2026.09.09

不動産AI活用とは|5つの活用領域と事例、始め方の3手順を解説する

反響対応、査定資料の作成、重要事項説明の準備。不動産会社の現場では、日々の業務がいくつも並行して積み上がっていきます。

しかし人を増やしにくい状況のなかで、AIをどの業務から使えばよいのか判断がつかず、検討が止まったままという会社も少なくありません。他社の事例を見ても、規模も業態も違うため、自社に当てはめられるのかがわかりにくいという声もよく聞きます。

本記事では、不動産のAI活用を5つの領域に整理したうえで、公式発表で確認できた導入事例と国土交通省のデータをもとに、始め方の手順と注意点までを解説します。査定や顧客対応、契約手続きにAIを取り入れたい仲介会社・管理会社の経営者や実務担当者の方に向けた内容です。

同じような相談を、マーケティング支援の現場でも受けてきました。どこから着手すればよいか整理したい段階でしたら、お問い合わせからお声がけください。

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不動産業界でAI活用が広がる背景

不動産のAI活用とは、査定や物件マッチング、顧客対応、契約手続きといった不動産取引に関わる業務にAIを組み込み、業務効率と顧客対応の質を同時に高める取り組みを指します。仲介や管理、開発、査定など業務領域が広い不動産業界では、活用の入口も一つに定まりません。

背景には、事業者数が増える一方で現場の人手は増やしにくいという構造があります。国土交通省が公表した令和6年度末(令和7年3月末)時点の調査では、宅地建物取引業者数は132,291業者となり、11年連続で増加しました。大臣免許3,158業者、知事免許129,133業者という内訳です。事業者が増えるほど、査定や重要事項説明の準備、問い合わせ対応といった定型業務の総量も膨らみます。

同じ調査では、宅地建物取引士の新規登録者数も30,336人にのぼり、総登録者数は約121万人に達しています。事業者数と有資格者数のどちらも増加傾向にある一方、1事業者あたりの定型業務量が減っているわけではありません。業務量の増加ペースに、現場の対応力がそのままついていけるとは限らないという構造が、AI活用への関心につながっていると考えられます。

参考:国土交通省「令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について」

こうした事情もあり、不動産業界の生成AI活用は業種平均より先行しています。帝国データバンクが2026年3月に実施した調査では、業務で生成AIを「活用している」と回答した企業は全業種平均で34.5%でした。一方、いえらぶGROUPが2025年5月に不動産会社222社を対象に行った調査では、生成AIを業務で利用したことがある会社は41.4%です。業種平均を上回るペースで、不動産会社の生成AI活用が進んでいることがうかがえます。

調査 対象 生成AI活用率
帝国データバンク(2026年3月) 全業種の企業 34.5%
いえらぶGROUP(2025年5月) 不動産会社222社 41.4%

参考:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」

いえらぶGROUPの調査では、活用している不動産会社の用途もあわせて公表されています。上位は「文章の見直し・構成」が46.5%、「社員教育・OJT補助」が41.5%、「資料作成のテンプレート活用」が40.1%でした。物件情報や社内資料の作成といった、文章にまつわる業務から着手している会社が多いことがわかります。

一方で、まだ導入していない会社の課題は「使い方がわからない」が60.0%、「人材不足」が23.8%という結果でした。今後の利用意向は71.6%が「利用したい」と答えており、関心自体は高いものの、着手の仕方がわからないまま止まっている会社が一定数いることがうかがえます。

参考:いえらぶGROUP「生成AIを業務で利用している不動産会社は41.4%!」

もっとも、活用率の高さは「どこから使うか」の答えにはなりません。次の章で、不動産のAI活用を業務領域ごとに整理します。

不動産のAI活用は5つの領域に分けられる

不動産のAI活用は、査定、物件マッチング、顧客対応、契約手続き、社内業務効率化という5つの領域に大きく分けられます。領域ごとに使われている技術と、実際に業務へ組み込まれている度合いには差があります。不動産AI活用5つの領域

領域 主な内容
査定 過去の取引事例や推定賃料などのデータをもとに、AIが価格や利回りを算出する
物件マッチング・レコメンド 顧客の希望条件と物件データを照合し、候補を自動で提示する
顧客対応・追客 チャットボットやAIエージェントが、問い合わせ対応や日程調整を担う
契約・重要事項説明 IT重説や書面電子化の運用のなかで、デジタル・AI技術の活用範囲が整理されつつある
社内業務効率化 物件情報や社内資料の下書きなど、文章作成をAIが支援する

5領域それぞれの成熟度には差があります。査定は、取引事例や推定賃料といった数値データを扱う領域のため、AIによる計算が結果に直結しやすく、後述するように具体的な機能としてすでにリリースされています。物件マッチングも同様に、条件と物件データという構造化された情報同士の照合が中心のため、比較的取り組みやすい領域です。

顧客対応・追客は、チャットボットとAIエージェントという2段階で進んでいるのが特徴です。定型的な質問への自動応答から、日程調整までを自律的に進める段階へと、担わせる範囲が広がりつつあります。契約・重要事項説明は、国土交通省が活用の枠組みを整理している最中で、購入者保護との両立が前提になる分、5領域のなかでは最も慎重な検討が必要な領域です。社内業務効率化は文章作成の支援が中心で、着手のハードルは低い一方、成果を数値で測りにくいという特徴があります。

次の章では、査定と顧客対応・追客の2領域について、公式発表で確認できた事例を紹介します。

不動産のAI活用事例3選

ここでは、公式発表で確認できた不動産会社のAI活用事例を3つ紹介します。いずれも査定または顧客対応・追客の領域にあたり、AIが担う範囲と対象条件が明示されている点が共通しています。

GA technologies|「RENOSY」の投資不動産AI査定

GA technologiesは、投資用不動産サービス「RENOSY」のマイページに、AIが査定価格を算出する「投資不動産AI査定」機能を追加しました。2022年8月に公表された機能です。

AIの役割は、推定賃料やエリアごとの利回りをもとに、収益還元法で査定価格を算出することに限定されています。対象は賃貸中かつ40平方メートル未満の区分マンションで、対象エリアも東京23区と神奈川県の一部エリアに絞られています。査定対象を明確に区切ることで、AIが扱うデータの範囲を狭め、精度を保ちやすくしている設計です。

この機能を使うと、所有者はマイページ上でいつでも自分の物件の相場を確認できます。査定を依頼するために営業担当者へ連絡する手間がなくなり、所有者が自分のタイミングで相場を確認できる導線を用意した点が特徴です。

参考:GA technologies「RENOSYマイページ、新機能『投資不動産AI査定』をリリース」

いえらぶGROUP|「いえらぶBB」のAIチャットボット

いえらぶGROUPは、不動産業者間の流通プラットフォーム「いえらぶBB」にAIチャットボットを実装し、2025年8月から運用を開始しました。

このチャットボットが担うのは、内見予約やWeb申込みに関する頻出質問への自動回答です。ユーザーはよくある質問画面から関連情報を自分で検索・確認できるようになり、電話窓口への問い合わせを減らす狙いがあります。担当者が個別に対応していた定型的な問い合わせを、AIが一次受けするという切り分け方です。

「いえらぶBB」は不動産業者間の物件情報流通を担うプラットフォームであり、対象となるのは業者間のやり取りです。エンドユーザー向けの窓口ではなく、まず社内外の定型的な問い合わせからAIを組み込んだ点が、着手のしやすさにつながっていると考えられます。

参考:いえらぶGROUP「『いえらぶBB』に『AIチャットボット』を実装、自動回答でより便利に!」

いえらぶGROUP|「いえらぶAIエージェント」のLINE自動対応

いえらぶGROUPは、顧客管理システム「いえらぶCLOUD」の機能として、生成AIがLINE上で顧客対応を担う「いえらぶAIエージェント」を2025年12月に実装しました。

従来の返信アシスト機能とは異なり、AIが初期対応から来店予約の日程調整までを自律的に完結させる点が特徴です。24時間365日の応答に対応しており、公表時点では、夜間にLINE登録した顧客への翌朝の返信率・反応率が向上したという先行利用企業の声が紹介されています。

これまでの返信アシストは、担当者が確認したうえで送信ボタンを押す運用が前提でした。今回の機能はその一歩先に進み、日程調整という判断を伴う工程までAIに任せています。担当者が対応できない夜間帯の初動対応を埋める使い方として位置づけられている点が読み取れます。

参考:いえらぶGROUP「いえらぶAIエージェント 顧客管理機能(CRM)のLINE連携に実装開始!」

3つの事例を並べると、AIに任せている範囲の違いが見えてきます。

事例 領域 AIが担う範囲 対象の絞り込み
RENOSY投資不動産AI査定 査定 推定賃料と利回りをもとにした査定価格の算出 賃貸中かつ40平方メートル未満の区分マンション、東京23区・神奈川県の一部
いえらぶBB AIチャットボット 顧客対応 内見予約・Web申込みの頻出質問への自動回答 よくある質問の範囲に限定、電話窓口は並行して維持
いえらぶAIエージェント 顧客対応・追客 LINE上での初期対応から来店予約の日程調整まで LINE経由の顧客対応に限定

3つの事例に共通するのは、AIが担う範囲を業務の一部に絞り込んでいることです。査定なら価格算出の計算部分、顧客対応なら定型的な一次対応や日程調整というように、切り分けた範囲を明確にしたうえで導入しています。全業務を一度にAIへ置き換えるのではなく、範囲を区切って任せるという考え方は、次に紹介する自社での始め方にもそのまま当てはまります。

不動産のAI活用を始める4つの手順

自社でAI活用を始める際は、業務の棚卸し、小さく試す、現場に定着させる、効果を測って広げるという4つの手順で進めると、検討が止まりにくくなります。前章で見た事例も、対象を絞り込む工程を先に踏んでから展開しているという共通点がありました。始め方4つの手順

手順1|業務を棚卸しし、対象領域を絞り込む

最初に取り組むのは、自社の業務を洗い出し、AIに任せられそうな領域を絞り込むことです。査定、物件マッチング、顧客対応、契約、社内業務効率化という5つの領域のうち、繰り返し発生していて、対応の判断基準を言葉で書ける業務から候補を選びます。

反響対応や問い合わせ一次受けのように毎日発生する定型業務は、AIチャットボットの事例のように切り分けやすい領域です。逆に、契約条件の最終判断や重要事項説明のように、購入者の利益に直結する判断は、当面は人が担う前提で検討したほうが安全です。

棚卸しの際は、業務の頻度と、判断基準を言葉にできるかどうかの2軸で洗い出すと候補が絞りやすくなります。頻度が高く判断基準も明確な業務が最初の候補です。頻度は高くても判断が属人的な業務は、AIに任せる前に手順を言語化する作業から始める必要があります。

手順2|小さく試すところから始める

候補となる業務が決まったら、対象を絞ってまず試すところから始めます。GA technologiesの事例も、対象物件を賃貸中かつ40平方メートル未満の区分マンションに絞り、エリアも限定してリリースされました。最初から全業務・全エリアに広げようとしないことが、検証を早く回すコツです。

小さく試す段階では、AIの出力を人がすべて確認できる規模にとどめます。件数を絞れば、誤りが出たときにすぐ気づけますし、現場からの改善要望も集めやすくなります。

手順3|現場に定着させる運用を設計する

試した結果が良ければ、次は現場に定着させる段階に移ります。ここでつまずきやすいのは、ツールを配っただけで、誰がいつ使うのかというルールを決めていないケースです。

いえらぶAIエージェントの事例では、AIが自律的に対応する範囲を明示したうえで、先行利用企業からの反応を確認しながら展開しています。自社で進める場合も、AIが対応する範囲と、人が引き取る範囲の境界線を先に決めておくと、現場の混乱を避けやすくなります。

手順4|効果を測定し、拡大を判断する

最後に、導入前に決めておいた指標で効果を測定し、対象業務やエリアを広げるかどうかを判断します。問い合わせ対応であれば一次対応にかかっていた時間、査定であれば査定書の作成時間というように、件数と時間の単位で比較できる指標を選びます。

指標が決まっていないと、導入後に「便利になった」という感想だけが残り、次の投資判断がしづらくなります。小さく試した段階からこの指標を記録しておくことが、拡大判断の材料になります。

拡大を判断する際は、対象業務を増やす方向と、対象エリアや対象物件の条件を広げる方向の2つが選択肢になります。RENOSYのAI査定も、対象エリアを東京23区と神奈川県の一部から段階的に広げる方針を示しており、一度に全国へ広げるのではなく、条件を少しずつ緩めていく進め方が参考になります。

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不動産のAI活用で注意すべき2つの論点

不動産のAI活用を進めるうえでは、宅建業法上の取り扱いと、AIが参照するデータの整備状況という2つの論点を押さえておく必要があります。どちらも技術の良し悪しではなく、社内でどこまで確認したうえで使うかという運用設計の話です。

論点1|重要事項説明でのデジタル・AI活用は、購入者保護が前提になる

国土交通省は、不動産分野におけるDXの推進として、ITを活用した重要事項説明(IT重説)と書面の電子化に関する運用指針を定めています。あわせて、宅地建物取引業者がデジタルやAI等の技術を活用する際は、購入者等の利益の保護が確保されることを前提とする方針を示し、重要事項説明業務で活用されるデジタル・AI技術の具体例や留意点を整理した資料を取引業所管団体に周知しました。

つまり、契約や重要事項説明に関わる領域は、効率化そのものが目的ではなく、購入者保護を損なわない範囲でAIを活用できるかどうかが判断基準になります。この領域だけは、社内の判断だけで進めず、指針の内容を確認したうえで検討したほうがよいでしょう。

具体的には、査定AIが出した数値をそのまま重要事項説明の書面に転記するのではなく、宅地建物取引士が内容を確認したうえで説明に用いるといった、AIの出力と人の確認をセットにした運用が求められます。効率化を急ぐあまり確認工程を省いてしまうと、購入者保護という前提そのものが崩れかねません。

国土交通省が取引業所管団体に周知した資料には、不動産媒介業務で使えるデジタルサービスの一覧や、価格査定に関するマニュアル類も含まれています。自社でAI活用を検討する際は、こうした公表資料に目を通し、想定している使い方が留意点に触れていないかを事前に確認しておくと安心です。

参考:国土交通省「不動産分野におけるDXの推進」

論点2|AIが参照できる社内データは、まだ整備の途上にある

査定や物件マッチングでAIの精度を上げるには、取引事例や物件情報が構造化されたデータとして蓄積されている必要があります。しかし不動産は住所の表記ゆれなどから同一の不動産を特定しづらく、これが業界横断でのデータ連携のボトルネックになっているという課題が指摘されています。

国も対策を進めており、不動産を一意に特定する「不動産ID」の整備によって、この課題の解消を目指しています。ただし社会実装はまだ先で、次の章で扱う整備スケジュールを踏まえると、自社データの名寄せや表記統一は、当面は各社が自力で取り組む必要がある領域です。

この論点は、5つの領域のうち査定と物件マッチングに特に影響します。同じ物件でも表記が揺れていれば、AIは別の物件として扱ってしまい、参照できる取引事例の母数が実質的に目減りするためです。物件名や住所の入力ルールを社内で統一しておくだけでも、AIが参照できるデータの質は変わってきます。

不動産ID整備など今後のデータ環境の見通し

不動産のAI活用を長期的に見るうえでは、国土交通省が進める「不動産ID」の整備状況を押さえておく必要があります。不動産IDは、住所表記のゆれなどにより特定が難しい不動産を一意に識別するための番号です。

国土交通省は、不動産IDをキーに不動産を軸とした情報連携を進めることで、官民双方の分野でビジネスの発展と効率性向上を目指すとしています。現在は「不動産IDのあり方に関する勉強会」で生成・管理・利用のルールを検討している段階で、2027年度中に一部の先行整備地域で試験運用を始める計画です。不動産ID整備を待つか待たないか

不動産IDによるデータ連携が進めば、査定AIが参照できる取引事例データの範囲が広がり、AI活用の精度向上につながる可能性があります。もっとも試験運用は2027年度からで、社会実装にはさらに時間がかかる見通しです。

ここで判断が分かれるのは、この整備を待ってからAI活用を検討するか、待たずに自社データの範囲で小さく始めておくかという点です。不動産IDによる恩恵は業界全体のデータ連携が進んだ先の話であり、自社の物件マッチングや査定の精度は、自社データの整備状況にもすでに左右されています。整備の完了を待つ理由にはならず、並行して自社の準備を進めておく考え方が現実的でしょう。

参考:国土交通省「不動産市場整備:不動産ID」

社内にAI活用を定着させるには

ここまでの領域や事例を踏まえても、実際に着手できるかどうかは、社内に最初の一歩を担う人がいるかどうかで変わってきます。手順を整理しても、それを実行する担当者が決まらなければ検討は止まったままになります。

malnaはAI導入や生成AIの活用支援を通じて、業種を問わず累計40社以上の企業に伴走してきました。支援の現場でくり返し見られるのは、ツールの選定よりも先に「最初に手を動かす担当者」を決められた会社のほうが、定着までの時間が短いという傾向です。担当者が決まっていないまま複数のツールを比較検討し続け、着手が先延ばしになっているケースもよく相談を受けます。

もう一つ見られる傾向として、担当者を役職ではなく実務を担う人に置いた会社のほうが、現場の細かい違和感を早く拾えるという点があります。管理職が旗振り役を担うこと自体は必要ですが、実際に画面を触って修正を重ねるのは現場の担当者です。この役割分担が曖昧なまま進めると、小さく試す段階で止まりやすくなります。

査定や顧客対応のどの業務から着手すべきか、社内の体制づくりも含めて整理したい場合は、お問い合わせからご相談ください。業務の棚卸しから、小さく試す対象の選定まで、状況に応じてご一緒できます。

よくある質問

不動産のAI活用を検討する過程でよく挙がる疑問をまとめました。社内で話を進める前に、あわせて確認しておきたい観点です。ここまでの内容と重なる部分もありますが、要点を絞って再確認できるようにしています。

不動産業界でAIはどんな業務に使われていますか

査定、物件マッチング、顧客対応・追客、契約・重要事項説明、社内業務効率化の5つの領域で使われています。現時点では、査定価格の算出や問い合わせの一次対応など、AIが担う範囲を業務の一部に絞り込んで導入している事例が中心です。

不動産会社の生成AI活用率はどのくらいですか

いえらぶGROUPが2025年5月に不動産会社222社を対象に行った調査では、生成AIを業務で利用したことがある会社は41.4%でした。同時期の全業種平均(帝国データバンク調査、34.5%)と比べても、不動産会社の活用は先行しています。

不動産のAI活用は宅建業法に抵触しませんか

用途によります。国土交通省は、宅地建物取引業者がデジタルやAI等の技術を活用する際、購入者等の利益の保護が確保されることを前提とする方針を示しています。査定や社内業務効率化は取り組みやすい一方、重要事項説明に関わる領域は指針の内容を確認したうえで検討する必要があります。

不動産IDの整備は不動産のAI活用にどう関係しますか

不動産IDによって取引事例データの連携が進めば、査定AIなどが参照できるデータの範囲が広がり、精度向上につながる可能性があります。ただし2027年度中の試験運用を予定している段階で、社会実装にはさらに時間がかかる見通しです。

不動産会社がAI活用を始める最初の一歩は何ですか

自社の業務を棚卸しし、繰り返し発生していて判断基準を言葉にできる業務を1つ選ぶことです。対象を絞って小さく試し、現場に定着させたうえで効果を測定し、対象を広げるかどうかを判断する流れが着手しやすい進め方です。

まとめ

不動産のAI活用は、査定、物件マッチング、顧客対応・追客、契約・重要事項説明、社内業務効率化という5つの領域に分けて捉えると、自社に当てはめやすくなります。公式発表で確認できた事例は、いずれもAIが担う範囲を業務の一部に絞り込んで導入していました。

一方で、重要事項説明に関わる領域は購入者保護が前提になり、AIの精度を左右するデータ整備も不動産ID整備の進展を待つ部分が残っています。すべてを一度に進めようとせず、繰り返し発生する業務から小さく試す進め方が、検討を止めないコツです。

いえらぶGROUPの調査が示すとおり、不動産業界には生成AIに関心を持つ会社が多い一方、着手の仕方がわからないまま止まっている会社も一定数います。業務の棚卸し、小さく試す、現場に定着させる、効果を測って広げるという4つの手順を踏めば、検討を先延ばしにせずに次の一歩を決められます。

まずは自社の業務を1つ棚卸しし、対象を絞って小さく試すところから動かしてみてください。着手する業務の選び方に迷う段階であれば、お問い合わせからご連絡いただければ、状況をうかがいながら次の一歩を一緒に決められます。

AIを使える人材が社内にいない場合

始め方の道筋はわかった。でも、最初に手を動かして小さく試す人が社内にいない。

査定や顧客対応の候補業務が見えても、実際にツールを選び、範囲を絞って試す作業は、誰かが着手しなければ止まったままになるのではないでしょうか。malnaでは、AI活用の実務経験を持つ人材をご紹介するAIタレント名鑑を運営しています。採用ではなく業務委託として、週1日から相談いただけます。

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執筆者情報

malnaブログ編集部

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