2025.02.28

SNSマーケティング

【2025年度版】Lステップとは?┃LINE公式との違いから、できること、運用時の注意点まで徹底解説!

Lステップは、LINE公式アカウントの機能を拡張し、マーケティング活動を効率化・自動化するためのツールです。本記事では、Lステップの概要やLINE公式アカウントとの違い、導入のメリット、主な機能、導入方法、運用時の注意点、最新のアップデート情報などを詳しく解説します。

これからLステップの導入を検討している方や、既に利用中の方もぜひ参考にしてください。

Lステップとは

Lステップ(エルステップ)とは、LINE公式アカウントの機能を拡張できるクラウド型のマーケティングツールです。株式会社Maneql(マネクル)が提供しており、LINE上で顧客管理やマーケティング活動の自動化を可能にしてくれます。具体的には、シナリオ配信(ステップ配信)や行動スコアリング、流入経路分析、予約管理など、LINE公式アカウント単体ではできない高度な機能を備えています。

LINEを使用して効率的かつ効果的に売上向上や顧客育成(リードナーチャリング)を図りたい方におすすめのツールです。

【管理画面】

Lステップは怪しい?

インターネットで「Lステップ」を検索すると「怪しい」という関連ワードが表示されることがあります。これはLステップが情報商材や副業ビジネスの集客用途に使われてきた経緯があるためです。確かに、中には信用できない情報商材の販売に利用されたケースもあり、「Lステップ=怪しいツール」という印象を持つ人もいるようです。

しかし実際は、Lステップ自体は正当に開発・提供されているマーケティングツールであり、「ツールそのものが怪しい」ということはありません。実際、行政(自治体)や大学・専門学校、実店舗のショップなど健全な分野でも多数導入され、成果を上げています。

参考:https://linestep.jp/lp/01/case.html

後述しますが、サポート体制は充実しており営業時間内であればチャットでオペレーターとすぐに連絡を取ることができます。

Lステップ=怪しいと短絡的に捉える必要はなく、自社のマーケティング目的に沿って適切に運用すれば非常に有用なツールです。

LINEマーケティングにおけるLステップの役割

Lステップは、LINEをマーケティングチャネルとして効率よく運用するためのマーケティングオートメーションツールです。LINE公式アカウント自体にもメッセージ配信機能はありますが、どう配信して分析するかは運用者の意思決定に委ねられていました。Lステップを導入すると、顧客ごとの興味関心や行動に応じて適切なタイミングで適切なメッセージを自動送信できるようになります。

例えば、新規友だち追加直後から段階的に商品知識を提供するステップメールのようなシナリオ配信や、特定のリンクをクリックした人だけにフォローアップを送るセグメント配信が可能です。

さらにLステップ上で集めた顧客データ(クリック数、購買履歴、アンケート回答など)や流入経路を元にクロス分析を行うことができ、Lステップ上でユーザーごとの反応傾向を可視化することができます。

このように、LステップはLINEマーケティングの分析・自動化プラットフォームとして機能し、担当者の工数削減とマーケ施策の精度向上の役割を果たすことができます。

その他のLINEマーケティングツールとの比較

LINEマーケティングの拡張ツールはLステップ以外にも複数存在します。代表的なものに「Liny(リニー)」と「L Message(エルメ)」があります。

特にLiny(リニー)とLステップは姉妹製品ともいえ、ツールの中身(機能)はほぼ同じです。違いは販売元やサポート体制、料金プランにあるため、利用者目線では、提供会社のサービス品質で選ぶことになります。

L Message(エルメ)も機能的には類似していますが、大きな違いは料金体系で、エルメはフリープラン(無料)を提供しています。そのため、小規模事業者や個人でも始めやすいのが特徴です。

ただし有料プランに移行しないと一部機能制限があり、総友達数に応じてプラン変更が必要になります。

どれらのアプリが優れているか、企業の規模や目的によって変わるため、一概には断定できません。

一般に「Lステップは大企業~中堅企業向け」エルメは「個人事業主や小規模向け」といった住み分けがなされることが多いですが、現在小規模事業でも、今後、事業・サービスを拡大させていきたいと考えている人には手厚いサポートや安定した運用実績があるLステップがおすすめです。

LINE公式アカウントとの違い

結論、LステップとLINE公式アカウントは全く別のサービスです。

LINE公式アカウントは、友だち登録されたユーザーに対してLINE上で情報を届けたり、LINE上に広告を出せるところが特徴です。

対して、LステップはLINE公式アカウントをより便利に効率的に運用するためのMAツールです。

LINE公式アカウントだけでも基本的なメッセージ配信やクーポン配布などは可能ですが、Lステップを連携させることでマーケティングの幅が格段に広がります。続いて、それぞれの機能の違いや、ケース別のおすすめを解説します。

LINE公式アカウント単体でできること

LINE公式アカウント単体でも、企業とユーザーのコミュニケーションに役立つさまざまな機能があります。

  • ・メッセージの一斉配信:友だち追加してくれたユーザー全員に対し、テキストや画像、スタンプ等を一括送信できます(いわゆるメルマガ的配信)。
  • ・セグメント配信(簡易的な絞り込み):性別・年齢層・地域などのみなし属性を条件に、対象ユーザーを絞って配信可能です。ただし公式アカウントのセグメント機能は大まかな属性情報のみで、かつ抽出人数が一定以上でないと実行できない等の制約があります。
  • ・クーポン・ショップカード機能::LINE公式アカウント管理画面から、来店時に使えるクーポンやポイントカード(ショップカード)を発行できます。ユーザーはLINE上でそれらを受け取り利用できます。
  • ・リッチメニュー: トーク画面下部に複数のボタンを配置できるメニューを設定できます。ユーザーがタップすると指定のメッセージやURLに誘導でき、店舗の予約サイトや商品の紹介ページへの導線として活用されています。
  • ・応答メッセージ:初回友だち追加時のあいさつメッセージや、特定キーワード送信時の自動返信(簡易チャットボット)を設定できます。ただしキーワード応答は含まれる単語ベースのシンプルなものです。
  • ・個別チャット対応:ユーザーごとに1対1のチャット対応も可能です。顧客からの問い合わせにオペレーターがLINEで返信する、といったサポート窓口として利用できます。
  • ・簡易な分析:配信メッセージの開封率や友だち増減数など基本的な数値はLINE Official Account Manager上で確認できます。

このようにLINE公式アカウント単体でも基本的な機能は揃っています。特にクーポン発行リッチメニューなどは無料でも使えるため、小規模な店舗で「とりあえずLINEで情報発信したい」といった場合には公式アカウントだけでも集客を進めていくことはできます。

Lステップで拡張できる機能

Lステップを連携すると、上記の公式アカウント機能を強化・拡張したり、新たなマーケティング施策を実現できます。具体的にLステップで拡張される主な機能は以下のとおりです。

主な機能 詳細
柔軟なシナリオ配信
(ステップ配信)           
公式アカウントでは手動で都度配信する必要があったメッセージを、あらかじめ設定したスケジュール・条件で自動送信できます。例えば友だち追加後に挨拶メッセージを送付、翌日の12:00に商品説明の実施、7日後にはクーポンを配信するといったステップメールのようなシナリオを構築することができます。ユーザーの行動(開封数やタップ数)に応じてシナリオを分岐させることもできます。
詳細なセグメント配信 Lステップでは自由に条件設定したセグメントで配信できます。ユーザーごとにアンケート回答内容や流入経路で自動でタグを付与し、「タグAを持つがタグBを持たない人」に配信を行うなど細かい条件を指定して配信を行うことが可能です。また、Lステップではアンケート回答状況をユーザー情報に紐付けることができるため、誰がどのアンケートに回答をしたか分かります​。これにより「興味があると答えた人だけに案内を送る」といった高度な絞り込み配信を実施する事が可能です。
リッチメニューの高度活用 Lステップではリッチメニューをユーザー属性に応じて出し分けたり、シナリオと連動させて表示内容を変えることも可能です。例えば、購入履歴のあるユーザーにはアフターサポート用メニューを表示し、未購入者には商品紹介メニューを表示する、といったパーソナライズした案内をすることが可能です。アンケート回答内容と連動させて、リッチメニューを出し分け、ユーザーの興味関心がありそうなサービスを表示させることで予約や商品購入率の改善に繋げることができます。
キーワード応答 Lステップでは複数キーワードを条件に組み合わせたり、回答内容に応じてタグの付与やシナリオを誘導することができます。高度なチャットボットのような対応が可能になり、ユーザーからの問い合わせを自動返答でカバーすることもできます。
リマインド配信 イベント開催日や予約日時に合わせて自動でリマインドメッセージを送ることができます。たとえばセミナー開催3日前と前日に出欠確認メッセージやコラムなどを自動送信し、当日の出席率を高めるといった使い方ができます。
予約管理機能 Lステップには業種を問わず使える汎用的な予約管理機能が備わっています​。ユーザーはLINE上で日時選択や予約申請ができ、管理者側は予約状況を一元管理することが可能です。公式LINEでは飲食店限定で予約管理機能を使用することができますが、Lステップなら美容室やスクールなど様々なビジネスでLINE予約を実現できます​。
データ分析 Lステップ上では、友だちそれぞれの行動履歴データ(メッセージの開封・クリック、フォーム回答、購入有無など)を蓄積し、ダッシュボードで分析することができます。分析機能には「行動スコアリング」「流入経路分析」「クロス分析」などがあります。こちらの分析機能ではLINE経由のサイト訪問数や購入率、さらにはユーザーごとのスコア(反応度合い)まで把握でき、マーケティングPDCAに活かせます。
メッセージのクリック計測 ステップは配信メッセージ内のすべてのURLを自動で短縮リンクに置き換え、クリック数をユーザー別・全体別にトラッキングすることができます。どのユーザーがどのリンクを踏んだか把握できるため、興味関心をスコアリングしたりセグメント振り分けに利用できます。

LINE公式のみの運用とLステップを導入してのLINE運用はどちらがおすすめ?

Lステップ導入を検討すべきか、公式アカウントのままで十分かは、企業の目的や規模によって異なります。サービス規模、属性によってどちらがおすすめか解説していきます。

LINE公式アカウントのみでの運用をおすすめのケース

予算やリソースが限られており、ひとまずLINEで情報発信することが目的の場合。

個人経営の飲食店が週1回メニュー情報を配信するというシンプルな運用なら、公式アカウント単体でも対応する事は可能です。友達数がまだ少なく、まずは無料範囲内でLINEを試したい場合も、Lステップ導入は急がず公式運用に慣れるのが良いでしょう。公式アカウント自体にもクーポンやポイントカードなど販促に使える機能が揃っているため、小規模店舗や初心者には先に公式LINEだけで集客をおこなうことをおすすめします。

Lステップ導入がおすすめのケース

LINEから売上直結の成果を出したい、あるいは顧客対応にリソースを圧迫されており、顧客対応を自動化して効率化したい場合です。具体的には、商品・サービスの購入促進や予約誘導する対象が明確に決まっている場合や特定のスタッフでLINE対応をしていて属人化を防ぎたい場合、マーケティングの知見がありデータを収集・分析して集客の効率化を進めていける方にはおすすめします。

結論、単発の情報発信や簡易なクーポン配布が目的ならLINE公式アカウントのみ、顧客育成や売上アップまで見据えるならLステップ導入がおすすめです。Lステップ導入にはコストも伴うため、自社の目的や友だち数の規模に応じて判断しましょう。

Lステップの主な機能

次にLステップの主な機能を紹介します。Lステップにはシナリオ配信やリッチメニューなどの直接ユーザーに触れる部分やクロス分析などユーザーの目には触れないが運用者側の負担を減らしてくれる機能など多数の機能があります。機能を理解したうえで、導入の検討材料にしてください。

シナリオ配信(ステップ配信)

シナリオ配信とは、ユーザーへのメッセージをあらかじめ設定したストーリーに沿って段階的に自動送信する機能です。メールマーケティングで言う「ステップメール」に相当します。Lステップではこのシナリオ配信機能の柔軟性が高く、時間経過やトリガー条件によって細かな制御が可能です。俗にいうリードナーチャリング(見込み客の教育)で高い効果を発揮します。

Lステップ公式によれば、メールと比べLINEは開封率・CTRが飛躍的に高いため、同じコンテンツでもLINEシナリオに乗せるだけで成約率が5倍になるとのデータもあります。

【シナリオ配信の特徴】

時間ベースの配信ができる

友だち追加から○日後、あるいは前のメッセージ送信から○時間後、といった時間経過を基準に配信できます。新規登録後の基本シナリオを設定し、ユーザーの熱量が高いタイミングで集客を強化したい場合には特に有効な設定です。

引用:https://linestep.jp/2021/10/09/lstep-scenario-delivery/

条件分岐で配信をコントロールできる

シナリオ途中でユーザーの行動に応じて分岐させることができます。たとえば、2通目までにリンクをクリックした人は興味ありと判断してAルート、無反応の人はBルートに切り替えて別のアプローチをする、といった動的なシナリオが構築できます。

自動での配信停止・再開制御ができる

シナリオ登録後にタグの有無で配信を停止したり、再開したりすることもできます。例えば購入に至った時点で販売促進シナリオを停止し、再購入を促すシナリオ配信に切り替えることなども可能です。

リッチメニュー

リッチメニューとは、LINEトーク画面下部に表示される画像ボタンメニューのことです。標準のLINE公式アカウントでも設定できますが、Lステップではリッチメニューを高度にカスタマイズ・出し分けできます。

【リッチメニュー一例】

【リッチメニューの特徴】

セグメント別にリッチメニューが設定できる

ユーザーの属性やタグに応じて、表示させるリッチメニューの内容を切り替えることができます。例えば、新規顧客には使い方ガイドのメニューを、既存顧客にはサポート問い合わせメニューを表示する、といった具合です。これにより、ユーザーストレスが少なく、CVに近い案内をすることができます。

シナリオ配信との連動ができる

Lステップではシナリオ配信の一環としてリッチメニューを変更することもできます。キャンペーン期間中だけ特別メニューに切り替える、回答フォーム送付後にメニューから再送信できるボタンを出す等、動的にメニューを変更できます。

デザイン自由度が高い

リッチメニューのデザインは画像をアップロードして設定します。Lステップでは多彩なテンプレートが用意されており、様々なサイズでリッチメニューを設定することができます。またボタンのリンク先としてLステップ内のシナリオ起動を指定することもできます。

セグメント配信

セグメント配信は、特定の条件でユーザーを抽出し、そのグループに対してメッセージを配信する機能です。Lステップの持つタグ管理機能と組み合わせることで、非常に自由度の高いセグメント配信が可能です。

  • ・セグメント配信の特徴
    • ◦多彩なセグメント条件を簡単に設定できる
  • 配信時には「特定のタグを持つ」「特定のタグを持たない」「登録日が○日前」など複数条件をAND/ORで組み合わせて対象者を絞り込むことができます。公式アカウントと比較しても柔軟さは段違いで、運用者の意図するあらゆるグループを作成可能です。
  •  
  • ・配信対象人数の下限なしで設定できる
    • ◦公式LINEだとセグメント配信はある程度の人数規模で設定する必要がありましたが、Lステップでは極端に言えば1人でも対象にして配信できます。これによりニッチなターゲットにも漏らさず、ピンポイントで情報を届けることができます。

自動応答・回答フォーム・リマインド配信

Lステップはユーザーからのアクションにリアクティブで応答する機能があり、双方向コミュニケーションを深める機能も豊富です。

自動応答(チャットボット)の設定が可能

ユーザーから特定キーワードが送られた際に、自動で返信メッセージを返すように設定することができます。

公式LINEのキーワード応答機能より強化されており、複数キーワードに対して応答をすることができたり、返信後にタグ付与・シナリオ登録するなど、対話の流れを作ることができます。

簡単なFAQボットや、キーワードを入力してもらって情報提供する仕組みを構築することもできます。

ステップ配信停止/再開などもユーザーにゆだねることができる

ユーザーが「一時停止」など特定キーワードを送信すると、シナリオ配信を停止する、といった設定をすることもできます。これはユーザーストレスを減らすために非常に有効なオプションで、過剰な配信による不満を和らげる施策として利用できます。

予約管理・流入経路分析・クロス分析

最後に、Lステップの予約管理機能と分析関連機能について説明します。

予約管理機能

 Lステップには汎用的に使えるカレンダー予約システムが内蔵されています。管理画面上で提供枠(日時枠)を設定し、ユーザーはLINE上で空いている日程を選んで予約リクエストを送信できます。予約が入ると自動でユーザーに確認メッセージを送り、管理者にも通知されます。予約前日・当日のリマインド配信とも連携し、予約受付~リマインド~履行確認まで一元管理することができます​。

流入経路分析

Lステップでは友だち追加時の流入経路の分析も行うことができます。友だち追加用URLやQRコードごとにパラメータを設定し、どの流入経路から友だちになったかをトラッキングすることができます。広告ごとの流入数や、オフライン施策(チラシのQRコードなど)別の効果測定ができ、マーケティングチャネルの評価を行う際に役立ちます。さらに、その流入経路別にタグ付与しておけば、後から「〇〇経由のユーザーだけ」に配信することも可能です。

クロス分析

Lステップのクロス分析機能では複数の指標を組み合わせてデータを見ることができます。たとえば「流入経路×購入有無」「年代×反応率」「シナリオA登録者数×CV数」といった形で、クロス集計表を自動生成できます。これにより、どのセグメントが特に優良顧客か、逆にフォローが必要か、といった洞察を得られます。もちろん、CSVでデータを抽出することも可能で、さらに外部ツールを使用した分析にかけることも可能です。

Lserchなどの分析ツールもあるので、細かい分析が必要な場合は導入を検討してみるのも良いでしょう。

【クロス分析を元に作成したデータ分析シート一例】

導入方法と初期設定の手順

ここからは、Lステップを実際に導入する際の基本的な流れと、初期設定のポイントについて解説します。初めてLステップを使う方でも安心して始められるように、順を追って説明します。

アカウント開設方法と初期設定手順

Lステップは柔軟性が高い分、機能が多く設定の難易度が高いツールです。

初期設定で失敗をしてしまうとその後の修正でも大きく手間をとる可能性があるため、慎重に設定するようにしましょう。

Lステップの申し込み

まずLステップ公式サイト(linestep.jp)から利用申し込みを行います。30日間の無料お試し登録が可能なので、初めは無料トライアルで開始すると良いでしょう。申し込み後、Lステップの管理画面にログインできるようになります。

LINE公式アカウントとの連携

Lステップを使うには、自社のLINE公式アカウントと連携させる必要があります。手順としては、LINE Developersコンソールで当該公式アカウントのChannel IDとChannel Secretを取得し、それらをLステップ管理画面に登録します。具体的には、Lステップ管理画面の「アカウント設定」でChannel ID/Secretを入力し、「チャンネル情報を登録する」をクリックします。またLINEログインチャネルの作成とID入力も求められるため、手順に沿って設定します​。設定が完了すると、LINE公式アカウント側からメッセージAPIが利用可能となり、Lステップ画面上で友だちリストや配信設定が行えるようになります。

初期応答設定

Lステップ連携後、まずは友だち追加時のあいさつメッセージや既存友だちへの移行メッセージを設定しましょう。公式アカウントで従来設定していた挨拶メッセージはLステップ側で管理する形になります。ここで自己紹介や今後配信する内容の案内、クーポン提供などを設定し、ユーザーの期待値を高めます​。

基本シナリオ・タグの設定

続いて、マーケティングシナリオの骨子となるタグとシナリオを設計します。例えば、「新規登録者」タグを付けてウェルカムシナリオを開始する、購入時に「購入済」タグを付与して別シナリオに分岐させる、などの全体像を考えます。Lステップ管理画面の「タグ管理」で事前にタグを作成し、「シナリオ配信」メニューからメッセージ内容と配信タイミングを設定していきます。初めはシンプルなシナリオでも構いませんので、まず1つステップ配信を作ってみると理解が深まります。

リッチメニュー・回答フォーム設定

必要に応じてリッチメニューをLステップ上で再設定します(公式側で設定済みのものは表示されなくなるため)。Lステップのリッチメニュー編集画面で画像とリンクを登録しましょう。またアンケートや申込フォームを活用する場合は、「回答フォーム」機能でフォームを作成しておきます。

動作確認

設定が一通りできたら、自分自身で友だち追加をして動作確認を行います。テスト用に別のLINEアカウント(友人や同僚の協力でも可)を使い、友だち追加時の挨拶メッセージが正しく送られるか、シナリオ通りにメッセージが届くか、リッチメニューが表示されるか等をチェックします。もし意図しない動作があれば設定を見直します。

運用開始

問題なく動作確認できたら、本格的に友だち追加の案内を始めましょう。既存の顧客に対してLINEへの移行を促す告知をしたり、Webサイトに友だち追加ボタンを設置します。Lステップで取得したい情報(例えば誕生日や興味カテゴリなど)があれば、登録後早めに回答フォーム等で回収するシナリオを組んでおくと効果的です。

以上が大まかな初期設定の流れです。Lステップ公式ブログにも初期設定ガイドが掲載されており、STEP1~4まで図解入りで説明されています。初めて触る際はそちらも参考にすると良いでしょう。

https://linestep.jp/2021/05/12/default_settimgs/

配信テストの実施と効果測定の方法

Lステップを導入したら、配信前のテストと配信後の効果測定をしっかり行いましょう。 柔軟な設定が可能だからこそ、複雑な設定を行い導線がずれてしまっている可能性も大きく考えられます。

以下のポイントに留意すると、誤配信の防止と継続的な改善に役立ちます。

テスト配信の徹底

シナリオ配信や一斉配信を本番で送信する前に、必ずテスト配信を行いましょう。Lステップにはテスト配信機能があり、自分のLINEアカウントだけに送ることができます。一括テストや個別テストが可能なので、誤字脱字やリンクミス、意図しない文章がないかをLINE画面上で確認します。テスト配信自体も送信通数にカウントされるため頻発は避けたいですが、最低限のチェックは必ず実施しましょう。

複数人でのダブルチェック: コンテンツや配信条件は、可能であれば別のスタッフにも確認してもらうのがおすすめです。自分では気付かないミスも第三者の目で見ると発見できることがあります。チームに余裕がない場合でも、時間をおいて自分で見直すだけでも効果があります。特に一斉送信の文面などは誤送信を防ぐため、必ずダブルチェックしましょう。

確認ダイアログの活用

Lステップには個別トーク送信の際に「本当に送信しますか?」と確認ポップアップを出す機能があります。設定>管理画面設定で確認ダイアログを出すにチェックを入れておくと、不意の送信ミスを防げます。特に個別チャット対応時、誤ってShift+Enterキーで送信してしまう事故を防止できます。

効果測定

配信後は開封率・クリック率・コンバージョン率などを測定し、次回の改善に活かします。Lステップのレポート画面から配信ごとに統計が見られます。たとえば「ステップ配信1通目の開封率80%、2通目60%、最終CV率15%」などを確認し、どこで離脱が多いか分析します。必要に応じて配信内容を変更したり、うまくいった配信のパターンを他のシナリオにも展開します。Lステップではシナリオごとの到達人数や完了人数も把握できるため、シナリオ全体のパフォーマンスも評価できます。

A/Bテスト

可能であれば、メッセージの文面や送信タイミングを変えたA/Bテストも行ってみましょう。たとえば一部のユーザーにだけ別パターンのメッセージを送り、クリック率の差を見るなどです。Lステップには標準でA/Bテスト機能はありませんが、タグ分けして手動で実施することはできます。効果測定をしながら継続的に改善することで、Lステップ運用効率は一段と高まります。

失敗しないための導入時のポイント

Lステップ導入初期でありがちな失敗を避けるために、以下のポイントに注意しましょう。

シナリオ設計はシンプルに

初めから複雑なシナリオを作りすぎないようにしましょう。欲張って複雑なステップや大量のメッセージを詰め込むと、ユーザーが混乱したり離脱する原因になります。まずは最小限のステップで走らせ、ユーザーの反応を見ながら徐々に改良・拡張するくらいが丁度良いです。

また、シナリオ変更時の工数が高くなってしまったり、属人化が進んでしまう事もあります。

配信頻度に注意

毎日のように配信を行ってしまうと、ユーザーの離脱に繋がる可能性が高いです。LINEはプッシュ通知で届くため、乱発すると鬱陶しく感じられブロックの原因になります。配信数は一般には週1~2回程度が適切と言われています。しかしこれはサービスによって大きく変わるため、配信頻度のA/Bテストを行い最適解を探すのも良いでしょう。

ガイドライン遵守

LINEではメッセージ配信に関する厳しいガイドラインがあり、迷惑行為と見なされるとアカウント停止のリスクもあります。友だちの同意なく過度な宣伝を送りつけない、深夜早朝の配信を避ける、といった基本マナーは守りましょう。Lステップ導入時にもこれらガイドラインを再確認し、健全な運用を心がけることが大切です。

運用時の注意点やよくあるトラブルとその解決策

Lステップを導入して運用を始めると、便利な反面いくつか注意すべき点や、遭遇しやすいトラブルも出てきます。ここでは運用時の注意点とよくあるトラブル事例、その解決策について詳しく解説します。

友だち解除・ブロックを防ぐための工夫

せっかく友だち追加してくれたユーザーにブロックされてしまっては元も子もありません。ブロック率を下げ、長く関係を維持するための工夫を紹介します。

ユーザーがブロックする主な理由は調査によれば以下の4つが大半を占めます:

  1. 自分にとって不要な情報が多い(興味のない内容ばかり送られてくる)
  2. 配信頻度が多すぎる(通知が鬱陶しい)
  3. そもそもサービスを使わなくなった(不要になったので通知も不要)
  4. いつも同じような内容で飽きた(マンネリ化)

これらに対応するため、Lステップ運用では次のような工夫が効果的です。

配信コンテンツのパーソナライズ

ユーザーごとに興味のない情報を極力送らないよう、タグ管理とセグメント配信を駆使します。例えば男性には女性向け商品の案内を送らない、既婚者には独身者向けイベントを送らない等、属性に合わない情報はフィルタリングしましょう。Lステップならアンケート結果を元に興味タグを付け、「興味あり」と答えた人にだけ詳細情報を送ることも可能です​。

配信頻度の最適化

配信の頻度を誤って設定すると離脱の大きな原因になります。

離脱率はこまめに確認して、複数回配信してブロック率が高いなら、一度頻度を落として反応を見てみましょう。季節イベント時などのタイミングで一時的に配信を強化する際も、その旨を事前に伝えておく配慮をすると離脱を防ぐことができます。

付加価値の提供

 ユーザーが「このLINEを友だち追加していて良かった」と思えるような付加価値を提供しましょう。

具体的には、LINE限定のクーポン配布、ポイントカード機能の提供、優先予約の案内などです。Lステップではショップカードの代替としてポイント管理を行ったり、全業種で予約受付を実装できるため、こうした利便性アップ施策をぜひ取り入れましょう​。

配信のマンネリ化防止

定期的な配信を行うことは効果的な施策ですが、単調な配信を行うと飽きられてブロックされる可能性が高まります。

Lステップではテキストでの配信に加え、カルーセルでの配信や最近実装されたフレックスメッセージでの配信など様々な配信方法があり、これらを有効活用する事が大切です。これらを活用することで同じ内容の配信でも違うイベントのように見せることができます。

また、適度にコンテンツに変化をつけ、ユーザー参加型企画(アンケート、抽選、ミニゲーム等)も織り交ぜるとより効果的な配信をすることが可能です。双方向のコミュニケーションで飽きさせない工夫が、長期的にユーザーをとどめ、LTV向上に繋げられます。

セグメント配信の設定ミスによる、誤配信対策

Lステップのセグメント配信は強力な反面、設定を誤ると誤配信(意図しない相手にメッセージが届く)が発生する恐れがあります。誤配信は信頼低下や苦情につながるため、細心の注意を払いましょう。

よくあるセグメント設定ミスには以下のようなものがあります。

NOT条件の漏れ

例えば「キャンペーン応募者にだけ送る」つもりが、条件設定で除外すべき人(未応募者)を入れ忘れ、全員に送ってしまった…といったケースです。複雑な条件を組む際は、肯定条件と否定条件の両方をしっかり指定するようにします。設定画面を見直し、「この条件だと誰が対象になるか」をリスト化して確認しましょう。

タグ設定タイミングのミス

シナリオやフォームでタグを付け外しする際、その順序やタイミングによってはセグメント抽出に齟齬が出る場合があります。例えば、本来タグAが外れてからタグBが付くまでの間に配信されるはずだったメッセージが飛んでしまう、などはよくあるミスです。 タグ操作と配信の間に十分な間隔を設けるようにしましょう。また重要なタグは手動でチェックし、想定通り付与・削除されているかユーザー情報をモニタリングすると安心です。

セグメント条件の勘違い

AND/ORの組み合わせや「いずれかのタグを持つ」vs「全てのタグを持つ」を誤って設定し、想定外の広範囲に配信してしまうことがあります。条件指定は一見わかりやすい反面、複雑になると間違いやすいので、設定条件はエクセルなどで書き出しミスが無いように確認を行いましょう。

トラブル発生時の問い合わせ方法とサポート体制について

Lステップ運用中に何かトラブル(システムエラーや設定で不明点など)が発生した場合の問い合わせ先や、Lステップのサポート体制について説明します。

【問い合わせ時の画面】

※右下のお問合せボタンからチャットでのお問い合わせや選択式でのお問い合わせを簡単に実施することができます。

問い合わせ方法

Lステップを提供する株式会社Maneqlは、公式サイト上で問い合わせフォームやサポートメールを案内しています。基本的には契約者専用のサポート窓口(メール)に連絡する形になります。問い合わせフォームに契約IDや状況を記入して送信すると、サポート担当から返信が得られます。返信時間は平日営業時間内が基本ですが、トラブルの深刻度によっては迅速に対応してもらえます。システム障害などサービス側の問題の場合、公式サイトや管理画面上でアナウンスが出ることもあります。まずは慌てず公式からの情報がないか確認し、それから問い合わせると良いでしょう。

サポート体制

Lステップのサポート体制は比較的充実していると言われます。有料ツールだけあり、公式マニュアルやヘルプセンターも整備されています。また、導入企業向けに個別相談会なども実施されていますまた、Lステップ公式ブログやYouTubeチャンネル「Lステップ公式活用チャンネル」では使い方講座やトラブル対処法の動画も公開されており、自力で学べるコンテンツが豊富に用意されています。積極的に情報収集すると良いでしょう。

Lステップの最新機能追加やアップデート情報(2025年版)

ここでは2024年~2025年にかけてのLステップ最新アップデート情報や、新機能の活用法、そして今後の展望について解説します。Lステップはサービス開始以来、ユーザーの要望やLINEプラットフォームの進化に合わせて頻繁に機能追加・改善が行われています。2025年度版として最新情報を押さえておきましょう。

アップデート内容と活用法

Lステップでは定期的にアップデートがされています。

基本機能を使いこなすことも大切ですが、細かくアップデートを確認して、ユーザーに新しい見せ方で配信を進めていけるように設定を行う事も大切です。

機能アップデートや修正があった場合はLステップからお知らせが届くようになっていますが、既に行われたアップデートに関しては自ら調べないと確認することができないので、導入前には必ず確認するようにしましょう。

新テンプレート機能「Lフレックス」の登場

2024年9月、Lステップに新しいメッセージテンプレート機能「Lフレックス」がリリースされました。LフレックスはLINEのフレックスメッセージ(Flex Message)というリッチなレイアウトメッセージを簡単に作成できるテンプレートです。

画像・テキスト・ボタン・動画などのブロックを組み合わせて自由なデザインのメッセージを作れるのが特徴で、コーディング不要で直感的に操作できます。チラシ風の案内や商品カタログ風メッセージをLINE上で表現できるため、マーケティングの幅が広がりました。活用法としては、新商品の一斉告知を雑誌広告のようなデザインで送ったり、アンケート結果をグラフ付きでフィードバックするメッセージを作成するなど、従来難しかったリッチコンテンツ配信が容易になります。

Lフレックス対応前は自力でJSONコードを書く必要がありハードルが高かったフレックスメッセージですが、この機能のおかげで非エンジニアでも活用できるようになりました。

【Lフレックスメッセージの設定例】

動画や画像とメッセージを一体化させることが可能で、リッチコンテンツとして配信を行う際に効果的です。

メッセージエディタの強化

2024年11月のアップデートでは、Lステップのメッセージ編集画面にリッチエディタ機能が追加されました。これにより、一斉配信やステップ配信のメッセージ作成時に太字や色付けなど装飾が簡単にできるようになっています(LINE公式が対応している装飾に準拠)。またカルーセルメッセージの新方式や、吹き出し当たりの文字数上限が5000文字に拡大するなど、長文・複雑メッセージも送れるよう改良されています​。活用法として、これまで文字数制限で諦めていた詳しい説明を送れるようになったり、メッセージ内を見出し強調して読みやすくする、といったことが可能になりました。特に商品の使い方ガイドなど、文字情報が多いコンテンツを送りたい際に便利です。

まとめ

Lステップ導入は目的に沿って、見極めよう。

以上、Lステップの概要から機能・メリット、運用上の注意点や最新情報まで解説してきました。最後に要点をまとめます。

LステップはLINE公式アカウントを強力なマーケティングツールへ拡張するサービスです。シナリオ配信やセグメント配信、自動応答、分析機能などを活用すれば、顧客育成から販促、リピート獲得まで一貫してLINE上で行えるようになります。特に人手では難しいきめ細かなフォローやデータ分析を自動化できる点で、業務効率化と売上向上の両方に寄与するポテンシャルがあります。

しかし、導入すれば魔法のように成果が出るわけではなく、使いこなすための戦略設計と運用努力が必要です。むやみに導入しても宝の持ち腐れになりかねません。本記事でも触れたように、Lステップ導入前には自社の目的・KPIを明確にし、運用体制やコンテンツを準備することが大切です。目的に合った機能を選び、シンプルに始めて徐々に高度化していけば、失敗リスクを抑えて着実に成果を上げていけるでしょう。

導入すべきか迷ったら、まずは30日間の無料トライアルで試してみるのも手です。実際に触れてみて、これは使えると感じたら本格導入に踏み切るのが良いでしょう。Lステップは有料ではありますが、その価値を感じられるかどうかは運用次第です。逆に言えば、適切に運用すればコスト以上のリターンが充分期待できるツールです。

Lステップの導入・運用はプロに任せよう

Lステップはマーケティング活動の柔軟性を高くし、集客を進めるうえで非常に有用なツールですが、使いこなすには設定が複雑で運用コストも高くかかります。

これから集客を強化するために導入したい、今まで使用したけれど最大限活用できていなかった、今後本格的に運用していきたいと考えていると考えている企業のマーケティング担当者の方はぜひ、malnaにお問合せください。

お気軽にご連絡をお待ちしております。

無料相談はこちら

著者情報

神田 将大

writer神田 将大 consultant
Webマーケティング全般を担当。広告運用(リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告)、SNS運用(X、Instagram、LINEなど)、Google Analyticsを活用した成果分析、LPO、KPI/予算の策定など、戦略立案から施策実行まで幅広く対応。
2024年よりmalna株式会社に参画。教育系企業や人材系企業を中心に、集客施策や広告運用を通じて成果向上に貢献。

関連記事タグをクリックでカテゴリページを開きます

malnaのマーケティングについて

弊社ではメディアやSNSなど総合的な支援が可能です。
媒体ごとに違うパートナーが入ることもなくスピーディな意思決定が可能です。
ご不明点や不安な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

サービス資料はこちら 詳しく見る