2026.04.16

Claude Codeで広告分析と施策提案を自動化する方法【実務者向け】

毎週月曜の朝、Google広告の管理画面を開き、次にMeta広告マネージャ、さらにYahoo!広告のレポート画面へ—。数値をスプレッドシートに転記し、前月比を計算し、悪化している指標を探す。そして悪化している指標を元に、再度管理画面に戻り、どのKW、どのクリエイティブで数値が悪化しているのか、どのターゲットからの反応が悪化したのかを分析、そして改善策をまとめる。広告運用者にとって、この「データ集計→分析→施策出し」の一連の流れは避けて通れない定例業務です。

この作業に毎回2〜3時間を費やしている方も多いのではないでしょうか。その時間を、クリエイティブの企画や戦略の見直しに使えたら、施策の実行スピードや成果は大きく変わるのではないでしょうか。

私たちmalna株式会社では、このような悩みを解決するためにAIエージェントツール「Claude Code」を使い、広告データの自動取得から分析、改善施策の提案、Slackへのレポート投稿までを一気通貫で自動化しています。本記事では、その具体的な仕組みと導入のステップ、そして実際のクライアント案件での活用事例をお伝えします。

そもそもClaude Codeとは?

Claude Codeは、Anthropic社が提供するAIエージェントツールです。

ChatGPTやClaude.aiといったチャットAIを使ったことがある方は多いと思います。あれは「質問すると答えてくれる」ツールです。しかし、実際の広告運用業務では「答えてもらう」だけでは足りません。管理画面からデータをダウンロードしたり、レポートファイルを作ったり、Slackに報告を投稿したり、手を動かす作業が大半です。

Claude Codeは、この「手を動かす部分」までAIが自動でやってくれるツールです。PCの中にいるアシスタントのような存在で、日本語で「先月のGoogle広告のキャンペーン別レポートを取得して、CPAが悪化しているものを特定し、改善案をまとめて」と指示すると、Claude Codeがその一連の作業を自分で実行してくれます。

普通のチャットAIと何が違うの?

わかりやすく言うと、以下のような違いがあります。

やりたいこと 普通のチャットAI(ChatGPT等) Claude Code
広告データを取得したい 自分で管理画面からコピペして貼り付ける必要がある 広告媒体から直接データを自動で引っ張ってくる
レポートを作りたい 自分でデータを整形して貼り付けないといけない PC内のファイルを自分で読み書きできる
分析プログラムを動かしたい 不可(チャットの中だけで完結) 分析に必要なプログラムを自動で作成し実行する
Slackに結果を送りたい 自分でコピペして投稿する SlackやGoogleスプレッドシートに直接連携して自動投稿する
毎日同じ分析をしたい 毎回ゼロから同じ指示を書く 一度やり方を登録すれば、次からは一言で再現できる

つまり、普通のチャットAIは「考える」だけ。Claude Codeは「考える」に加えて「手を動かす」ことができる。この違いが、広告運用の自動化において決定的な差になります。

Claude Codeで広告分析を自動化する3つのメリット


Claude Codeを広告分析に活用する最大の利点は、単なる時短ではありません。「データ収集の幅が広がる」「原因分析が深くなる」「施策の質が上がる」。つまり、分析そ のもののレベルが変わります。ここでは、実際に運用して実感した3つのメリットを具体的にお伝えします。

メリット1:管理画面の数値だけでなく、競合・市場データまで一括取得できる

Google広告、Meta広告、Yahoo!広告——複数媒体を運用していると、それぞれの管理画面にログインしてレポートをダウンロードするだけで30分以上かかります。

Claude Codeなら、各広告媒体のデータを直接取得する仕組みをあらかじめ用意しておけば、「今月の広告データを取得して」と一言伝えるだけで、全媒体のデータを一括で取得してくれます。

しかも、取得できるのはキャンペーン別・キーワード別といった通常のパフォーマンスデータだけではありません。Google広告のオークション分析レポート(インプレッションシェアや競合の重複率)や、Yahoo!広告の検索クエリレポート、Meta広告のブランドリフト調査結果など、普段は管理画面の奥にあって見落としがちなデータも一緒に引っ張ってくることができます。

これにより、「自社のCPAが上がったのは自社の問題なのか、それとも競合の出稿強化による市場全体の変化なのか」を切り分けるところから分析を始められます。

メリット2:「数値の悪化」ではなく「構造的な原因」を自動で特定できる

広告代理店として複数のクライアントを運用していると、各案件のKPIを毎日追いかけるだけでも相当な工数になります。そのうえで「なぜこの数値が動いたのか」の原因分析まで丁寧に行おうとすると、どうしても対応が後手に回りがちです。

特に難しいのが、数値変動の原因が広告アカウント内部にあるのか、外部要因なのかの切り分けです。CPAが悪化したとき、それがクリエイティブの疲弊なのか、競合のIS(インプレッションシェア)拡大なのか、あるいはLP側のCVR低下なのか。複数の仮説を同時に検証する必要があります。

そこでやってほしいことが、Claude Codeにあらかじめ分析のチェックリストを登録しておくことです。すると、ファネルの上流から順にスキャンしつつ、オークション分析データや前年同月比も横断的に参照して、最初に大きく崩れたステップとその要因を自動で特定してくれます。

ISが低下している     → 競合の出稿強化 or 入札負け(オークション分析で検証)

クリック数が減った   → IS損失率と予算損失率を確認し、予算/入札のどちらが原因か特定

CTRが下がった       → 競合のCTRとの相対比較 + CR別の配信比率変化を確認

CVRが低下した       → LP側の変更有無 + デバイス別・時間帯別のCVR変動を確認

商談設定率が低下した → 広告側ではなくクライアントのオペレーション側の問題を示唆

単なるKPIの上下ではなく、「なぜそうなったのか」「広告側で対処できる問題なのか」を構造的に示してくれるため、クライアントへの報告や施策提案の精度が格段に上がります。

メリット3:改善施策が「根拠付き」で自動生成される

もう一つ大きいのが、分析結果をもとにした施策提案まで自動化できる点です。しかも、「なんとなくこうした方がいい」ではなく、データの変化を根拠にした具体的な提案が出てきます。

例えば以下のような形式です。

施策には「今週中に実行するべきこと」と「来週までに実施するべきこと」などの優先度が付くため、チームの行動指針を決めやすく、施策実行も進めやすくなっています。

自動化の全体像—なぜ「一言」で分析が完了するのか

ここからは、「どういう仕組みで自動化されているのか」をできるだけ噛み砕いて解説します。

Claude Codeを支える3つの仕掛け

Claude Codeによる広告分析の自動化は、次の3つの仕掛けで成り立っています。普段の業務に例えると、イメージしやすいかもしれません。

① やり方の手順書(スキル)

「データを取得して→分析して→レポートにまとめて→Slackに投稿する」という一連の手順を、あらかじめテキストファイルに書いておきます。いわば、Claude Code専用の「業務マニュアル」です。一度作っておけば、毎回ゼロから指示する必要がなくなります。

② 外部ツールとの接続(MCP)

Claude Codeは単体では広告データを取ってきたり、Slackに投稿したりできません。そこで「MCP」という仕組みを使って、SlackやGoogleスプレッドシート、各広告媒体とClaude Codeをつなぎます。人間でいえば、「各ツールのログイン情報をClaude Codeに渡してあげる」ようなイメージです。

③ 分析のルールブック(CLAUDE.md)

「CPAの目標値はいくらか」「どの指標をどの順番でチェックするか」「悪化の基準は何%からか」——こうしたチーム固有の判断基準を、テキストファイルに書いておきます。Claude Codeはこのルールブックを読んでから分析を始めるので、毎回同じ基準でブレなく分析してくれます。

実際にはどう動くの?——実行の流れ

実際に「今日の広告レポートを出して」と指示したときの裏側の流れを、ステップごとに示します。

  1. 人間が「広告レポートを出して」と一言指示する
        ↓
    2. Claude Codeが手順書(スキル)を読み、やるべきことを把握する
        ↓
    3. 各広告媒体(Google / Meta / Yahoo)からデータを自動で取得する
      → キャンペーン別、キーワード別、年齢×性別などの基本レポート
      → オークション分析、検索クエリ、品質スコアなどの競合・市場データも含め計18種類以上
          ↓
    4. 取得したデータを、ルールブックの基準に照らし合わせて分析する
      → 11項目のチェックリストで順にスキャン
      → ボトルネックの自動特定
      → 施策の優先度判定(高/中/低)
          ↓
    5. 分析結果と改善施策をレポート形式に整える
          ↓
    6. Slackの指定チャンネルに自動で投稿する

様々なレポートを自動取得し、分析・施策提案・Slack投稿まで、すべてが自動で完結します。人間が動くのは「最初の一言」と「最後の確認」だけです。

malnaが実際に行っている広告分析の自動化

ここでは、私たちmalnaが実際のクライアント案件でClaude Codeをどのように活用しているかをご紹介します。

自動化している業務の全体像

私たちは、Google広告・Meta広告・Yahoo!広告の3媒体を横断した広告運用を複数のクライアントに対して行っています。Claude Codeの導入により、以下の業務を自動化しました。

① 3媒体のデータ一括取得

毎朝、指示せずとも同じ時間に3媒体のデータをAPIから自動取得しています。取得しているレポートは以下の通りです。

媒体 取得レポート
Google広告 キャンペーン別、広告グループ別、キーワード別(品質スコア含む)、検索語句、広告別、デバイス別、オークション分析(IS・競合重複率)
Meta広告 キャンペーン別(フリークエンシー含む)、広告セット別、広告別(CR別)、年齢×性別、配置面別、デバイス別、ブランドリフト調査結果
Yahoo!広告 検索キャンペーン別、検索キーワード別、検索クエリ、検索デバイス別、YDAキャンペーン別、YDAデバイス別、IS損失率レポート

管理画面の基本数値だけでなく、オークション分析やIS損失率など「手動では毎日確認しきれないデータ」まで含めて一括取得しているのがポイントです。

② 複数観点からの自動分析

取得したデータに対して、あらかじめ登録しておいたチェックリストで自動分析を実行しています。具体的には以下のような観点です。(下記はほんの一部です)

– CV未発生のまま費用が大きく消化されているキャンペーンやキーワードの検出

– CPAが目標値から大きく乖離している箇所の特定

– 検索クエリレポートから意図しないクエリの洗い出し

– 品質スコアが低下しているキーワードのフラグ立て

– Meta広告のフリークエンシー過多の検出

– オークション分析をもとにしたIS低下・競合出稿強化の検知

– 前週比・前年同月比・直近3ヶ月トレンドとの比較

これらを人手で毎日全案件チェックするのは現実的ではありませんが、Claude Codeなら一声かけるだけで網羅的に実行してくれます。

③ 改善施策の自動生成

分析結果をもとに、改善施策が優先度付きで自動生成されます。出力される施策には以下の情報が含まれます。

– 対象: どのキャンペーン・キーワード・クリエイティブに対する施策か

– 現状: データが示している事実(どの指標がどう悪化しているか)

– 原因: データから推定される悪化要因

– 改善案: 具体的にどうアクションすべきか

– 期待効果: 施策実行によるCPA改善やコスト削減の見込み

施策は「今週中に実行すべきもの」と「来週以降に実施するもの」に優先度分けされるため、チーム内でそのまま行動に落とし込めます。

④ Slackへの自動投稿

生成されたレポートは、Slackの指定チャンネルに自動で投稿されます。運用担当者は朝Slackを開くだけで、各案件のパフォーマンス状況と改善アクションを確認できます。

自動化による変化

Claude Code導入により、以下のような変化がありました。

– 日次のデータ確認: 管理画面の巡回が不要になり、Slackで確認するだけに

– 週次レポート作成: 自動生成されたレポートを微調整するだけで完成するように

– 施策の網羅性: 人手では見落としがちだったオークション分析やフリークエンシーの異常値も自動検出されるように

– 属人化の解消: 分析基準がルールとして明文化されているため、担当者が変わっても同じ品質でチェックが回る

導入のハードルは?——プログラミング経験がなくても大丈夫な理由

ここまで読んで「便利そうだけど、うちにはエンジニアがいないし……」と感じた方もいるかもしれません。結論から言うと、プログラミングの経験がなくても導入は可能です。

その理由は、Claude Code自身が「プログラムを書ける」からです。

例えば、「Google広告のキャンペーン別レポートを取得する仕組みを作って」と日本語で伝えると、Claude Codeが必要なプログラムを自分で作成し、動作確認まで行ってくれます。人間がコードを書く必要はありません。

ただし、いくつかの準備は必要です。

最低限必要な準備

必要なこと 内容 難易度
Claude Codeのインストール 公式サイトの手順に沿って導入 低(手順通りでOK)
広告媒体のAPI認証情報の取得 Google・Meta・Yahooの管理画面から取得 中(各媒体のヘルプを参照)
分析ルールの言語化 「CPAの目標値」「悪化の判断基準」をテキストに書く 低(普段の判断基準をそのまま書くだけ)
SlackやSheetsとの接続設定 Claude Codeの設定画面で接続先を登録 中(初回のみ)

最も手間がかかるのは「広告媒体のAPI認証情報の取得」です。各広告プラットフォームの開発者向けページからキーを発行する必要があり、ここで苦戦する人は多くいるでしょう。

逆に言えば、この初期設定さえ終われば、あとは日本語で指示するだけで自動化が回り始めます。

導入時のよくある疑問と注意点

「AIに広告運用を任せて大丈夫?」「コストはどれくらい?」導入を検討する際に多くの方が気になるポイントをまとめました。実際にクライアント案件で運用してきた経験をもとに、率直にお答えします。

Q. 分析の精度は信頼できる?

 

Claude Codeの分析は、事前に登録したルール(チェック基準)に基づいて実行されます。人間が「何を見るべきか」を決め、Claude Codeが「漏れなく素早く見る」という役割分担です。

AIが勝手に判断して広告を止めたりすることはありません。最終的な判断はあくまで運用者が行い、Claude Codeは判断材料の整理と提示を担います。

Q. コストはどのくらいかかる?

Claude Codeは使った分だけ課金される従量制です。広告データの分析1回あたりのコストは、データ量にもよりますが数百円〜1,000円程度です。毎日実行しても月額1〜2万円程度で収まるケースが多く、運用担当者がレポート作成に費やしていた人件費と比べれば十分に合理的です。

Q. セキュリティ面は大丈夫?

Claude Codeは自分のPC上で動作するため、広告データが外部のサーバーに保存されることはありません。ただし、広告媒体への接続に使うパスワードやキー情報は、適切に管理する必要があります(Claude Codeが管理方法もガイドしてくれます)。

Q. 途中でルールを変えたくなったら?

いつでも変更できます。ルールブックはただのテキストファイルなので、「CPAの目標値を¥15,000から¥12,000に変更」のように書き換えるだけです。次回の分析からすぐに反映されます。

まとめ—広告運用者の「分析作業の時間」を「施策実行の時間」に変える

広告運用において、データ集計や定型的な分析に時間を取られるのは、もったいないことです。Claude Codeを活用すれば、複数媒体のデータ取得から分析、改善施策の提案、チームへの共有までを自動化できます。

特に以下のような課題を感じている方には、導入の価値が大きいと考えています。

– 複数の広告媒体を運用しており、データ集計に毎回時間がかかる

– 改善施策の洗い出しが担当者に属人化している

– レポート作成が定型業務化しているが、なかなか効率化できない

– AIに興味はあるが、プログラミングの知識がなく踏み出せない

もちろん、Claude Codeは万能ではありません。クリエイティブの方向性を決める、新しい訴求軸を考える、クライアントとの合意形成を図る——こうした「人間にしかできない仕事」は変わらず残ります。

大切なのは、AIに任せられる作業はAIに任せ、人間は戦略的な判断に集中すること。Claude Codeは、その第一歩として非常に実用的なツールです。

malna株式会社では、AI × マーケティングの実践ノウハウを活かし、広告運用の改善から戦略設計まで一貫してご支援しています。「自社の広告運用にAIを導入したい」「Claude Codeの活用について相談したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者情報

神田 将大

writer 神田 将大 consultant
Webマーケティング全般を担当。広告運用(リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告)、SNS運用(X、Instagram、LINEなど)、Google Analyticsを活用した成果分析、LPO、KPI/予算の策定など、戦略立案から施策実行まで幅広く対応。
2024年よりmalna株式会社に参画。教育系企業や人材系企業を中心に、集客施策や広告運用を通じて成果向上に貢献。
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