近年、デジタル化の加速や購買プロセスの変化に伴い、BtoB企業においても「マーケティング」の重要性が急速に高まっています。
しかし一方で、「展示会やテレアポなど従来の営業手法だけでは限界を感じている」「Webマーケティングを始めたものの、獲得したリードが受注につながらない」といった悩みを抱える企業様も少なくありません。私たちmalna(マルナ)にも、日々こうした切実なご相談を数多くいただいております。
BtoBマーケティングは、個人の衝動買いが起こりうるBtoCとは異なり、「論理的な意思決定」「複数の関与者」「長期的な検討期間」という特性を持っています。そのため、単にツールを導入したり、流行りの施策に飛びついたりするだけでは成果を出し続けることは困難です。
そこで本記事では、BtoBマーケティングの基礎知識やBtoCとの違いといった基本から、戦略立案のフレームワーク、具体的な手法、そして組織全体で成果を出すためのプロセスまでを体系的に解説します。
これからBtoBマーケティングを本格化させたい担当者の方から、組織の変革を目指す事業責任者の方まで、迷ったときに立ち返れる「教科書」としてお役立ていただける内容を目指しました。ぜひ、貴社のマーケティング活動を成功に導くための羅針盤としてご活用ください。
BtoBマーケティングとは
BtoBマーケティングとは、企業(Business)が別の企業(Business)に対して製品やサービスを提供し、顧客価値を創出するための一連の活動を指します。
対象となる顧客が「法人」であるため、個人の感情や衝動で購入が決まりやすいBtoC(消費者向け)とは異なり、組織的な意思決定プロセスや合理的な判断基準が求められる点が大きな特徴です。
BtoBマーケティングの意味と目的
では、企業においてマーケティング部門が果たすべき役割とは何でしょうか。 教科書的な定義では「市場調査」や「広告宣伝」などが挙げられますが、実務の現場においては「営業活動を効率化・最大化し、継続的な収益を生み出す仕組みを作ること」と言い換えることができます。
かつてのBtoBビジネスでは、優秀な営業担当者がリストを作り、テレアポで接点を作り、足繁く通って信頼を勝ち取るという「個人の力」に依存したスタイルが主流でした。しかし、インターネットでの情報収集が当たり前になった現在、顧客は営業担当者に会う前に、すでに情報収集を終え、一定の比較検討を済ませていることが多くなっています。
このような環境下では、営業担当者がアプローチする前の段階で、いかに自社を見つけてもらい、興味を持ってもらい、信頼を獲得しておくかが重要になります。これが現代におけるBtoBマーケティングの基本的な役割です。
私たちmalnaにご相談いただく企業様の中にも、「マーケティング=Webサイトへの集客やリード(見込み客)獲得」と狭義に捉えているケースが少なくありません。
もちろん、リード獲得はマーケティングの重要な機能の一つです。しかし、それが「目的」になってしまうと、本質的な事業成長から遠ざかってしまう危険性があります。
よくある失敗例として、以下のような状況が挙げられます。
- マーケティング部門:「今月は目標のリード数100件を達成しました!」
- 営業部門:「渡されたリストに電話しても、情報収集段階の人ばかりで全然アポにならない…」
このように、マーケティング部門が「リード数」だけをKPI(中間目標)として追いかけると、確度の低いリストが大量に営業に渡り、結果として組織全体の生産性を下げてしまうという「部分最適」の罠に陥ります。
BtoBマーケティングの真の目的は、リードを集めることそのものではなく、「受注」を生み出し、LTV(顧客生涯価値)を最大化し、最終的に「事業成長(売上・利益の拡大)」に貢献することです。
そのためには、「どんな顧客(N1)を集めれば営業が成約しやすいか」「受注後の継続率が高い顧客層はどこか」という、営業やカスタマーサクセスの視点までを持った戦略設計が不可欠です。単なる「集客係」ではなく、「売上を作るエンジンの設計者」としての視座を持つことが、成功への第一歩となります。
なぜ今BtoBマーケティングが重要視されるのか

数年前まで、日本のBtoB企業では「良い製品を作れば売れる」「営業担当者が足で稼ぐ」という考え方が主流でした。しかし、ここ数年でその前提は大きく崩れ、マーケティングに取り組まざるを得ない状況が生まれています。
なぜ今、これほどまでにBtoBマーケティングの重要性が叫ばれているのでしょうか。その背景には、大きく分けて3つの構造的な変化があります。
1. 顧客の購買行動のデジタル化
最大の要因は、顧客が情報を得る手段が「営業担当者」から「インターネット」へとシフトしたことです。
かつては、新しいソリューションを知るためには、展示会に行ったり、営業担当者の話を聞いたりするのが一般的でした。しかし現在では、Google検索やSNS、比較サイトなどを通じて、顧客自身で情報収集を行うことが当たり前になっています。
米国の調査会社GartnerやForresterなどのデータでも示唆されている通り、「BtoBの購買プロセスの60%以上は、営業担当者と会う前に完了している」と言われています。
つまり、顧客が営業担当者に問い合わせをした時点で、すでに「どの製品が良さそうか」という目星はついており、場合によっては勝負が決してしまっていることも珍しくありません。この「会う前の段階」で自社の情報を適切に届け、検討の土台に乗せるためには、マーケティングによる早期のアプローチが不可欠なのです。
2. 従来型のアウトバウンド営業の限界と効率化の必要性
2つ目の理由は、テレアポや飛び込み営業といった従来の「プッシュ型」営業の手法が通用しづらくなっている点です。
セキュリティの強化やリモートワークの普及により、担当者に直接電話がつながる確率は年々低下しています。また、労働人口の減少が進む日本において、大量の営業パーソンを採用して「人海戦術」で売上を作るモデルは、採用難易度とコストの面から維持が困難になりつつあります。
そのため、限られた営業リソースを「確度の高い商談」に集中させる必要があります。「興味があるかわからない100件に電話する」のではなく、マーケティングが「興味を持っている10件を見つけ出し、営業に渡す」。この分業体制(The Modelなど)を構築し、生産性を高めることが、企業の生存戦略として求められています。
3. サブスクリプション型ビジネス(SaaS)の台頭
3つ目は、ビジネスモデルの変化です。SaaSに代表されるサブスクリプション型のビジネスモデルが増加したことで、一度売って終わりの「売り切り型」から、顧客と長く良好な関係を築く「継続型」へと収益構造がシフトしました。
継続利用を前提とするビジネスでは、無理な押し売りで契約を取っても、すぐに解約(チャーン)されてしまい赤字になります。そのため、マーケティング段階から「自社の課題を解決してくれる」と納得した顧客(フィットする顧客)を集める質の高さが求められます。
このように、「顧客の変化」「営業環境の変化」「ビジネスモデルの変化」という3つの波が同時に押し寄せていることが、今BtoBマーケティングが経営課題として最優先で取り組まれるべき理由なのです。
BtoBとBtoCの違い
マーケティングの手法論を学ぶ際、よく陥りがちな失敗が「BtoC(消費者向け)の成功事例をそのままBtoB(法人向け)に当てはめてしまうこと」です。
例えば、SNSでバズらせて認知を一気に広げる手法は、低単価なBtoC商材では爆発的な売上につながることがありますが、高額な法人向けITツールで同じことをしても、実際の受注にはほとんどつながらない、ということが起こり得ます。
BtoBマーケティングを成功させるためには、その構造的な違いを正しく理解し、戦い方を変える必要があります。主な違いを以下の表に整理しました。

それぞれの違いについて、マーケティング戦略にどう影響するのかを詳しく見ていきましょう。
ターゲット層と決裁権者の数:組織vs個人
最大の違いは、購入を決める人の数です。
BtoCであれば、本人が「買いたい」と思えばその場で購入が完了します。
一方、BtoBでは「商品を探す人(担当者)」と「お金を払う決断をする人(決裁者)」が異なるケースがほとんどです。さらに、その間には現場の利用者、情報システム部門、法務部門など、多くの関係者(DMU:Decision Making Unit)が存在します。
そのため、マーケティング担当者は「窓口となる担当者が魅力を感じるコンテンツ」だけでなく、「担当者が上司を説得するための材料(稟議を通すための論理的根拠)」まで用意する必要があります。
検討期間と購買プロセスの違い:長期戦を前提に
前述の通り、BtoBは複数の承認プロセス(稟議)を経るため、検討期間が長くなる傾向があります。SaaS製品などであれば数週間で済むこともありますが、大規模なシステム導入やコンサルティング契約では、半年から1年以上かかることも珍しくありません。
この「検討期間の長さ」が意味するのは、「一度接点を持っただけでは売れない」ということです。
BtoCのように「衝動買い」は期待できません。したがって、一度獲得したリード(見込み客)に対し、メルマガやセミナーなどで中長期的に有益な情報を提供し続け、検討のタイミングが来た時に「第一想起(一番最初に思い出してもらうこと)」を獲得する「リードナーチャリング(顧客育成)」の重要性が極めて高くなります。
購買判断の基準:合理性 vs 感情
企業は利益を追求する組織であるため、購買判断は極めて合理的かつ論理的に行われます。
「なんとなく良さそう」「デザインが好き」といった感情的な理由だけで数百万、数千万の決裁が下りることはまずありません。
- ROI(投資対効果)は合うのか?
- 競合他社と比較して何が優れているのか?
- セキュリティやサポート体制にリスクはないか?
BtoBマーケティングでは、これらの問いに対して、数値や事例を用いて論理的に証明することが求められます。エモーショナルな訴求よりも、信頼性や機能的価値を正確に伝えるコンテンツが重視されるのはこのためです。
商品単価と顧客単価(LTV)の違い
BtoB商材は単価が高く、一度契約すると数年単位での取引になることが多いため、LTV(顧客生涯価値)が非常に高くなります。
これは裏を返せば、「失敗した時のリスクが大きい」ということでもあります。購入側は失敗を恐れ、慎重になります。だからこそ、マーケティングにおいては「信頼」の獲得が何よりも重要です。
また、LTVが高いということは、1件の成約にかけることができる獲得コスト(CAC)もBtoCに比べて大きく取れることを意味します。そのため、一人ひとりの顧客に合わせた詳細なインサイドセールスや、質の高いホワイトペーパー制作など、手厚いマーケティング施策への投資が可能になります。
BtoBマーケティングの進め方
「BtoBマーケティングを始めよう」となったとき、多くの企業が真っ先に「どの広告媒体を使おうか?」「どんな展示会に出ようか?」といった「施策(How)」の議論から始めてしまいがちです。
しかし、誰に(Who)、何を(What)届けるかが決まっていない状態で施策を打っても、穴の空いたバケツに水を注ぐようなもので、成果は一過性に終わります。
再現性のある成果を出すためには、正しい順序で戦略を積み上げることが不可欠です。ここでは、私たちmalnaが推奨する、戦略立案から実行までの7つのステップを解説します。
ペルソナ分析(N1分析)
最初のステップは、「自社にとって最も理想的な顧客(N1)」を特定することです。
「30代男性、企業の決裁者」といったような、ふわっとしたターゲット像(デモグラフィック情報)だけでは不十分です。BtoBにおいては、実際に自社製品を愛用してくれている既存の優良顧客1社(1人)を深く分析する「N1分析」が有効です。
- 企業属性: 業種、売上規模、従業員数、利用しているツール
- 担当者属性: 所属部署、役職、ミッション、抱えている個人の課題
- インサイト: なぜ競合ではなく自社を選んだのか? 導入の決め手となった「一言」は何か?
このN1の解像度を高めることで、突き刺さるメッセージや必要なコンテンツが見えてきます。「架空の誰か」ではなく「実在するあの人」に向けて戦略を練ることが成功の鍵です。
市場選定(TAM/SAM/SOM)
N1(理想の顧客)が決まったら、次はその顧客が市場にどれくらい存在するのか、市場規模を把握します。ここで役立つのが、以下の3つの指標です。
- TAM (Total Addressable Market): 獲得可能な最大市場規模(例:日本国内の全製造業)
- SAM (Serviceable Available Market): 自社のサービスでアプローチ可能な市場(例:関東圏の従業員100名以上の製造業)
- SOM (Serviceable Obtainable Market): 現実的に獲得を目指す市場シェア(例:SAMのうち、直近3年で獲得できるシェア)
リソースの限られた企業が、いきなり広大なTAM全体を狙うのは非効率です。まずは勝ち筋のあるSOMを特定し、そこでのシェアを確実に取る「ランチェスター戦略」的なアプローチが、BtoBマーケティングの定石です。
KPI設計
目指す市場が決まったら、目標を数値に落とし込みます。
ここでは、「WebサイトのPV数」や「獲得リード数」といった手前の数字だけを見るのではなく、最終的なゴール(売上・受注)から逆算して設計することが重要です。
例えば、「売上目標1億円」を達成するために必要な「受注数」はいくつか。その受注数を得るために必要な「商談数」は…といった形で、ファネルを逆算して各フェーズのKPIを設定します(The Model型の考え方)。
また、SaaSなどの継続課金ビジネスの場合は、LTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得コスト)のバランスも重要なKPIとなります。「獲得できれば何でも良い」ではなく、健全なユニットエコノミクスが成立する目標値を設定しましょう。
戦略立案
誰に(ペルソナ)、どこで(市場)、どれくらい(KPI)売るかが決まったら、いよいよ「どのように」売るかのシナリオを描きます。
ここで重要になるのが「カスタマージャーニーマップ」の作成です。
顧客が課題を認知し、情報収集を行い、比較検討し、最終的に契約に至るまでのプロセスを可視化します。
- 認知段階: どんな検索キーワードで調べるか?(SEO、Web広告)
- 比較段階: どんな情報を欲しているか?(導入事例、料金表、機能比較)
- 検討段階: 稟議を通すために何が必要か?(ROI試算表、セキュリティシート)
各フェーズにおける顧客の心理状態に合わせて、最適なコミュニケーション設計を行います。
施策・兵站整理
戦略を実行に移すための具体的なアクションプランと、それを支えるリソース配分(兵站)を決定します。
「兵站」という言葉を使っているのは、マーケティングは一発勝負の戦いではなく、長く続く「補給戦」だからです。
- 予算配分: 広告費、ツール利用料、制作費などにどう予算を振り分けるか。
- 体制構築: 誰が記事を書くのか? インサイドセールスは誰がやるのか? 外注するのか内製するのか?
- ツール選定: MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)は何を使うか。
素晴らしい戦略があっても、それを実行し続けるリソース(人・モノ・金)が不足していれば絵に描いた餅になります。無理のない運用体制を整えることも、マーケティング責任者の重要な仕事です。
施策実行
準備が整ったら、施策を実行します。
ここでのポイントは、「小さく始めて(スモールスタート)、早く回す」ことです。
最初から完璧なWebサイトや、100点満点のホワイトペーパーを作ろうとすると、時間がかかりすぎます。まずは最低限の質(MVP:Minimum Viable Product)でリリースし、顧客の反応を見ながら修正していくアジャイルな姿勢が求められます。
- Web広告のクリエイティブをA/Bテストする
- メルマガの件名を変えて開封率を見る
- セミナーの内容を参加者の反応を見て微調整する
といったトライアル&エラーを高速で繰り返しましょう。
確認・改善
施策をやりっぱなしにせず、必ず振り返りの時間を設けます。
KPIに対する達成度はもちろんですが、「定性的な振り返り」も忘れてはいけません。
- 営業担当者に「最近送客しているリードの質はどう?」とヒアリングする
- 失注した案件の理由を分析する
数字(定量)には表れない現場の感覚にこそ、改善のヒントが隠されています。
「計画(Plan)→実行(Do)」だけで終わらせず、「確認(Check)→改善(Action)」までを一つのサイクルとして回し続けることが、BtoBマーケティング成功への唯一の道です。
BtoBマーケティングの具体的施策
ここでは、フェーズごとに代表的な施策とそのポイントを解説します。
最初にやること
集客施策(広告やSEO)を始める前に、まずは「顧客の受け皿」となる基盤を整える必要があります。穴の空いたバケツに水を注がないよう、以下の2つは最低限整備しましょう。
Webサイト制作(サービスサイト・LP)
BtoBにおいて、Webサイトは「24時間365日働く優秀な営業マン」であるべきです。
単におしゃれなデザインであれば良いわけではありません。「誰の、どんな課題を、どう解決するのか」が一目で伝わり、問い合わせや資料請求への導線(CTA)が明確に設計されていることが必須です。
特に、特定の広告キャンペーンを行う際は、トップページではなく、その訴求内容に特化したランディングページ(LP)を用意することで、コンバージョン率(CVR)を劇的に高めることができます。
営業資料作成
Webサイトを見て興味を持った顧客が、次に欲しがるのが詳細な資料です。
サービス紹介資料、導入事例集、料金表などは、マーケティングと営業をつなぐ重要なツールです。Webからダウンロードできる資料と、商談時に見せる資料は役割が異なります。
- ダウンロード資料: 課題共感やノウハウ提供を中心に、興味を惹きつける内容。
- 商談資料: 具体的な機能、解決策、ROI試算など、決裁を後押しする内容。
この棲み分けを意識して作成しましょう。
リードジェネレーション(見込み客獲得)の施策
まずは自社を知ってもらい、連絡先(リード情報)を獲得するための施策です。
Web広告(リスティング・ディスプレイ・SNS広告)
短期間で成果を出したい場合に最も有効です。
- リスティング広告: 「〇〇 ツール」など、すでに課題が顕在化し、解決策を探している層にアプローチできます。即効性が高い反面、競合も多く単価が高騰しやすい傾向があります。
- ディスプレイ広告・SNS広告: FacebookやLinkedInなどは、役職や業種で精度の高いターゲティングが可能です。まだ課題に気づいていない潜在層への認知拡大に効果的です。
SEO記事(新規流入獲得目的)
検索エンジンからの自然検索流入を狙う施策です。広告と異なり費用はかかりませんが、成果が出るまでに時間がかかります(半年〜1年)。
「〇〇 業務効率化」「〇〇 稟議 通し方」など、ターゲットが業務中に検索しそうなキーワードを選定し、その検索意図(インサイト)に徹底的に応える記事を作成します。これは企業の資産として積み上がり、中長期的な集客の柱となります。
SNS運用
X(旧Twitter)やFacebookなどで、企業の「中の人」や専門家としての情報を発信します。
BtoBであっても、取引するのは「人」です。役立つ情報発信を通じて信頼残高を積み上げることで、指名検索の増加や、将来的な案件化につながります。
展示会・カンファレンス(オフライン施策)
一度に多くのリードを獲得できる貴重な機会です。
オンラインではリーチできない層や、決裁者クラスと直接名刺交換ができるのが強みです。ただし、名刺を集めることだけをゴールにせず、その後のフォローメールやインサイドセールスへの引き継ぎまでをセットで設計しておくことが、投資対効果を高める鍵です。
リードナーチャリング(見込み客育成)の施策
獲得したリードの多くは「今すぐ客」ではありません。中長期的に接点を持ち続け、検討度合いを引き上げる活動が必要です。
メールマーケティング(メルマガ)
最も低コストかつ効果的なナーチャリング手法です。
売り込みばかりのメールは嫌われます。「業界の最新トレンド」や「業務に役立つノウハウ」など、相手にとってメリットのある情報を定期的に届け、自社の存在を忘れられないようにします(マインドシェアの維持)。
ホワイトペーパー・eBook
「メールアドレスを登録してでも読みたい」と思わせる有益な資料です。
「〇〇業界カオスマップ」「失敗しない〇〇の選び方チェックリスト」など、顧客の課題レベルに合わせた資料を用意します。これをダウンロードしてもらうことで、リードの興味関心度合いを測ることができます。
ウェビナー・セミナー
会場費のかからないウェビナーは、BtoBマーケティングの主流となりました。
記事やメールだけでは伝わりにくい熱量や人柄を、映像と音声で伝えることができます。質疑応答機能を使えば、双方向のコミュニケーションも可能であり、参加者の検討意欲を大きく高めることができます。
リードクオリフィケーション(見込み客の選別)の施策
育成したリードの中から、営業がアプローチすべき「熱いリード」を見極めるフェーズです。
SFA・CRM/MA運用
ツールを導入しただけで満足していませんか? 重要なのはデータ活用です。
- MA(マーケティングオートメーション): リードの行動(メール開封、Web閲覧など)を追跡・管理します。
- SFA/CRM: 商談の進捗や受注・失注情報を管理します。
これらを連携させ、「どんなWeb行動をした人が受注につながったか」を分析することで、マーケティングの精度を向上させます。
スコアリング設計とデータ活用
「資料請求=5点」「料金ページ閲覧=10点」といったように、顧客の属性や行動に点数をつけます。一定の点数(閾値)を超えたら「ホットリード」として営業に通知を送る仕組みを作ることで、営業のアプローチ効率を最大化します。
IS(インサイドセールス)連携
マーケティングの成果を最大化するラストワンマイルは、インサイドセールスとの連携にかかっています。
マーケと営業の分断を防ぐための役割設計
よくある対立が「マーケが送ってくるリードの質が悪い(営業)」「営業がリードを放置している(マーケ)」というものです。
これを防ぐために、定期的なミーティングを実施し、「どんなリードならアポになりやすいか」「失注理由は何か」をフィードバックし合う体制を作ります。インサイドセールスは、マーケティング施策の一次評価者としての役割も担います。
SLA設計と商談化率を高める運用
SLA(Service Level Agreement)とは、マーケティングと営業の間で結ぶ「合意」のことです。
- 「マーケティングは毎月〇件のホットリードを供給する」
- 「営業(インサイドセールス)は供給されたリードに対し、〇時間以内に必ず架電する」
といったルールを明確に定めることで、お互いの責任範囲をはっきりさせ、組織全体で商談化率を最大化させる運用が可能になります。
BtoBマーケティングの成功事例
戦略を実行に移す際、多くの企業がリソース不足やノウハウの欠如という壁に直面します。ここでは、外部パートナー(malna)とうまく連携し、それらの壁を乗り越えて成果を出した3社の事例をご紹介します。
1. SALESCORE株式会社:MOps不在の課題を「社内メンバー化」で解消
【企業概要】
営業改革支援のコンサルティングおよびSaaS「SALESCORE」を提供。
【課題】
急成長中でしたが、社内にMOps(マーケティングオペレーション)の専任者が不在でした。戦略はあっても実行リソースが足りず、MAツールの運用や代理店管理が属人化し、施策のスピードが上がらないことが課題でした。
【施策と成果】
malnaが「社内メンバー」のような立ち位置で参画。MAの複雑なシナリオ設計から、ホワイトペーパー制作、PR施策、さらには広告代理店のディレクション業務までを幅広く代行しました。
結果として、戦略から実行までのボトルネックが解消され、社内メンバーがコア業務に集中できる体制が整いました。
詳細はこちら : https://malna.co.jp/case/salescore/
2. 株式会社HERP:たった1名のマーケターで新規事業の垂直立ち上げを実現
【企業概要】
採用管理システム「HERP Hire」や人材紹介システム「ジョブミル」などを提供するHRTech企業。
【課題】
新サービス「ジョブミル」のリリースに伴いマーケティング強化が必要でしたが、当時の専任担当者はわずか1名。ウェビナー開催やホワイトペーパー制作など、やるべき施策は山積みで、社内リソースだけでは限界がありました。
【施策と成果】
ウェビナーの企画・集客・運営から、リード獲得のためのホワイトペーパー制作まで、工数のかかる実務面をmalnaが全面的に支援。「一発で期待通りのアウトプットが出る」という品質の高さと、意図を汲み取るスピード感により、最小限のコミュニケーションコストで再現性のあるリード獲得体制を構築しました。
詳細はこちら : https://malna.co.jp/case/herp/
3. ジョーシス株式会社:少数精鋭でグローバル展開と数億円の事業成長を達成
【企業概要】
ITデバイスとSaaSの統合管理クラウド「ジョーシス」を提供するグローバルスタートアップ。
【課題】
グローバル展開を見据え、営業へ供給するパイプライン(商談)の創出が急務でしたが、マーケティングチームは3名のみ。広告、イベント、サイト改善など多岐にわたるチャネルを最適化するリソースが不足していました。
【施策と成果】
単なる作業代行ではなく、予算配分やオペレーション構築の段階から深く関与。広告運用のCPA改善、週4回のイベント開催、グローバルサイトの統合プロジェクトなどを推進しました。
結果、商談数を大幅に増加させながらCPAを低減させ、1年で数億円規模の事業成長に貢献しました。
詳細はこちら : https://malna.co.jp/case/josys/
まとめ
本記事では、BtoBマーケティングの基礎から具体的な戦略立案、施策実行のポイント、そして成功事例までを網羅的に解説しました。
改めて、成功のために重要なポイントを振り返ります。
- 目的を見失わない: マーケティングのゴールは「リード獲得」ではなく、その先にある「受注」と「事業成長」です。常に営業や経営の視点を持ってKPIを設計しましょう。
- 顧客(N1)を深く理解する: 誰に届けるかが定まっていない施策は、どんなに予算をかけても成果につながりません。実在する顧客のインサイトを深掘りすることから全ては始まります。
- 小さく始めて高速で改善する: 最初から完璧な戦略やクリエイティブを目指す必要はありません。スモールスタートで施策を実行し、データを見ながら改善(PDCA)を回し続ける組織だけが勝ち残ります。
BtoBマーケティングは、一朝一夕で劇的な成果が出る魔法の杖ではありません。しかし、正しい手順で戦略を立て、泥臭く運用を続ければ、必ず再現性のある「売れる仕組み」として企業の強力な資産になります。
「何から手をつければいいかわからない」「戦略はあるが、実行するリソースが足りない」
もしそのような課題をお持ちであれば、ぜひ一度malna(マルナ)にご相談ください。
私たちは単なる「外注先」ではなく、貴社の事業成長にコミットする「パートナー」として、戦略設計から日々の運用まで伴走いたします。
無料相談はこちら : https://malna.co.jp/contact/
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