2025.04.28
MAツールの費用相場と選び方とは?コストを抑えるポイントを解説
マーケティング活動を効率化するMA(マーケティングオートメーション)ツールの導入は、多くの企業にとって注目すべき施策の1つです。
しかし、「どれくらいの費用がかかるのか」「どのツールを選べばよいのか」といった疑問から、導入に踏み切れない企業も少なくありません。
本記事では、MAツールの初期費用・月額費用・隠れコスト・関連サービス費といった費用構造をわかりやすく解説するとともに、費用対効果の高い選び方や、コストを抑える運用のコツを具体的に紹介します。
目次
MAツールの費用相場
一般的に、MAツールの費用は「初期費用」「月額費用」「隠れコスト」「関連サービス費」の4つに分類されます。
初期費用ではライセンス料や導入設定費が、月額費用ではストレージ使用量やサポート費が発生します。
さらに、社内運用に必要な教育コストや人的リソース確保などの間接費用(隠れコスト)、加えて外部のコンサルティングやコンテンツ制作などMAツール以外にかかる費用も考慮すべきです。
以下の表に、5つのMAツールの費用をまとめました。
ツール | 初期費用 | 月額費用 | 無料トライアル | 提供会社 |
---|---|---|---|---|
SATORI | 30万円 | 14.8万円~ | 〇 | SATORI株式会社 |
BowNow | 0円~ | 3.6万円~ ※無料プランあり |
〇 | クラウドサーカス株式会社 |
Kairos3 | 1万円 | 1.5万円〜 | ✕ | カイロスマーケティング株式会社 |
List Finder | 10万円 ※無料プランあり |
4.5万円~ ※無料プランあり |
〇 | 株式会社Innovation X Solutions |
HubSpot | 0円 | 2,400円~ ※無料プランあり |
〇 | HubSpot Japan株式会社 |
上記の表からもわかる通り、ツールの金額差が大きいため、自社に合うか確認することが重要です。
初期費用に含まれる費用とその相場感
MAツールを導入する際、最初に発生するのが初期費用です。
主な項目としては、「ライセンス料」「セットアップ費用」「カスタマイズ費用」が挙げられます。
初期費用は無料のものから30万円と高額なものもあります。
そのため、自社の業務に合わせた細かなカスタマイズを希望する場合は費用が跳ね上がるため注意が必要です。
導入を検討する際には、単なる導入金額だけでなく、「なぜその費用が発生するのか」という内訳を理解し、自社に必要な項目かどうかを見極めることが重要です。
月額費用の主な構成要素と相場
MAツールの導入後、継続的に発生するのが月額費用です。
月額費用の内訳には主に「ストレージ使用料」「サポート費用」「追加機能の利用料」などがあります。
中小企業の場合、基本プランで月額1〜3万円ほどが一般的ですが、データ量や機能が増えるにつれ、費用は上昇し、大企業向けのフル機能プランでは10万円以上かかることも珍しくありません。
ストレージはデータ量に応じて課金される従量制が多く、メール配信数や顧客情報の蓄積量によって料金が変動します。
また、サポート内容が充実しているほど費用も高くなる傾向があるため、必要なサービスに応じてプランを選ぶことが求められます。
導入前には月額費用の構成要素を確認し、不要な機能を省くことでコスト削減につながる可能性があります。
見落としがちな「隠れコスト」
MAツールを導入する際、初期費用や月額費用以外にも「隠れコスト」が存在することを見落としてはいけません。
たとえば、社内でツールを運用する人材の教育や、運用体制の整備、既存業務との連携フローの再設計など、間接的に発生するコストが多く存在します。
特に、ツールの導入自体はうまくいっても、担当者が使いこなせなければ本来の効果を発揮できません。
教育のための研修費や、担当者の工数確保のための人員再配置なども考慮が必要です。
また、導入初期には不慣れな操作によるトラブル対応も発生しやすく、想定以上に時間とリソースを取られるケースもあります。
これらの隠れコストも含めて「総合的な導入コスト」として捉えることで、より現実的な費用計画を立てることが可能になります。
MAツール以外にかかる費用
MAツールの導入では、本体のツール料金以外にもさまざまな関連費用が発生します。
主なものとしては、「導入コンサルティング費」「運用コンサルティング費」「コンテンツ制作費」が挙げられます。
これらの外注費は、内製体制が整っていない企業にとっては導入を成功させる重要なサポートとなりますが、その分コストも増加します。
ツールの費用だけを見ていると「思ったよりコストがかかった」となることもあるため、関連費用も含めて全体の予算を見積もることが重要です。
主要なMAツールの費用と機能を比較
MAツールを選定する際は、単に費用だけで比較するのではなく、自社の目的や運用体制にマッチした機能を持っているかどうかを見極めることが大切です。
以下の表は、各ツールの無料プランまたはエントリープランを基準にした比較内容です。
ツール | 初期費用 | 月額費用 | 主な機能 |
---|---|---|---|
SATORI | 30万円 | 14.8万円~ |
|
BowNow | 0円~ | 3.6万円~ ※無料プランあり |
|
Kairos3 | 1万円 | 1.5万円〜 |
|
List Finder | 10万円 ※無料プランあり |
4.5万円~ ※無料プランあり |
|
HubSpot | 0円 | 2,400円~ ※無料プランあり |
|
このように、ツールによって「無料から始められるか」「どこまでの機能が使えるか」「導入後の支援があるか」が大きく異なります。
たとえば、初めてMAを導入する中小企業であれば、無料プランがあるツールから試験導入を行い、運用の慣れに応じて上位プランに移行するのも一つの戦略です。
また、外部連携機能やレポート出力の柔軟性などは、将来的なマーケティングの拡張性にも関わる要素です。
費用面と機能面のバランスを見ながら、自社の成長フェーズやマーケティング目標に最適なツールを選びましょう。
MAツール選びで失敗しないための判断基準
MAツールは、導入して終わりではなく「どう使いこなすか」が成果に直結します。
そのため、費用だけで選ぶのではなく、自社の課題や運用体制に合わせた選定が重要です。
本章では、MAツール選びで失敗しないために確認すべき5つのポイントをご紹介します。
初めて導入を検討する企業や、過去にツール選定でうまくいかなかった企業は、以下の観点を参考にしながら比較検討を進めてみてください。
自社でツールを選定できない場合には、導入支援会社の利用もおすすめです。
導入支援会社については、こちらの記事をご覧ください。
MA導入支援のおすすめ企業15選!メリットや事例を徹底解説 – malnaブログ ~ 社内ノウハウを発信中 ~ –
自社のマーケティング課題の明確化する
まず最初に行うべきは、「自社がMAツールに何を期待しているのか」を明らかにすることです。
リードの獲得数を増やしたいのか、既存リードの育成を効率化したいのか、それとも営業との連携を強化したいのかによって、選ぶべきツールは変わります。
たとえば、リードナーチャリングを重視する企業であれば、ステップメールやスコアリング機能が充実したツールが適しています。
逆に、見込み顧客の発掘が課題であれば、Webトラッキングや匿名リードの分析機能が強いツールを選ぶと効果的です。
目的が曖昧なままでは、コストに見合った成果を得ることが難しくなってしまいます。
必要な機能と不要な機能を選定する
MAツールは多機能であるほど高額になりがちですが、すべての機能を使いこなせるとは限りません。
そこで、自社にとって「本当に必要な機能」と「今は不要な機能」を見極めることが、費用対効果を高めるポイントになります。
たとえば、まだMA施策を始めたばかりの企業であれば、基本的なメール配信やフォーム作成機能だけで十分な場合もあります。
一方、既に一定のマーケティング基盤が整っている企業であれば、CRM連携やスコアリング、A/Bテストといった高度な機能が求められるかもしれません。
導入前に機能一覧をチェックし、「この機能は使う・使わない」をあらかじめ判断しておくことで、ムダなコストを抑えられます。
サポート体制を確認する
MAツールは設定や運用に専門知識が必要な場合も多く、サポート体制の有無が導入後の成果を大きく左右します。
特に、初めてMAを導入する企業にとっては、チャットサポートや導入支援、専任担当者の有無は安心材料となります。
ツールによっては、日本語対応がなかったり、サポートが有料オプションになっていたりすることもあるため、契約前に確認しておくことが重要です。
サポートの質が高ければ、初期設定から活用方法までスムーズに立ち上げることができ、導入失敗のリスクも低減できます。
他社の導入実績を確認する
導入を検討しているツールに、同業種や同規模の企業での活用実績があるかどうかも、選定時の参考になります。
たとえば、自社と同じような業種・業態で成功している事例があれば、そのツールの有効性を具体的にイメージしやすいです。
また、公開されている導入事例や成功事例の多いツールは、それだけ市場での信頼性が高いと考えられます。
ベンダーのサイトや資料請求時に確認するほか、可能であればユーザーインタビューやレビュー記事もチェックするとよいでしょう。
費用対効果を考える
最後に重要なのが、ツールにかけた費用が「どれだけの成果を生むか」を事前に想定しておくことです。
たとえば、月額5万円のMAツールを導入して、毎月のリード数が2倍に増えたのであれば、営業効率や成約数が改善される可能性があります。
費用対効果を検証するためには、KPI(重要業績評価指標)やCVR(コンバージョン率)、営業コストの削減など、定量的な指標を設定しておくと効果測定がしやすいです。
初期の段階から「成果の定義」を持っておくことで、投資に対するリターンを的確に評価でき、継続利用や追加投資の判断もしやすくなります。
導入企業のリアルな声と費用感の実例
MAツールを導入する際、理論や機能説明だけではなく「実際に使ってみた企業がどう感じたか」「どれくらいの費用でどんな成果を得られたのか」といった“リアルな声”が、意思決定の大きな後押しになります。
本章では、企業規模別に実際の導入事例を紹介し、それぞれがどのような目的で導入し、どのように費用をかけて、どのような成果を得たのかを明らかにします。
自社と近い業種や規模の事例を参考にすることで、より現実的なコスト感や運用イメージを持つことができるでしょう。
小規模企業の成功事例(月1万円台〜)
東日本塗料株式会社では、CMSとMAツールを活用したWebサイトのリニューアルを通じて、アクセス数が300%、問い合わせ数が150%に増加する成果を達成しました。
専任担当者を置かずとも、丁寧なサポートを受けながら運用体制を確立しています。
無料版から始めたBowNowは、有料版への移行後にメルマガ配信や顧客データ分析にも活用され、社内のWeb意識や営業連携も強化されました。
中小企業でも段階的導入で効果を上げた好事例です。
参照:Webマーケティングの推進で社内の意識も変化!アクセス数は300%、問い合わせ数も150%に |東日本塗料株式会社様|BowNow
中堅〜大企業の全社導入例(月10〜30万円台)
プラス株式会社ジョインテックスカンパニーでは、コロナ禍による営業機会の減少を受け、MAツール「SATORI」を導入しました。
マーケティング未経験の担当者でも扱いやすいUIと手厚いサポートにより、約1ヶ月でメルマガやウェビナー施策を運用しています。
メルマガは開封率20〜30%と高水準を記録し、ウェビナーでは31件の商談機会を創出しました。
新サイトのPVも2カ月半で約3万に達し、デジタルマーケティングによる営業活性化と事業変革の礎を築きました。
参照:手厚い導入サポートで、未経験でもデジタルマーケティングを実現!アフターコロナを見据えた事業変革の裏側|SATORI
どのように費用を回収し、成果につなげたのか
先述した導入事例から、どのように費用を回収し、成果につなげたのかを以下の表にまとめました。
企業名 | 導入ツール | 初期投資 | 主な施策 | 成果・回収のポイント |
---|---|---|---|---|
東日本塗料株式会社 | BowNow | 無料から有料版へ | メルマガ配信、Web改善 | アクセス数300%増、問い合わせ150%増。アクセスデータを活用し、営業と連携して成果に直結。 |
プラス株式会社 (ジョインテックス) |
SATORI | 小規模スタート | メルマガ・ウェビナー運用 | メルマガ開封率20〜30%、ウェビナー経由で31件のCV獲得。新サイトのPVは2.5ヶ月で約3万。 |
どちらの事例も「少額・段階的導入→成果実感→本格活用」という流れを経て、費用以上の価値を創出しています。
特に、営業活動の非対面化が進む中で、MAツールを活用した情報発信や見込み顧客の育成は、営業コスト削減と成果最大化の両面に効果を発揮しており、ROI(投資対効果)を高める手段として非常に有効です。
コストを抑えるためのMAツール選定・運用のコツ
MAツールの導入には一定のコストがかかりますが、工夫次第で予算を抑えながら成果を出すことも十分可能です。
本章では、導入初期のリスクを減らしつつ、無理のない形でMA運用を始めるための実践的なコツを紹介します。
初めて導入を検討する企業や、小規模予算で運用を始めたい方にとって、これらの方法は非常に有効です。
スモールスタートでの導入と段階的拡張
MAツールは一気に全機能を導入するのではなく、まずは必要最低限の範囲で「スモールスタート」することをおすすめします。
たとえば、無料プランやエントリープランから始めて、フォーム作成やメール配信などの基本機能を運用しながら、徐々に利用範囲を広げていく形です。
この段階では、成果の出やすい業務に絞って運用することがポイントです。
運用を通じてMAツールへの理解が深まり、効果が実感できるようになった段階で、スコアリングやシナリオ設計、CRM連携といった中級〜上級機能へ拡張することで、リスクを最小限に抑えつつ段階的に活用範囲を広げることが可能です。
こうした戦略的な導入は、コスト効率の向上にも直結します。
無料トライアルや無料プランの活用
多くのMAツールでは、正式な契約前に「無料トライアル」や「無料プラン」が提供されています。
これらを活用することで、ツールの操作性や自社との相性を事前に確認でき、無駄な投資を防げます。
特に、操作が難しいという理由で導入に不安を感じている企業にとって、トライアル期間は大きな判断材料となります。
また、無料プランでも十分な機能が備わっているツールも多く、スモールスタートとの相性も抜群です。
ただし、無料プランは機能やデータ量に制限がある場合が多いため、どの部分に制限がかかるのかを事前に確認しておくことが重要です。
無理に高機能な有料プランから始めるのではなく、まずは無料枠で実際に運用してみることで、ツールの価値を実感し、納得のうえでステップアップできる導入フローが理想です。
外注せず内製化できる部分を洗い出す
MAツール導入後のコストを抑えるには、外注せずに自社で対応できる業務を明確にすることが重要です。
たとえば、メール配信やフォーム作成、簡単なレポート作業は社内でも対応可能なケースが多くあります。
一方で、LP制作やマーケティング戦略の設計など専門性が高い業務は外注した方が効率的です。
初期段階で内製と外注の線引きをしておくことで、費用の無駄を防ぎ、限られたリソースでも成果を出しやすくなります。
無料で試せるMAツール3選
無料で試せるMAツールの中でも特に人気が高い「HubSpot」「List Finder」「BowNow」の3つをご紹介します。
項目 | 主な特徴 | 初期コスト | 有料プラン価格帯 | 代表的な機能 | サポート体制 | 導入実績 | おすすめ企業 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
HubSpot | 世界中で支持される高機能CRM/MA統合ツール。拡張性が高く、すべてのHubを組み合わせて運用可能。 | 無料(有料プランあり) | 月額¥5,400~¥384,000 | CRM、SFA、MA、CMS、Webチャットなど | オンラインヘルプ中心(英語表記あり) | 約34,000社(世界90カ国以上) | 成長フェーズで拡張性を重視したい企業 |
List Finder | BtoB特化。誰でも扱いやすいシンプルな設計で、初めてのMA導入に最適。 | 無料プランあり | 月額¥12,000〜 | リード管理、スコアリング、メール配信、アクセス解析 | 無料の運用支援、定例サポートあり | 約1,800社(主に日本国内) | 初めてMAを導入する中小BtoB企業 |
BowNow | 国産で導入社数11,000社以上。無料で始められ、商談創出に強み。 | 無料プランあり | 月額¥12,000〜 | リード抽出、行動分析、メール配信、条件検索、商談管理 | 1to1支援や勉強会など、国内向けサポートが充実 | 約11,000社(国内シェア上位) | 少人数で運用しつつ成果を出したい企業 |
それぞれ無料プランから始められ、段階的にステップアップできる仕組みが整っているため、スモールスタートに最適です。
HubSpot CRM
引用:HubSpot
HubSpotは無料で始められる高機能なCRMツールで、顧客管理・営業支援・マーケティング・カスタマーサービス・CMSの5領域をカバーする「Hub」構成が特徴です。
使いやすいUIと豊富な機能により、BtoB・BtoCを問わず中小〜大企業まで幅広く活用されています。
特に無料CRMに加え、段階的にSFAやMA機能を追加できるため、成長フェーズに応じた導入が可能です。
営業やマーケティングの効率化に貢献するオールインワンツールとして注目されています。
List Finder
引用:List Finder
List Finderは、BtoB企業向けに開発された国産のマーケティングオートメーション(MA)ツールで、「誰でも、無理なく、かんたんに」使える操作性が特徴です。
必要な機能だけを搭載したシンプルな設計で、初めてのMA導入でも安心できます。
また、リード管理、スコアリング、企業アクセス解析などを通じて営業効率を向上させます。
無料プランから始められ、運用代行やサポート体制も充実しており、1,800社以上の導入実績を誇る人気のツールです。
BowNow
引用:BowNow
BowNowは、11,000社以上が導入するBtoB特化型のMAツールで、無料から始められる導入しやすさが特徴です。
複雑な設定なしで使えるABMテンプレートや、Webサイト訪問者の行動解析・メール配信・条件検索などの機能が備わり、スモールスタートで効果的なリード育成を実現します。
成果の出る設定がテンプレート化されており、少人数でも短期間で商談創出につなげやすい設計です。
専任サポートもあり、未経験でも安心して活用できます。
まとめ
MAツールの導入を成功させるには、単に費用の安さや有名さで選ぶのではなく、自社の課題や体制、成長フェーズに合わせて最適なツールを選定することが重要です。
初期費用・月額費用・隠れた運用コストを正しく把握し、導入後に無理のない形で運用できるかどうかを見極める必要があります。
また、無料トライアルや無料プランを活用したスモールスタート、外注と内製のバランス調整、導入企業の実例から学ぶことなど、コストを抑えつつ成果を出すための工夫も数多く存在します。
まずは無料プランから試し、自社にフィットするツールかどうかを見極めてから本格導入へ進むことで、コストとリスクを最小限に抑えたMA運用が可能です。
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