2026.09.28
解体工事の集客は見積もりの透明性で差がつく|石綿調査義務化後の6施策
多くの施主にとって、解体工事を頼むのは一生に一度あるかないかの出来事です。相場も分からず、どの業者なら安心かも判断しにくいため、複数の業者から見積もりを取って比べるのが当たり前になっています。

目次
相見積もりが前提の業界で金額だけを比べられれば、価格競争から抜け出せません。ただ施主の側は、金額以上に「後から追加費用を請求されないか」「近隣とトラブルにならないか」を気にしています。この不安に先回りして答えられる業者ほど、比較の場面で選ばれます。
本記事では、解体工事業者が取り組みたい6つの集客施策を、施主が抱える3つの不安に沿って整理します。あわせて、石綿(アスベスト)の事前調査と報告の義務を選ばれる理由に変える見せ方と、追加費用の表示で注意したい点も解説します。
解体工事業の経営者、および営業や集客を担当する方を主な対象とした内容です。
どの施策から手をつけるか迷う場合は、malnaのお問い合わせから今の集客状況を聞かせてください。
解体工事の集客とは、相見積もりの中で選ばれる理由をつくる活動です
解体工事の集客とは、建物の解体を考えている施主や、不動産会社・工務店といった紹介元に自社を知ってもらい、見積もり依頼と受注につなげる一連の活動です。施主が複数の業者を比較することを前提に、金額以外の判断材料をどれだけ用意できるかが受注を左右します。
解体工事は、施主から直接依頼される場合のほか、建て替えを請け負う工務店や土地の売却を仲介する不動産会社から紹介される場合も多くあります。施主に向けた発信と、紹介元に向けた関係づくりの両方を考える必要があります。
施主が解体業者を選ぶときに抱える3つの不安
施主が解体業者を比べるときには、費用、近隣への影響、法令への対応という3つの不安を抱えており、これに具体的に答えている業者が比較の場面で有利になります。

不安1|後から追加費用を請求されないか
解体工事では、着工後に地中から埋設物が見つかるなど、見積もりの時点では分からなかった作業が発生することがあります。施主が恐れているのは、その説明がないまま追加費用を請求される事態です。どのような場合に追加費用が発生し得るのかを事前に説明している業者は、それだけで信頼を得やすくなります。
不安2|近隣とトラブルにならないか
解体工事では、騒音、振動、粉じんを完全に避けることはできません。工事前の近隣への挨拶や、養生の方法、作業時間の配慮をどう行うのかを具体的に示していると、施主は安心して任せやすくなります。
不安3|法令にきちんと対応してくれるか
解体工事には、石綿の事前調査をはじめとする法令上の手続きが伴います。施主は手続きの詳細を知らないことが多いため、業者が何をどこまで対応するのかを分かりやすく示す必要があります。
石綿の事前調査と報告の義務を、選ばれる理由に変える
石綿(アスベスト)の事前調査と報告は法令上の義務であり、その対応を分かりやすく示すことは、施主の3つ目の不安に答える具体的な材料になります。
環境省の発表によると、2022年4月1日から、建築物等の解体・改修工事を行う施工業者は、石綿含有建材の有無の事前調査結果を都道府県等に報告することが義務付けられました。建築物の解体工事の場合、報告の対象は解体作業の対象となる床面積の合計が80平方メートル以上の工事です。報告は電子システムを使い、1回の操作で都道府県等と労働基準監督署の両方に行えます。参考:4月1日から石綿の事前調査結果の報告制度がスタートします
厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトによると、2023年10月1日以降、建築物の事前調査は、建築物石綿含有建材調査者講習の修了者など一定の要件を満たす者が行う必要があります。事前調査の結果は3年間保存し、作業場所に備え付けることも求められています。参考:工事の元請業者のみなさまへ
| 項目 | 内容 | 施主への見せ方 |
|---|---|---|
| 事前調査結果の報告 | 2022年4月1日から義務化。建築物の解体は床面積80平方メートル以上が対象 | 報告まで自社で対応することを明記する |
| 調査を行う者 | 2023年10月1日以降、建築物は講習修了者など要件を満たす者に限定 | 社内の調査者の有無や資格を示す |
| 調査結果の保存 | 3年間保存し、作業場所に備え付ける | 調査結果を施主にも共有する流れを示す |
義務を守るのは当然ですが、施主の多くはその中身を知りません。自社が何をどこまで行うのかを具体的に示すこと自体が、比較の場面で他社との違いになります。
問い合わせを増やす6つの施策
施主の3つの不安に答える情報を、施主が業者を探す場面と、紹介元とのつながりの両方で届けることが、問い合わせを増やす土台になります。
施策1|施工事例を建物の条件と一緒に公開する
ホームページには、施工事例を建物の構造、延床面積、工期、周辺環境といった条件と一緒に掲載します。施主は自分の建物に近い事例を探すので、条件が具体的なほど見積もり依頼につながりやすくなります。
施策2|見積もりの内訳と追加費用が発生する条件を公開する
見積もりに含まれる作業と、含まれない作業、追加費用が発生し得る条件をホームページで説明します。金額の目安を示す場合も、どのような条件での金額なのかをあわせて記載します。
施策3|Googleビジネスプロフィールで地域の施主に見つけてもらう
「地域名+解体工事」で検索した際に地図上で見つけてもらうため、Googleビジネスプロフィールの基本情報を整え、施工後の写真や口コミへの返信を継続します。地域密着の依頼が多い解体工事では、地図検索での見え方が問い合わせを左右します。
施策4|近隣対応の流れを具体的に示す
工事前の挨拶、養生、作業時間、工事後の清掃までの流れをホームページに載せます。施主が近隣への説明に使える資料を用意しておくと、依頼前の安心感につながります。
施策5|工務店や不動産会社との紹介関係を育てる
建て替えを請け負う工務店や、土地の売却を仲介する不動産会社は、解体工事の依頼が生まれる場面に立ち会っています。施工品質や近隣対応の丁寧さで信頼を積み上げておけば、継続的な紹介につながります。
施策6|問い合わせの経路を記録して見直す
問い合わせがホームページ、地図検索、紹介のどこから来たのかを記録しておくと、どの施策に力を入れるべきかが見えてきます。受注に至った案件の経路も記録しておけば、紹介元ごとの関係づくりの優先順位も決めやすくなります。


料金表示で注意したいこと
料金の目安を示すことは施主の不安を減らす有効な手段ですが、表示の仕方によっては景品表示法の有利誤認表示にあたるおそれがあります。
消費者庁の説明によると、景品表示法第5条第2号は、商品やサービスの価格その他の取引条件について、実際のものや競争事業者のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示を禁止しています。誤って表示した場合でも有利誤認表示に該当する可能性がある点にも注意が必要です。参考:有利誤認表示
解体工事では、地中埋設物の撤去などで追加費用が発生し得ることが前提です。「追加費用なし」「見積もり以上はかかりません」と打ち出す場合は、その表示が成り立つ条件を同じ画面内に明記し、条件の説明を別ページにだけ置かないようにします。他社より安いと読める比較の表示は、根拠を示せない限り使わない運用にしておくと、判断に迷いにくくなります。
施策の優先順位のつけ方
6つの施策すべてに同時に着手する必要はありません。今の問い合わせが施主からの直接依頼と紹介のどちらに偏っているかで、優先する施策を選ぶと進めやすくなります。

紹介に頼っている場合
問い合わせの多くが工務店や不動産会社からの紹介である場合は、施工事例と見積もりの考え方をホームページで公開し、施主から直接見つけてもらえる入口をつくります。Googleビジネスプロフィールの整備も、この段階で並行して進めます。
直接の問い合わせはあるが受注につながらない場合
問い合わせはあるのに相見積もりで選ばれない場合は、追加費用が発生する条件の説明や、石綿の事前調査への対応、近隣対応の流れなど、金額以外の判断材料を充実させることに軸足を移します。
集客を外部に依頼する場合の見極め方
現場の管理と並行して6つの施策を回すのは難しく、外部への依頼を検討する解体工事業者も少なくありません。依頼前には、支援範囲がホームページ制作だけなのか、Googleビジネスプロフィールの運用や問い合わせ経路の記録と分析まで含むのか、料金表示の注意点を踏まえた表現を提案できるかを確認します。
まとめ
解体工事の集客の成否は、相見積もりの中で金額以外の選ばれる理由を用意できるかどうかにかかっています。施主が抱える追加費用、近隣、法令という3つの不安に対して、施工事例と見積もりの内訳、近隣対応の流れ、石綿の事前調査への対応を具体的に示す。そのうえで工務店や不動産会社との紹介関係を育て、料金の表示は条件を併記して誤認を招かない形に整えることが、比較の場面で選ばれ続ける土台になります。
自社の集客状況を整理し、どの施策から着手すべきかを具体的に検討したい場合は、malnaへの問い合わせからご相談ください。
よくある質問
解体工事の集客に取り組む前に確かめておきたい点を5つ取り上げます。
解体工事の集客で最初に取り組むべき施策は何ですか
施工事例を建物の構造や延床面積などの条件と一緒に公開することです。施主は自分の建物に近い事例を探すため、条件が具体的なほど見積もり依頼につながりやすくなります。
相見積もりで価格だけで比べられないようにするにはどうすればよいですか
追加費用が発生し得る条件、近隣対応の流れ、石綿の事前調査への対応など、金額以外の判断材料をホームページで具体的に示すことです。施主の不安に先回りして答えている業者ほど選ばれやすくなります。
石綿の事前調査について、施主にどう伝えればよいですか
2022年4月から一定規模以上の解体工事で事前調査結果の報告が義務になり、2023年10月からは建築物の調査を講習修了者など要件を満たす者が行う必要があります。自社が何をどこまで対応するかを明記すると安心材料になります。
「追加費用なし」と表示してもよいですか
表示する場合は、その表示が成り立つ条件を同じ画面内に明記します。地中埋設物の撤去などで追加費用が発生し得るのに条件を示さないと、景品表示法の有利誤認表示にあたるおそれがあります。
集客を外部に依頼する際の注意点は何ですか
支援範囲がホームページ制作だけなのか、Googleビジネスプロフィールの運用や問い合わせ経路の分析まで含むのかを確認します。料金表示の注意点を踏まえた表現を提案できるかどうかも判断材料になります。

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