2025.05.30
AIで記事作成は効率化できる?6つのツールを試して痛感した『人間』の重要性

AIで記事作成は効率化できる?6つのツールを試して痛感した『人間』の重要性
本記事は「AIを使えば記事執筆をもっと楽に、高品質にできるのではないか」とお考えの経営者やコンテンツ担当者の皆さまに向け、私自身が行った“AI導入実験”の一部始終を記録したものです。
malnaでは月に1本、社内メンバーが当番制で記事を書く仕組みを運用しています。しかし実際には、業務に追われ「書く時間が取れない」という悲鳴がそこかしこから上がっていました。私自身も例外ではなく、
「月末なのに、まだ1文字も書けていない……」
と焦って深夜まで作業した経験が何度もあります。
そこで今回は、AIツールを総動員して執筆フローを全面的に置き換えたら、どこまで効率化できるのか、そしてどんな落とし穴があったのか。そのすべてを、私の体験と共にご紹介します。
なお、完成した記事は下記リンクからご覧いただけます。
AIを活用して商談の質を高める!商談前15分で相手の情報を得る方法
目次
人力だけで書いていた頃の苦労
当時は、構成を考えるところから公開まですべて手作業で記事作成を行っていました。
- 構成案づくり
- 下調べ・資料集め
- 初稿執筆
- 推敲・校正
このように工程が多く、気が付けば合計で20時間以上かけていることも珍しくありませんでした。限られたリソースで成果を最大化するには、この「書く」工程のボトルネックを解消する必要があったのです。
AI導入で時間を短縮!でも落とし穴もあった
実際にどのAIツールを使い、どれほど時間が短縮できたのか。そして、導入して初めて気づいた思わぬ落とし穴とは?
こちらでは、私の実体験をもとに「AIツールの使い方」「効果」「注意点」の3つの側面からお伝えします。
使用したAIツールと活用の流れ
今回の記事作成で実際に使ったAIツールと、その役割を一覧でご紹介します。
それぞれの特徴や、使ってみての感想も交えてまとめました。
ツール名 | URL | 主な用途 | 特徴・所感 |
---|---|---|---|
manus | https://manus.im/ | 構成案作成とタスク自動化 | 自律的なAIエージェント。構成案だけでなく、データ収集・整理も並列処理 |
ChatGPT | https://chat.openai.com/ | 初稿の生成 | 構造が明確でロジカル。下書きに向いている |
Claude | https://claude.ai/ | 文体や語り口の調整 | 比喩や語感が自然 |
Gemini | https://gemini.google.com/app | 補足・全体整形 | 平易な言い換えやトーン調整が得意 |
Perplexity | https://www.perplexity.ai/ | 事実確認・ファクトチェック | 出典付き検索で裏取りに便利 |
ImageFX | https://labs.google/fx/ja/ | アイキャッチ画像の生成 | 雰囲気に合うビジュアルが短時間で作成できる |
(ImageFXで出力した画像)
ビフォーアフターの工数
工程 | 従来 | AI導入後 | 削減率 |
---|---|---|---|
構成案作成 | 30分 | 5分 | 約83%削減 |
リサーチ | 4時間 | 1.5時間 | 約63%削減 |
初稿執筆 | 8時間 | 2時間 | 約75%削減 |
画像選定 | 1時間 | 3分 | 約95%削減 |
総工数 | 20時間超 | 約6時間 | 約70%削減 |
直面した二つの落とし穴
こうして作業効率は飛躍的に向上したものの、AI活用には思わぬ落とし穴もありました。
ここでは、実際に私が直面した課題を2つご紹介します。
課題① 事実誤認の連鎖
たとえば、Claude が「Perplexity は OpenAI 社のプロダクト」と誤って記述したことに、私も気づかずそのままドラフトを進めてしまいました。 公開直前にようやく気づいて慌てて修正……という場面も。複数のAIを使っていても、同じソースを共有していると誤りが連鎖的に拡散してしまうことがあります。
この経験から、 一次情報の確認は人間がやるしかないと強く感じました。
課題② “私らしさ”の希薄化
AIが出力した文章は構成が整っていて読みやすい一方、どこか“他人事”に感じられることがあります。たとえば、以下のような点です。
- 句読点のリズムや脱線箇所に“温度”がない
- 「非常に有益でした」といった無難表現が多用されがち
読者との距離を縮めるには、語りかけるような表現や体験談の肉付けが必要。“整えすぎないこと”が、かえって読まれる文章になると実感しました。
AI×人の合わせ技で品質と効率を両立する
ここまでAIツールの効果と課題をお伝えしてきましたが、「結局、どこをAIに任せて、どこを人間がやればいいの?」という疑問が残りますよね。
この章では、私が試行錯誤の末にたどり着いた「AI×人間の最適な役割分担」を具体的にお伝えします。
役割分担のガイドライン
以下の表は、私が感じた【AI×人間】の最適な役割分担をまとめたものです。
フェーズ | AIに任せる | 人が担う(私が行ったこと) |
---|---|---|
構成ドラフト・資料収集 | ✔ | 必要に応じて削る/並べ替える |
初稿ドラフト | ✔ | セクションの順序を微調整 |
文体調整(一次) | ✔ (Claude/Gemini) |
口癖や言い回しを適度に加える |
ファクトチェック | △ (Perplexity) |
✔ 一次情報を直接確認 |
温度感の注入 | — | ✔ 体験談・葛藤・比喩を追加 |
最終推敲・校正 | — | ✔ 語尾・段落のリズムを整える |
最終的には複数ツールをうまく使い分け、何とか形にすることができました。
“削って足す”で私らしさを取り戻す4ステップ
AIが生成した文章は確かに効率的ですが、どこか「よそよそしさ」を感じることがありました。そこで私が実践した、機械的な文章に人間味を取り戻す具体的な方法を4つご紹介します。
- 一次情報を当たり直す
Perplexity が示したリンクを開き、公式リリースや統計原典までたどって事実を確認しました。 - 語尾・言い回しの微調整
- 「非常に有益でした」→「理解が深まりました」
- 「課題を分析した結果」→「正直、頭を抱えた結果」
主観をにじませることで読者との距離を縮めます。
- “話が逸れる”脱線を敢えて入れる
「少し話が逸れますが……」と前置きし、現場エピソードを差し込むと温度が一気に上がります。 - 読点で間を取り、読み手に思考の余白を与える
「それは、違います。」のように読点で間を取り、あえて読者に思考の余白を提供します。
これらの4つのステップを踏むことで、AIの時短効果はそのままに、「読みやすく」「正確で」「私らしい」文章に仕上げることができました。結局はAIはあくまで作業を効率化してくれるツールであり、最終的に読者に想いや価値を伝えるのは私たち人間の役割だと改めて実感しました。
簡単に「書ける」が、簡単に「伝わる」とは限らない
AIのおかげで「書くこと」自体は驚くほど楽になりました。しかし、“伝わる記事”に仕上げる工程には今も人間の関与が欠かせません。私は最終推敲の段階で、必ず次にお伝えする3つのポイントを自分の手で確認しています。
最終推敲で確認する3つのポイント
AIが生成した文章を”伝わる記事”に仕上げるため、私は最終段階で必ずこの3点をチェックしています。
- 自分らしさが行間に残っているか
- 届けたい感情が乗っているか
- 粗さや揺らぎを消し過ぎていないか
それぞれ詳しく説明します。
① 自分らしさが行間に残っているか
句読点の置き方や言い回しに、私自身の迷いや熱量がにじんでいるか確認します。AIのスマートな言葉だけでは温度が下がるため、あえてリズムを崩すことがあります。
② 届けたい感情が乗っているか
読者に「へえ」で終わらず、「自分も試したい」と動機づけられるかも大切なチェックポイントです。そのために、成功談よりも葛藤や失敗談を一行でも添えるようにしています。
③ 粗さや揺らぎを消し過ぎていないか
完璧な文章は美しい一方で距離を生むこともあります。
あえて文末をそろえすぎず、余白を残すことで親密さが保たれると感じました。
AI時代における「書く」ことの本質
AIツールは、構成を固めたりアイデアを広げたりする最初の壁を軽々と越えさせてくれる強力なパートナーです。一方で、「誰が・何のために」書くのかという本質的な問いには答えてくれません。そこを埋めるのが私たち人間の役割だと思います。
中小企業にとって AI は「限られたリソースで成果を最大化する」ための有効な助っ人です。だからこそ、効率化で生まれた余白を”自分が本当に伝えたい”ことを問い直す時間にあてる――それが AI 時代における「書く意味」だと感じています。
AI は目的ではなく手段。最終的に “自分の言葉” で語る価値を手放さない。この姿勢は、私たち malna がクライアントへ AI 導入支援を行う際にも一貫して伝えているポイントです。完璧さを求めすぎず、人間らしい揺らぎを恐れないこと。それが結果的に“伝わる文章”への近道だと実感しました。
まとめ ―― AI時代に“書く”意味を取り戻す
AIは記事執筆の大部分を効率化できますが、「自分らしさ」と「正確性」は人間が担保すべきです。
AI導入はあくまでスタート地点。効率化で生まれた時間を、「本当に伝えたいこと」を深掘りするために使いましょう。
これからも試行錯誤を重ね、「AIをどう使えば、私たちらしい価値を最大化できるのか」を探求してまいります。まずは負担の大きい工程をひとつだけAIに任せてみてください。削減できた時間を“伝える”ことに注げば、記事の質は間違いなく向上するはずです。
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