2026.10.16

AI

AIエージェント比較|7つの観点で主要7サービスを一覧

AIエージェントの比較は、候補を3つまで絞ったところで止まりがちです。片方の製品ページには解決件数あたりの費用が書かれ、もう片方には月あたりの実行回数が書かれています。連携できるツールの数は大きく載っているのに、社内の誰にどこまで使わせるかを制御できるかは載っていません。書かれている項目が揃っていないため、表が埋まらないのです。

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横に並べるには、観点を先に固定する必要があります。観点は、提供形態、主な対象業務、外部ツールとの連携方式、権限管理と可視性、人の承認、課金の型、無料枠の7つです。表には各社の公式サイトに書かれている事実だけを載せ、記載がない項目は空欄にせず「記載なし」と書いています。

ここでは、3つ程度に絞った候補を、同じ観点で横に並べて比べる方法を扱います。情報システムや経営企画、DX推進の担当者で、稟議に向けて根拠のある比較材料を用意したい方に向けた内容です。候補の絞り込みから相談したい場合は、malnaへご相談ください。

AIエージェントの比較で見るべき7つの観点

AIエージェントの比較は、提供形態、主な対象業務、外部ツールとの連携方式、権限管理と可視性、人の承認、課金の型、無料枠の7つに観点を絞ると、製品ごとの差が輪郭を持ちます。機能名を数え上げても差は見えてきませんが、この7つは製品ごとに答えが分かれるため、比較の軸として働きます。

観点何が分かるか揃えずに比べると起きること
提供形態契約の追加で済むのか、作る前提なのか検討にかかる期間を読み違える
主な対象業務公式に想定されている用途の範囲想定外の業務に当てはめて期待が外れる
連携方式既存の社内ツールとつなぐ手順稼働後に接続先を増やせなくなる
権限管理と可視性誰が使い、何をしたかを追える範囲情報セキュリティ審査で止まる
人の承認実行の前に人が止められるか自動化の範囲を社内に説明できない
課金の型費用が何に連動して増えるか年間の総額を見積もれない
無料枠本契約の前に試せる範囲判断材料のないまま契約する

AIエージェントとは、渡された目標から手順を自ら組み立て、外部のツールを呼び出しながらタスクを実行するAIです。文章や画像を生成するところで完結する生成AIとの差は、実行まで踏み込む点にあります。選択肢は提供のされ方によって4つの型に分かれますが、型の分類は候補を絞り込む段階で使うもので、絞ったあとに同じ観点で突き合わせる作業とは役割が別です。

関連記事:AIエージェントとは?主な種類と作り方・活用事例を解説

主要7サービスの比較表

比較表の「公式サイトに記載なし」は、公式サイトに書かれていない項目を指します。

サービス提供形態主な対象業務連携方式権限管理と可視性人の承認課金の型無料枠
Zendesk AIエージェント業務SaaS内蔵(SuiteとSupportの全プランに含む)問い合わせ対応(メール、メッセージング、音声、SNS)外部ソース接続とシステム間のアクション実行。管理者が外部MCPサーバーに接続可動作の可視化と制御、自動QAで全対応を評価人への引き継ぎとエスカレーションあり。実行前の承認は記載なし成果ベースの従量課金(AIエージェントだけで解決した件数に応じて課金)14日間の無料トライアル。プランに一定数の解決数を含む
Microsoft Copilot Studio全社基盤(エージェントの作成・カスタマイズ基盤)人事採用、ITサポート、契約書レビュー、貸借対照表の調整MCPサーバーと1,400以上の外部コネクタPower Platform管理センター、Purview、Viva Insightsで監査と追跡作業項目のエスカレーションの記載あり。実行前の承認は記載なしライセンス込み、事前購入、従量課金の3通り無料のAzureアカウント登録でクレジットの付与あり
Gemini Enterprise全社基盤(社内検索とアシスタント、エージェント基盤)社内情報の検索、資料作成、経費報告や会議室予約などの管理業務主要SaaSの事前構築コネクタ、カスタムMCPサーバー、A2Aエージェントの登録権限を踏まえたアクセス制御、Access Transparency、使用状況分析、監査ログ公式ドキュメントに記載なしエディション制と従量課金。超過分の設定あり無料で開始する導線あり
Dify開発ツール(クラウド、自社環境向け、オープンソース版)自社データを使うエージェント、ワークフロー、チャットボットの構築MCPサーバーをツールとして接続(HTTPトランスポートのみ)プランごとのメンバー数上限。SSOは上位版のみ。権限管理と監査ログは記載なし公式サイトに記載なしワークスペース単位のサブスクリプション。上位版は個別見積もり無料プランとオープンソース版
n8n開発ツール(クラウド、セルフホスト)ITとセキュリティの運用、リード獲得、CRM連携、社内文書のQ&A500以上の連携。MCPを有効化して外部から呼び出せるプロジェクト単位の役割と実行ごとのログ追跡。SSOとLDAPは上位プラン、監査ログは最上位ワークフローの任意の地点とツールの手前に人の確認を挟める月あたりのワークフロー実行回数14日間の無料トライアル。セルフホスト版を公開
JAPAN AI AGENTSaaS(クラウドのプラットフォーム)議事録、企業調査、資料作成、問い合わせ対応、書類の処理、データ分析20以上のツール連携。API連携とMCP対応SSO、MFA、IP制限、操作ログ管理、権限管理、利用状況ダッシュボード公式サイトに記載なし初期費用と、エージェント数やクレジットに応じた月額デモの案内あり。無料トライアルは記載なし
Claude Code開発ツール(ターミナル、IDE拡張、Web、モバイル、Slack)コードベースの分析、機能実装、バグ修正、テスト作成MCPサーバー上位プランで管理パネルからツール権限、ファイルアクセス制限、MCP構成を一元設定。貢献度指標、OpenTelemetryでの監視、役割ベースの権限ファイルの変更とコマンド実行の前に許可を求める(FAQの記載)。Pro・Max・TeamプランではAutoモードが既定月額のサブスクリプションとAPIのトークン従量公式サイトに記載なし

個別の金額は載せていません。費用が増える理由が異なるサービスは、同じ金額でも年間の総額が変わるためです。権限管理と可視性の欄は公式サイトの記載に沿った最大範囲で、実際に使える範囲は契約するプランで決まります。表の内容は2026年10月12日時点で各公式サイトを確認したものです。

AIエージェントを比べる7つの観点を並べたチェックリストの図

比較表の読み解き方

7つの観点のうち社内の判断が分かれやすいのは、連携方式、権限管理と可視性、人の承認、課金の型の4つです。欄が埋まっていても読み取り方を誤ると候補選びを外すため、観点ごとに見どころを整理しました。

連携方式はMCP対応の有無で見え方が変わる

連携方式の欄で最初に確認すべきは、MCPに対応しているかどうかです。MCP(Model Context Protocol)はLLMを使うアプリケーションと外部のデータソースやツールをつなぐ方法を標準化したオープンな仕様で、7サービスすべてが公式サイトまたは公式ヘルプでMCPに関する記載を持っていました。

MCPに対応していれば接続先を後から差し替えやすくなりますが、つないだ先で何ができるかは別の話です。Difyのように対応するトランスポートが限られる例もあり、n8nのように自社のワークフローを外部から呼び出させる方向の対応もあります。

参考:Model Context Protocol Specification

権限管理と可視性はプランで区切られている

権限管理と可視性の欄は、機能の有無ではなくプランとの組み合わせで読む必要があります。SSOや監査ログは上位プランに置かれている例が目立つため、比較するときはプラン込みで揃えないと条件が食い違います。

DifyはSSOが上位版にのみ記載され、n8nはSSOとLDAPが上位プラン、監査ログが最上位プランという区切りでした。情報セキュリティの審査が入る企業では、この欄が候補の選定に影響します。

人の承認を挟める仕組みは記載の有無で分かれる

人の承認の欄は、サービスごとに記載の差が出ました。製品として承認や許可の仕組みを明確に記載していたのは、n8nとClaude Codeの2つです。Gemini Enterprise、Dify、JAPAN AI AGENTには記載がありません。ZendeskとMicrosoft Copilot Studioはエスカレーションの記載がある一方、実行の前に人が承認する仕組みは書かれていませんでした。

人への引き継ぎと、実行前の承認は別の機能です。前者は対応しきれなかった案件を人に渡す動きで、後者は実行そのものを止める仕組みを指します。社内で自動化の範囲を説明するときに要るのは後者です。

課金の型は費用が増える理由で分かれる

課金の型は、月額固定、従量、事前購入の3つに整理すると比べやすくなります。表の7サービスは、3つの型のいずれか、あるいは複数の組み合わせに収まりました。上位版を個別見積もりとするサービスもあるため、その場合は見積もりの前提も揃えてください。

課金の型費用が動く要因表の中の例
月額固定(利用者やワークスペース単位)使う人や作業領域の数Dify、Claude Code
従量解決数や実行回数、処理量Zendesk、n8n、Gemini Enterprise
事前購入あらかじめ確保する枠Microsoft Copilot Studio

費用が増える理由が違うサービスは、提示された金額だけでは比べられません。解決数に連動する型なら問い合わせの季節変動を、実行回数に連動する型なら自動化を広げたあとの回数を見積もり、同じ前提に置き直してください。

AIモデルのAPIを直接使う場合の従量課金の例として、Gemini APIの単価と支払いの仕組みをGemini APIの料金は?モデル別の単価と無料枠、支払いの仕組みを解説で紹介しています。

AIエージェントの課金の型を3つに分けて示した図
AIエージェント導入支援

表に並べた7サービスの位置づけ

7サービスは、いまの契約に追加して使えるものと、作る前提のものに分かれます。比較表の1行を読むために必要な最小限の情報だけを添えます。

Zendesk AIエージェント

Zendesk AIエージェントは、すべてのSuiteとSupportのプランに含まれると公式の料金ページに記載されています。SuiteやSupportを契約済みの企業は、新たな契約を起こさずに検討を始められます。管理者が外部のMCPサーバーに接続し、MCPサーバーのツールをアクションフローで使う機能も公式ヘルプにあります。

参考:Zendesk カスタマーサービス向けAIエージェント

参考:Zendesk 料金プラン(AIエージェントの料金の仕組み)

参考:MCPサーバーへの接続とMCPツールの使用(Zendesk公式ヘルプ)

Microsoft Copilot Studio

Microsoft Copilot Studioでは、Microsoftがエージェントの作成とカスタマイズの基盤を提供しています。比較表で目を引くのは連携方式の広さで、MCPサーバーに加えて1,400以上の外部コネクタが使えます。管理と監査はPower Platform管理センターやPurviewの側が受け持つ構成です。

参考:Microsoft Copilot Studio

Gemini Enterprise

Gemini Enterpriseは、社内検索とアシスタント、エージェント基盤を兼ねたGoogle Cloudのサービスにあたります。権限を踏まえたアクセス制御と監査ログ、使用状況分析が公式ドキュメントに明記され、全社に広げる前提で管理面の記載が厚くなっています。

参考:Gemini Enterprise の概要(Google Cloud 公式ドキュメント)

参考:カスタム MCP サーバーのデータストアを設定する(Google Cloud 公式ドキュメント)

参考:A2A エージェントを登録して管理する(Google Cloud 公式ドキュメント)

参考:Gemini Enterprise Cloud Audit Logs にアクセスする(Google Cloud 公式ドキュメント)

参考:アクセスの透明性を有効にする(Google Cloud 公式ドキュメント)

参考:分析データを表示、エクスポートする(Google Cloud 公式ドキュメント)

参考:割り当てと超過料金(Google Cloud 公式ドキュメント)

Dify

Difyは、エージェントやワークフローを構築する開発基盤で、クラウド版、自社環境向けの上位版、オープンソースのコミュニティ版から選べます。MCPサーバーをツールとして接続できる一方、権限管理と監査ログの記載は見当たらず、SSOは上位版に限られました。

参考:Dify Pricing

参考:MCPツールの使用(Dify 公式ドキュメント)

n8n

n8nは、ワークフローの自動化を担うプラットフォームで、AIエージェントの構築にも使えます。製品として人の承認の仕組みを明確に記載していた2サービスのうちの1つで、課金は月あたりのワークフロー実行回数を単位としています。

参考:n8n AI

参考:n8n Pricing

JAPAN AI AGENT

JAPAN AI AGENTは、JAPAN AI株式会社が提供するクラウド型のプラットフォームです。権限管理と可視性の欄に具体的な項目が並ぶサービスで、SSO、MFA、IP制限、操作ログ管理、利用状況ダッシュボードが製品ページに並んでいます。

参考:JAPAN AI AGENT

Claude Code

Claude Codeは、開発作業に向けてAnthropicが提供するAIエージェントです。対象が開発の工程に寄っているため、営業やバックオフィスの業務をそのまま任せる想定とは異なります。ファイルの変更やコマンド実行の前に許可を求める作りが、比較表での持ち味です。

一方で、公式サイトではPro、Max、TeamプランでAutoモードを既定にしたと告知されており、許可を求める場面はプランと設定によって変わります。

参考:Claude Code(Anthropic)

参考:Claude Code for Enterprise

比較表では埋まらない項目を問い合わせで確認する

比較表に載せられるのは、公式サイトに書かれている範囲に限られます。契約やプランによって変わる項目は公開情報から確定できないため、商談の最初に聞く価値があります。7観点で候補を3つ程度に絞ったあと、次の5点を同じ文面で各社に投げると、回答の差がそのまま比較材料になります。

  • データの保管場所(国内リージョンを選べるか、選べるプランはどれか)
  • 入力したデータがモデルの学習に使われるかどうか
  • SSOや監査ログが使えるプランと、その追加費用の考え方
  • 最低契約期間と、期間内に解約する場合の扱い
  • 日本語での問い合わせ窓口と、障害時の連絡経路

入力したデータが学習に使われるかは、製品ページではなく利用規約やデータ処理の条項で決まるため、口頭確認だけで済ませないほうが安全です。回答を文書で受け取っておくと、社内の情報セキュリティ審査に出す資料をそのまま作れます。

比較表では埋まらない項目として商談の最初に確認する5点を並べたチェックリストの図

よくある質問

横並びで比べる段階で実際に寄せられる質問を、4つに絞ってまとめました。

AIエージェントの比較表は何を基準に作ればよいですか

観点を7つ程度に固定し、全サービスで同じ欄を埋めることが基準になります。提供形態、対象業務、連携方式、権限管理と可視性、人の承認、課金の型、無料枠を揃えると差が見えます。埋まらない欄は空欄にせず、記載がない事実として残してください。

MCPに対応していれば、どのツールともつながりますか

つながるとは限りません。MCPは接続の方法を標準化した仕様であり、対応するトランスポートや、接続する側と接続される側のどちらを担うかは製品ごとに異なります。使いたいツールを挙げて、その組み合わせで動くかを個別に確認してください。

課金の型が違うサービスは、どうやって費用を比べればよいですか

自社の想定利用量を1つ決めて、各社の型に当てはめて年額に換算します。解決数や実行回数に連動する型では、繁忙期の変動と自動化を広げたあとの増加分を織り込んでください。トライアルの期間に実際の利用量を測ると、換算の前提が固まります。

比較表に「記載なし」が多いサービスは避けたほうがよいですか

記載がないことは、機能がないことと同じではありません。製品ページに書かれていないだけの場合もあるため、自社の必須条件に当たる欄が空いているサービスは、問い合わせで確認してから判断してください。回答を文書で受け取れば、そのまま欄を埋められます。

まとめ

AIエージェントの比較は、提供形態、主な対象業務、外部ツールとの連携方式、権限管理と可視性、人の承認、課金の型、無料枠の7観点を全サービスで揃えると進みます。製品ごとに書かれている項目が違うため、観点を先に固定してから公式サイトを読み直す順番が要になります。

差が大きく出たのは人の承認と課金の型でした。権限管理と可視性は上位プランに置かれている例が多いため、プラン込みで条件を揃えないと比較が成立しません。表の欄が埋まらなかった項目は、そのまま商談で聞く質問になります。

観点を揃えたうえで候補を絞り、その先の進め方まで一緒に整理したい場合は、malnaへご相談ください。

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執筆者情報

malnaブログ編集部

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