2025.03.31
コンテンツマーケティングの費用は?目的や事例別に相場を解説
コンテンツマーケティングは自社で取り組める手法で長期的に見ると広告費用よりも割安となりますが、ある程度費用がかかります。
そこで本記事では、コンテンツマーケティングの費用について、さまざまな点から解説していきます。
コンテンツマーケティングについて、費用面で気になっている点がある方は是非ご覧下さい。
コンテンツマーケティングの費用相場は?
コンテンツマーケティングを導入する際、最も気になるのが費用相場かと思われますが、どのようなコンテンツを作成するかによって必要なコストは大きく異なります。
ブログ記事、動画、SNSなど、コンテンツマーケティングの種類によって制作の手間や必要なリソースが変わるため、事前に費用の目安を把握しておくことが重要です。
コンテンツ種類別の費用相場|ブログ・動画・SNSの違いは?
コンテンツマーケティングの主な手法である以下の3つについて、費用相場を紹介します。
- ・ブログ
- ・動画
- ・SNS
もちろん、それぞれの目的・内容によって費用が異なります。
例えばブログの場合、記事の執筆やSEO対策、デザインなどの要素に費用がかかります。
記事の長さや質、ターゲットとするキーワードによって価格帯が異なり、専門性の高い記事やSEO対策が必要な場合、相場が高くなる傾向にあります。
動画の場合、制作費が大きな要素となります。シンプルな動画と高品質なプロフェッショナル制作の動画では、コストに大きな差が出ます。
目的がブランド認知を高めるものであれば、よりクオリティの高い映像が求められるため、その分費用が高くなることが一般的です。
SNSに関しても、単なる投稿や画像のシェアでは比較的低コストですが、インフルエンサーとのコラボレーションや広告運用を行う場合は、大きな予算が必要となります。
投稿の頻度やターゲットの拡大方法によって、費用の幅が広がります。
以上のように、各手法はその目的やコンテンツの内容に応じて費用が大きく異なるため、予算や目標に合わせた最適な手法を選ぶことが重要です。
ブログ
ブログ記事は、企業のWebサイトやオウンドメディアの基盤として活用されることが多いコンテンツです。主にSEO対策を目的とし、長期的な流入を狙います。
テキストベースのコンテンツであるため、動画などと比べると制作コストは比較的抑えられますが、質の高い記事を継続的に発信するには一定の投資が必要です。
- ・ライターへの外注費:1記事あたり5,000円〜50,000円(文字数や専門性により変動)
- ・編集・校正費:1記事あたり3,000円〜10,000円
- ・キーワードリサーチ・SEO対策:1記事あたり5,000円〜30,000円
- ・合計費用:1記事あたり10,000円〜90,000円程度
費用はライターのスキルや専門性、記事の長さによって異なりますが、SEO対策をしっかり行うことで、長期的な集客効果が期待できます。
動画
動画コンテンツは視覚的に情報を伝えやすく、SNSやYouTubeなどで高いエンゲージメントを得られます。ただし、制作には専門的なスキルと時間が必要です。特に、編集やアニメーションを取り入れる場合、コストが高くなる傾向にあります。
- ・シナリオ作成費:10,000円〜50,000円
- ・撮影費(カメラマン・スタジオ使用料など):50,000円〜500,000円
- ・編集費(テロップ・アニメーション含む):30,000円〜200,000円
- ・合計費用:50,000円〜1,000,000円以上(動画の長さやクオリティによる)
動画は制作コストがかかるものの、SNSやYouTube広告での活用により、高いコンバージョン率を狙えるメリットがあります。特に若年層をターゲットに据える場合、テキストよりも動画の方が効果が期待できます。
SNS
SNS運用では、継続的なコンテンツ配信が求められます。
投稿の作成から分析まで一貫して行うことになるため人件費も発生します。また、ターゲティング広告を活用することで、より多くのユーザーにアプローチできます。
- ・投稿作成費(画像・文章作成):1投稿あたり5,000円〜30,000円
- ・広告運用費(リスティングやターゲティング):月額50,000円〜500,000円
- ・インフルエンサー活用費:1投稿あたり50,000円〜300,000円
- ・合計費用:月額100,000円〜1,000,000円程度
SNSは短期間で多くのユーザーにリーチできる点が魅力ですが、運用を継続するためにはコストとリソースの確保が必要になります。
一方で、いわゆる「炎上リスク」もあるため費用はもちろんですが信頼できる会社への依頼が大前提です。
企業規模による目的ごとの費用
コンテンツマーケティングの費用は、企業の規模や目的によって大きく異なります。
小規模企業、中規模企業、大企業では求める成果や必要なリソースが異なるため、それぞれに適した予算配分が求められます。
ここでは企業規模ごとの目的と費用の内訳について詳しく解説します。
小規模企業
小規模企業では、限られた予算の中で効果的なマーケティングを実施することが重要です。
主な目的は、認知度向上とSEOを活用した自然検索流入の増加です。
月10万~50万円の予算を確保できるとすると、費用の内訳として下記程となります。
- ・記事制作費(3万円〜10万円/本)
- ・SNS運用費(5万円〜15万円/月)
- ・デザイン・クリエイティブ費(5万円〜10万円/月)
- ・広告費(10万円〜20万円/月)
SEO記事やブログ投稿を中心に、月3〜5本のコンテンツを作成しつつ、TwitterやInstagramを活用し、オーガニック流入を増やします。
さらにSNS用の画像やブログ記事のアイキャッチ作成しつつ、Google広告やSNS広告でターゲット層へリーチする形でおよそ上記予算内で収めることができます。
中規模
中規模企業では、ブランド認知の強化やリード獲得が主な目的となります。コンテンツの品質を高め、複数のチャネルを活用する必要があります。
月50万円~200万円程の予算を確保できるとして、主に下記の施策が可能です。
- ・記事制作費(10万円〜20万円/本)
- ・動画コンテンツ制作(20万円〜50万円/本)
- ・SNS・Web広告費(30万円〜100万円/月)
- ・マーケティングツール導入(10万円〜30万円/月)
- ・デザイン・ブランディング費(10万円〜30万円/月)
取材記事やホワイトペーパーなど、より深い情報を提供する一方で、YouTubeやWebサイト向けのプロモーション動画制作も行います。
広告キャンペーンを展開し、リードを増やしつつHubSpotやSalesforceなどのCRMツールを活用したり、ロゴデザイン、ランディングページの最適化を行うことができます。
大企業
大企業では、市場シェア拡大やブランド価値の向上が重要な目標となります。多様なコンテンツ戦略を組み合わせ、大規模なマーケティング施策を展開します。
月200万円~1,000万円の範囲で行える施策とその費用を大まかに紹介します。
- ・コンテンツ制作費(50万円〜200万円/本)
- ・動画・ウェビナー制作(100万円〜500万円/本)
- ・広告運用費(200万円〜500万円/月)
- ・SEO対策・マーケティングオートメーション(50万円〜200万円/月)
- ・データ分析・コンサルティング(50万円〜100万円/月)
高品質なホワイトペーパー、専門家による寄稿記事を制作してサイトの信頼性を高めつつ、大規模なキャンペーン動画やウェビナーを活用するなど大企業の強みである信頼性をコンテンツにも活かします。
大規模なデジタル広告、テレビCM、インフルエンサーマーケティングやコンテンツSEOの最適化、MAツール活用による効率化を実施する一方で、AIを活用したデータ分析や戦略立案を実施するなど、大掛かりな施策を打ち出すことができます。
費用の内訳と決まり方|何にコストがかかるのか?
ここでは費用の内訳や他にどのようなコストがかかるのか、それぞれ詳しく解説していきます。
記事制作費、デザイン費、広告費の詳細
上記費用の目安は下記となります。
記事制作費
- ・ライター外注費:1記事あたり5,000円〜50,000円(専門性や文字数により変動)
- ・編集・校正費:1記事あたり3,000円〜10,000円
- ・キーワードリサーチ・SEO対策:1記事あたり5,000円〜30,000円
- ・合計費用:1記事あたり10,000円〜90,000円程度
デザイン費
- ・ブログ記事のアイキャッチ画像作成:1枚あたり3,000円〜10,000円
- ・SNS投稿用バナー作成:1枚あたり5,000円〜20,000円
- ・動画のサムネイル作成:1枚あたり5,000円〜15,000円
- ・合計費用:1デザインあたり3,000円〜20,000円程度
広告費
- ・Google広告費:月額50,000円〜500,000円(ターゲットやキーワードによる)
- ・Facebook広告費:月額30,000円〜300,000円
- ・YouTube広告費:1クリックあたり10円〜30円、月額100,000円〜1,000,000円以上
- ・合計費用:月額50,000円〜1,000,000円以上
さらには運用・維持管理コストも発生します。例えば単発の依頼であれば費用はその場限りのものですが、施策を継続して依頼する場合は期間に応じた運用コストが発生します。
コンテンツマーケティングは長期的展望が求められるため、運用にあたっては上記費用が長期的に発生すると理解しておきましょう。
外注と内製で費用はどう変わるか?
コンテンツ制作を外注するか、社内で制作するかによっても費用は変わります。それぞれのメリット・デメリットを考慮して選択することが重要です。
外注のメリット
- ・プロに依頼することでクオリティが高く、作業負担が軽減。
- ・自社に専門スキルを持つ人材がいない場合、効率的にコンテンツを制作できる。
- ・多様なコンテンツフォーマットに対応可能。
外注のデメリット
- ・費用が高くなりやすい
- ・依頼する際のコミュニケーションコストが発生
- ・制作のタイムラインが外部要因に左右される
内製のメリット
- ・社内のリソースを活用することでコスト削減が可能。
- ・ブランドメッセージを一貫して伝えやすい。
- ・柔軟なスケジュール管理が可能。
内製のデメリット
- ・社内に専門スキルを持つ人材が必要
- ・制作に時間がかかり、他業務に影響を与える可能性あり
- ・クオリティが安定しにくい
コスト比較
- ・外注:1コンテンツあたり10,000円〜100,000円以上(専門性や内容により変動)
- ・内製:人件費+制作ツールやソフトウェアの費用
適切な予算配分を考慮しつつ、外注・内製それぞれのメリット・デメリットをトータルで考えましょう。
費用を抑える方法とROIの改善方法は?
コンテンツマーケティングの費用は、企業の規模や目的によって異なりますが、効果的に運用すればROIを最大化できます。
ここでは実際にROIを改善するための戦略や、小規模ビジネス向けの具体的な運用術を紹介します。
AIやテンプレートを活用した低コスト戦略
コンテンツマーケティングの費用を抑えるには、AIツールやテンプレートを活用するのが有効です。例えば、ChatGPTやCopy.aiなどのAIライティングツールを使用することで、記事制作にかかる時間とコストを大幅に削減できます。また、CanvaやFigmaなどのデザインツールを使えば、高品質なビジュアルコンテンツを低コストで作成できます。
テンプレートを活用することで、コンテンツ制作の効率が向上します。例えば、ブログ記事の構成テンプレートを用意すれば、ライティングのスピードが上がり、一定の品質を保つことができます。また、SNS投稿のテンプレートを使用すると、一貫性のあるブランドイメージを維持しながら短時間で投稿を作成できます。
小規模ビジネス向けの運用術
小規模ビジネスでは、限られた予算で最大限の効果を得るために、ターゲットを明確にし、効果的なコンテンツ配信を行うことが重要です。例として、以下の方法が挙げられます。
- ・無料ツールの活用: GoogleアナリティクスやSearch Consoleを活用し、コンテンツの効果を測定。
- ・ユーザー投稿を活用: ユーザーのレビューや体験談をコンテンツとして使用し、信頼性の高い情報を提供。
- ・SNSを活用した拡散: TwitterやInstagram、LinkedInなどでコンテンツをシェアし、オーガニックな流入を増加。
- ・パートナーシップを活用: 他の企業やインフルエンサーとコラボレーションし、認知度を高める。
このように、費用・リソースを抑えてのコンテンツマーケティングも実践可能です。
成功事例と実際の費用感
実際にコンテンツマーケティングで成功を収めた会社は多々あります。
ここでは成功事例だけではなく、そこでの費用感も併せて紹介します。
※いずれの費用感も事例からの推測を基に算出しています
タイミー株式会社|リリースから約5か月でPV数9倍
タイミーは、短時間労働者と企業をマッチングするサービスです。
SEO対策を施したブログ記事とSNS戦略を組み合わせ、リリースから5か月でPV数を9倍に増加させました。
想定される費用は以下の通りです。
記事制作費 | 1記事あたり5万円(外注) |
SNS広告費 | 月額50万円 |
SEO対策費 | 月額30万円 |
日機装株式会社|認知拡大・採用強化に効果あり
日機装は、自社の認知拡大と採用活動を目的としたコンテンツマーケティングを実施しました。
業界内の専門知識を活かし、ターゲット層に向けたブログ記事や動画コンテンツを発信。結果、応募者数の増加に成功しました。
想定される費用は以下の通りです。
記事制作費 | 月額80万円(社内ライターと外注の併用) |
動画制作費 | 1本あたり20万円 |
広告費 | 月額100万円 |
株式会社LANY|コンバージョン数184%改善
LANYは、SaaS企業向けのマーケティング支援を行っている会社です。
同社はコンテンツマーケティングを強化し、コンバージョン数を184%改善しました。
想定される費用は以下の通りです
記事制作費 | 月額60万円 |
ホワイトペーパー制作費 | 1本あたり10万円 |
ウェビナー運営費 | 1回あたり30万円 |
株式会社マツリカ|ホットリード数約150%増加
マツリカは、営業支援ツール「Senses」を提供する企業です。
ホワイトペーパーやメールマーケティングを活用し、ホットリード数を150%増加させました。
想定される費用は以下の通りです
記事制作費 | 月額40万円 |
ホワイトペーパー制作費 | 1本あたり15万円 |
広告費 | 月額70万円 |
おすすめの進め方
コンテンツマーケティングを実際に行うにあたっての進め方を解説します。方向性の一つですが、コンテンツマーケティングの運営を検討している方には参考になるはずです。
まずは自社に合った予算感を把握する
コンテンツマーケティングを始めるにあたり、最初に行うべきは自社の予算をしっかり把握することです。どれだけの費用を割り当てられるかを把握することで、どの戦略が適しているのかを見極めやすくなります。
予算に応じた施策を検討することで無駄な費用を省き、効果的な運用を目指すことができます。 予算が限られている場合は、AIツールやテンプレートを活用した低コスト戦略が有効です。逆に、十分な予算がある場合は、外部の専門家に依頼することで、より効果的で高品質なコンテンツを制作することが可能です。
いずれにせよ、戦略立案のためにはまずは「コンテンツマーケティングに投じることができる費用の把握」が重要です。
目的に応じたコスト配分を意識する
コンテンツマーケティングにかかる費用をどのように配分するかも重要です。目的によって必要な費用の項目は異なります。
例えば、認知度向上を目的とする場合は、広告費やSNS投稿費用が重要になります。一方、SEO対策を重視する場合は、コンテンツ制作費やSEOツールへの投資が重要です。
- ・認知度向上: 広告費、SNS投稿費用
- ・リード獲得: ホワイトペーパー、ウェビナー運営費
- ・コンバージョン向上: SEO対策費、記事制作費
目標に合わせて必要な項目に適切に費用を配分することで、無駄をなくし、効率的な運用が実現します。
無駄な費用を削減し、効果的な運用を目指す
無駄な費用を削減することが、コンテンツマーケティングの成功には欠かせませんが、コスト削減には、効果的なツールの活用が不可欠です。
例えば、コンテンツ制作でAIツールやテンプレートを活用すれば、時間やコストを大幅に削減できます。
SNS投稿を定期的に行うことで、効果的なターゲット層にアプローチでき、広告費用を抑えることができます。
- ・AIライティングツール: ChatGPTやCopy.aiで記事制作
- ・無料ツールの活用: GoogleアナリティクスやSearch Console
さらに、過去に効果がなかった施策を見直し、無駄な投資を避けることが重要です。
よくある質問(FAQ)
コンテンツマーケティングの費用に関して、よくある質問をFAQ形式でまとめました。
Q.コンテンツマーケティングの費用相場は?月額・年間でいくら必要?
コンテンツマーケティングの費用は、企業の規模や目的によって異なりますが、一般的には以下のような相場となっています。
- ・月額費用: 約30万~100万円(中小企業の場合)
- ・年間費用: 約360万~1,200万円
これには、コンテンツ制作費、広告費、SEO対策費用などが含まれます。規模や目的に応じて調整が必要です。
Q.初期費用なしでスタートできる方法はある?
無料ツールやテンプレートを活用することで可能ではあります。具体的にはGoogleアナリティクスやSearch Consoleを活用して効果を測定し、SNSでのオーガニック投稿を行います。AIライティングツールやCanvaなどを使用することで、初期投資を抑えながらコンテンツ制作を行うなど、アイディア次第では可能です。
Q.効果を最大化するためのポイントは?
以下4つのポイントを意識することが大切です。
- ・ターゲットを明確にする: どの層に向けてコンテンツを発信するかを絞り込む
- ・コンテンツの質を重視: 単に量をこなすのではなく、読者に価値を提供できるコンテンツを制作
- ・SEO対策を行う: 検索エンジンに評価されるコンテンツを作成するために、適切なキーワードを盛り込む
- ・定期的な分析と改善: 効果測定を行い、データに基づいた改善を継続的に行う
これらを意識しながら運用することで、効果の最大化が狙えます。
まとめ
コンテンツマーケティングの費用について、さまざまな視点から詳しく解説してきました。企業の規模・目的に応じて、必要な費用や配分は異なりますが、適切にコストを管理し、戦略的に運用することで、ROIを最大化することが可能です。
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