2026.09.09
介護のAI活用事例【2026年版】|報酬・人員基準からみる定着の条件
介護のAI活用事例を検索すると、見守りセンサーや記録支援ツールの成功談が数多く見つかります。ただ、削減率の大きさに目を引かれても、それが介護報酬の加算要件や夜勤の人員配置基準とどうつながっているのかまでは書かれていないことがほとんどです。制度と切り離された事例をいくら集めても、自施設で何から着手すればよいかの判断材料にはなりません。
目次
実際のところ、介護現場のAI活用は一般企業の業務効率化とは前提が異なります。人員配置基準という法定の縛りがあり、記録業務には介護報酬上の様式が絡み、夜勤帯は人手を増やすこと自体が難しいという構造があるからです。公式発表や業界紙で確認できた3件の事例を、介護報酬・人員配置基準・記録業務の負担・夜間帯の人手不足という、介護に特有の制約と結びつけながら読み解いていきます。介護施設の経営者や管理者、ケアマネジャーの方が、自施設の課題とAI活用をどう接続できるかを判断できる状態を目標にしています。
制度の要件を確認しないままツールだけを選び、あとから加算要件に合わなかったとなれば、導入にかけた時間と費用が無駄になります。加算の可否そのものは制度の解釈に関わるため、保険者である自治体の窓口や事業者団体に確認するのが確実です。そのうえで、業務のどこにどれだけ時間がかかっているかを整理したい場合は、お問い合わせからご相談ください。
介護のAI活用事例を読み解く前提
介護のAI活用事例とは、介護施設や事業所が記録業務や見守り、ケアプラン作成といった具体的な業務にAIを組み込み、その内容を公式に公表した記録を指します。事例の数を追うだけでは、自施設に当てはまるかどうかは判断できません。
介護のAI活用が向かう先は、大きく3つの領域に分かれます。ひとつは夜間の見守りや巡回といった安全確認の領域、もうひとつは記録やモニタリングといった情報整理の領域、最後がケアプラン作成のような専門判断を支援する領域です。同じ生成AIブームの中でも、介護現場で先に広がっているのはこの3領域で、患者や利用者への直接的なケアそのものをAIに置き換える動きはまだ限定的です。
なぜこの3領域から広がっているのかといえば、いずれも人が担ってきた業務の中でも、頻度が高く、かつ手順がある程度決まっている部分だからです。見守りは同じ動作を繰り返し確認する業務であり、記録は様式が定型化されており、ケアプラン作成も国が定めた書式に沿って進めます。逆に、食事介助や入浴介助といった身体に直接触れるケアは、利用者ごとの状態やその日の体調に応じて判断が変わるため、AIによる代替が難しい領域として残っています。介護のAI活用事例を読むときは、その事例がこの3領域のどこに位置しているのか、身体介護そのものに踏み込んでいるのかを区別すると、実現性の見立てを誤りにくくなります。
もうひとつ押さえておきたいのは、介護のAI活用は一般企業のDXと異なり、制度という外部要因に強く規定されている点です。どれだけ優れた見守り機器を導入しても、夜勤職員配置基準の要件を満たしていなければ人員配置は変わりませんし、記録支援ツールを入れても介護報酬上の書類要件を満たさなければ二度手間になります。事例を読む際は、ツールの機能そのものと同じくらい、それが制度のどの部分と接続しているのかを確認する必要があります。
この記事で扱う3件の事例を一覧にしておきます。数値は各社・各団体が公表した時点のもので、後年の状況が変わっている可能性がある点に留意してください。
| 領域 | 主体 | AI・ツール名 | 公表時期 |
|---|---|---|---|
| 夜間巡回・消毒 | 学研ホールディングス(メディカル・ケア・サービス、学研ココファン) | Aeolus Robot | 2020年12月発表、2021年1月本格導入 |
| モニタリング代替 | やさしい手(KDDI・NICT・NECソリューションイノベータと連携) | MICSUS(RoBoHoNに搭載) | 2023年11月〜12月に実証 |
| ケアプラン作成支援 | 愛媛県伊予市(シーディーアイ提供) | SOIN | 2022年に実証事業参加、活用は2021年から |
介護現場のAI活用事例
ここからは、上記3件を1事例ずつ取り上げます。どの事例も、介護報酬や人員配置基準に直接影響するかどうかは異なるため、公表内容と制度の関係を分けて確認してください。
学研ホールディングス系列|夜間巡回とUV消毒を担うロボットの導入
学研ホールディングスのグループ会社であるメディカル・ケア・サービスと学研ココファンは、自律走行ロボット「Aeolus Robot」を6つの介護付き有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅に導入し、2021年1月から順次本格稼働させました。対象はファミニューすみだ文花、アンサンブル大宮日進、アンサンブル浜松尾野、ココファン西船橋、ココファン西八王子、ココファン城東の6施設です。
このロボットが担うのは、紫外線照射による接触頻度の多い箇所の消毒作業と、夜間の居室巡回および利用者の見守り、そして異常を検知した際の職員への通知です。両社は導入の狙いを、生産性の向上と転倒・事故件数の削減を目指すことだと説明しています。ここで注意したいのは、削減率のような定量的な成果は公表時点で示されていない点です。目指す状態は明確でも、達成値としての数字はまだ出ていない段階の事例だと理解しておく必要があります。
夜間巡回は本来、職員が施設内を歩いて回る業務です。ロボットが定期巡回を担えば、職員は異常通知があった居室に絞って対応でき、巡回そのものに使っていた時間を利用者対応に振り向けられます。ただし通知を受けて実際に動くのは職員であり、ロボットは見守りの一次情報を集める役割にとどまります。
この事例が6施設という複数拠点でほぼ同時期に導入された背景には、学研ホールディングスがグループ全体で高齢者向け住宅を多数運営しているという規模の存在があります。1施設だけの試験導入ではなく、複数の施設で同時に走らせることで、施設ごとの立地や建物構造の違いによる効果の出方も比較しやすくなります。単独の施設で完結する取り組みではなく、グループとしての展開を前提に設計されている点は、他の法人が導入を検討する際の参考になります。
参考:ロボスタ「学研グループが自律走行型ロボット『Aeolus Robot』を導入」
やさしい手×KDDI|対話AIでケアマネジャーのモニタリング業務を代替する実証
在宅介護サービスを手がけるやさしい手は、KDDI、情報通信研究機構、NECソリューションイノベータが共同開発した対話AIシステム「MICSUS」を使った実証実験に、2023年11月17日から12月18日まで参加しました。対象は東京都内のサービス付き高齢者向け住宅の入居者と棟外の利用者、合わせて10名です。
MICSUSは、シャープの対話AIロボット「RoBoHoN」に搭載され、高齢者の健康状態や生活状況の変化を聞き取る役割を担います。狙いは、ケアマネジャーが定期的に行う介護モニタリングの一部をAIとの対話に置き換え、面談にかかる業務負荷を軽減することです。プレスリリースの段階では、この実証で得られた削減効果の具体的な数値は公表されておらず、実証の枠組みと対象規模のみが確認できる内容にとどまります。
この事例が示しているのは、記録そのものより前工程にあたる情報収集を、AIとの対話で代替できるかという試みです。介護記録は入力の手間だけでなく、そもそも聞き取りに時間がかかるという課題もあり、モニタリング業務の入口部分にAIを置く発想は、記録の効率化とは別の角度からのアプローチだといえます。
対象が10名という小規模な実証にとどまっていた点も見逃せません。ケアマネジャーが行うモニタリングは、利用者との信頼関係を前提にした対話であり、聞き取る内容も体調の変化だけでなく生活全般に及びます。実証段階でまず小規模に留めたのは、対話AIが拾える情報の範囲と、ケアマネジャーが本来必要とする情報の範囲にどれだけ差があるかを確かめる工程が欠かせないからだと考えられます。規模を先に広げるのではなく、代替できる範囲を見極めてから広げるという順序は、身体介護に近い業務ほど参考にしたい進め方です。
参考:KDDI「対話AIロボット『RoBoHoN』にケアプラン作成支援等を搭載した実証実験」
愛媛県伊予市|AIケアプランがケアマネジャー個人の実務を変えた例
シーディーアイが開発・提供するAIケアプラン支援サービス「SOIN」は、2022年10月末時点で有償ユーザー数が全国で8,500人を突破したと報じられています。愛媛県は2022年7月からAIケアプランの活用に関する実証事業を開始し、伊予市はその参加自治体のひとつです。
伊予市のケアマネジャーである茂川久子氏は、2021年3月に開催された愛媛県介護支援専門員協会の研修でSOINに触れ、実務での活用を始めました。SOINは、要介護度が1年後にどう変化するかを80%以上の精度で予測する機能を持ち、ケアマネジャー1人あたりの基本情報入力にかかる時間は約15分程度とされています。利用料はケアマネジャー1人あたり月額6,000円(税抜)です。
この事例で押さえておきたいのは、組織全体の効果測定データではなく、個人のケアマネジャーの活用例として報じられている点です。全国8,500人という利用者数は普及の広がりを示していますが、それぞれの現場でどれだけ業務時間が削減されたかという横断的な数値は、この報道の範囲では確認できません。ケアプラン作成は専門的な判断が求められる業務のため、AIが出す予測を最終判断にどう組み込むかは、ケアマネジャー自身の運用に委ねられている部分が大きいといえます。
自治体が実証事業として関わっている点も特徴です。愛媛県は伊予市を含む複数の市町でAIケアプランの活用を実証事業として位置づけており、個々の事業所任せにせず、行政が音頭を取って普及を後押しする形を取っています。ケアプラン作成支援AIのように専門判断に近い領域ほど、単独の事業所が孤立して試すよりも、自治体単位で研修や情報共有の場を設けたほうが定着しやすいことをうかがわせる事例です。
参考:シルバー産業新聞「AIケアプラン、愛媛県のケアマネが実践」
介護報酬と人員配置基準からみるAI・見守り機器導入の条件
介護施設がAI・見守り機器を導入する際、実は介護報酬制度そのものに直接の加算があるわけではなく、夜勤の人員配置基準を緩和できるかどうかという形で制度と結びついています。ここを理解せずに機器だけを選ぶと、期待した人員体制の変更ができない事態になりかねません。
2024年度の介護報酬改定では、夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準として、見守り機器等を利用者の10%以上に導入し、適切な運用体制を整えている施設について、夜勤職員の人員配置を0.9人として算定できる仕組みが設けられています。対象となるのは、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設、短期入所生活介護、介護老人保健施設、短期入所療養介護の入所系サービスで、有料老人ホームは対象に含まれていません。
| 改定年度 | 見守り機器の導入割合要件 | 配置緩和の内容 |
|---|---|---|
| 2021年度改定 | 15%以上 → 10%以上に引き下げ | 加配人員を0.9人に緩和 |
| 2021年度改定(新設区分) | 全床導入等が条件 | 加配人員を0.6人に緩和できる区分を新設 |
| 2024年度改定 | 10%以上の導入と運用体制の整備 | 夜勤職員配置加算で0.9人として算定 |
この変遷の背景には、2022年度に実施された「介護ロボット等による生産性向上の取組に関する効果測定事業」があります。見守り機器関連で40施設程度を想定した検証が行われ、転倒予防、訪室優先度の把握、夜勤業務の効率化、職員の精神的負担軽減といった項目が確認されました。この結果が2024年度改定に向けたエビデンスとして報告されています。
つまり、見守り機器を入れれば自動的に人員配置が緩和されるわけではなく、導入割合の要件を満たし、なおかつ運用体制を整えて初めて緩和の対象になるという順序です。学研ホールディングス系列の事例のように巡回や通知を担うロボットを入れても、それだけで加配基準を満たすとは限らず、施設として導入割合と運用体制の両方を確認する必要があります。
参考:けあタスケル「【2024年報酬改定】夜勤職員配置加算とは?算定要件と単位数をわかりやすく解説」
参考:日本医事新報社「見守り機器等の効果検証を実施、次期介護報酬改定に向けて」
制度の要件を読み違えて機器選定をやり直すことになれば、現場の負担は増えます。加算要件と機器の対応関係は制度側の判断が伴うため、自治体の窓口で確認したうえで選定に進む順番になります。導入後の記録や集計をどう回すかを整理したい場合は、お問い合わせからご連絡ください。
記録業務の負担とAI活用が向く理由
介護現場でAI活用が広がっている領域のひとつが記録業務であることには理由があります。介護記録は日々の業務の中で発生頻度が高く、様式がある程度定型化されているため、AIが介入しやすい構造になっているからです。
やさしい手の事例では、ケアマネジャーが行う介護モニタリングという情報収集の工程にAIとの対話を組み込んでいました。SOINの事例では、要介護度の予測に加えて基本情報の入力という記録に近い作業に約15分という具体的な時間が示されています。どちらも、記録や情報収集という反復性の高い業務にAIを充てるという共通点があります。
一方で、記録業務にAIを充てる際は、入力された情報の正しさを誰がどう確認するかが課題になります。SOINの予測精度は80%以上とされていますが、逆に言えば残りは予測が外れる可能性があるということです。予測や自動生成された記録をそのまま確定情報として扱うのではなく、専門職が最終確認する工程を残す設計が必要になります。
記録業務の負担軽減を目的にAIを検討する場合は、対象業務が反復的で様式が決まっているかどうか、そして誰が最終確認を担うかを先に決めておくことが、事例を自施設に当てはめる際の分かれ目になります。
もうひとつ考えておきたいのは、記録が単なる作業ログではなく、介護報酬の請求やモニタリングの証跡として扱われるという点です。介護記録は、実施した支援の内容と時間を裏づける書類でもあり、監査や実地指導の際に確認される対象になります。AIが自動生成した文章をそのまま記録として残す場合、誰がいつ内容を確認し、必要に応じて修正したのかという経緯も合わせて残しておく必要があります。効率化だけを目的に導入すると、この確認プロセスが抜け落ち、記録としての信頼性が下がるリスクがあることは意識しておくべきでしょう。
夜間帯の人手不足とAIにできること・できないこと
夜間帯の人手不足は、介護現場で長く指摘されてきた課題です。学研ホールディングス系列の事例のように、AIやロボットが巡回や消毒、異常検知の通知を担うことで、職員が対応すべき場面を絞り込む効果は見込めます。ただし、AIが夜勤者の代わりに利用者へ直接ケアを提供できるわけではありません。
2026年8月28日に開催された社会保障審議会の介護給付費分科会では、2027年度の介護報酬改定に向けた議論が行われ、介護職員と他産業との賃金格差が月額8万円程度存在するとの指摘があり、複数の委員が大幅な処遇改善の必要性を主張しています。同時に、夜間の見守り機器活用によって職員の業務時間が削減されたとする検証結果が示された一方で、複数の委員から「テクノロジー導入は人手の代替にはならない」という指摘があり、夜間に必要なケアが実際に適切に提供されているかどうかの検証も求められています。
この指摘は、学研ホールディングス系列の事例が「生産性向上や転倒・事故件数の削減を目指す」段階にとどまっていたことと符合します。ロボットが担えるのは巡回と通知という補助的な役割であり、通知を受けて利用者の状態を確認し、必要なケアを行うのは引き続き職員の仕事です。夜間帯の人手不足という課題に対して、AIやロボットは業務の一部を肩代わりする手段にはなっても、人員そのものを不要にする手段ではないと理解しておく必要があります。
夜間帯は日中と違い、応援を呼べる人員が施設内にほとんどいないという事情もあります。日中であれば他のフロアの職員に一時的な応援を頼めますが、夜勤は最小人数で回している時間帯であり、ひとつの異常対応に人手を取られると他の利用者への目配りが手薄になります。見守り機器やロボットが果たす役割は、この手薄になる時間をできるだけ短くすることであり、異常の発生自体を防ぐものでも、対応そのものを代行するものでもありません。処遇改善の議論と技術活用の議論は本来別の論点ですが、社会保障審議会の場で同時に取り上げられているのは、どちらか一方だけでは夜間帯の人手不足に対応しきれないという認識が共有されているからだと読み取れます。
参考:GemMed「介護人材の確保・定着のために大幅な処遇改善を!夜間見守り機器導入で介護スタッフの業務負担が軽減」
介護施設がAI導入を検討する際に確認したい4つの視点
ここまでの事例と制度を踏まえると、介護施設がAI導入を検討する際に確認しておきたい視点が4つ見えてきます。
視点1|対象業務が介護報酬・人員配置基準のどこに紐づくかを先に確認する
夜勤職員配置加算の緩和は見守り機器の導入割合と運用体制の両方が条件になっており、機器を入れるだけでは完結しません。導入を検討している業務が、加算や基準のどの要件に対応するのか、あるいは対応しないのかを先に確認しておくと、期待していた効果と実際の制度上のメリットがずれずに済みます。
視点2|公表されている数値が達成値か目標値かを区別する
学研ホールディングス系列の事例は削減率などの数値がまだ示されていない段階、SOINの事例は個人のケアマネジャーの活用例として報じられたものでした。他社の事例を参考にする際は、その数値が組織全体の実績なのか、個人の活用例なのか、あるいはこれから目指す目標なのかを区別しないと、自施設で同じ効果を見込めるという誤解につながります。
視点3|AIの出力を誰が最終確認するかを導入前に決めておく
SOINの予測精度は80%以上とされており、裏を返せば外れるケースも一定数あります。記録の自動生成やモニタリングの代替にAIを使う場合も同様に、専門職が最終確認する工程をどこに置くかを、ツール選定と同時に決めておく必要があります。この工程を後回しにすると、現場でAIの出力を信頼してよいかの判断がつかず、結局は使われないまま終わってしまいます。
視点4|小規模な範囲で始め、対応できる業務範囲を見極めてから広げる
やさしい手の事例が対象を10名にとどめていたように、いきなり全施設・全利用者に展開するのではなく、特定のフロアや一部の利用者から始めて、AIが対応できる範囲とできない範囲の境界を確認する進め方が有効です。介護は利用者ごとの個別性が大きい領域のため、ある利用者ではうまく機能した仕組みが、別の利用者では通用しないことも珍しくありません。範囲を絞った試行を経てから展開すれば、対応しきれない場面が見つかった際の影響を小さく抑えられます。
よくある質問
介護のAI活用事例を調べる過程でよく挙がる疑問をまとめました。
見守り機器を導入すれば夜勤の人員配置基準は一律に緩和されますか
一律には当てはまりません。2024年度の介護報酬改定では、見守り機器等を利用者の10%以上に導入し、適切な運用体制を整えている場合に夜勤職員の配置を0.9人として算定できる仕組みですが、対象施設は介護老人福祉施設など入所系サービスに限られ、有料老人ホームは対象外です。導入割合と運用体制の両方を満たす必要があります。
AI導入で介護報酬が直接加算されることはありますか
本記事で確認した範囲では、AI・見守り機器の導入が夜勤職員配置加算という人員配置基準の緩和に結びつく仕組みが中心です。機器の導入自体に単独の加算が設定されているわけではなく、人員配置の要件緩和という形で制度と関わっている点を押さえておく必要があります。
中小規模の介護事業所でもAI活用は可能ですか
可能です。愛媛県伊予市の事例では、ケアマネジャー個人がAIケアプラン支援サービスを月額6,000円程度で活用し、要介護度の予測などに役立てています。組織全体の大規模な導入だけでなく、個人単位で始められるサービスも存在します。
AIは夜間の人手不足を解決できますか
人手不足をすべて解消するものではありません。2026年8月の社会保障審議会介護給付費分科会でも、夜間見守り機器の活用効果は確認されつつ、テクノロジー導入は人手の代替にはならないという指摘がありました。AIやロボットは巡回や通知といった補助的な役割を担えますが、実際のケアを提供するのは職員です。
まとめ
介護のAI活用事例は、削減率などの数値だけを見るのではなく、介護報酬の加算要件や人員配置基準、記録業務の性質、夜間帯の人手不足という介護特有の制約と結びつけて読むことで、自施設への当てはめ方が見えてきます。本記事で取り上げた3件は、夜間巡回を担うロボット、モニタリングを代替する対話AI、ケアプラン作成を支援するAIと、それぞれ異なる業務領域に対応していました。
制度面では、見守り機器の導入割合と運用体制を満たすことで夜勤職員配置加算の緩和につながる一方、テクノロジーが人員そのものを代替するわけではないという指摘も示されています。自施設で検討する際は、対象業務が制度のどこに紐づくか、数値が達成値か目標値か、AIの出力を誰が最終確認するか、そして小規模な範囲で対応できる業務を見極めてから広げているかという4つの視点を先に整理してから着手することをおすすめします。
制度の要件と自施設の課題をどう接続すればよいか迷う段階であれば、お問い合わせからご相談ください。
AIを使える人材が社内にいない場合
制度と事例のつながりは見えた。でも、それを自施設の業務に当てはめて動かす人が現場にいない。
介護報酬の要件を読み解けても、実際に機器を選び、運用体制を整える作業は誰かが着手しなければ止まったままになるのではないでしょうか。malnaでは、AI活用の実務経験を持つ人材をご紹介するAIタレント名鑑を運営しています。採用ではなく業務委託として、週1日から相談いただけます。
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