2026.09.21

ハウスクリーニング集客|稼働率から必要件数を逆算する手順【2026年】

12月の大掃除と夏前のエアコン清掃で予約が埋まりきる一方、1月や10月になると一日の予定がまるごと空いてしまいます。ハウスクリーニングの集客で頭を抱えるのは、たいていこの落差の部分でしょう。

目次

しかし、繁忙期に受注が取れていることと、年間を通して食べていけることは別の問題です。山の月に取りこぼしを減らす打ち手と、谷の月に依頼する理由を作る打ち手は、性質がまるで違います。同じ広告を一年中出し続けても、谷は埋まりません。

ここでは、平均単価と1件あたりの作業時間から必要な集客件数を逆算する手順を示したうえで、繁忙期と閑散期で打ち手を分ける考え方、自社サイトとGoogleビジネスプロフィールの組み立て方、料金表示で守るべき線までを順に見ていきます。

読んでいただきたいのは、個人事業または少人数でハウスクリーニングを営み、月ごとの受注の波を自分たちの手でならしたいと考えている方です。

繁忙期と閑散期で打ち手を分けるところは、自社の受注データを見ながら決めるのが早道になります。malnaは戦略の組み立てから実行までを一緒に進めるので、どの月に何を仕掛けるかの線引きから相談できます。

マーケティング活動の課題 まずはプロに相談しませんか?

ハウスクリーニングの集客とは、季節で上下する稼働率を年間でならす取り組みです

ハウスクリーニングの集客とは、問い合わせを増やす活動そのものではなく、月ごとに大きく上下する稼働率を年間で平らに近づける取り組みです。作業は人の手で行うため、繁忙期にどれだけ引き合いが来てもこなせる件数には上限があります。閑散期は逆で、上限まで余った時間がそのまま利益の目減りにつながってしまうのです。件数を追う前に、どの月にどれだけ枠が空くのかを掴むところが出発点になります。

需要の山は季節ごとに立ち、その間に長い谷が空く

家庭向けのハウスクリーニングには、年末の大掃除と夏前のエアコン清掃という2つの大きな山があるとよく言われます。引越しが動く春にも空室清掃や退去時清掃で山ができ、そのあとの5月、10月前後、年明けの1月から2月にかけては落ち込みやすい時期にあたります。

ただし、この並びは業界で一般に語られている傾向であって、すべての事業者に当てはまるわけではありません。取引先に不動産会社が多いのか個人宅が中心なのか、対応エリアの世帯構成がどうなっているかで、山の位置は動きます。自社の受注データを月別に並べて実際の山と谷を確かめることが、すべての出発点です。

見込み客の8割はハウスクリーニングを使ったことがない

中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21の消費者調査では、ハウスクリーニングを一度も利用したことがないと答えた人が1,000人中819人、割合にして81.9%にのぼりました。現在利用している人は70人、7.0%にとどまります。その一方で、回答者1,000人のうち、今後ぜひ利用したいと答えた人が69人、どちらかと言えば利用したいと答えた人が225人あり、合計294人、29.4%が利用意向を示しました。

回答者の8割が未経験で、3割が利用意向を示すという分布は、未利用層に説明の余地が残っていることを示唆します。この調査だけで市場全体の構造は言い切れませんが、価格比較だけが競争軸ではない、とは読み取れます。頼むと何がどう変わるのかを伝える作業は手間がかかるので、忙しい12月より、時間のある谷の月に回すのが現実的でしょう。

参考:ハウスクリーニング(2025年版)|J-Net21

利用は年1回が中心で、次の依頼まで間が空く

同じ調査で、現在利用している70人のうち42人が年に1回程度と回答しました。利用理由として最も多かったのは掃除しにくい場所の掃除のためで、84人、46.4%を占めています。つまり、日常の掃除を代わりにやってもらう用途ではなく、自分では手が届かない範囲を年に一度片づける用途が中心だということになります。

依頼の間隔が1年空くということは、今月受注した顧客が年内にもう一度呼んでくれる見込みは高くない、という意味になります。リピートを前提に売上を組み立てると、間の11か月をどう埋めるかという問題がそのまま残るわけです。年1回の顧客を積み上げながら、月ごとの穴は別の手段で埋める二段構え。これが前提になります。

既存顧客は年間の土台にはなっても、特定の月の穴を埋める即効性は期待しにくいものです。年1回の顧客が100件あれば月平均8件強ですが、その8件が谷の月に落ちてくれる保証はありません。だからこそ、次の章の逆算では自社が何件こなせるかという上限から手をつけます。

需要の3つの特徴

必要な集客件数は、単価と1件あたりの作業時間から逆算します

必要な集客件数は、売上目標だけからではなく、平均単価と1件あたりの作業時間、そして自分たちが動ける時間を合わせて逆算します。清掃は時間を売る仕事なので、金額の目標だけを先に置くと、物理的にこなせない件数が答えとして出てきてしまうためです。先に時間の上限を決め、そこへ単価を掛け合わせる順番にすると、狙うべき件数が現実的な数字へ落ち着きます。

逆算に使う4つの数字をそろえる

逆算に必要な材料は4つだけです。いずれも手元の帳簿と作業記録から拾えるもので、新しく調べ直す必要はほとんどありません。ここを推測の数字で埋めると後の計算がすべてぶれるので、直近12か月の実績から取ってください。とくに平均受注単価は、値引きやキャンセルを反映した実際の入金額で出すことが大事です。

  • 目標とする月の売上額(自分の報酬と固定費、材料費などの変動費をまかなえる水準)
  • 直近12か月の平均受注単価(値引き後の実際の入金額で計算する)
  • 1件あたりの平均作業時間(移動と準備と片付けを含む)
  • 1か月に作業へ充てられる時間(見積作成や請求の時間を引いた残り)

平均受注単価は、メニュー別に分けて出しておくと後の判断が楽になります。前掲のJ-Net21の調査では、利用経験のある人に1回あたりの費用を尋ねたところ、最も多い価格帯が1万円から3万円未満で、62人、34.3%でした。家庭向けの単発依頼はこの幅に収まりやすく、この価格帯だけで月の売上を埋めようとすると、必要件数がかなり膨らむことが見えてきます。

3ステップで月あたりの必要件数を出す

必要件数は、稼働できる時間を1件あたりの作業時間で割って上限を出し、そこへ単価を掛けて目標との差を見る、という順番で出します。先に上限を確定させるのは、目標から割り戻した件数が上限を超えていた場合、集客ではなく単価か体制の問題だと早い段階で切り分けられるからです。下の表は、月に作業へ充てられる時間を120時間、1件あたり3時間、平均単価18,000円と置いた場合の計算例になります。

手順 計算
1. こなせる上限を出す 作業可能時間 ÷ 1件あたり作業時間 120時間 ÷ 3時間 = 40件
2. 上限まで埋めたときの売上を出す 上限件数 × 平均単価 40件 × 18,000円 = 720,000円
3. 目標との差から必要件数を決める 目標売上 ÷ 平均単価 540,000円 ÷ 18,000円 = 30件

この例なら月30件の受注で目標に届き、上限は40件ですから10件分の余力が残ります。余力が何件あるかを掴んでおくと、繁忙期に受けきれない依頼を断る判断が早くなります。逆に必要件数が上限を超えているなら、集客をいくら増やしても解決しません。単価を上げるか、作業時間を削るか、人を増やすか。このどれかを先に決めることになります。

なお、ここに挙げた18,000円や3時間は計算の流れを示すための仮の値です。相場を示したものではないため、数字は必ず自社の実績で置き換えてください。

受注件数から必要な問い合わせ数まで戻す

必要な受注件数が出たら、そこからさらに問い合わせ数まで戻して初めて、集客の目標になります。受注30件が必要でも、問い合わせのうち実際に成約するのが半分なら、必要な問い合わせは60件です。ここを飛ばして受注件数だけを目標に置くと、施策の量が足りているのかどうかを判断できません。

戻し方は単純で、必要受注件数を成約率で割るだけです。成約率は経路ごとに違うため、可能なら分けて出してください。現場を見てから見積を出す案件と、料金表どおりで確定する案件では、成約までの歩留まりが変わります。成約率が低い経路の問い合わせを増やすより、成約率の高い経路を先に太らせるほうが、同じ受注件数を少ない手間で作れます。

経路ごとの数字が手元にないなら、まず3か月、問い合わせの入口だけを記録すれば十分です。電話か、サイトのフォームか、プラットフォーム経由かを1行残すだけで、翌四半期には成約率が出せます。

移動と手直しの時間を作業時間に含める

1件あたりの作業時間で最も抜けやすいのが、移動時間と手直しの時間です。現場での実作業が2時間でも、往復に1時間かかればその日の枠は3時間分埋まります。ここを実作業だけで数えていると、計画と実績がいつまでも噛み合いません。

エリアを広く取るほど、この差は開きます。隣の県まで受けている事業者が、実作業では1日4件こなせる計算なのに実際は2件しか回れない、という状態は珍しくありません。仕上がりの連絡や再訪が発生する案件も、年間の頻度を平均に織り込んでおくと精度が上がります。作業記録に移動時間の欄をひとつ足すだけで、翌月からは実態に近い数字が取れるはずです。

出した件数を月ごとに割り付ける

月あたりの必要件数が出たら、それを12で均等に置かず、山と谷の形に合わせて割り付けます。繁忙期は上限いっぱいまで受けられる前提で多めに、閑散期は少なめに置き、年間の合計が目標に届くかどうかを見ていきます。

ここで谷の月の数字が足りないなら、その不足分こそ集客で埋めにいく対象です。年間で1件でも多く、という漠然とした目標ではなく、10月に8件足りない、という形まで落とし込みます。すると打ち手の選び方が変わります。8件のために全国向けの発信を始める必要はなく、前年の顧客への案内や近隣の不動産会社への声かけで届く範囲かもしれません。

このあたりの見立てで迷うようであれば、malnaへの問い合わせから現状の数字を共有いただければ、どこから手をつけるかの整理を一緒に行えます。

繁忙期は取りこぼさない形に、閑散期は作りにいく形に分けます

繁忙期と閑散期では、集客で解くべき問題が別物です。繁忙期の課題は引き合いの少なさではなく、受けきれずに流れていく依頼と、安い単価で先に埋まってしまった枠にあります。閑散期の課題は、そもそも需要が動いていない時期にどうやって依頼する理由を作るかにあります。同じ施策を一年中回しても、片方にしか効きません。

繁忙期にやるのは枠の管理と単価の決め方

繁忙期にやるべきことは、新規の引き合いを増やすことではなく、限られた枠をどう配るかを先に決めることです。12月や6月に入ってから考え始めると、早い者勝ちで安い案件から枠が埋まっていきます。

決めておくとよいのは3点です。受付を締め切る日をあらかじめ告知すること。キャンセルが出たときに繰り上げる順番を決めておくこと。繁忙期料金を設定するなら、その条件と金額を申込の前に読める場所へ置くこと。繁忙期の価格を上げること自体は問題ありませんが、依頼を受けたあとに上乗せを伝える形はトラブルの元になります。料金の条件は、必ず事前に開示してください。

もうひとつ、繁忙期は翌年の材料が集まる時期でもあります。断った依頼の件数と内容を記録しておけば、翌年どこまで枠を増やすか、どのメニューの単価を見直すかを数字で判断できます。

閑散期にやるのは前倒しと別メニューの提案

閑散期にやるべきことは、需要の先取りと、山の月とは違うメニューの提示です。閑散期は需要がゼロになるわけではなく、依頼するきっかけが見当たらないだけの月もあります。何もしなければ谷は谷のまま終わってしまうので、こちらから動く理由を用意する側に回る必要があります。

前倒しの代表例は、10月から11月にかけて年末の予約を先に受け付ける案内です。12月は混み合うので今のうちに、という文脈は依頼する側にとっても納得しやすく、こちらは谷の月に作業日を分散できます。別メニューなら、レンジフードや浴室のように単品で完結する作業、賃貸物件の退去後清掃、店舗や事務所の定期清掃といったところでしょう。家庭向けの単発依頼だけで年間の稼働をならすのは構造的に難しく、依頼のタイミングが季節に左右されにくい取引先を持てるかどうかが分かれ目になります。

なお、法人向けの案件は個人宅とは別の事業として設計してください。見積の出し方、支払いのサイクル、求められる保険の範囲がそれぞれ違うため、単価が高いという理由だけで広げると、入金までの期間が延びて資金繰りを圧迫することがあります。

谷の月は、翌年に効く仕込みの時間でもあります。施工写真の整理、料金ページの書き直し、顧客リストの更新は、繁忙期には手が回りません。集客の打ち手と仕込みをセットで月に割り当てておくと、空いた時間が受け身のまま過ぎるのを防げます。

月別の打ち手を1枚に落とす

月ごとの打ち手は、頭の中に置かず1枚の表にしておくと運用が続きます。前の月に何をやったかを見返せる形にしておくと、翌年の同じ月で判断を繰り返さずに済むためです。下の表は、一般に語られる山と谷の並びへ打ち手を当てはめた例であり、月と需要の対応はあくまで一例として扱ってください。

時期 需要の状態 その月にやること
1〜2月 前年12月の顧客への次回案内、法人向け・空室清掃の営業
3〜4月 山(引越し) 退去清掃の枠確保、不動産会社との接点づくり
5月 夏前の早期予約受付、料金ページの整備
6〜7月 山(エアコン) 受付枠の管理、当日対応の可否の明示
8〜9月 ゆるやかな下降 繁忙期の顧客への次回案内、施工写真と口コミの蓄積
10〜11月 年末の先行予約、単品メニューの訴求
12月 山(大掃除) 締切の告知、キャンセル待ちの運用

この表はあくまでひな形です。自社の受注データと突き合わせ、山と谷の位置を入れ替えるところから作り直してください。

繁忙期は取りこぼさない、閑散期は作りにいく

自社サイトはエリアとメニューの組み合わせで受注を取る形にします

自社サイトで受注を取るハウスクリーニング事業者のページ構成は、エリアとメニューの掛け合わせが基本形になります。検索する人はハウスクリーニングとだけ打ち込むのではなく、地域名とエアコンクリーニング、地域名と浴室の掃除業者、といった形で場所と困りごとをセットにして探すためです。トップページ1枚で受け止めようとすると、この検索に当たる面が作れません。

ページの持ち方をエリアとメニューで決める

ページ構成は、対応エリアの数とメニューの数の掛け算で考えます。ただし両方を機械的に掛け合わせると内容の薄いページが大量にできてしまうため、受注実績のある組み合わせから順に作るほうが現実的です。

たとえば対応エリアが3市、主力メニューがエアコン、浴室、レンジフードの3つであれば、まず受注件数の多い1市について3メニュー分を作り、残りのエリアは全体を1ページでまとめる形から始められます。ページ数を増やすことより、1本のページで見積の手前までたどり着けることを優先してください。ページごとに、対応できる建物の種類、作業にかかる時間の目安、当日の流れ、料金の条件を書き分けておけば、同じような文面の繰り返しにはなりません。

なお、SEOやMEO、リスティング広告そのものの仕組みと選び方は、施策全般をまとめた記事に譲ります。

関連記事:【初心者向け】Web集客の方法14選!自社に合った選び方を解説

料金ページは総額と追加料金の条件まで書く

料金ページは、金額そのものより、その金額でどこまでやるのかを書いたほうが問い合わせにつながります。同じエアコンクリーニングでも、お掃除機能の有無、室外機の扱い、養生の範囲、駐車場代の負担によって実際の請求額は変わるからです。

消費者に向けてあらかじめ価格を表示する場合、消費税を含めた総額での表示が義務づけられています。表示媒体は問われないため、自社サイトもチラシも扱いは同じです。下限だけを示す表記を使うなら、どの条件でその金額になり、何が加わるといくら増えるのかを、同じページ内で読める形にしておくと安全です。これは総額表示の義務から直接導かれる要件ではありませんが、金額の幅だけを見せて実際の見積で開きが出る状態は、受注後の説明コストを増やし、誤認を招く表示だと受け取られる余地も残します。

参考:No.6902 「総額表示」の義務付け|国税庁

作業前後の写真と作業範囲の書き方

作業前後の写真は、ハウスクリーニングのサイトで最も効く要素のひとつです。ただし、撮影の条件をそろえないと比較になりません。同じ位置、同じ明るさで撮り、色味の加工をしないことが前提になります。

写真に添える文章では、どの部分をどこまで清掃したのかを言葉で書き足してください。落ちきらなかった汚れがあるなら、それを隠さずに書いてあるページのほうが、問い合わせ後の見積で揉めにくくなります。仕上がりを大きく見せる写真より、作業範囲が正確にわかる写真のほうが、受注後の満足度を押し上げるはずです。なお、掲載には依頼主の了承が欠かせません。表札や郵便物、室内に置かれた私物など、住まいを特定できるものが写り込んでいないかも、公開前に確認してください。

ここまでの話は、作るページが決まっても手が回らないところで止まりがちです。malnaのSEO支援はコンテンツ制作まで含むので、どのページから着手するかを決める段階から一緒に動けます。

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Googleビジネスプロフィールは非店舗型として設定します

Googleビジネスプロフィールでは、客先に出向いて作業し、自社の住所では接客しないハウスクリーニング事業者は非店舗型ビジネスに当たります。Google公式のヘルプでも、該当する業種の例として清掃サービスが挙げられています。店舗型として登録したまま運用すると、住所の扱いやサービス提供地域の設定が実態と噛み合わず、表示される範囲も意図とずれかねません。設定の見直しは、エリアを広げる前に済ませておきたい作業です。

住所を消してサービス提供地域で見せる

非店舗型ビジネスに当たる場合、Googleのヘルプはビジネスプロフィールから住所を削除するよう案内しています。自宅を事務所にしている個人事業主にとっては、住所を出さずに運用できるという意味でもあります。

住所を削除すると、プロフィール上にはサービス提供地域だけが表示されます。拠点の住所で接客もするのであれば、住所とサービス提供地域の両方を入れる形になります。自社がどちらに当たるかは、顧客が拠点まで来ることがあるかどうかで判断してください。

サービス提供地域は移動時間から決める

サービス提供地域は、対応できる範囲を市区町村や郵便番号の単位で示す設定です。市区町村や郵便番号で指定する形式のため、拠点からの半径距離では指定できません。登録できるのは最大20か所までで、この枠をどう使うかが表示される範囲を左右します。

Googleのヘルプは、対象地域全体の境界線を拠点から車で約2時間以内の範囲に収めるよう示しています。ここで先ほどの逆算が効いてきます。片道1時間の現場を受ければ1日の枠が大きく削られるので、20か所の上限まで埋めることが得策とは限りません。サービス提供地域は集客の範囲ではなく、採算が合う移動時間の範囲として決めるほうが、稼働率は安定します。谷の月だけ一時的にエリアを広げるという運用も、時間の上限を掴んでいれば判断しやすくなるはずです。

malnaはオンライン集客の支援として、こうしたエリアの線引きと受注導線の見直しを扱っています。どこまで広げるかを自社の稼働状況に合わせて決めたい場合は、malnaへの問い合わせからご相談いただけます。

参考:非店舗型ビジネスとハイブリッド型ビジネスのサービス提供地域を管理する|Google ビジネス プロフィール ヘルプ

口コミの集め方には法令上の線引きがある

口コミは、作業品質が外から見えにくいハウスクリーニングでは判断材料として重く扱われます。集めること自体に問題はありませんが、事業者が内容へ関与する形は景品表示法の規制対象になります。

2023年10月1日に施行された告示により、広告であることが一般消費者にわからない表示は不当表示に当たるとされました。事業者が第三者に依頼や指示をして投稿させるものも含まれます。規制の対象になるのは商品やサービスを供給する事業者の側であり、投稿した人ではありません。作業後に口コミの投稿をお願いすること自体は、依頼主の自発的な感想であれば対象外です。一方、文面を指定する、投稿と引き換えに割引や金銭を渡すといった運用は、事業者の関与の度合いによって判断が分かれます。こうした条件を付ける場合は、実施前に法務の専門家へ確認してください。

参考:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。|消費者庁

ビジネスプロフィールを非店舗型に設定する

マッチングプラットフォームは手数料構造から使いどころを決めます

マッチングプラットフォームは、成約時に手数料が発生する代わりに集客の手間を肩代わりする仕組みで、手数料率の分だけ1件あたりの粗利が下がります。稼働率の観点で見れば、枠が埋まらない月に手数料を払ってでも埋めるのか、枠が埋まる月には手数料のかからない経路を優先するのか、という月別の使い分けの問題になります。

くらしのマーケットは登録料と月額料金がかからず、予約成立金額(税込)の20%(税抜)が予約手数料として発生します。20%が2,000円未満になる場合は、一律2,000円(税抜)が最低手数料です。ミツモアも登録料と月額利用料は0円で、ハウスクリーニングの成約手数料は成約金額に対して22%(税込)と公表されています。加えて、新規の依頼へ手動で見積を応募する場合は165円(税込)からの応募手数料がかかります。

プラットフォーム 固定費 成約時の手数料 備考
くらしのマーケット 登録料・月額0円 予約成立金額(税込)の20%(税抜) 20%が2,000円未満の場合は一律2,000円(税抜)
ミツモア 登録料・月額0円 成約金額の22%(税込・ハウスクリーニング) 手動での見積応募は165円(税込)から

先ほどの逆算に当てはめてみます。平均単価18,000円の案件を2割の手数料で受ければ、1件あたり3,600円前後が引かれます。月10件をこの経路で受けると、月3万円台の差です。谷の月にこの金額を払って枠を埋めるのは十分に合理的な判断ですが、山の月まで同じ比率で流していると、受けきれない中で利幅の薄い案件が枠を占めることになります。プラットフォーム経由と自社経由の比率を月別に記録しておくと、どちらへ寄せるべきかが数字で見えてきます。

手数料率そのものは交渉できませんが、どのメニューをどの経路へ流すかは自分たちで決められます。単価の取りやすいメニューを自社経由に寄せ、谷の月の穴埋めをプラットフォームに任せる、といった配分です。

窓口の持ち方をどう配分するかという論点は、ほかの業種でも同じ形で整理されています。

関連記事:【脱・ポータル依存】不動産集客の本質は「選ばれる理由」9割|反響減・広告費高騰に勝つ戦略マップ

参考:手数料・請求に関するご案内|くらしのマーケット

参考:ミツモアの料金・手数料の仕組み|ミツモアプロ道場

料金表示と広告表現で外せない3つの確認点

ハウスクリーニング事業者の広告表現でつまずきやすいのは、料金の見せ方、効果の言い切り、そして作業中の追加提案の3つです。いずれも集客の入口で起きることなので、表現を整えないまま件数だけを追うと、受注後の対応コストとして跳ね返ってきます。

効果を言い切る表現には根拠が必要になる

必ず落ちる、新品同様になるといった効果の断定は、景品表示法の優良誤認表示に当たる可能性があります。優良誤認表示とは、実際のものよりも著しく優良であると示す表示、または事実に相違して競争事業者のものより著しく優良であると示す表示のことです。

消費者庁は、優良誤認表示にあたるかどうかを判断するため、事業者へ表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができるとしています。資料が出せない場合、その表示は不当表示とみなされます。故意でなく誤って表示した場合も対象になる点は、押さえておきたいところです。汚れの落ち方は素材や経過年数で変わりますから、言い切る代わりに条件を添える書き方へ置き換えてください。

参考:優良誤認とは|消費者庁

追加作業の提案にはトラブルの相談が実際に起きている

作業当日の追加提案は、単価を上げる手段として有効な一方、進め方を誤ると信頼を損ないます。国民生活センターは2025年2月28日にハウスクリーニングのトラブルについて注意を呼びかけており、換気扇のクリーニング5,000円を依頼したところ、風呂場や洗面所なども含む約60万円の契約を強く勧められたという相談事例を紹介しました。清掃中に機器を壊されたあと、業者と連絡が取れなくなったという相談も挙がっています。

同センターは消費者に対し、複数社から見積を取ること、作業で生じた故障や損傷に備えた補償の内容や保険の加入状況を確認することを勧めています。裏を返せば、依頼する側はこの2点を見て比べているということです。補償の範囲と加入している保険を料金ページに書いておけば、見積を並べられたときの判断材料になります。

参考:ハウスクリーニングのトラブルにご注意|国民生活センター

表現の可否は最終的に専門家へ確認する

ここまで挙げた論点には、自社だけで判断を確定できない部分が含まれます。同じ文言でも、どのサービスについて、どういう文脈で、どんな打ち消し表示とともに示したかによって評価は変わるためです。記事の内容は考え方の整理にとどめ、最終的な可否は専門家の判断に委ねてください。

広告表現やキャンペーンの条件設定は、出稿する前に弁護士など法務の専門家へ確認する運用にしてください。とくに、割引の根拠となる比較対照価格を示す場合や、期間限定をうたう場合は、有利誤認表示の論点が絡みます。施策そのものの組み立てについては、malnaへの問い合わせから相談いただけます。

よくある質問

ハウスクリーニングの集客について、事業者の方から挙がりやすい質問をまとめました。いずれも、必要件数の逆算と月別の割り付けを進める過程でぶつかりやすい論点です。判断の基準になる考え方を添えているので、自社の数字に当てはめながら読み進めてください。

集客で最初に手をつけるべきものは何ですか

直近12か月の受注データを月別に並べることです。どの月に何件受けて、平均単価がいくらだったかを出すと、埋めるべき月と必要な件数が具体的な数字になります。施策を選ぶのはそのあとです。データがない状態で広告や発信を始めると、効果を判断する基準が作れません。

閑散期の集客は値下げしかないのでしょうか

値下げは選択肢のひとつですが、先に検討すべきは需要の前倒しとメニューの切り替えです。年末の予約を秋のうちに受け付ける、単品で完結する作業を前に出す、季節に左右されにくい法人向けの清掃を持つといった手があります。値下げは単価と粗利を直接削るため、必要件数の逆算をしたうえで判断してください。

マッチングプラットフォームは使い続けてよいのでしょうか

枠が埋まらない月に使う分には合理的です。判断材料は手数料率と、自社経由の受注がどれだけあるかの2つになります。プラットフォーム経由と自社経由の比率を月別に記録し、山の月は自社経由を優先して枠を配るという使い分けにすると、粗利を守りながら谷を埋められます。

料金は「〇〇円〜」と表示してもよいのでしょうか

表示自体は可能ですが、消費税を含めた総額での表示が義務づけられている点と、追加料金の条件を同じ場所に書く必要がある点に注意してください。どの条件でその金額になるのか、何が加わるといくら増えるのかが読めないと、見積の段階で開きが出て説明の手間が増えます。

口コミは自分から依頼しても問題ありませんか

依頼主が自発的に書く感想であれば問題ありません。避けるべきは、事業者が文面を指定する、投稿と引き換えに割引や金銭を渡す、依頼を受けたことを伏せさせるといった運用です。広告であることがわからない表示は景品表示法上の不当表示に当たり、規制の対象は投稿者ではなく事業者の側になります。

まとめ

ハウスクリーニングの集客は、件数を増やす活動ではなく、季節で上下する稼働率を年間でならす仕事として組み立てると回り始めます。平均単価と1件あたりの作業時間から必要件数を逆算し、それを月ごとに割り付けていきます。谷の月に足りない件数が具体的に見えた時点で、打つべき手はかなり絞り込まれているはずです。

最初にやることは、直近12か月の受注データを月別に並べ、移動時間を含めた1件あたりの作業時間を出すこと。この2つが揃えば、自社サイトのページをどこから作るか、Googleビジネスプロフィールのサービス提供地域をどこまで広げるか、プラットフォームをどの月に使うかという判断が、すべて同じ数字の上でつながります。

この計算は、毎月の受注データを入れ直してはじめて意味を持ちます。malnaは社内で回せる体制づくりまで見ているので、外注のまま進めるか自社の担当者に寄せるかの判断からご一緒できます。

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執筆者情報

malnaブログ編集部

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