち手を失います。
打ち手を並べたところで、どれから手を付けるかは店の状況で変わります。malnaでは現状の把握から戦略の設計までをひとつながりで引き受けているため、優先順位の決め方から相談できます。
来店経路を分けて数え、打ち手を決める
集客の打ち手を決める前提は、いまどの経路から何人来ているかを分けて数えることです。総来店数だけを追っていると、増減の理由が施策なのか季節なのか判断できません。飲食店の場合、経路の区分は多くないため、集計そのものは難しくありません。予約と当日来店を分け、予約を媒体別に分けるところから始めます。
数え方の最小構成
最小構成は、予約と当日来店を分け、予約をさらに経路別に分ける形です。区分を増やしすぎると続かないため、最初は次の4区分で十分です。1か月続けるだけでも、どこに費用を寄せるべきか、どの経路が細っているかの見当がつきます。
| 区分 | 数える対象 | わかること |
|---|---|---|
| ポータル経由の予約 | 媒体ごとの予約人数と支払額 | 1人あたりの獲得費用 |
| 自店サイト・電話の予約 | 予約人数と初来店かどうか | 指名で来ている割合 |
| 地図や検索からの当日来店 | 来店時の一言確認、経路検索の反応数 | 来店直前の検索で拾えている度合い |
| 再来店 | 来店回数の把握できる範囲 | 定着しているかどうか |
当日来店の経路は正確には割り切れませんが、会計時に一言確認するだけでも傾向は掴めます。厳密さより、毎月同じ基準で数え続けることのほうが判断には効きます。
記録の置き場所は、すでに店で使っているもので構いません。予約台帳に経路の欄を1つ足す、月末に媒体ごとの予約人数と請求額を並べる、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス画面で経路検索や電話の件数を控える、といった程度で足ります。新しい仕組みを入れるより、毎月同じ場所に同じ形で残すことのほうが効きます。
何から着手するかの順番
着手の順番は、来店の妨げになっている度合いで決めます。営業時間の誤りや予約導線の不備が残っている状態で広告を出しても、費用の効率は上がりません。順番としては、情報の正確さ、写真とメニュー、口コミの運用、SNSと再来店施策、最後に有料の出稿という並びが現実的です。
すでに一定の来店がある店では、新規獲得より再来店の設計のほうが費用対効果が高くなる場合もあります。どちらに寄せるかは、先ほどの表で初来店と再来店の比率を見てから決めます。
見直しの周期は、目安として月単位が扱いやすいでしょう。週単位では天候や曜日の並びに振り回され、四半期単位では手を打つのが遅れます。同じ基準で3か月分を並べて初めて、施策の影響と季節の影響を切り分けられます。
費用の考え方
飲食店の集客費用に公開された一律の相場はありません。商圏、業態、競合の数で必要額が変わるため、他店の金額をそのまま当てはめても判断材料にはなりません。自店の予約1人あたりの獲得費用と、客単価、原価率を並べて、いくらまで払えるかを先に決める順序が安全です。
外食の環境そのものも動いています。日本フードサービス協会が会員社を対象にまとめた2025年の年間集計では、全体の売上が前年比107.3%、客数が102.9%、客単価が104.3%となりました。業態別の売上は喫茶が109.8%、ファーストフードが107.5%、ファミリーレストランが107.2%、ディナーレストランが106.6%、パブレストラン・居酒屋が104.0%です。売上の伸びが客単価の上昇に支えられている状況では、来店回数を増やす打ち手と単価を上げる打ち手のどちらを取るかで、必要な集客費用も変わります。なお、この数値は同協会の会員社を対象とした集計であり、全国すべての飲食店の実績ではない点は差し引いて読んでください。
参考:一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査 令和7年(2025年)年間結果報告」

AIで集客業務を軽くする
AIは、集客そのものを代替する道具ではなく、集客に付随する事務作業の時間を削る道具です。飲食店でも、繰り返し発生する文章仕事や問い合わせ対応の一部は、生成AIの利用で負荷を下げられる余地があります。
ただし、どの業務をどう任せるか、任せる前に何を決めておくかは、単独で扱うだけの分量があります。飲食店でのAI活用は別の記事で扱う予定のため、ここでは触れるにとどめます。順序として押さえておきたいのは、来店経路の把握と掲載情報の整備が先だという点です。判断材料が整っていない状態で作業だけを速くしても、打ち手の精度は上がりません。どの作業から手を離せるかは、経路を数えた後のほうが正しく選べます。
よくある質問
飲食店の集客に取り組む際によく挙がる質問を、5つに絞って整理しました。着手の順番、グルメサイトの継続可否、口コミの集め方と返信、写真の優先順位という、判断に迷いやすい論点を扱っています。いずれも本文で触れた内容の要点にあたるため、詳細は各章を参照してください。
飲食店の集客は何から始めればよいですか
Googleビジネスプロフィールの営業時間、定休日、メニューと価格、写真を最新の状態に直すところからです。来店直前に見られる情報が古いままだと、他の施策の効果も受け取れません。そのうえで来店経路を分けて数え、次の一手を決める順番が現実的です。
グルメサイトは解約してもよいですか
直近3か月の予約を媒体経由とそれ以外に分け、人数と支払額を突き合わせてから判断してください。グルメサイト経由で店を探す人は今も一定数います。数えないまま解約すると、予約が減った理由を後から切り分けられなくなります。
口コミを増やすために割引や一品サービスを出してもよいですか
避けてください。Googleは報酬や割引、無料の商品やサービスと引き換えにレビュー投稿を促す行為を禁止しています。また令和5年10月1日からは、広告であることが判別しにくい表示が景品表示法上の不当表示に当たり、責任は依頼した事業者側に生じます。
低い評価の口コミにはどう返信すればよいですか
返信は投稿者だけでなく、これから来店を検討する人に読まれます。確認した事実、対応の方針、変えた点を短く書くのが基本です。来店した事実や注文内容など、投稿者が特定できる情報は書かないようにしてください。
写真は何から撮ればよいですか
看板メニューと、席まわりの雰囲気がわかる写真、外観の3種類からです。昼は価格帯、夜は料理の内容が選ばれる理由になりやすいため、価格が読み取れる状態にしておくと判断材料になります。季節メニューがある店は月に一度の更新を目安にしてください。
まとめ
飲食店の集客では、来店直前の検索と地図と口コミが最後の比較の場になります。情報源の調査でGoogle検索がもっとも使われ、点数だけでなく口コミの中身まで読まれている以上、店側が用意すべきものは発信量ではなく、判断材料の正確さと鮮度です。
グルメポータルは予約と送客、Googleビジネスプロフィールは来店直前の判断材料と役割を分けて考えると、費用の議論がかみ合います。どちらを残すかは世の中の傾向ではなく、自店の予約経路を数えた結果で決めるものです。
明日から動かすなら、営業時間と予約導線の点検、メニューと価格の掲載、写真の入れ替え、口コミへの返信という順で手を付けてください。ここまでを済ませてから有料の出稿を検討すると、同じ予算でも結果が変わります。
自店の来店経路の数え方や、今期にどこから着手するかを具体的に決めたい方は、お問い合わせからご相談ください。
外部に任せきりにすると、店の言葉で情報を出し続けることが難しくなります。malnaはオンライン集客の内製化支援も行っているため、店のスタッフが自分たちで回せる形に寄せていく進め方も選べます。
関連記事:【脱・ポータル依存】不動産集客の本質は「選ばれる理由」9割|反響減・広告費高騰に勝つ戦略マップ
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