2026.09.09
マーケティング顧問とは|費用相場と失敗しない選び方4つのポイント
マーケティング業務を自社だけで回す中で、判断のよりどころが欲しくなった経営者やマーケティング担当の方は少なくないはずです。広告代理店に頼めば実務は前に進むものの、戦略の是非まで相談できる相手がなかなか見つからず、マーケティング顧問という選択肢にたどり着く方が増えています。専任のマーケティング責任者を採用するほどの規模ではないものの、意思決定を1人で抱え続けるのも心もとない、という中堅・中小企業の悩みの受け皿になっている面もあります。マーケティング顧問とは何か、依頼できる業務範囲、コンサルティングや広告代理店との違い、契約形態と費用相場、そして依頼前に確認しておきたいポイントを、顧問契約という継続的な伴走支援の形を検討している方に向けて整理します。
目次
マーケティング顧問とは、企業が外部のマーケティング専門家と契約を結び、戦略の立案から施策の実行支援までを中長期的に任せる契約形態のことです。
自社に合った顧問の選び方に迷ったら、お問い合わせから現状の課題をお聞かせください。
自社に必要なのが実務の代行なのか、意思決定の壁打ち相手なのかを整理するところから相談できます。顧問という選択肢が自社に合うかどうかの見極めも含めて話せます。マーケティング顧問とは、外部の専門家が企業に継続的に伴走する契約形態です
マーケティング顧問とは、外部のマーケティング専門家が企業と契約を結び、戦略の立案から現場への助言までを継続的に支援する契約形態です。単発の相談で終わるのではなく、企業という単位で長期的に関わり続ける点が特徴です。
主な支援内容は、顧客分析や市場調査・競合分析、マーケティング戦略や施策の立案・策定、経営層への助言などです。報酬体系は「固定報酬制」(毎月一定額を支払う形)、「時間単価制」(実際に活動した時間に応じて報酬が決まる形)、「成果報酬制」(成果に基づいて料金が発生する形)の3つに大別されます。
マーケティング顧問は「プロジェクト単位」ではなく「企業」という単位で長期的にサポートする点が、単発のコンサルティングとの大きな違いです。経営方針の変化や市場環境の変化に合わせて、都度アドバイスを更新してもらえる関係性だと捉えると位置づけがはっきりします。
関与の頻度は依頼先によって幅がありますが、月1〜2回の定例ミーティングで方針をすり合わせ、その間はチャットやメールで随時相談できる形にしているケースが一般的です。会議に同席して助言するだけでなく、社内の会議体そのものの設計や、議事録・振り返りの型づくりまで踏み込んで支援する顧問もいます。単なるアドバイザーとしてではなく、社内の意思決定プロセスの一部として組み込む発想で契約内容を設計すると、関係が長続きしやすくなります。
もともと「顧問」という契約形態は、法務・税務・労務といった士業領域で広く使われてきた考え方です。マーケティング領域でも同様に、日々の実務を代行するのではなく、専門知識をもとに継続的な相談相手になるという役割分担で使われるようになってきました。実務代行型の外注が「作業の巻き取り」を主眼に置くのに対し、顧問契約は「判断の質を上げること」に主眼を置いている、と捉えると両者の違いが分かりやすくなります。
依頼先の体制にも差が見られます。個人(フリーランス)のマーケティング顧問は特定分野の専門性を深く発揮しやすい一方、対応できる稼働時間や領域には限りがあります。支援会社に所属する顧問であれば、専門分野の異なるメンバーがバックアップに回れる分、対応範囲を広げやすいという特徴があります。依頼したい業務範囲の広さと、担当者個人との相性のどちらを優先するかによって、選ぶべき依頼先の形は変わってきます。
参考:マーケティング顧問とは?支援業務や活用方法、契約形態を解説(HiPro)
マーケティング顧問に依頼できる業務範囲は戦略設計から実行支援まで多岐にわたります
マーケティング顧問に依頼できる業務範囲は、市場・競合分析からマーケティング戦略の立案、施策の実行支援、社内体制の構築まで多岐にわたります。どこまでを顧問に任せ、どこからを自社や他の外注先が担うのかを事前に切り分けておくことが、契約後のすれ違いを防ぐポイントです。
| 業務領域 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 分析 | 市場調査・競合分析 |
| 戦略設計 | マーケティング戦略の立案・KPI設計 |
| 実行支援 | 広告運用の設計・管理、LP・コンテンツの設計、SNS戦略・アカウント設計 |
| 体制構築 | 計測・データ分析体制の整備、社内マーケティング体制の構築 |
| 渉外 | 外注先の管理・折衝 |
顧問料に加えて、広告費やLP制作費、各種ツールの利用料などの実費が別途発生する場合がある点も、契約前に確認しておく必要があります。実務まで依頼できるかどうかは顧問ごとに差があり、戦略設計と現場の指示出しまでを担う顧問もいれば、月次のレビューと助言に範囲を絞る顧問もいます。どちらが自社に合うかは、社内に実行できる担当者がどれだけいるかによって変わってきます。
社内マーケティング体制の構築を依頼する場合は、KPIツリーの設計や施策の優先順位づけのフレームを一緒に作ってもらい、次第に自社側だけで回せる状態を目指す進め方が一般的です。外注先の管理・折衝についても、広告代理店や制作会社に対する発注仕様のチェック、成果物のレビュー基準づくりまで踏み込んで支援してもらえる場合があります。
外注先の管理を顧問に任せる際は、誰が最終的な発注判断を下すのかをあらかじめ決めておくことも欠かせません。顧問が仕様や見積もりをチェックし、実際の発注や契約締結は自社の担当者が行うという役割分担が一般的ですが、この線引きを曖昧にしたまま進めると、値決めや納期の交渉で責任の所在が分かりにくくなることがあります。複数の外注先を並行して使っている企業ほど、顧問と社内担当者のどちらが窓口になるのかを早い段階で明確にしておくと、やり取りの重複や伝達のずれを防ぎやすくなります。
契約後の最初の数か月は、現状把握に費やされることが多くなります。過去の施策データやアクセス解析の数字を洗い出し、競合の動向と照らし合わせながら、どこにボトルネックがあるのかを一緒に特定していく期間です。この現状把握が丁寧に行われるかどうかが、その後の戦略の精度を左右するため、初期段階でどのような調査・ヒアリングを行うのかを契約前に確認しておくとよいでしょう。
レポーティングの形式も顧問によって差があります。定例ミーティングの議事録だけで済ませる場合もあれば、月次でKPIダッシュボードを共有し、数値の変化と次の打ち手を文書化して残す場合もあります。担当者が変わっても振り返れるように記録を残してほしい場合は、レポーティングの形式や頻度も契約前に希望を伝えておくと、期待とのずれを防げます。
レポーティングの形式をすり合わせないまま契約を進めると、経営層への報告のたびに議事録を読み返して要点を拾い直す手間が発生し、担当者の負担がかえって増えることがあります。特に、経営会議での報告を前提にしている企業は、顧問側の報告資料をそのまま転用できる形式かどうかを事前に確認しておくと、二重に資料を作り直す手間を避けられます。
マーケティング顧問とマーケティングコンサル・広告代理店の違いは成果責任の範囲とKPIの置き所にあります
マーケティング顧問とマーケティングコンサルティング、広告代理店の違いは、成果に対する責任の範囲とKPIをどこに置くかにあります。三者を混同したまま依頼先を選ぶと、期待した役割を果たしてもらえずに終わることがあります。
コンサルティング会社の役割について、ある専門メディアは「事業課題を分析し、マーケティング戦略・施策の方向性を設計する」立場だと説明しています。一方の広告代理店は「広告出稿・メディアバイイング・クリエイティブ制作など『実行』を主な業務とする」存在です。両者を分けるポイントとして、同メディアは「最大の違いはKPIの設定先」であり、「コンサルは『戦略・提言』が成果物であり、実行はクライアント側に委ねられる」と整理しています。
マーケティング顧問は、この二者の中間に近い立場です。戦略への助言を中心にしながら、必要に応じて実行の一部にも関与し、経営に近い距離感で継続的に付き合う点で区別されます。
三者の違いを取り違えると、依頼後にすれ違いが起きがちです。たとえば「広告の成果が伸び悩んでいるので相談したい」という課題に対して、コンサルティングは戦略の見直し案を提示して終わり、広告代理店は媒体設定の改善に閉じてしまうことがあります。マーケティング顧問であれば、戦略の見直しと媒体運用側への指示出しの両方に橋を架け、事業側のKPIまで視野に入れて助言できる点が強みになります。逆に、単に運用改善だけを急ぎたい場合は、顧問よりも実務に強い広告代理店へ直接依頼したほうが早いこともあります。
複数の外部パートナーを併用している企業では、マーケティング顧問・コンサルティング・広告代理店の役割が重なり合う場面も出てきます。たとえば、コンサルティングが立てた戦略提言を、顧問が現場の実情に合わせて具体的な実行計画に落とし込み、その計画に沿って広告代理店が媒体運用を担う、という三層の分業体制を組む企業もあります。この場合、誰がどの意思決定に責任を持つのかを事前に整理しておかないと、方針変更のたびに関係者間で説明の手戻りが発生しやすくなります。
依頼先に迷ったときは、「今欲しいのは方向性への答えか、それとも手を動かす人手か」を自問すると判断しやすくなります。方向性を決めきれずに止まっているなら顧問やコンサルティング、方向性は決まっていて実行の手が足りないなら広告代理店や制作会社、というように課題の性質で切り分けると、依頼後のミスマッチを減らせます。
| 比較軸 | マーケティング顧問 | マーケティングコンサル | 広告代理店 |
|---|---|---|---|
| 関わり方 | 企業単位で継続的 | プロジェクト単位で短期的 | 案件・媒体単位で継続的 |
| 主な成果物 | 戦略助言+実行の一部支援 | 戦略提言 | 広告運用・制作物 |
| KPIの置き所 | 事業KPIに近い | 提言内容そのもの | 媒体KPI(CPAやROASなど) |
広告代理店を含めた支援会社を数多く比較検討したい場合は、次の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:マーケティング支援比較15選|失敗しない選び方とおすすめ企業
参考:マーケティングコンサルと広告代理店の違い|選び方と失敗しないポイント(AsetZ)
マーケティング顧問の契約形態は3種類、費用相場は月額30万円から100万円程度が中心です
マーケティング顧問の契約形態は固定報酬制・時間単価制・成果報酬制の3つに大別され、費用相場は固定報酬型で月額30万円から100万円程度が中心の目安とされています。
依頼先や契約規模によって費用の幅は大きく変わります。ある専門メディアの集計では、契約形態や依頼先ごとの目安が次のように示されています。
| 区分 | 費用相場の目安 |
|---|---|
| 固定報酬型(月額) | 30万円〜100万円程度 |
| スポット型(都度) | 5万円〜30万円程度 |
| 依頼先:フリーランス・プロ人材 | 10万円〜50万円程度 |
| 依頼先:中小・領域特化型の支援会社 | 20万円〜100万円程度 |
| 依頼先:大手コンサルティングファーム | 100万円以上が中心 |
これらの数値はあくまで一般的な目安であり、支援範囲や企業規模、関与時間によって実際の見積もりは変動します。契約前には、月あたりの稼働時間や対応範囲を具体的にすり合わせたうえで見積もりを取ることをおすすめします。
月額顧問型の費用は、関与レベルによってさらに細かく分かれる傾向があります。ある専門メディアの整理では、月次ミーティングを中心に方針を助言する「ライト」な関与で月額5万円〜15万円程度、レビューと助言の頻度を上げた「スタンダード」な関与で月額15万円〜30万円程度、戦略助言に加えて実行の一部まで踏み込む「ハイブリッド」な関与で月額30万円〜100万円程度が目安として示されています。関与レベルが上がるほど費用も上がる傾向にあるため、まずは自社がどこまでの関与を求めているのかを整理してから見積もりを比較すると判断しやすくなります。
費用に幅が出る背景には、企業規模や業界特性、依頼する業務範囲の広さといった要因があります。BtoBとBtoC、商材の単価、意思決定に関わる人数の多さなどによって、必要な調査量や会議の頻度が変わるため、同じ「マーケティング顧問」という名称でも、企業ごとに見積もりの前提は大きく異なります。複数の候補から見積もりを取る際は、金額だけでなく、その金額にどこまでの業務が含まれているのかをあわせて比較することが欠かせません。
参考:マーケティング顧問の費用相場と依頼できる業務範囲(LnX合同会社)
参考:マーケティングコンサルの費用相場はどれくらい?相場・サービス内容・依頼先ごとの違いとは(ミエルカマーケティングジャーナル)
見積もりの金額差だけでなく、そこに含まれる業務範囲を照らし合わせても、自社にとって最適な打ち手が見えてくるとは限りません。求める関与レベルを踏まえた具体的な施策の設計から相談することもできます。マーケティング顧問を活用するメリットは専門知見の獲得、注意点は実行リソースを直接は補えないことです
マーケティング顧問を活用するうえで主なメリットは、社内にない専門知識を客観的な立場から取り入れられることです。一方で、顧問契約そのものが実務を動かす人員を直接補ってくれるわけではない点には注意が必要です。
メリット
顧問契約を評価する声の多くは、専門知見の獲得、客観的な視点、施策の一貫性という3点に集約されます。
- 社内とは異なる視点で状況を判断してもらえるため、経営層と現場のギャップ解消や、社内では見落とされがちな問題点の指摘が期待できます。同じ議論を繰り返してしまう社内会議に、第三者としての視点が入ることで結論が出やすくなる面もあります
- 最新のマーケティング手法やツールの動向を踏まえたうえで、自社に合った活用方法を助言してもらえます。複数の業界・企業を横断して見てきた経験がある顧問であれば、自社だけでは気づきにくい他業界の成功パターンを持ち込んでもらえることもあります
- 経営に近い立場から継続的に関与してもらえるため、施策の一貫性を保ちやすくなります。担当者の異動や退職があっても、顧問が方針の背景を把握し続けていることで、引き継ぎによる方針のぶれを抑えられます
注意点
契約前に押さえておきたい注意点は、実行リソースの不足、費用対効果の見えにくさ、業務範囲の曖昧さという3点です。
- 顧問契約は助言が中心となる場合が多く、実務そのものを担う人員は別途確保する必要があります。広告運用やコンテンツ制作の手を動かす担当者がいない状態で顧問だけを契約すると、方針は固まっても施策が動かないという事態になりかねません
- 定額報酬の契約で関与時間が短いと、費用に対して得られる支援量が見えにくくなることがあります。月あたりの稼働時間や対応可能な相談件数をあらかじめ確認し、費用と関与量のバランスを把握しておくことが望まれます
- 契約前に依頼したい業務範囲と評価の基準をすり合わせておかないと、期待とのずれが生じやすくなります。「何をもって支援がうまくいったと判断するか」を、売上や商談数といった事業指標のレベルで事前に合意しておくと、契約後の認識違いを防ぎやすくなります
業務委託契約の一般的な注意点として、ある専門メディアは、契約類型(請負・委任等)の確認、納品物や納品期限の明記、報酬の金額・支払時期・支払方法、契約解除の要件、再委託の可否といった項目を「特にチェックすべき事項」として挙げています。マーケティング顧問との契約も業務委託契約の一形態であるため、これらの一般的な確認項目は参考になります。
これらの項目が曖昧なまま契約を進めると、依頼した業務の範囲をめぐって後から認識のずれが生じやすくなります。特にマーケティングの業務は戦略立案と実行の境目が曖昧になりがちな領域のため、どこまでが顧問の役割で、どこからが社内担当者の役割かを契約の段階で言語化しておくことが重要です。契約内容の細部については、必要に応じて弁護士など専門家に確認することをおすすめします。
契約解除の要件についても、マーケティング顧問との契約特有の観点で確認しておきたい点があります。方針の助言が中心の契約は、実務の納品物のように「完了」の区切りが分かりにくいため、どの時点をもって解約通知の起算日とするのか、解約までの引き継ぎ期間をどの程度見込むのかを、契約書の文言として明記しておくと後のトラブルを避けやすくなります。
参考:業務委託契約を締結する際の注意点は?特にチェックすべき項目を紹介(マネーフォワード クラウド契約)
メリットと注意点を並べてみると、マーケティング顧問はあらゆる課題を解決する万能な契約形態ではなく、社内の状況に応じて向き不向きがある選択肢だと分かります。専門知見を客観的に取り入れたいのか、実務の手も含めて任せたいのかによって、期待すべき範囲は変わってきます。
顧問はあくまで意思決定の伴走者であり、実務そのものを巻き取ってくれる実行部隊ではない、という前提を押さえておくことが大切です。顧問による助言だけでなく実務の実行まで一緒に進めたいとお考えの場合は、お問い合わせから現在の体制や課題をお聞かせください。担当領域を踏まえた支援内容をご案内します。
マーケティング顧問が向いているのは意思決定の壁打ち相手を必要とする企業です
マーケティング顧問が向いているのは、社内にマーケティング機能はあるものの、意思決定の壁打ち相手や最新知見を補いたい企業です。反対に、施策の実務そのものをまるごと巻き取ってほしい企業には、代行型の支援会社の方が適している場合があります。
向いている企業の特徴は、社内にマーケティング担当者がいて実務は回せているが方針判断に不安がある、経営層と現場の間で意思疎通に課題がある、特定分野の専門知見だけをスポットで補いたい、といったケースです。反対に、マーケティング担当者が社内に不在で実務ごと巻き取ってほしい企業や、単発のキャンペーン制作だけを依頼したい企業には、実行代行型の支援会社や広告代理店の方が合っていることがあります。
| 状況 | 向いている依頼先 |
|---|---|
| 実務は回せるが方針判断に不安がある | マーケティング顧問 |
| 経営層と現場の意思疎通に課題がある | マーケティング顧問 |
| 実務の担当者が社内に不在で丸ごと任せたい | 実行代行型の支援会社 |
| 単発のキャンペーン・LP制作だけを依頼したい | 広告代理店・制作会社 |
| 中長期でマーケティング機能を社内に残したい | 顧問または内製化支援会社 |
向いていないケースにあえて顧問を依頼してしまうと、方針は明確になっても実行に移す人手が足りず、施策が前に進まないまま契約期間だけが過ぎてしまうことがあります。逆に、実行力のある広告代理店に経営レベルの方針判断まで期待してしまうと、媒体運用の枠を超えた提案は得づらく、物足りなさを感じる結果になりかねません。依頼前に、自社が本当に不足しているのは「判断の材料」なのか「手を動かす人」なのかを切り分けておくことが、依頼先選びの出発点になります。
企業の成長段階によっても、向き不向きは変わってきます。マーケティング担当者を採用したばかりで実務の型がまだ固まっていない時期は、顧問から方針の骨格を示してもらいながら担当者が実務を覚えていく進め方が合いやすい一方、担当者が一定の経験を積んだ後は、顧問への依存度を下げて社内主導に切り替えていくフェーズに移ることが多くなります。契約時点の状況だけでなく、半年後・1年後にどこまで自走したいのかという見通しを踏まえて依頼先を選ぶと、途中で関わり方を見直す際の判断もしやすくなります。
顧問契約と近い形態として、内製化支援会社への依頼という選択肢もあります。ある内製化支援会社は、伴走の目的について「判断・データ・運用の型を社内に残し、専門性の高い実行領域については、お客様自身の判断で外部パートナーを活用できる状態をつくること」だと説明しており、支援が終わった後も自走できる状態を目指す考え方は、顧問契約の目的とも重なる部分があります。
なお、マーケティング支援に加えてAI活用の内製化まで見据える企業も増えています。マーケティングの戦略設計や運用改善と並行して、業務効率化のためのAI活用まで相談したいというニーズです。malna株式会社はマーケティング支援とAI導入支援の両方を行う会社であり、こうした支援会社の一例です。依頼先を検討する際は、マーケティング領域だけでなく、隣接する業務領域までカバーできる支援会社かどうかも判断材料の一つになります。
参考:デジタルマーケティング伴走支援(株式会社プリンシプル)
マーケティング顧問の選び方は依頼前に確認したい4つのポイントで整理できます
マーケティング顧問を選ぶ際に確認しておきたいポイントは、依頼したいゴールの明確さ、契約形態と稼働時間、実行リソースの有無、相性という4点に整理できます。この4点を契約前にすり合わせておくことで、依頼後のずれを減らせます。
複数の候補と面談する際は、同じ質問リストを使って比較すると判断がぶれにくくなります。以下の4点は、いずれも契約書を交わす前の面談段階で確認しておきたい項目です。
ポイント1 依頼したいゴールを明確にする
まず、顧問に何を期待するのかを自社の中で明確にしておく必要があります。売上や新規顧客獲得数といった事業KPIの改善を求めるのか、社内のマーケティング体制の構築や人材育成を求めるのかによって、適した顧問のタイプは変わります。ゴールが曖昧なまま契約すると、顧問側も何を優先して助言すべきか判断できず、結果として毎回の議論が広く浅いものになりがちです。契約前に、経営陣・現場担当者それぞれが顧問に求めることを書き出し、すり合わせておくと後のずれを防げます。
ポイント2 契約形態と稼働時間を確認する
固定報酬制・時間単価制・成果報酬制のどれを選ぶかによって、月あたりの関与時間や費用感が大きく変わります。月に何時間・何回のミーティングが含まれるのか、ミーティング以外のチャット相談は含まれるのか、稼働時間の目安を契約前に確認しておきましょう。成果報酬制を選ぶ場合は、何をもって成果とみなすのか、測定方法と支払いのタイミングまで契約書に明記しておくことが望まれます。
ポイント3 実行リソースの有無を確認する
顧問が助言のみを担うのか、施策の一部実行まで対応してもらえるのかを確認します。実務を担う人員が社内にいない場合は、実行支援まで含む契約形態や、実行代行型の支援会社との併用を検討する必要があります。逆に実務担当者が社内に十分いる場合は、実行支援分の費用を払わずに、方針助言に特化した顧問を選んだほうが費用対効果は高くなります。
ポイント4 相性を確認する
契約期間が長期にわたることが多いため、面談やトライアル期間を通じて、コミュニケーションの取りやすさや自社の業界・商材への理解度を確認しておくことをおすすめします。率直に意見を述べてくれるか、社内の事情を丁寧にヒアリングした上で提案してくれるかといった点も、長く付き合う相手を選ぶうえでは費用や実績と同じくらい重要な判断材料になります。
よくある質問
マーケティング顧問の検討にあたって、費用や契約期間、実務対応の可否など、担当者からよく寄せられる質問を以下にまとめました。
マーケティング顧問と業務委託のマーケティング担当者は何が違いますか
マーケティング顧問は経営に近い立場から戦略への助言を継続的に行う契約形態であるのに対し、業務委託のマーケティング担当者は特定の実務を日常的に担う稼働に近い契約です。関与の深さと担う業務の性質が異なります。
マーケティング顧問との契約期間はどのくらいが一般的ですか
明確な統一基準はありませんが、企業という単位で長期的に関わることが多く、数か月から1年以上の契約が一般的です。まずは3か月から半年程度の期間で成果や相性を確認し、更新の可否を判断する進め方も広く行われています。
マーケティング顧問に依頼すれば広告運用やコンテンツ制作の実務も任せられますか
契約内容によります。助言が中心の顧問契約では実務までは含まれないことが多く、実務も任せたい場合はその旨を契約前に伝え、実行支援まで対応できる顧問か、実行代行型の支援会社との併用が必要かを確認する必要があります。
マーケティング顧問はスタートアップや中小企業でも活用できますか
活用できます。専任のマーケティング担当者を採用する前段階で、戦略立案や体制構築の壁打ち相手として顧問を活用する例は珍しくありません。フリーランスや小規模な支援会社であれば、比較的抑えた費用感で依頼できる場合もあります。
顧問料以外に想定しておくべき費用はありますか
顧問料とは別に、広告出稿費やLP・コンテンツの制作費、計測ツールの利用料などが実費として発生する場合があります。見積もりを比較する際は、顧問料に何が含まれ、何が別途費用になるのかを事前に確認しておくことが大切です。
マーケティング顧問との契約は途中で解除できますか
契約書に定めた解除条項の内容によります。方針の助言が中心の契約は実務の納品物のように完了の区切りが分かりにくいため、解約の通知期限や引き継ぎ期間をどう定めているかを契約前に確認しておくことが重要です。取り決めが曖昧なまま契約すると、解約したいタイミングで通知期限や違約金の扱いをめぐって認識の相違が生じることがあります。
まとめ
マーケティング顧問とは、外部の専門家が企業という単位で継続的に伴走し、戦略の立案から現場への助言までを支援する契約形態です。コンサルティングが単発の提言を成果物とし、広告代理店が実行そのものを担うのに対し、顧問は経営に近い立場から継続的に関与する点で区別されます。契約形態は固定報酬制・時間単価制・成果報酬制の3つに大別され、費用相場は固定報酬型で月額30万円から100万円程度が中心です。
依頼する際は、依頼したいゴールの明確さ、契約形態と稼働時間、実行リソースの有無、相性という4つのポイントを事前に確認しておくことで、契約後のずれを防げます。顧問による助言と実務の実行、どちらまでを外部に求めるのかを整理したうえで、自社に合った依頼先を検討してみてください。
顧問契約を検討する過程で、実行代行型の支援会社や内製化支援会社と迷うことも少なくありません。どの形態が合うかは、社内の実行リソースの有無と、どこまでを自社に残したいかという方針次第で変わってきます。まずは自社の現状を整理し、必要であれば複数の依頼先候補に相談しながら比較検討を進めてみてください。
依頼先を1社に絞る前に、複数の候補と面談し、依頼したいゴール・契約形態・実行リソース・相性の4点を同じ基準で比較することをおすすめします。契約は一度きりの意思決定ではなく、状況の変化に応じて見直していくものだと捉えておくと、最初の依頼先選びで過度に慎重になりすぎず、まずは動き出しやすくなります。自社の状況を整理したうえで、お問い合わせから現状の課題や進め方をご相談ください。
助言を受けるだけで終わらせず、決めた方針を実際の運用や社内への定着まで進めたい場合もあります。契約前の確認事項を整理した後、そうした後工程まで伴走してもらえる相手を探す動き方もあります。 無料相談はこちら 記事一覧はこちら- malnaのマーケティングについて
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