【初心者向け】ウェビナーのリード獲得・運用と商談化の流れをご紹介

ウェビナーを開催すれば新規リードがどんどん増える…そう期待していませんか?

確かにウェビナーは地理的制約なく多くの見込み客と接点を持てる有力な手法です。しかし、ただ闇雲に実施するだけでは「思ったほど新規顧客が増えない」という壁に直面する企業も少なくありません。

実際、自社メール告知に頼ったウェビナーでは参加者の7〜8割が既存リードだったというケースもあり、新規開拓には一工夫が必要です。

では、どうすればウェビナーで効率的に新規リードを獲得し、商談・受注につなげられるのでしょうか?本記事ではその答えを徹底解説します。企画段階の戦略設計から集客チャネルの選び方、当日の運営のコツ、終了後のフォロー方法まで網羅し、さらに実際に大量リード獲得に成功した最新事例から学ぶポイントも紹介します。

単発開催で終わらせず継続運用で成果を伸ばす視点や、他チャネル・他社施策と組み合わせてウェビナーを自社の安定したリードジェネレーションの柱に育てる戦略までカバーする完全ガイドです。ウェビナーでの新規リード獲得に悩むマーケ担当者の方は必見です。

参考:https///blog/19575

目次

なぜウェビナーはリード獲得に効果的なのか?

ウェビナーは、単なるオンラインイベントではなく、BtoBマーケティングにおいてリード獲得の考え方そのものに適した施策として注目を集めています。現在は、従来のように営業主導で情報を届けるだけでは不十分になっています。見込み顧客がどの段階で、どのような情報を求めているのかを理解し、その検討プロセスに自然に入り込める施策である点が、ウェビナーが評価されている大きな理由です。

BtoBマーケティングにおけるリード獲得の前提が変化している

BtoBマーケティングを取り巻く環境はここ数年で大きく変化しています。リード獲得施策の成果は、単に連絡先をどれだけ集められたかではなく、その後どれだけスムーズに商談へつなげられるかで判断されるようになりました。この背景には、購買行動そのものの変化があります。

買い手主導で情報収集が進むようになった

現在のBtoB購買では、見込み顧客が営業と接触する前に、自ら情報を収集し、課題や解決策の方向性をある程度固めているケースが一般的です。Web検索や比較サイト、SNS、第三者メディアなどを通じて情報を得ることが当たり前となり、企業側が一方的に情報を届ける余地は小さくなっています。

そのため、買い手が「知りたい」と感じているタイミングで、有益な情報を提供できる場を用意することが重要になっています。

他のリード獲得施策では限界が生じやすい

多くの企業が広告や展示会、資料ダウンロードといった施策に取り組んでいますが、それぞれに構造的な制約があります。これらの施策はリード獲得に一定の効果がある一方で、検討フェーズを前に進めるという点では限界を感じやすいのが実情です。

オフライン施策はスケールとコストに制約がある

展示会や対面セミナーは、直接的な接点を作れる反面、開催場所や日程に左右されやすく、接触できる母数に限界があります。

また、出展費用や人件費などのコストがかさみやすく、リード単価が高くなりがちです。その結果、獲得できるリード数や継続的な実施に制約が生まれやすくなります。

広告・資料ダウンロードは検討度の判別が難しい

オンライン広告やホワイトペーパーによるリード獲得は、幅広い層にアプローチできる一方で、見込み顧客の検討度合いを把握しづらいという課題があります。

ダウンロードという行動だけでは、情報収集の初期段階なのか、具体的な比較検討段階なのかを判断することが難しく、その後のフォローが画一的になりやすくなります。

ウェビナーは「検討を前に進めた状態」で接点を持てる

ウェビナーの最大の特徴は、参加者が自ら時間を確保して参加するという点にあります。この行動そのものが、一定の課題意識や関心を持っている証拠となり、他の施策よりも検討度の高い状態で接点を持つことができます。

参加行動そのものが課題意識の表れになる

ウェビナーへの参加は、単なるクリックや資料請求と異なり、視聴時間を確保する必要があります。そのため、参加者は何らかの課題や関心を持っているケースが多く、獲得時点で一定のフィルタリングが自然にかかっています。

この点が、商談につながりやすいリードを生み出す要因となっています。

テーマ設計によって検討フェーズを揃えられる

ウェビナーはテーマ設定によって、対象とする検討フェーズをある程度コントロールできます。課題整理を目的としたテーマであれば検討初期層を、具体的な導入事例や活用方法を扱えば比較検討層を集めることができます。

これにより、参加者の関心や検討度を揃えた状態で情報提供が可能になります。

行動データから関心度を可視化できる

視聴時間や途中離脱、質問内容、アンケート回答など、ウェビナーでは参加後に多くの行動データを取得できます。これらの情報を活用することで、単なる属性情報だけでなく、見込み顧客の関心領域や温度感を把握し、優先順位を付けたフォローが可能になります。

情報提供と信頼構築を同時に実現できる

ウェビナーは情報提供にとどまらず、企業や担当者への信頼感を醸成しやすい点も大きな特徴です。文章や広告だけでは伝えきれない価値観や専門性を、直接的に届けることができます。

一定時間の接触で理解と納得を促進できる

ウェビナーでは、まとまった時間を使って背景や考え方を丁寧に説明できます。そのため、断片的な情報提供に比べて理解が深まりやすく、参加者の納得感を高めることができます。

この積み重ねが、商談時の説明負荷を下げる効果にもつながります。

双方向コミュニケーションにより関係性が生まれる

質疑応答やチャットを通じて参加者と対話することで、一方通行ではないコミュニケーションが生まれます。これにより、参加者は「相談できる相手」という印象を持ちやすくなり、心理的な距離が縮まります。

専門性の提示が商談前の信頼形成につながる

自社の専門知見や実践的な事例をウェビナーで共有することで、「この会社は信頼できる」という認識を持ってもらいやすくなります。

商談前にこの信頼感が形成されていれば、価格や機能の比較以前に前向きな議論がしやすくなり、結果として商談化率や成約率の向上につながります。

リード獲得に効果的なウェビナーの設計・運用法

ウェビナー施策で成果を上げている企業には、いくつか共通する考え方があります。第一に「顧客視点に立った価値提供」を最重視していることです。ただ自社商品を売り込む場ではなく、見込み客の課題解決や知識欲求に応えるコンテンツを提供することで、結果的に信頼を得て商談につなげています。

第二にマーケティングと営業が一体となったプランニングを行っている点です。後述するように、企画段階からインサイドセールスや営業チームを巻き込み、商談化まで見据えた設計・フォロー体制を整えています。

第三に、一連のフローを重視しPDCAを回していることも共通します。ウェビナーの集客→実施→フォロー→営業連携までを一つのプロセスとして捉え、各段階でのKPIと改善策を設定しています。単発のイベントで終わらせず、得られたデータや反省点を次回以降に反映する姿勢が成果につながっています。

ウェビナー企画段階で押さえるべきポイント

効果的なウェビナーにするには、企画初期の設計が肝心です。以下のポイントを押さえておきましょう。

相手の「状況」に合わせた企画を設計する

ウェビナーを成功させるために大切なのは、いきなり企画を作り始めることではありません。「誰に」届けるかを決め、その人が今「どれくらい導入の検討の余地があるのか」を確かめ、それに合わせた「ストーリー」を組み立てることです。

ターゲットを設定する

「誰に向けて」「何を提供するか」を具体化します。業種・役職などペルソナを定め、その層の抱える課題や興味に合ったテーマを設定します。ターゲットが曖昧だと内容が散漫になり、結局誰の心にも響かないウェビナーになってしまいます。

 

ターゲットを状況別にストーリーを作成する

同じ「仕事に悩んでいる人」でも、状況によって求める情報は違います。まずは今回のターゲットを以下の3つのどこに当てるか決めましょう。

状況 ターゲットの状態 ストーリーの核(メッセージ) 次へのアクション(CTA)
興味関心層 課題が漠然としており、市場の動きを知りたい。 「今、業界で何が起きているか」を伝え、現状維持のリスクに気づかせる。 資料ダウンロード、次回ウェビナー告知、メルマガ配信
情報収集層 課題を自覚し、解決の「やり方」を探している。 どうすれば解決できるか」のノウハウを公開し、自社を専門家と認識させる。 お役立ち資料配布、次回ウェビナー告知、メルマガ配信
比較検討層 具体的な手法を比較し、失敗しない方法を探している。 なぜ自社なのか、どう変わるか」を事例で示し、導入後の成功イメージを持たせる。 個別相談、デモ、勉強会

企画段階で検討すべき5つのポイント

設定したストーリーを決定したら、以下のポイントを磨き上げます。

ファネルに連動したターゲット設定

「どの業界の、どんな役職の人か」という属性だけでなく、「今、どんな壁にぶつかっているか(どの段階にいるか)」まで具体化します。ターゲットが曖昧だと、誰の心にも響かない散漫な内容になってしまいます。

目的とKPIを明確にする

新規リード獲得なのか、既存リードの育成なのか、あるいは商談創出やブランド認知なのか、主目的を決めます。それによって企画や後続フォローが異なるためです。例えば「○件の商談創出」や「ホワイトペーパーDL誘導」など具体的なKPIを掲げましょう。

「参加してよかった」の先を設計する

参加者にとって有益で「参加してよかった」と思える内容にするだけでなく、「この話を聞いた後、参加者にどう動いてほしいか?」を先に決めます。。例えば、「もっと知りたい」と思わせてリード化を狙うケースもあれば、「自社の課題を相談したい」と思わせて個別相談へ。誘導するようなコンテンツを設計します。

営業の人が「後で話しやすい」ストーリーにする

コンテンツには営業が後日フォローしやすい要素を織り込みます。例えば導入事例や課題→解決のストーリーを盛り込み、営業トークと整合性が取れた流れにしておきます。営業担当者とも相談し、「この内容なら商談で続きを話しやすい」という構成にしましょう。

相手に無理のない日時と長さを選ぶ

対象とする業界の業務スケジュールを考慮して日程・時間帯を決めます。一般的には平日中盤の午前~午後早めが参加を得やすい傾向があります。時間も30~60分程度に収め、集中力が持続する範囲に設定します。

集客・告知を設計する

ウェビナーを営業の武器にするためには、まずその目的を「新規のリード獲得」なのか、それとも「既存リードの育成(ナーチャリング)」なのか、明確に切り分ける必要があります。

それぞれの目的によって、集める相手、テーマ、そして活用すべき集客の方法が大きく変わるためです。

新規リード獲得を狙う場合

「ウェビナーでリードを増やしたい」と考える方の多くが求めているのが、この新規獲得です。自社の名刺リストにない新しいお客様を連れてくるためには、自社の中だけで告知していても限界があります。外に網を広げる「攻めの集客施策」を重点的に行いましょう。

他社との共催ウェビナーを企画する

新規獲得において最も即効性があるのが、他社と一緒に開催する共催ウェビナーです。自社とターゲット層が同じで、かつ競合しないサービスを持つ企業と組むことで、相手が持っている顧客リストに対して自社を紹介してもらうことができます。

これにより、自社単独では決して出会えなかった数百人の新しいリードと一気に接点を持つことが可能になります。

SNS広告を活用した集客を行う

FacebookやLinkedInといったSNS広告も、新規獲得には欠かせません。製品の宣伝ではなく「このお悩みがある方への解決策をまとめた勉強会」という形で、ターゲットが欲しがる情報(ノウハウ)をフックに広告を出します。

広告から直接申し込みページに誘導することで、自社を知らなかった層の「名前」と「連絡先」を効率的に獲得できます。

外部メディアやウェビナー告知サイトを活用する

「何か役立つ勉強会はないか」と探している人が集まる外部のポータルサイトや業界メディアに情報を掲載するのも一つの手です。自社のWebサイトにたどり着く前段階の層に対して、専門家としての存在感をアピールし、登録を促すことができます。

既存リード獲得を育成(ナーチャリング)する場合

一方で、すでに出会っているお客様(既存リード)に対しては、手法をガラリと変えます。外に広げるのではなく、今あるリストの「温度感を高める」ための施策を行います。

既存のリストを活用する場合、単に「案内を送る」だけでなく、相手のこれまでの動きに合わせた「特別感」や「段階的なステップ」を用意することが、商談化率を高める鍵となります。

過去の行動に基づいたセグメント配信

すべてのリストに同じ案内を送るのではなく、過去の行動に合わせて送る内容を変える手法です。例えば、以前「特定のホワイトペーパーをダウンロードした人」や「特定の製品ページを何度も見ている人」だけに絞って、そのテーマを深掘りするウェビナーを案内します。

自分の興味にぴったりの内容が届くことで、開封率や参加率は大幅に向上し、商談への期待値も高まります。

ステップアップ形式による継続的な接触

一度のウェビナーで完結させず、複数回に分けた「シリーズもの」として企画する手法も有効です。1回目は基礎知識、2回目は実践編、3回目は導入事例といったように段階を踏むことで、参加者は自然と知識が深まり、自社サービスへの必要性を強く感じるようになります。

回を重ねるごとに「より具体的な悩み」を持つ層が残るため、最終的な商談への移行が非常にスムーズになります。

インサイドセールスと連携した電話でのフォロー

メールを送る前後で、インサイドセールス(非対面営業)が電話で直接アプローチするのも強力な施策です。メールを送った直後に「今回の内容は、以前お問い合わせいただいた〇〇の課題に非常にお役に立てると思いお送りしました」と一言添えるだけで、参加率は劇的に変わります。

また、ウェビナー後のアンケート結果を待たずに、参加中の反応を見て電話を入れるといったスピーディーな連携が、商談獲得のチャンスを逃さないポイントです。

ウェビナー当日の運営とエンゲージメント向上のコツ

十分な数の参加登録が集まったら、いよいよウェビナー本番です。当日の運営次第で、参加者の満足度や今後の商談化率は大きく変わります。ここではウェビナー当日に押さえるべきポイントと、参加者のエンゲージメント(積極的な関与)を高める工夫を紹介します。

双方向コミュニケーションで参加者を引き込む

ウェビナーの最大の価値は、リアルタイムで参加者とコミュニケーションが取れる点にあります。一方的に情報を伝えるだけでは、視聴者は受け身になりやすく、集中力や満足度も下がりがちです。

参加者を巻き込んだインタラクティブな進行を行うことで、理解度や印象度が大きく向上し、結果としてウェビナー全体の評価も高まります。

飽きさせないプレゼンテーションの工夫

オンライン環境では、対面よりも参加者の注意がそれやすくなります。どれだけ内容の優れたコンテンツであっても、伝え方を誤れば印象は弱まり、途中離脱につながりかねません。

そのためウェビナーでは、内容そのものだけでなく、プレゼンテーション手法にも十分な工夫が求められます。

冒頭で参加者を引き付ける構成を意識する

ウェビナー開始直後の数分は、参加者の集中力を左右する最も重要な時間帯です。自己紹介や会社説明に時間をかけすぎず、本題のメリットや結論にあたる部分を先に提示することが効果的です。

いわゆるPREP法を意識し、「本日お持ち帰りいただけるポイントは何か」を最初に示すことで、参加者は聞く姿勢を整えやすくなります。

ビジュアルを活用して直感的に理解させる

オンラインでは、文字情報だけのスライドは理解負荷が高くなりがちです。図解やグラフ、画像を取り入れることで、内容を視覚的に伝えやすくなります。製品デモの画面やスクリーンショット、具体的な事例の写真などを用いると、抽象的な説明も一気に理解が進みます。

アニメーションや強調表示を適切に使い、話の流れに合わせて視線を誘導することも有効です。

トラブルへの備えと録画の活用

ウェビナー当日は、どれだけ準備をしていても予期せぬトラブルが起こる可能性があります。しかし、事前の備えと適切な対応を行えば、影響を最小限に抑えることができます。むしろ、トラブル発生時の対応こそが、参加者からの信頼を左右する重要なポイントになります。

配信中に起こりやすいトラブルを想定しておく

オンライン配信では、参加者側で映像や音声が聞こえない、スライド共有が停止する、講演者の回線が不安定になるといったトラブルが起こりがちです。これらは決して珍しいものではなく、あらかじめ「起こりうる前提」で想定しておくことが重要です。

事前リハーサルを行い、機材や操作手順を確認しておくことで、トラブル発生のリスクを下げられます。

トラブル発生時の対処方法を事前に共有する

万一トラブルが起きた場合に備え、参加者にも対処方法をあらかじめ伝えておくと安心感が生まれます。たとえば、開始時に「映像や音声が止まった場合は、一度退出して再入室してください」と案内しておくだけでも、参加者は落ち着いて対応できます。

事前共有があることで、トラブル時の混乱や不安を抑えることができます。

録画を活用して次回以降の改善につなげる

録画を見返すことで、進行の良かった点や改善すべき点を客観的に分析できます。話し方や時間配分、参加者の反応などを振り返り、次回のウェビナーに反映することで、回を重ねるごとにクオリティを高めることができます。

なお、録画にあたっては事前に参加者へ許諾の案内を行い、安心して視聴できる環境を整えることも忘れないようにしましょう。

ウェビナー実施後のリード育成と営業連携が成果を左右する

多くのマーケターが指摘するように、ウェビナーは終了した瞬間からが勝負です。ライブ配信自体は単なるきっかけであり、ROI(投資対効果)は終了後のフォロー施策によって決まります。もしウェビナーを実施しただけで満足し、その後のアクションを取らなければ、せっかく集めたリードも冷めてしまい商談にはつながりません。

ウェビナー後には速やかに参加者へお礼と追加情報を提供し、興味を育てていく必要があります。また営業チームとの連携もこのタイミングで重要になります。言い換えれば、ウェビナーは「リード情報を集める場」であり、その後の育成とアプローチによって初めて商談・受注という成果に結実するのです。

マーケと営業の分断が起こりやすいポイント

ウェビナー後のフォローでありがちな失敗が、マーケティングと営業の分断です。具体的には以下のようなポイントで連携ミスが起こりがちです。

リードの引き渡しタイミングが最適ではない

マーケ側は「十分育成してから渡すべき」と判断してフォローを継続する一方、営業側は「早く渡してほしい」と感じているケースがあります。逆にマーケが基準なくリードを渡すと、営業は優先度が判断できず追いきれないという事態も起こります。

リード情報の不足

マーケティングから営業へのリード共有において、ウェビナー参加者の関心テーマや質問内容などが十分伝わらないと、営業は手探りでコンタクトすることになります。これではせっかく築いた信頼を活かせず、最初から営業電話をかけるのと差がなくなってしまいます。

目標/KPIの不一致

マーケはMQL(マーケティング獲得リード)数、営業はSQL(商談化リード)数や受注数というように評価指標が異なると、ゴールの共有が難しくなります。マーケはリード数重視で質が低くなり、営業はリードを追わなくなる、といったミスマッチが生じます。

ウェビナー後のリード評価・スコアリング設計

ウェビナー終了後に実施する参加者アンケートは、リードの熱量やニーズを測る貴重な機会です。アンケート設計次第で、その後のフォローの精度が大きく変わります。取得すべき主な情報は以下のとおりです。

満足度・関心度の把握

「セミナー内容は役に立ったか」「解決したい課題は何か」など満足度や課題感を問う設問で、参加者の関心領域を探ります。自由記述で感想や疑問点を書いてもらえば、そのリードごとの興味ポイントがわかります。

ニーズの顕在度

今回のテーマに関連して「導入意向」や「検討段階」を尋ねます(例:「関連ソリューションの導入予定は?→3ヶ月以内/半年以内/未定」など)。購買意欲の高さを直接測る質問です。また「個別相談を希望しますか?」といった項目で商談化の意思確認もできます。

属性情報

登録フォームで取得した項目以外に、役職や部署、企業の課題感など営業に役立つ情報を聞くことも有効です。ただし質問が多すぎると回答率が下がるため、本当に必要なものに絞りましょう。

フォロー許諾

「後日営業担当からご連絡してもよいですか?」等、コンタクト許諾も明確に取っておきます。これにYESと答えたリードは優先度「高」と判断できます。

行動データ(視聴時間・質問・資料DL)の活用

ウェビナー参加者の行動データもリード評価に欠かせません。具体的には以下のようなデータが参考になります。

視聴時間・離脱タイミング

何分視聴したか、途中退出したかを確認します。最後まで視聴=関心度高、と判断できますし、早々に離脱していれば温度感は低めです。長時間視聴者はホットリード候補として注目しましょう。

質問・発言内容

チャットやQ&Aでどんな質問をしたかは、そのリードのニーズそのものです。質問が具体的なほど課題感が強い証拠と言えます。例えば「○○の導入コストは?」など具体的質問をした人は、フォロー時に詳しい説明や提案を行うことで商談につながる可能性が高いでしょう。

資料ダウンロード状況

ウェビナー後に提供した資料(講演スライドや関連ホワイトペーパー等)をダウンロードしたかどうかも有力なシグナルです。終了直後に資料DLまで行動した人はモチベーションが高く、フォローの優先順位を上げるべきです。

アンケート結果

セミナー中に実施した投票(参加者の課題や興味に関する問い)の回答データも活用します。例えば「最大の課題は何ですか?」の問いで自社ソリューションがカバーする項目を選んだ参加者は、明確な潜在ニーズがあると考えられます。

ホット/ウォーム/コールドの分類基準

収集した情報をもとに、リードをホット(今すぐ商談化が見込める)、ウォーム(将来見込めるが現時点ではやや温度低い)、コールド(潜在ニーズは低い/不明)の3つに分類します。明確な基準は各社の状況によりますが、代表的な判断基準の例を示します。

ホットリード

アンケートで「個別相談希望」「導入意向あり」など具体的ニーズを示している、またはスコアリングで高得点に達したリードが該当します。一般的には「自社の理想顧客プロファイルに合致」かつ「ウェビナーで高いエンゲージメントを示した」リードです。

  • 例:役職が意思決定層で、ウェビナーを最後まで視聴し質問も行い、フォロー許諾も得られている。

ウォームリード

情報収集段階だが将来的にニーズがありそうなリードです。アンケートで「興味はあるが検討はこれから」等の回答があったり、ウェビナー視聴はしたものの具体的アクションは起こしていない場合が該当します。潜在顧客とも言え、継続的な育成でホット化が期待できます。

  • 例:担当レベルの参加者で、視聴はしたが質問なし。アンケートで課題はあるが予算未定と回答。

コールドリード

現時点では商談の可能性が低いリードです。不参加や途中離脱者、アンケート無回答者、明確なニーズが見えない回答(「情報収集目的」など)のリードがこれにあたります。ただし将来状況が変われば検討に入る可能性もあるため、長期的な関係維持は必要です。

  • 例:申し込みしたが当日欠席。あるいは視聴したがアンケートで「現在課題なし」と回答。

ホット・ウォーム・コールドの分類は絶対的な基準ではなく、マーケと営業のすり合わせが重要です。自社の経験上「この条件ならホット」といった基準を明文化し、全員で共通認識を持つようにします。分類基準を明確にすることで、後続の対応(引き渡し or ナーチャリング or 保留)が組織的に進めやすくなります。

MAを活用したスコアリング設計の具体例

上記の分類を効率的に行うには、マーケティングオートメーション(MA)を用いたリードスコアリングが有効です。スコアリングとは各リードの属性情報や行動履歴に点数を割り振り、スコア合計で温度感を数値化する手法です。

具体的なスコアリング設計例を示します。

スコア項目の設定

ウェビナー関連の行動に以下のような点数を設定します。例:「申込登録+5」「当日参加+10」「視聴時間50%以上+5」「質問またはチャット発言+5」「資料ダウンロード+5」「アンケート回答+5」「個別相談希望+20」。

また属性面でも「役職が部長クラス+5」「従業員規模〇名以上+5」など加点し、自社の理想顧客度合いも考慮します。

スコアリング閾値の設定

累計スコアが例えば30点以上をホット、15~29点をウォーム、0~14点をコールドといった形で3分類されるよう閾値を決めます。ポイントは営業が対応できる件数とのバランスで閾値を調整することです。

最初はやや厳しめ(少数だけホット)に設定し、運用状況を見ながら調整すると良いでしょう。

リアルタイム通知の活用

MAとCRMを連携し、ホットリード発生時に自動で担当者に通知が飛ぶように設定します。

RevComm社の例ではライフサイクルステージとスコア定義を設け、閾値を超えてホット認定されたら即座にSDR(インサイドセールス)に通知が届く仕組みにしています。このようにシステムでタイムリーにアラートを出すことで、ホットリードを逃さずフォローできます。

スコアの減衰ルール

ウェビナー後時間が経過して反応のないリードはスコアを徐々に下げる減点ルールも設定します(例:「1ヶ月間反応なし-5」など)。これにより古いリードがいつまでも高スコアのまま残り続けることを防ぎ、常に最新の温度感を反映できます。

以上は一例ですが、MAを活用すれば細かなスコア設計と自動化が可能です。大切なのは営業と協議して実態に合ったスコア定義にすることです。スコアリングによってホットリードを見極め、自動通知で即座にアプローチする仕組みを作れば、リード漏れや対応遅れを最小限にできます。

SDR / ISへの引き渡し設計のベストプラクティス

ウェビナー後、マーケティングで育成したリードのうちホットな層は営業組織(SDR セールス・ディベロップメント・レップやインサイドセールス部門)へ引き渡します。このリード引き渡し(ハンドオフ)のプロセス設計を最適化することが、商談化率を高めるポイントです。

以下、SDR/IS引き渡しのベストプラクティスを解説します。

SDR / ISが求める情報を共有する

マーケティングからSDR/ISにリードを渡す際には、営業活動に役立つ情報を漏れなく共有することが大前提です。先述した基本属性や過去の接触履歴など、具体的な情報を共有する用にしましょう。

ウェビナー経由リードの引き渡し基準

どのリードをSDR/ISに引き渡すかの基準設定も重要です。一般的な引き渡し基準の考え方は以下のとおりです。

スコア/ステージ基準

前述のリードスコアが所定の閾値を超えホット判定となったら引き渡す、あるいはリードステージがMQL(Marketing Qualified Lead)からSAL(Sales Accepted Lead)に上がった時点で営業に渡す、というように定量スコアで基準を設けます。

行動トリガー基準

商談化の意思表示が明確な行動(例:アンケートで「営業連絡希望」回答、資料請求フォーム送信)があったリードは無条件で即引き渡し、といった特定行動をトリガーとする基準です。

属性基準

企業規模や役職が一定以上で将来的な大口案件になり得るリードは、多少温度感が低くても早めに営業に繋ぐ判断もあります。例えば「従業員1000名以上の企業からのリードは即SDR対応」といったケースです。

商談化しやすいリード情報の整理方法

引き渡したリードを確実に商談に結びつけるには、リード情報の整理・共有方法にも工夫が必要です。単に連絡先リストを渡すだけでは不十分で、SDR/営業担当者が即アクションを起こせるような情報提供を心がけます。

リードごとのサマリーシート

前述したような各リードの興味ポイント・課題・温度感を1枚にまとめたシートを作成します。

例えば「○○株式会社 – 経営企画部 部長 山田様:〇月△日ウェビナー参加(60分視聴)、質問:「○○は可能か?」/ アンケート:課題=△△、導入検討時期=半年以内、個別相談希望=Yes」というように、一目で状況が把握できるメモを添付します。これによりSDRはリード背景を理解した上でコンタクトでき、的確なトークでアプローチできます。

CRM上でのタグ付け/メモ

CRMやSFAシステムにリード情報を登録する際、ウェビナー参加履歴や興味テーマをタグやメモで明示します。

例えばリードの「興味トピック」フィールドに「○○, △△」と入力したり、活動履歴ノートに「●月▲日ウェビナー参加:興味=○○、質問=△△」と残します。営業担当者が後で参照したとき、すぐに話題を引き出せるようになります。

CRM上での情報連携・管理ルール

マーケから営業へのリード引き渡しに際し、CRM上での情報連携と管理ルールを明確に定めておくことも重要です。以下、代表的なルール例です。

キャンペーン登録の徹底

CRMのキャンペーン機能等を使い、「●月▲日_ウェビナー_X」というキャンペーンに該当リードを紐付けておきます。これによって営業はそのリードがどの経路で入ってきたか一目で分かりますし、後からウェビナー施策全体の成果測定を行う際にも役立ちます。

リード重複の防止

既存客や既存リードがウェビナーに参加する場合もあります。その際、新規リードとして重複登録しないよう、メールアドレス等でマージ(統合)するルールを決めます。

例えば「既存取引先企業からの参加者は新規リードではなく既存アカウントにアクティビティ追加」など運用を統一します。

ステータス遷移ルール

リードのステータス管理(例:未対応→フォロー中→商談化→失注など)をマーケ・SDR・営業間で統一し、どの時点で誰にオーナーが移るかを取り決めます。

例えば「マーケ(MQL)→SDR(SAL)引き渡し時にステータスを“フォロー中”へ変更」「SDRが商談設定したらステータスを“商談設定”に変更し営業(AE)へアサイン」など、一連の流れをルール化します。

SDR / ISが動きやすくなる運用の工夫

SDR(インサイドセールス)がウェビナー経由リードに対して効率よくアプローチし商談化するには、マーケティング側でSDRが動きやすくなる環境・仕組みを用意しておくことも大切です。以下、具体的な工夫ポイントです。

初回架電・接触タイミングの考え方

SDRによる初回コンタクトのタイミング設計は、リードの印象を左右します。前述のとおりホットリードには極力早く(翌日までに)架電するのが基本ですが、さらに細かな配慮として以下を検討します。

時間帯の工夫

BtoBでは平日の日中、先方が業務時間内に連絡するのが原則ですが、その中でも昼一番(13時台)や夕方前(16時台)など比較的電話がつながりやすい時間を狙います。逆に始業直後や終業間際は避けます。また、リードの所在地の時差がある場合は現地時間を考慮します。

曜日の考慮

火~木あたりが比較的アポイント取りに適していると言われます。月曜朝は週次会議等で忙しく、金曜夕方は気持ちが週末モードになっている可能性が高いためです。ホットリードには可能な限り週中の早い段階でアプローチするよう調整します。

リマインドと組み合わせ

初回電話がつながらない場合、短いメールでフォローしておくのも有効です。「本日お電話いたしました○○です。改めてお時間いただければ幸いです」と一報入れておけば、次回架電時に思い出してもらえる可能性が高まります。

ウェビナー施策でよくある注意点・失敗パターン

ウェビナー施策は有効な反面、運用を誤ると思うような成果が出ないこともあります。ここではよくある注意点や失敗パターンを紹介し、事前に対策を講じられるようにします。

想定した集客数を確保できないウェビナーの典型例

ウェビナーを企画したものの、集客が目標に達しないケースは少なくありません。典型的な失敗パターンとその要因は次のとおりです。

ターゲットが広すぎ・テーマが漠然

集客数を稼ごうと狙いを広げすぎて、「とりあえず誰でも来てください」的な内容になると響きません。結果として誰の関心も強く引けず、申し込みが集まらないという事態になります。解決策は具体的なペルソナと尖ったテーマ設定に立ち返ることです。

告知不足・タイミング不適切

告知開始が遅れたり回数が少なかったりすると、単純に周知不足で集まりません。特に初開催のウェビナーでは認知が低いため、通常より多めの告知量が必要です。またお盆や年度末など多忙時期に実施して参加が伸び悩むケースもあります。開催日選定も大事です。

チャネル偏重(ハウスリスト依存)

自社の既存リストだけに頼ると、新規流入がなく頭打ちになります。しかも既存リストは既に何度も案内を受け取って飽きられている可能性もあります。ある企業では「経験的に100名は集まるはず」と見込んだウェビナーが、蓋を開ければ20名しか集まらなかった例もあります。

原因を探るとハウスリストからのメール集客しか行っておらず、開封・クリック率の低下で想定通りに申し込みが取れなかったとのことでした。集客チャネルを広げない限り新規リード獲得数は伸びないことに注意が必要です。

タイトル・訴求の弱さ

ウェビナーのタイトルが魅力的でないと、興味をそそられず申し込みにつながりません。「○○について」と平凡にまとめただけではなく、「【課題解決セミナー】○○で失敗しないための3つのポイント」のように、具体的なベネフィットや独自性を打ち出しましょう。タイトル次第で集客数は大きく変わります。

以上のような典型例を踏まえ、集客で失敗しないためには早め・広め・魅力的の3拍子が重要です。すなわち早期から多チャネルで告知し、ターゲットに刺さる魅力的なテーマを掲げることです。

仮に初回で目標未達だった場合も、原因を分析(ターゲットのズレ?チャネル不足?時期悪い?など)して次回に改善を反映しましょう。集客は試行錯誤で精度を上げていくものと捉えることも大切です。

視聴後のアクションが商談につながらない原因

ウェビナー自体は盛況で多くの参加者を得たものの、その後の商談化に結びつかないことも起こりえます。考えられる原因をいくつか挙げます。

参加者の本気度不足 

ウェビナーは気軽に参加できる反面、受け手の温度感も様々です。中には「とりあえず暇つぶしに聞いてみた」程度の低関与な参加者もおり、その場合フォローしても商談には発展しません。

実際、ある事例ではウェビナーアンケートで「資料がほしい」「デモが見たい」と回答したリードに営業が連絡したところ、「そんなこと答えていません」「セミナー出ましたっけ?」といった反応が返ってきたケースもあります。参加ハードルが低い分、本気度も玉石混交である点を認識し、むやみに楽観しないことが重要です。

ウェビナー中のCTA不足

商談につなげるには、ウェビナー中に何らかのCTA(Call To Action)を提示し、次のステップを示しておくことが有効です。これがないと参加者は聞いて満足して終わりになってしまいます。

「詳細な個別相談はこちらから」など案内を出さなかった、あるいはアンケートで相談希望を聞かなかった場合、後から営業が連絡しても温度差があり断られる可能性が高まります。

フォローの遅れ

ウェビナー後のフォローメール・電話が遅すぎると、参加者の熱は冷めてしまいます。特に1週間以上空いてから突然営業電話をしても、「どちら様でしたっけ?」となりかねません。

鮮度が命であることを失念し、対応が後手に回った場合は商談機会を逃す原因となります。

リードの質・層のミスマッチ

ウェビナーに集まった層が自社の狙うべきターゲットとずれている場合、いくらフォローしても商談には至りません。例えば学生やリサーチ目的の競合など、本来商談見込みがない層が多かった等です。

この場合は集客段階からターゲット設定を見直す必要があります。

ハウスリストに依存しすぎた運用による弊害

既存顧客や既存見込み客のリスト(ハウスリスト)に頼りすぎたウェビナー運用は、一時的には集客しやすく感じますが長期的に見ると様々な弊害をもたらします。以下、典型的な問題点を挙げます。

既存リードへの過剰アプローチによる関係性の疲弊

自社ハウスリストに対し頻繁にウェビナー案内メールを送り続けると、当然ながらリードは飽きてきます。毎月のように招待が届けば「またか」と感じ、次第に反応しなくなるでしょう。これはリードとの関係性の疲弊を招きます。せっかく築いてきた信頼関係も、「自社の宣伝ばかり頻繁に送りつけてくる」と思われては台無しです。

特に既存顧客に過度な案内をすると、「自分たちは顧客なのに常に新規客向けの宣伝ばかりされる」と不満を抱くこともあります。適切な頻度を超えたアプローチはリードとの関係悪化を招く点に注意が必要です。

反応率低下・解除率上昇によるブランド毀損リスク

疲弊したリードはメールを開かなくなり、クリック率もどんどん低下します。さらに酷い場合は配信停止(オプトアウト)や迷惑メール報告をされてしまい、リスト自体が痩せ細っていきます。メール反応率が落ちると他の健康なリードにも届きにくくなるなど、メール配信全体のパフォーマンスにも悪影響が及びます。

また解除や苦情が増えることはブランドイメージの毀損にもつながります。「○○社のメールはしつこい」と評判が立てば、将来的な新規獲得にも影響しかねません。適切な頻度と内容で価値提供することなく乱発すれば、ブランドへの信頼まで損ない得るのです。

Directマーケ全体の成果悪化(他チャネルへの波及影響)

ハウスリストに過剰送信して反応率が落ちると、その傾向はメール以外のチャネルにも波及します。例えば同じリードが対象の電話架電やダイレクトメッセージなど他の直接マーケ施策にも反応しにくくなります。つまり自社からのコンタクト全般に対するエンゲージメントが低下するのです。

一度「また自社の宣伝か」と思われてしまうと、ウェビナー以外の案内や提案にも耳を傾けてもらえなくなります。

さらにリードが自社からの情報を避けるようになると、Webサイト訪問や資料ダウンロードなど能動的行動も減り、マーケティング活動全体の成果悪化を招きます。ハウスリスト乱用は、最悪の場合「自社のマーケティングに対する見込み客の無関心」という深刻な状態を生みます。

以上のような弊害を避けるため、ハウスリストへの依存度を下げ、新規リード獲得チャネルを常に開拓することが重要です。

メール配信先もセグメントを細かく分けて、本当に関心が高そうな対象に絞る、頻度も調整するなど配慮します。ウェビナー施策は新規獲得と既存育成のバランスをとりながら運用し、決して目先の集客数稼ぎに走って将来の資産(リスト)をすり減らさないようにしましょう。

ウェビナー後の成果測定と改善ポイント

ウェビナーは「実施して終わり」ではなく、実施後の成果測定と改善まで含めて初めて投資対効果を最大化できる施策です。特にBtoBにおいては、ウェビナー直後に成果が数字として可視化されにくいため、「何をもって成功とするのか」を明確に定義しておかないと、感覚的な評価に陥りがちです。

そこで重要になるのが、リード獲得数といった表面的な指標だけでなく、商談・受注といった事業成果に直結するKPIでウェビナーを評価する視点です。ここでは、ウェビナー施策を正しく評価し、次回以降の改善に活かすためのKPI設計の考え方を整理します。

商談化率・受注率で見るKPI設計

ウェビナー施策の成功を評価するには、単にリード数だけでなく商談化率や受注率といった下流KPIで測ることが不可欠です。KPI設計のポイントを解説します。

商談化率を設定

商談化率とは「ウェビナー経由リード数に対する商談発生数の割合」です(例:100件中20件が商談=20%)。この指標を主要KPIに据えることで、リード数だけでなくリードの質にもフォーカスできます。

一般にウェビナー参加者から商談に進む割合は20~40%程度とも言われています。自社ではまず仮ターゲット値を定め、改善の基準にします。

受注率(成約率)を追跡

ウェビナー経由商談の受注率(商談数に対する契約数)も測定します。例えばウェビナー由来の商談10件中2件成約で20%などです。受注率があまりに低ければ、ウェビナーで獲得したリードの質や営業プロセスに課題があることを示唆します。

受注率は商談件数が少ないうちはブレも大きいですが、継続的に追いかけて最終成果の尺度とします。

リード段階からの転換率

登録者→参加者→MQL→SQL→受注といった各ステージの転換率をKPI化します。例えば「登録者のうち参加者◯%」「参加者のうちMQL(マーケ合格)◯%」「MQLのうちSQL(営業合格)◯%」…といった数字です。これによりボトルネック箇所が可視化されます。

参加率が低ければ集客/日程に課題、MQL率が低ければ内容の質やリードの質に課題、SQL率が低ければ営業への引き渡し基準or営業対応に課題、といった診断ができます。

CPLやROIの算出

コスト面の指標として、ウェビナー開催にかかった費用(人件費・広告費等)に対し獲得できたリード数・商談数で1件あたりコスト(CPL Cost Per Lead、CPSQ Cost Per SQLなど)を算出します。これは他施策との投資対効果比較に有用です。

前述の通りウェビナーのリード単価は他チャネルより低いケースが多いですが、実数値で把握しておくことで経営層への説得力も高まります。

KPI設計においては、リード→商談→受注までの一気通貫の数字を見ることが何より重要です。上流指標(集客数など)ももちろん管理しますが、最終成果指標を睨みながらバランスよく評価します。

こうすることで「リードは少なかったが質が高く商談率50%だった」等の成功も見逃さず評価できますし、次回以降の戦略立案にも正しい示唆が得られます。

SDR / IS観点での改善ポイント抽出

ウェビナー施策の改善点を洗い出す際、SDR/IS(インサイドセールス)からの視点は非常に有益です。商談化までのフロントラインにいる彼らのフィードバックをもとに、以下のようなポイントを抽出します。

リードの質に関する意見

SDRが実際にコンタクトして感じた「リードの質感」をヒアリングします。例えば「決裁権者が少ない」「競合製品利用中の企業が多い」「ニーズが漠然としている」などです。これらはターゲット設定や集客チャネルの見直しにつながります。

決裁層が少なければテーマを上流に振る、競合ユーザーばかりなら差別化点をもっと強調する、など改善策が考えられます。

フォロー手応え・トークへの反応

SDRが架電やメールで感じた手応えも貴重です。「ウェビナーの話を出したら思い出してくれてスムーズだった」「アンケートの○○に触れたら興味を示してくれた」逆に「ウェビナーに参加したこと自体忘れていたようだ」等、リード反応の傾向を共有します。

うまくいった点は次回も活かし、悪かった点はウェビナー側の工夫(記憶に残る仕掛け作りなど)に活かせます。

商談移行時の障壁

商談提案まで進めたが成約に至らなかったケースについて、SDRや営業からヒアリングします。「価格感が合わなかった」「導入タイミングが合わなかった」「他社と比較検討で劣勢だった」など理由を集めます。

これらはウェビナーで伝えるべきメッセージ(価格に見合う価値訴求、緊急性の喚起、競合優位性強調)に反映できます。

kakutoku.jp

RevComm社のマーケティング責任者も「成果が出ない場合はリード取得後のフローを可視化し、課題箇所を洗い出す」ことを推奨しています。まさに各段階の障壁を把握し対策するプロセスが改善に直結します。

次回ウェビナーへの改善反映プロセス

最後に、抽出した改善点を次回ウェビナーへ反映するプロセスについて整理します。改善は迅速かつ計画的に行うことで効果を発揮します。

振り返りミーティング

ウェビナー終了後、できれば1~2週間以内に関係者で振り返り会議を実施します。マーケ担当、SDRリーダー、場合によっては営業代表者も交え、データと現場感の双方から良かった点・悪かった点を出し合います。その場で次回への仮改善案まで議論します。

次回計画への組み込み

改善策を次回ウェビナーの計画書・企画書に明記します。担当者ベースでToDoに落とし込み、「誰が何を変更するか」をはっきりさせます。例えば「集客メール件名を○○に変更(担当:マーケA)」「アンケートにXXの質問追加(担当:マーケB)」「スコアリング基準を一部変更(担当:マーケC、承認:営業D)」などです。

実行とモニタリング

次回ウェビナー運用で実際に改善策を実行します。そして集客数やアンケート回答率、商談化率など改善項目に関連する指標を前回と比較し、改善の効果をモニタリングします。良い変化が見られれば成功、変わらない場合は他の要因を再考します。

ナレッジ化・標準化

効果があった改善はナレッジとして蓄積し、以降のウェビナー運用の標準プロセスに組み込みます。例えば「アンケートには必ずXX設問を入れる」「ホットリードには翌日中に電話するルール」など、成功パターンをデフォルトにしていきます。

このような改善反映プロセスを毎回実施することで、ウェビナー施策はスパイラルアップしていきます。最初は手探りだった手法も、回を重ねるごとに洗練されて自社の強みとなるマーケティング資産へ成長します。

重要なのは一度で完璧を求めすぎず、小さな改善を積み重ねる姿勢です。機敏にPDCAを回し続ける組織文化こそが、ウェビナーのみならずマーケティング全般の成功要因と言えるでしょう。

まとめ

本ガイドのテーマであるBtoBウェビナー施策について、その要点を改めて整理します。ウェビナーの成果は単にイベントを「開催」しただけでは生まれません。事前の周到な設計と、開催後を見据えた各部門の連携により初めて高いROIが実現します。ターゲット設定・コンテンツ企画・集客・当日運営・フォローアップまで、一連のプロセスをデザインし尽くすことが重要です。

そして、ウェビナー終了後のリード育成や商談化支援こそが勝負どころです。ウェビナーはあくまで起点であり、「設計された仕組み」の中で動かすことでリードが商談・受注へと転換していくのです。闇雲に開催回数を増やすのではなく、一回一回を戦略的に設計・運用することが大切だと言えます。

ウェビナー成功のもう一つの鍵は、マーケティング、SDR(インサイドセールス)、営業の三位一体の運用です。リード獲得から商談創出までの流れを部門横断のチーム戦と捉え、情報と目標を共有して取り組むことが不可欠です。

インサイドセールスチームが企画に入り込み、商談化を目的としたウェビナーを実施しているという事例も紹介しましたが、まさに各部署の境界を超えて協働する姿勢が求められます。マーケがリードを集め、SDRが温め、営業がクロージングする一連の流れは、それぞれがバラバラでは機能しません。

互いにフィードバックし合い、プロセスを最適化していくことで、ウェビナー施策は初めてフルポテンシャルを発揮します。 以上、ウェビナーを活用したリード創出と商談化の完全ガイドをお届けしました。ウェビナーはリード獲得の強力な武器ですが、真に威力を発揮させるには精緻な設計と部門連携が必要です。

本稿のポイントを参考に、自社のウェビナー施策を見直し、マーケティング成果の最大化につなげていただければ幸いです。

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執筆者情報

野中 力斗

writer 野中 力斗 consultant
デジタルマーケティング全般を担当。SEOの戦略設計と実行、コンテンツ制作、SalesforceやHubSpotなどのマーケティングオートメーションツールの運用、データ分析を通じた成果改善に注力。
2023年よりmalna株式会社に参画し、多角的なアプローチでクライアントの成長を支援。
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