2026.09.28

自動車整備の集客|9・10月の点検月間を次の入庫につなげる3つの準備

車検の時期に入庫した顧客が、次の車検では別の工場に行ってしまう。チラシやネット広告で新しい顧客を呼び込んでも、2年後には同じことが繰り返される。

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目次

自動車整備の仕事は、車検や定期点検という時期の決まった需要に支えられています。だからこそ、一度入庫した顧客に次回も選ばれ続けるかどうかが、新しい顧客を集めること以上に売上を左右します。広告で入口を広げる前に、顧客が工場を選び直す理由を減らしておく必要があります。

本記事では、国が毎年呼びかけている点検整備の強化月間の位置づけを確認したうえで、3つの準備を順に見ていきます。1つ目は認証工場と指定工場の違いを顧客に伝えること、2つ目は次の入庫の時期に合わせて案内すること、3つ目は見積もりと追加整備を事前に説明することです。そのあとで、自社サイトとGoogleビジネスプロフィールの整え方と、料金表示で守るべき線を解説します。

対象は、地域で自動車整備工場を営み、車検や点検の顧客を安定して確保したいと考えている経営者・フロント担当者の方です。

次回の案内から整えるか、見積もりの説明から見直すかは、顧客が離れていく理由によって変わります。迷う場合は、malnaのお問い合わせから今の入庫の状況を聞かせてください。

自動車整備の集客とは、時期の決まった需要で選ばれ続けるための活動です

自動車整備の集客とは、その場限りの入庫を増やすことではなく、車検や定期点検といった時期の決まった需要のたびに、同じ顧客から繰り返し選ばれる状態をつくる活動です。需要の時期が決まっているということは、案内を出すべき時期もあらかじめ分かっているということでもあります。

国は毎年9月と10月を点検整備の強化月間にしています

国土交通省は、自動車ユーザーの保守管理意識を高め、適切な点検整備の実施を進めるため、自動車関係団体等と協力して「自動車点検整備推進運動」を平成6年度から毎年実施しており、9月と10月を強化月間としています。国と業界が点検整備の大切さを呼びかける時期は、工場から顧客に点検を案内する時期としても使いやすい期間です。 強化月間に合わせて案内を出すと、国の呼びかけと工場からの案内が重なり、顧客に受け取ってもらいやすくなります。

参考:自動車点検整備推進運動|国土交通省

新しい顧客より、次の入庫が売上の土台になります

新しい顧客を1人集めるには、広告費や紹介の手間がかかります。一方、すでに入庫したことのある顧客は、車両の情報も連絡先も工場の手元にあり、次の車検や点検の時期も分かっています。次の入庫を確実に案内できる仕組みを持つことは、広告に頼らずに売上の土台をつくることにつながります。 新規の集客は、この土台が整ったうえで、空いている作業枠を埋めるために使うと考えると、費用の使い方がぶれにくくなります。

準備1|認証工場と指定工場の違いを顧客に伝えます

顧客にとって、整備工場の種類の違いは分かりにくいものです。自社がどちらの工場で、何ができるのかを分かりやすく伝えることは、比べられる場面で選ばれる理由になります。

認証工場と指定工場は、国の制度で区分されています

国土交通省によると、特定整備を行うには地方運輸局長の認証を受ける必要があり、この認証を受けた工場が「認証工場」です。認証工場のうち、設備や技術、管理組織などが一定の基準に適合する工場は、申請により地方運輸局長から指定自動車整備事業の指定を受けることができ、これが「指定工場」です。認証は道路運送車両法第78条第1項、指定は同法第94条の2第1項に基づくものとされています。

区分根拠車検の検査
認証工場道路運送車両法第78条第1項(地方運輸局長の認証)運輸支局などの車検場に車両を持ち込んで受ける
指定工場同法第94条の2第1項(地方運輸局長の指定)工場内で自動車検査員が検査し、保安基準適合証を交付する

工場の種類ごとに、顧客にとっての違いを説明します

指定工場では、工場内で自動車検査員が検査を行い、保安基準適合証を交付するため、顧客が車両を車検場へ持ち込む必要がありません。認証工場では、整備したうえで車検場に車両を持ち込んで検査を受ける形になります。どちらが優れているかを伝えるのではなく、自社の工場で車検がどのような流れで進み、顧客が何日車を預けることになるのかを具体的に説明します。 顧客が知りたいのは制度の名称そのものより、自分の車検がどう進むかです。

標識と認証の情報をサイトにも載せます

国土交通省のページでは、認証工場と指定工場のいずれも、地方運輸局が定めた様式の標識を公衆の見やすい場所に掲げているとされています。工場の入口に掲げている標識の内容と同じく、認証や指定の区分と番号を自社サイトの会社情報にも載せておくと、来店する前の顧客が確かめられます。 確認できる事実として示すことが、価格以外の比較軸になります。

参考:自動車整備工場には認証工場と指定工場があります。その違いは?|国土交通省

認証工場と指定工場の違い

準備2|次の入庫の時期に合わせて案内します

次の入庫を確実に案内するには、顧客ごとの車検や点検の時期を工場で管理し、その時期より前に案内を出す仕組みが必要です。案内が顧客に届くのが遅れると、その間にほかの工場の広告を見て選び直されてしまいます。

顧客ごとの満了時期を一覧で管理します

入庫した車両ごとに、車検の満了日、前回の点検日、次回の点検の目安を一覧にしておきます。紙の台帳や担当者の記憶に頼らず、月ごとに「来月以降に時期が来る顧客」を抜き出せる形にしておくと、案内の漏れを防げます。 一覧は複雑なシステムでなくても、表計算の表で十分に始められます。

案内は時期の少し前から、段階を分けて出します

車検の案内は、満了日の直前に一度出すだけでなく、少し前の時期に予約の案内を、直前に最終の確認を、というように段階を分けて出すと、顧客が予定を立てやすくなります。案内の中には、前回の入庫で気になった箇所や、次回に交換の目安が来る部品など、その車ならではの情報を添えると、ほかの工場の広告との違いが伝わります。 強化月間の9月と10月は、車検の時期でない顧客にも点検の案内を出す機会として使えます。

入庫した日に次の予約の話をします

次の入庫につなげやすい機会は、入庫して車を引き渡す日です。引き渡しの際に、次回の点検や車検の時期を伝え、予約の目安を一緒に決めておくと、次の案内が届いたときに顧客が迷わずに済みます。 その場で予約まで決める必要はありません。時期の目安を共有しておくだけでも、次の入庫を思い出してもらいやすくなります。

準備3|見積もりと追加整備を事前に説明します

整備工場を選び直す理由として多いのは、料金の分かりにくさと、作業の内容が説明されないことへの不安です。見積もりの段階と作業の途中で、何にいくらかかるのかを丁寧に説明することが、次も選ばれる理由になります。

法定費用と整備費用を分けて見積もります

車検の費用には、自動車重量税や自賠責保険料、検査手数料などの法定費用と、工場の点検・整備にかかる費用が含まれます。見積書ではこの2つを分けて示し、整備費用の内訳を作業ごとに書いておくと、顧客はほかの工場の見積もりと比べやすくなります。 法定費用のうち検査手数料は、指定工場で車検を受けるか、車検場に車を持ち込むかで数百円変わります。この違いも添えておくと、顧客が比べるべきなのは主に整備費用の部分だと分かります。

追加の整備は作業の前に同意を取ります

点検の途中で交換が必要な部品や追加の整備が見つかったら、作業を進める前に顧客へ連絡し、内容と費用を説明して同意を得てから作業する流れにしておきます。同意を得ずに作業を進め、引き渡しの際に追加の費用を伝える形は、金額が小さくても顧客の不信感につながります。 急ぎでない整備は、次回の入庫時に回す選択肢も示しておくと、顧客が自分で判断できます。

交換した部品は見せて説明します

交換した部品を顧客に見せたり、作業前後の状態を説明したりすると、作業の必要性が伝わりやすくなります。部品の状態を言葉だけで伝えるより、実物や作業の記録を見せながら説明するほうが、顧客は作業の価値を理解しやすくなります。 説明の時間が取れない場合でも、交換した部品と理由を書いた簡単な記録を渡すだけで、次の入庫の判断材料になります。

次の入庫につなげる3つの準備

案内の仕組みと見積もりの説明が整うと、次はそれを自社サイトでどう伝え、新しい顧客との最初の接点をどう作るかが課題になります。

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自社サイトとGoogleビジネスプロフィールで最初の接点をつくります

新しい顧客は、近くの整備工場を検索し、自社サイトやGoogleビジネスプロフィールを見て候補を絞り込みます。この段階で工場の種類、対応できる作業、予約の方法が分かるようにしておくと、最初の入庫につながりやすくなります。

対応できる作業と車種を具体的に書きます

車検、法定点検、一般整備、板金塗装、タイヤ交換など、工場で対応できる作業をページごとに書き分けます。対応できる車種や得意な作業に加え、対応していない作業も明記しておくと、問い合わせの段階でのミスマッチを減らせます。 作業の所要時間の目安や、代車の有無と条件も、顧客が予約を決める前に知りたい情報です。

SEOやMEO、リスティング広告の仕組みと選び方は、次の記事で解説しています。

関連記事:【初心者向け】Web集客の方法14選!自社に合った選び方を解説

Googleビジネスプロフィールは営業時間と予約方法を正確にします

整備工場は顧客が車を持ち込む店舗型のビジネスのため、Googleビジネスプロフィールでは工場の住所と営業時間を正確に示すことが基本になります。定休日や年末年始の営業、車の受付時間と引き渡し時間の違いなど、来店の前に知りたい情報は実態と一致させておきます。 工場の外観や作業場、待合スペースの写真を載せておくと、初めて来る顧客の不安を和らげられます。

口コミには作業の内容を踏まえて返信します

口コミは、整備の品質を外から判断しにくい顧客にとって重要な材料です。感謝の言葉にも、指摘を含む口コミにも、作業の内容や工場の対応方針を踏まえて具体的に返信すると、次に読む顧客に工場の姿勢が伝わります。 口コミの投稿を依頼する場合は、顧客が自発的に感想を書く形を保ち、文面を指定したり投稿と引き換えに割引を渡したりしないようにしてください。

料金表示で守るべき線

整備工場の料金表示でつまずきやすいのは、車検の基本料金の見せ方と、「最安」の使い方です。いずれも、顧客が実際に支払う金額と表示の印象が食い違うと、入庫後のトラブルにつながります。

車検の料金は総額と内訳が分かるように示します

消費者に向けてあらかじめ価格を表示する場合、消費税額を含めた総額での表示が義務づけられています。車検の料金を示す場合は、整備費用だけの金額なのか、法定費用を含む金額なのかを明確にし、下限の金額だけを示すなら、どの条件でその金額になるのかを同じ場所に書いてください。 整備費用だけを大きく示し、法定費用の存在が分かりにくくなる表示は避けてください。

参考:No.6902「総額表示」の義務付け|国税庁

「地域最安」「追加料金なし」は根拠と条件が必要です

客観的な調査に基づかない「地域最安」の表示や、実際には点検の結果によって追加の整備が発生するのに「追加料金なし」とうたう表示は、景品表示法の有利誤認表示に当たる可能性があります。追加の整備が発生しうることと、その場合は作業の前に説明して同意を得ることを、料金の表示と同じ場所に書いておくと、表示と実際の食い違いを防げます。 表現の可否に迷う場合は、弁護士など法務の専門家に確認してください。

参考:有利誤認とは|消費者庁

車検料金の表示の線引き

よくある質問

自動車整備工場の集客で迷いやすい点を、質問と答えの形でまとめました。

集客で最初に手をつけるべきことは何ですか

入庫した顧客ごとの車検の満了日と点検の時期を一覧にし、月ごとに案内すべき顧客を抜き出せる形にすることです。次の入庫を確実に案内できる仕組みが、広告に頼らない売上の土台になります。

認証工場でも車検の顧客を集められますか

集められます。認証工場では整備したうえで車検場に車両を持ち込む流れになるため、その流れと顧客が車を預ける日数を具体的に説明することが大切です。顧客が知りたいのは工場の区分より、自分の車検がどう進むかです。

車検の案内はいつ出せばよいですか

満了日の直前に一度だけ出すのではなく、少し前に予約の案内を、直前に最終の確認を、というように段階を分けて出すと顧客が予定を立てやすくなります。引き渡しの際に次回の時期を伝えておくことも効果的です。

車検の料金を安く見せる表示は問題になりますか

整備費用だけを示して法定費用の存在が分かりにくい表示や、根拠のない最安の表示、追加の整備が発生しうるのに追加料金なしとうたう表示は、有利誤認表示に当たる可能性があります。総額と内訳、条件を同じ場所に示してください。

まとめ

自動車整備の集客は、新しい顧客を集めることより先に、時期の決まった需要のたびに同じ顧客から選ばれ続ける仕組みを整えると、広告に頼らない売上の土台ができます。国が毎年9月と10月を点検整備の強化月間としていることも、工場から案内を出す機会として使えます。

最初にやることは、入庫した顧客ごとの車検と点検の時期を一覧にし、次回の案内を段階的に出す仕組みをつくること。次に、認証工場か指定工場かという工場の区分と、見積もりの内訳や追加整備の同意の取り方を、顧客に分かる形で示すこと。この2つが揃えば、自社サイトやGoogleビジネスプロフィールでの見せ方、料金表示の見直しも、同じ信頼の材料の上で進められます。

一度入庫した顧客が次も選んでくれる工場は、説明を丁寧に重ねてきた工場です。案内の仕組みづくりから自社サイトの見直しまで通しで進めたい場合は、malnaへの問い合わせからご相談ください。

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執筆者情報

malnaブログ編集部

writer malnaブログ編集部 webマーケター / データアナリスト
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