2026.10.21
AI導入コンサルティングの発注手順|提案依頼書の書き方と提案の比べ方
「AI導入の支援を外部に頼む方針は決まったが、何を伝えれば提案をもらえるのか分からない」

目次
「何社かから提案が届いたが、金額の差の理由を社内で説明できない」
こんなお悩みはありませんか。
頼みたい中身を言葉にしないまま提案を集めると、各社の前提がそろわず、提案も見積もりも比べにくいですよね。
この記事では、提案依頼書に書く6つの項目と、提案を比べる4つの手順、発注後の社内の役割をわかりやすく解説します。
提案依頼書に書く対象業務を絞り込む段階の整理は、malnaのAIエージェント構築支援でご相談いただけます。
AI導入コンサルティングの発注手順
AI導入コンサルティングの発注は、依頼内容を文書にまとめ、複数の提案を比べ、契約で支援の範囲を確定させる作業です。
最初に作る文書の出来で、比較と契約の進めやすさが変わります。
発注の前に押さえる項目は、次の3つです。
- AI導入コンサルティングの意味と、依頼側が範囲を先に示す必要
- 発注の流れを5つの工程に分けたときの、各工程の作業
- コンサルティング会社の選び方と費用相場を扱う別の記事
AI導入コンサルティングとは
AI導入コンサルティングとは、企業がAIを業務に取り入れる際に、対象業務の選定から試行、社内への定着までを外部の専門家が支援するサービスです。
支援の範囲は会社ごとに異なります。
助言を中心にする会社もあれば、仕組みの構築まで手を動かす会社もあります。
範囲が違う以上、どこまで頼みたいかは発注側から先に示します。
示さないまま提案を求めると、各社が得意な範囲で提案を組むため、比べる前提がそろいません。
発注の流れを5つの工程で押さえる
発注の流れは、依頼内容の整理、提案依頼書の送付、提案の受領と質疑、評価と選定、契約の5つの工程に分けると見通しが立ちます。
工程ごとの発注側の作業と、手元に残る物は次のとおりです。
| 工程 | 発注側の作業 | 手元に残るもの |
|---|---|---|
| 依頼内容の整理 | 背景、目的、対象業務、予算の枠を社内で決める | 社内向けの依頼メモ |
| 提案依頼書の送付 | 依頼書を作り、秘密保持契約を結んだ会社に送る | 提案依頼書 |
| 提案の受領と質疑 | 質問を受け付け、回答を全社に同じ内容で返す | 質疑の記録 |
| 評価と選定 | 採点表で提案を比べ、提案説明の場で確かめる | 採点結果と選定理由 |
| 契約 | 契約形態、成果物、検収の方法を条項で確かめる | 契約書と発注書 |
依頼内容の整理と評価の基準づくりは、発注側にしか用意できません。
どちらも提案を受け取る前に済ませておけば、後ろの工程で手が止まりにくくなります。
コンサルティング会社の選び方と費用相場は別の記事で
AIコンサルティング会社の選び方や料金の目安、導入プロセスの全体像は、関連記事で扱っています。
発注の手続きは、依頼先の候補がある程度見えている段階から始まります。
対象業務の洗い出し方や、支援会社に任せる範囲の決め方も、別の記事にまとめています。
依頼書の項目を埋める前に読んでおくと、書く内容を決めやすくなります。
関連記事:AIコンサルの選び方!依頼できる内容と費用相場・導入の進め方
関連記事:AI業務効率化支援の選び方!依頼できる内容と自社で進めるための準備
提案依頼書に書く6つの項目
提案依頼書(RFP)とは、発注側が頼みたい内容と条件をまとめ、提案を求める相手に渡す文書です。
AI導入コンサルティングの依頼書に書く項目は、次の6つです。
- AI導入の背景と目的を、業務と困りごとの形で書く
- AI導入で依頼する範囲と依頼しない範囲を、作業の単位で分ける
- 前提条件として、使っているツールと渡せる情報を伝える
- 成果物と期間と予算を、受け取る物と時期と上限額で示す
- 提案書に書いてほしい内容を、目次の形で指定する
- 選定の手続きと日程を、締め切りと評価の方法まで書く
6項目が各社に同じ前提で伝われば、提案が同じ条件で届きます。
分量より、6項目が埋まっているかを見てください。
各項目が数行でも、提案する側が同じ前提で見積もれる内容なら足ります。
決まっていない項目は、未定と書いておきます。
依頼書を書く前に、複数の会社から話を聞いてもかまいません。
話を聞くと、依頼の範囲や前提条件の書き方が具体的になります。
ただし、相談した会社の考え方に依頼書が寄りすぎると、他社が提案しにくくなります。
依頼書は自社の目的に沿って書き、提案は全社に同じ条件で求めます。
AI導入の背景と目的
背景と目的の欄には、AI導入を考えた事情と、導入で変えたい状態を書きます。
「業務を効率化したい」の一言では、提案する側は対象も手段も絞り込めません。
書き方の例は、「問い合わせへの一次回答の作成に担当者3名が毎日時間を取られており、回答までの時間を短くしたい」です。
業務と困りごと、目指す状態を1つの文に収めると、提案する側が対象を絞れます。
数値の目標があれば書き添えます。
まだ決まっていなければ、「目標の置き方も提案に含めてほしい」と書けば十分です。
AI導入で依頼する範囲と依頼しない範囲
依頼する範囲の欄には、頼みたい作業を書き、今回は頼まない作業もあわせて書きます。
頼まない作業を明記すると、提案に余分な作業が入り込んで金額が膨らむのを防げます。
構想づくりだけを頼むのか、試行まで頼むのか、社内への展開まで頼むのかを決めます。
どこまで頼むかで、提案の中身も金額も大きく変わります。
最初の発注は試行までにとどめ、結果を見てから次の発注を決める書き方もあります。
前提条件
前提条件の欄には、提案する側が知らなければ見積もれない事情を書きます。
対象は、社内で使っている業務ツールや生成AIサービス、外部に渡せる情報の種類、プロジェクトに割ける社内の人と時間です。
前提条件が抜けていると、各社は別々の仮定を置いて提案を組みます。
ある会社は既存のツールを使う前提で、別の会社は新しいツールを入れる前提で見積もるため、金額の差は仮定の差になります。
成果物と期間と予算
成果物の欄には、支援が終わったときに受け取りたい物を書きます。
報告書、業務の手順書、試行結果のまとめ、社内向けの研修資料のように、形のある物で書くと、提案する側も工数を見積もりやすくなります。
期間は希望する開始と終了の時期を、予算は上限か幅で示します。
予算は伏せたいと考える担当者もいるでしょう。
けれど予算の枠がないと、予算を大きく超える提案と、範囲を絞りすぎた提案が混ざって届き、かえって比べにくくなります。
提案書に書いてほしい内容
提案書に書いてほしい内容の欄では、提案書の目次を発注側から指定します。
目次がそろっていれば、各社の提案を同じ順番で読み比べられます。
目次には、目的の理解、進め方と工程、工程ごとの成果物、体制と担当者の経歴、見積もりの内訳、発注側にお願いしたい作業、情報の取り扱い方法を入れます。
見積もりは工程ごとに分け、AIサービスの利用料のような実費は別の行に出してもらうと書いておくと、あとの比較が楽になります。
選定の手続きと日程
選定の手続きの欄には、提案の締め切り、質問の受付と回答の方法、評価の方法、提案説明の日程、結果を連絡する時期を書きます。
質問への回答は、質問した会社だけでなく、依頼した全社に同じ内容で返すと明記すると、公平さを保てます。
評価の方法は、採点の観点と重みの概略まで書いておくと、提案する側が力を入れる箇所を判断できます。
結果の連絡時期を書いておくのは、選ばれなかった会社への礼儀でもあります。

コンサルティング会社に渡す情報の決め方
提案依頼書と一緒に渡す情報は、次の3段階で管理します。
- 秘密保持契約を結んでから、業務の詳細を渡す
- 提案段階で渡す情報は、業務の様子がわかる粒度にとどめる
- 渡した情報の扱いを、提案書で答えてもらう
AIの支援では業務データやプロンプトのやり取りが起きやすく、情報の扱いも提案を比べる観点の1つになります。
秘密保持契約を結んでから詳細を渡す
社内の業務の流れや取引の情報を含む資料は、秘密保持契約を結んでから渡します。
依頼書に社外秘の内容が含まれるなら、依頼書を送る前に契約を結びます。
ひな形は、相手の会社のものを使う場合と、自社のものを使う場合があります。
どちらの場合も、対象になる情報の範囲、目的外の利用の禁止、契約終了時の返却や廃棄の扱いを読んでおきましょう。
提案段階で渡す情報の粒度
提案を作ってもらう段階で渡すのは、業務の流れ、扱っている書類の種類、件数の規模など、業務の様子が伝わる情報で足ります。
顧客の氏名が入った実データや、取引先との契約書そのものは、提案段階では渡しません。
実データの扱いを確かめたいときは、個人情報を伏せたサンプルや、項目名だけを書き出した表を渡します。
サンプルや項目名の表があるだけでも、提案の具体性は上がります。
渡した情報の扱いを提案書で答えてもらう
経済産業省は2025年2月に、「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を公表しました。
AIの利用や開発を外部に頼むときの契約を確かめる資料なので、契約前に目を通しておくと役に立ちます。
発注の段階では、渡すデータの扱いについて、利用目的、目的外の利用の可否、保管と消去の方法を、提案書の目次に組み込みます。
提案書の中で、次の内容を答えてもらいます。
- 預かった資料の保管場所と、閲覧できる人
- AIサービスに入力する場合に、入力内容が学習に使われない設定かどうか
- 支援の終了後に、資料をどう消去するか
個人データを扱う可能性があるなら、個人情報保護委員会の注意喚起にも目を通します。
同委員会は2023年6月2日に、生成AIサービスの利用に関する注意喚起を公表しました。
対象は、個人情報取扱事業者が、あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを含むプロンプトを入力する場合です。
提供事業者が個人データを機械学習に利用しないかなどを、十分に確認するよう求めています。
参考:生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(個人情報保護委員会)

提案と見積もりを比べる4つの手順
提案と見積もりは、提案を受け取る前に決めた採点表を基準に評価します。
採点の観点と重みを先に固めておけば、金額の印象や提案書の見栄えに引きずられず、依頼書で求めた内容にどこまで応えているかで判断できます。
比べる手順は、次の4つです。
- 評価項目と重みを、提案を受け取る前に決める
- 見積もりを、作業と体制の単位で並べ直す
- 提案説明の場で聞く質問を、事前に用意する
- 選んだ理由を、記録に残す
評価項目と重みを決める
採点表は、依頼書に書いた項目と対応させて作ります。
下の表は、観点と重みの一例です。
重みは自社の事情に合わせて変えてください。
| 評価項目 | 見るところ | 重みの例 |
|---|---|---|
| 目的の理解 | 依頼書の背景と目的を自分の言葉で言い換えているか | 20 |
| 進め方 | 工程の区切りと、各工程の終わりに判断の場があるか | 25 |
| 成果物 | 工程ごとに受け取る物が具体的に書かれているか | 20 |
| 体制 | 実際に担当する人と、担当者の関わり方が書かれているか | 15 |
| 情報の扱い | 預けた資料の保管と消去の方法が書かれているか | 10 |
| 見積もり | 内訳が工程と実費に分かれているか | 10 |
採点は1人で済ませません。
発注責任者、実際に業務を担う人、情報システムや法務の担当者のように、立場の違う2〜3人が別々に点を付け、あとで突き合わせます。
点数が大きく割れた項目は、提案説明の場で確かめる質問に回します。
社内にAIに詳しい人がいなくても、提案は比べられます。
技術の細部がわからなくても、依頼書の項目に対応した採点表があれば、依頼した内容に応えているかで判断できます。
技術の妥当性が気になる点は、提案説明の場で質問し、答えを採点表に書き込みます。
見積もりを並べ直す
見積もりの金額は、そのまま横に並べても比べられません。
工程ごとの金額、関わる人の人数と期間、AIサービスの利用料などの実費を、1つの表に並べ直してから比べます。
並べ直すと、試行の工程に厚く人を置く会社と、構想づくりに時間をかける会社の違いが見えてきます。
金額の差がどこから来ているかを説明できる状態になってから、比較に進みます。
費用の内訳の考え方は、関連記事で扱っています。
関連記事:AI導入にはいくらかかる?費用の内訳とコストを抑える方法
提案説明の場で質問する
提案説明の場は、提案書に書かれていない内容を確かめる機会です。
採点で点数が割れた項目に加えて、次の4つの質問を用意します。
- 提案書に名前のある担当者は、週にどのくらい案件に関わるか
- 試行の結果が期待に届かなかった場合、どの時点で何を判断する進め方か
- 発注側にお願いしたい作業は、誰に、どのくらいの時間を求めるものか
- 支援が終わったあと、社内だけで続けるために何が手元に残るか
答えは印象で受け止めず、中身を採点表の該当欄に書き込みます。
提案書と異なる答えが出たら、契約の前に書面で確かめます。
選んだ理由を記録する
選定が終わったら、採点表と、選んだ理由、選ばなかった理由を1枚にまとめて残します。
社内の決裁で説明できますし、次に発注するときの下敷きにもなります。
選ばなかった会社には、依頼書に書いた時期に結果を伝えます。
理由を尋ねられたときのために、採点表のどの観点で差が付いたかを短く説明できるようにしておくと、今後の関係も保ちやすくなります。

契約形態と成果物の決め方
AI導入コンサルティングの契約は、何に対して報酬を払うかで、準委任と請負に大きく分かれます。
どちらを選ぶかで、成果が出なかったときの扱いと、検収の進め方が変わります。
工程ごとに契約形態を選び、成果物と検収の方法を条項で確かめます。
条文と公的資料の内容は、2026年10月時点のものです。
契約で確かめる項目は、次の5つです。
- 準委任と請負は、何に対して報酬を払うかが違う
- 成果に報酬を結びつける準委任では、成果の測り方を決める
- 工程ごとに、契約の形を使い分ける
- 検収は、誰がいつ何を基準に確かめるかを契約書に書く
- データとAIの出力の扱いを、条項で確かめる
コンサルティング契約の準委任と請負の違い
民法は、請負を、仕事の完成を約束し、相手が仕事の結果に報酬を支払う契約として規定しています(第632条)。
一方、委任の規定は、法律行為でない事務の委託にも準用されます(第656条)。
準用される委託が、準委任と呼ばれるものです。
受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって事務を処理する義務を負います(第644条)。
| 観点 | 準委任 | 請負 |
|---|---|---|
| 報酬の対象 | 事務の処理(業務の遂行) | 仕事の完成 |
| 受注側の主な義務 | 善良な管理者の注意をもって事務を処理する | 約束した仕事を完成させる |
| 向く工程 | 進めながら内容を決める調査や試行 | 作る物が事前に決まっている工程 |
AI導入コンサルティングの調査や試行は、進めてみるまで結果がわからない作業です。
助言や試行の工程は準委任、仕様が固まった仕組みの構築は請負というように、工程ごとに使い分ける考え方があります。
成果に報酬を結びつける準委任
準委任は事務の処理そのものに報酬を払う契約なので、約束どおり業務が行われていれば、期待した結果に届かなくても報酬が発生するのが原則です。
ただし、準委任でも、成果に対して報酬を払う約束はできます。
民法第648条の2は、委任事務の履行で得られる成果に報酬を支払う約束をした場合の扱いを書いています。
成果の引渡しが必要なときは、報酬は成果の引渡しと同時に支払います。
成果に連動した報酬を提案されたら、どの成果を、いつの時点で、どう測って報酬が決まるのかを契約書で確かめます。
測り方があいまいなままでは、成果が出たかどうかで意見が割れたときに決着がつきません。
条件は契約ごとに異なるため、条項の内容は法務担当や専門家に確認してください。
工程ごとに契約の形を選ぶ
進めながら内容を決める作業に準委任を使う考え方は、情報処理推進機構(IPA)のモデル契約にも表れています。
IPAの「情報システム・モデル取引・契約書(アジャイル開発版)」は、準委任を前提にしています。
成果物の完成に報酬を払う請負ではなく、ベンダが専門家として業務を進める作業そのものに報酬を払う契約です。
モデル契約は、発注側がプロダクトオーナーを選び、開発側が必要とする情報や意思決定を適時に提供する役割を明確にしています。
準委任で頼むときも、判断を返すのは発注側です。
AI導入コンサルティングでも同じです。
支援の型ごとの成果物と契約の対応は、関連記事で整理しています。
参考:情報システム・モデル取引・契約書(アジャイル開発版)(IPA)
関連記事:AIシステム導入支援とは?依頼できる内容と契約前の確認事項
検収の失敗を防ぐ契約書の書き方
検収とは、受け取った成果物が約束どおりかを発注側が確かめ、受け入れる手続きです。
成果物の名前を決めるだけでは足りません。
誰が、受け取ってから何日以内に、何を基準に確かめ、どう承認するのかを、契約書か発注書に書きます。
AIの試行結果をまとめた報告書のように、出来の良し悪しを判断しにくい成果物もあります。
「依頼書の目的に対する結果と、次の工程に進むかを決める根拠が書かれている」のように、書かれているべき要素で基準を決めます。
期限までに発注側が返事をしなかった場合の扱いも、条項で確かめます。
データとAIの出力の扱いの注意点
コンサルティングの中で作られた手順書やプロンプト、試行で作った仕組みは、支援が終わったあとも自社で使い続けられるかを確かめます。
確かめる観点は、成果物の範囲の特定、利用の範囲、第三者への提供、権利の帰属の4つです。
契約前に、経済産業省の契約チェックリストにも目を通しておくと、条項の抜けに気づきやすくなります。
契約の型と条項は、案件の中身で変わります。
契約書の最終的な確認は、社内の法務担当や弁護士などの専門家に依頼してください。
AI導入の発注後に社内が受け持つ役割
手を動かすのがコンサルティング会社でも、判断は発注側にしか下せません。
発注後に社内が受け持つ役割は、次の4つです。
- 依頼と判断の連絡を、社内の窓口1人に集める
- 定例会で、発注側が判断を返す
- 範囲の変更を、書面でやり取りする
- 中間の振り返りで、次の工程に進むかを決める
窓口を1本にする
発注したあとは、コンサルティング会社への依頼や判断の連絡を、社内の窓口担当1人に集めます。
現場の担当者がそれぞれに頼みごとをすると、作業の優先順位が崩れ、契約の範囲を超えた作業が知らないうちに積み上がります。
窓口を1本にする運用は、契約の形の面からも意味があります。
厚生労働省は、請負の形式で契約していても、注文主と労働者の間に指揮命令関係があれば、労働者派遣事業に該当するとしています。
いわゆる偽装請負です。
区分は、契約の形式ではなく実態で判断されます。
相手の会社の担当者に作業の進め方を直接指示せず、依頼は窓口から先方の責任者に伝える運用にしておくと、偽装請負を避けやすくなります。
参考:「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」について(厚生労働省)
定例会で判断を返す
定例会は、進み具合の報告を聞くだけの場ではありません。
発注側が判断を返す場として使います。
議題の最初に「今回決める事項」を書き、決まった内容と、次回までに誰が何をするかを議事録に残します。
社内の確認が必要な議題は、いつまでに返事をするかを定例会の中で決めます。
発注側の返事が遅れても、準委任の契約では期間が進みます。
範囲の変更は書面で残す
進めるうちに、対象業務を増やしたい、成果物の形を変えたいといった変更が出てきます。
変更は口頭で済ませず、変更の内容、金額と期間への影響、承認した人を書面に残してから着手します。
変更の手続きは、契約の段階で決めておくと、途中で判断に困りません。
誰が変更を申し出て、誰が承認し、どの書式で記録するのかを、キックオフの場で双方が確かめます。
中間の振り返りで次に進むかを決める
試行の工程が終わる時点で、中間の振り返りの場を設けます。
依頼書に書いた目的に対して何がわかったかを確かめ、次の工程に進むのか、範囲を変えるのか、いったん止めるのかを決めます。
止める結論も、試行から得られた答えの1つです。
工程ごとに契約を分けておけば、次に進まないと決めても、受け取った成果物は手元に残ります。

まとめ:AI導入コンサルティングの発注手順を押さえて提案を比べよう
AI導入コンサルティングの発注は、頼みたい内容を提案依頼書にまとめるところから始まります。
提案依頼書には、背景と目的、依頼する範囲、前提条件、成果物と期間と予算、提案書に書いてほしい内容、選定の手続きの6つを書きます。
採点表は提案を受け取る前に作り、見積もりは工程と実費に分けて並べ直してから比べます。
契約では工程ごとに準委任か請負かを選び、検収の方法と、渡したデータやAIの出力の扱いを条項で確かめます。
発注したあとは、窓口を1本にし、定例会で判断を返し、範囲の変更を書面に残し、中間の振り返りで次に進むかを決めます。
手始めに、依頼書の6項目のうち、背景と目的、依頼する範囲の2つを社内で書き出してみてください。
2つが言葉になれば、残りの項目と採点表は順に埋まります。
書き上げた提案依頼書は、malnaへのお問い合わせにも添えられます。
依頼書があれば、最初の打ち合わせで前提の確認に時間を取られず、提案の中身の話から入れます。
AIを使える人材が社内にいない場合
比べる基準は手元にそろった。
でも、契約したあとに毎週の判断を返し続ける人が社内にいない。
提案を選んだあとの定例会で、現場の確認を集めて期限までに返事をする役は、発注した側にしか置けません。
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